▼令和4年 第4回定例会 尾花 康広 一般質問 (令和4年9月8日)

○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広)登壇 本日のトリを務めます公明党の尾花康広でございます。最後まで元気いっぱい行ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 2030年はSDGs、持続可能な開発目標、誰一人取り残さないのターゲット年、目標到達年であります。ウクライナ情勢が混迷を極める中、一地域の紛争がこれほどまでにエネルギーや食糧など、地球規模で大きな影響を及ぼすのか。私たち人類は地球という惑星に住む運命共同体として、いかなる困難があろうとも、連帯してSDGsの目標達成に向けて前進を続けなければなりません。その先頭を日本が、なかんずく福岡市が走り続けてほしいとの思いから、本日のテーマの質問を行ってまいります。
 私は、公明党福岡市議団を代表し、福岡市の脱炭素に向けた取組の加速化と障がい者等の社会参加施策の推進の2点について質問をいたします。当局の前向きな答弁に期待するものであります。
 さて、世界において脱炭素化への動きが加速化しております。本年7月18日には、海抜の低い太平洋島嶼国が存続に関わる脅威として、気候変動の悪影響から現在と将来の世代の権利を守るため、各国の義務の明確化を国際司法裁判所に求めたとのことであります。また、7月27日、日本政府においては、ロシアのウクライナ侵略の長期化により、日本のエネルギーの安定供給の再構築に必要となる方策の検討と、脱炭素に向けた経済、社会、産業構造の変革を図るため、GX、グリーントランスフォーメーション実行会議が開催されております。こうした情勢を踏まえ、環境省は太陽光発電導入を2030年度までに設置可能な国施設の50%以上の導入を目指す基準を示し、各自治体に同様の取組を求めております。
 国の調査によれば、2021年10月時点では92.8%の自治体が太陽光発電設置可能施設を把握していないとのことでしたが、本市の設置可能施設調査の進捗状況をお答えください。あわせて、福岡市において50%以上の設置を促進していただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
 
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 市有施設における太陽光発電設備の導入に向けた調査につきましては、令和4年度は設置可能な施設への導入規模を把握することとしており、現在、建物の屋根の面積や形状、日射条件などの施設の状況を調査しているところでございます。太陽光発電設備につきましては、福岡市役所地球温暖化対策率先実行計画において、2030年度までに設置可能な施設の50%以上に設置することとしており、令和4年度の調査結果も踏まえ、導入を推進してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) また、環境省は、自治体の地中熱利用を促進するために、自治体が庁舎や学校など大規模施設に地中熱利用の冷暖房導入の参考となる内容を新たに盛り込む考えを示すために、ガイドラインを今年度中に改定するとのことです。
福岡市の庁舎や学校などの地中熱利用の状況をお答えください。あわせて、さらなる設置の促進を図るべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 地中熱利用につきましては、福岡市市有建築物の環境配慮整備指針において、建物を新築する際に、地中熱を利用した空調や換気の導入について検討するよう規定しており、令和3年度までに青果市場、なみきスクエア、8つの小中学校の合計10施設に導入しております。また、令和5年3月に開業を予定している地下鉄七隈線の櫛田神社前駅の空調に地中熱を利用することとしており、引き続き地中熱の利用を図ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 次に、総務省は脱炭素の取組の重点支援として、地域経済循環創造事業交付金(ローカル10,000プロジェクト)の国庫補助率を2分の1から4分の3に引き上げております。他の政令指定都市などでは活用が進んでいるようですが、福岡市において、この交付金を活用したプロジェクトはないとのことであり、この交付金の活用をしっかり図っていただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 地域経済循環創造事業交付金につきましては、民間事業者等による地域密着型事業の立ち上げを支援するため、事業化の段階で必要となる施設整備費等の費用を支援するものであり、事業者等において本交付金の活用の検討が図られるよう、脱炭素に係る国の各種支援制度とともに周知を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 次に、全国知事会においては、公用車は原則電動にと、脱炭素化で行動宣言を発出し、都道府県が新たに導入する公用車については、原則全て電動車への切替えを目指すとしております。
福岡市の公用車のEV、PHEV・プラグインハイブリッド、FCV・燃料電池自動車の導入状況をお答えください。あわせて、福岡市においても、新たに更新する公用車は、全てこれらの脱炭素化に貢献できる車種にすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車の導入状況につきましては、令和3年度末時点で、職員が使用する一般の庁用車として22台導入しております。庁用車の脱ガソリン車への切替えにつきましては、新規に導入、または更新する際に、電気自動車等の導入を各車両の利用用途も踏まえながら検討し、切替えを進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 次に、指定都市自然エネルギー協議会においては、再エネの主力電源化を提言し、国内の再生可能エネルギーの電源構成比率を2030年度までに少なくとも45%にすることを国に求めております。
福岡市においても、再生可能エネルギーの利用を拡大し、2030年度までにその利用率を45%以上達成していただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 再生可能エネルギーの利用につきましては、令和4年8月に改定した福岡市地球温暖化対策実行計画におきまして、市域における再生可能エネルギーの利用率を2030年度までに45%とする成果指標を設定しております。太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの導入推進と再エネ由来電力等の利用拡大という両面の取組によって、再生可能エネルギーの普及拡大を図ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 最近、温暖化対策で福岡市は九州電力や西部ガスと連携協定を行い、先進的な脱炭素のまちづくりや電気自動車の導入促進などに取り組み、温室効果ガス排出を実質ゼロとするカーボンニュートラルを達成するとしております。
この連携協定の狙いと内容、今後の具体的な取組をお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 九州電力株式会社福岡支店及び西部ガス株式会社との間でそれぞれ締結した地球温暖化対策に関する連携協定につきましては、地球温暖化対策を包括的かつ着実に推進することを目的としたものでございます。協定の内容としましては、市民や事業者の温暖化対策に関する意識醸成や実践行動の推進、市有施設における温暖化対策の推進等に加え、九州電力とは電気自動車導入の促進を、西部ガスとは水素の利活用などを連携事項としております。今後は市民の脱炭素行動に対し、交通系ICカードへポイント付与を行うECOチャレンジ応援事業のメニュー協賛等による実践行動の推進に加え、新たなイノベーションや水素の利活用など、先進的な脱炭素のまちづくりに関する連携、協働などにも取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) ここで私が調査した各自治体の特徴的な取組を紹介したいと思います。
 横浜市、兵庫県、滋賀県など、全国的な広がりを見せておりますが、初期投資なしで太陽光導入、いわゆるゼロ円ソーラーと言われるPPA方式を導入する自治体が増えております。PPA、Power Purchase Agreementとは、電力販売契約という意味で、第三者モデルとも呼ばれ、企業、自治体が保有する施設の屋根や遊休地を事業者が借り、無償で発電設備を設置し、発電した電気を企業、自治体が施設で使うことで、電気料金とCO2排出の削減ができ、設備の所有は第三者、事業者または別の出資者が持つ形となるので、資産保有をすることなく再エネ利用が実現できる画期的な取組であります。
福岡市の公共施設へのPPA方式の導入を加速化すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 福岡市役所地球温暖化対策率先実行計画におきまして、太陽光発電設備の導入に当たっては、PPA方式の活用など、新たな導入手法についても検討を行うこととしております。現在、施設の状況を調査するとともに、PPA事業者の選定要件等について検討を進めているところであり、今後とも市有施設への太陽光発電設備の設置を推進してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 環境省が経済産業省などと連携して進めるPPA活用等による地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業において、太陽光発電設備とともに蓄電池等を導入することが推奨されております。
横浜市などの先行自治体で既に取り組んでいるように、レジリエンスの観点からも福岡市の公共施設へのPPA方式の導入に当たっては、太陽光発電設備とともに、蓄電池や電気自動車を活用したV2Xシステム等の導入を図るべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。あわせて、九電や西部ガスとの連携協定の中でも、ぜひ進めていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) PPA方式の実施に際して、蓄電池を同時に導入した場合は、夜間など太陽光発電設備で発電できない時間帯にも、ためた電力を利用できるというメリットがありますが、その一方で、事業費が上昇するといった側面もございます。レジリエンス確保の観点からは、非常用電源として電気自動車を活用することも考えられることから、PPA方式を活用する際の公募条件等につきましては、他都市で既に実施された公募条件の事例のほか、九州電力や西部ガスをはじめとしたPPA事業者からの意見も参考にしながら、蓄電池等の導入も含めて検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 堺市では、市民が環境に配慮した製品やサービスを選んだ際、スマートフォンアプリを用いて市独自のポイントを付与する取組を進め、政策手法、ナッジを活用しています。福岡市のこうした取組の進捗状況をお答えください。
 
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 福岡市におきましては、環境に配慮した製品や再生可能エネルギー由来の電力購入など、市民が実施する脱炭素行動に対して、交通系ICカードへ最大5,000ポイントを付与するECOチャレンジ応援事業を実施しており、これまでで延べ7,519世帯に参加いただいております。本事業におけるポイント付与額は、他の政令市が実施する同種の事業の中でも最大規模であり、引き続きECOチャレンジ応援事業の推進等により、脱炭素型ライフスタイルの普及促進に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 名古屋市では、SDGs脱炭素花壇、高機能花壇を設置し、CO2削減が期待できる人工土壌、高機能ソイルを活用しています。この人工土壌は、名古屋大学発のスタートアップ企業が開発したもので、原料に炭を含み、それがCO2と吸着し、空気中へのCO2放出を防ぐとのことであります。例えば、花壇にカモミールなど3種類の苗、約750株、1年で計約1,500株を植えたとすると、1株につきCO2約150グラムの削減効果が期待でき、これはガソリン車が1キロ走行した場合のCO2排出量に当たるとのことであります。
これは福岡市の一人一花運動との親和性がある取組であり、脱炭素と流域治水を踏まえた土壌の研究、活用を本市も積極的に進めてはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 脱炭素につながる土壌の研究、活用につきましては、福岡市地球温暖化対策実行計画において、炭素吸収増に関する施策を実施することとしており、土壌への炭素貯留についても、新たな技術開発の動向も踏まえながら、関係局と連携の上、取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 次に、尼崎市は、伴走型で市内中小企業の脱炭素化を現状把握から改善までセットで支援する取組を始めております。まず、対象企業が省エネルギーセンターの省エネ最適化診断を受け、その結果を基に、センターから派遣される専門家が具体的な改善方法や行政の補助制度を活用した設備導入を提案いたします。市は診断や設備導入の各費用を補助します。診断は消費税などを除いた全額、省エネ導入は補助率3分の2、上限100万円、太陽光パネルや蓄電池などの再生可能エネルギー導入は設備能力に応じて一定金額、上限200万円をそれぞれ支給します。専門家の派遣費用も市が負担します。今年度、最適化診断30件、そのうち再エネ導入10件、省エネ導入5件程度の受付を想定しているとのことであります。
 福岡市は、市内に本店を置く中小企業に対し、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルに寄与する新たな製品、サービスの開発などに必要な経費について、最大200万円を補助して脱炭素分野をビジネスチャンスとして捉える企業を支援し、環境・エネルギー関連の技術革新を推進していますが、あくまで脱炭素製品、サービス開発への補助にとどまっております。
経営支援の一環として、これからの脱炭素という時代のニーズに対応するために間口をもっと広げてはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 市内中小企業の脱炭素への取組の支援につきましては、令和4年度から議員御指摘の福岡グリーンイノベーションチャレンジ補助金を設け、企業を支援しており、公益財団法人九州先端科学技術研究所において、製品開発などに関する技術相談にも対応しております。あわせて、4年度においては、カーボンニュートラル資金を新たに創設し、再生可能エネルギー、省エネ設備やEVなどの次世代自動車の導入など、幅広く、金融面からも市内中小企業の脱炭素に向けた取組を支援しております。引き続き、これらの制度の積極的な利用を促進していくとともに、市内中小企業のニーズも把握しながら、より使いやすい制度となるよう検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律が成立いたしました。
改正の内容としては、省エネ対策の加速と木材利用の促進の2本が大きな柱となっておりますが、このうち省エネ対策の加速に関する概要をお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律において、これまで一定規模以上の非住宅建築物につきましては、エネルギー効率が高い空調設備などの導入や建築物の断熱、気密性を求める省エネ基準への適合が義務化されております。今回の法改正の主な内容としましては、令和7年度からこの対象が全ての建築物に拡大されること、また、令和4年10月からは長期有料住宅等の省エネに関する認定基準が引き上げられることなどでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 新築住宅等の省エネ適合基準の義務づけ等が2025年度までに実施されることになったわけですが、東京都は条例化により、先行的な取組を進めております。
福岡市も脱炭素の実現に向けて取り組んでいく上では、条例化とまではいかないまでも、福岡市の建築物や設備に関する補助金の要綱の中には、必ず脱炭素に向けた省エネ基準適合等の項目が入っているという福岡スタンダードの確立を図るべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 住宅都市局が所管しております住宅市街地総合整備事業や木造戸建住宅耐震建替費補助事業等の建築物に関する補助金交付要綱につきましては、国の交付要綱の改正に合わせて、省エネ基準への適合を交付要件とする改正等を行っております。今後、8月に改定した福岡市地球温暖化対策実行計画も踏まえながら、脱炭素に資する誘導策の検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 福岡市においては6月議会で、カーボンニュートラル達成に向けた学校施設のZEB化の更なる推進を求める意見書が全会一致で採択されました。その際の調査で、福岡市においては、エコスクール事業など脱炭素に向けた施設整備が進んでいない状況が分かりました。
福岡市のエコスクールの現状をお答えください。あわせて、環境教育の観点からも学校施設のZEB化など、エコスクールの整備に積極的に取り組んでいただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校の新築、改築時におきましては、これまでエネルギー効率が高い空調設備やLED照明、太陽光パネルの設置など、エコスクールの趣旨に沿った整備を進めてまいりました。今後、福岡市役所地球温暖化対策率先実行計画に基づきまして、さらなる省エネルギー性能の向上に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 市民向けの脱炭素啓発も大事であります。鳥取県は、CO2排出ゼロクリスマスドライブインシアターと銘打ち、家族や大切な人と映画を楽しみながら、地球温暖化の現状を知り、県民みんなで温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするゼロカーボンの啓発を目的としたイベントを実施しております。ドライブインシアターは、米子市内にあるチュウブ YAJINスタジアムの駐車場で午後6時から開催され、参加者は県民限定で、抽選で決めています。EVとPHEVの利用者を優先的に選び、ガソリン車の利用者が参加する場合、県が用意するEVに乗り換えてもらうなどの徹底ぶりであります。上映したのは、米国のアニメーション映画「SING」、約2時間の映画で、上映前に県が進める地球温暖化対策などを紹介しています。ドライブインシアターで使う電力は、EVで給電される電気を活用し、イベントでのCO2排出量はゼロであります。
福岡市でもこうした取組を行い、市民の脱炭素に向けたきっかけづくりを積極的に行っていただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 脱炭素社会の実現に向けましては、脱炭素型ライフスタイルへの転換が不可欠であり、そのための市民向けの啓発は重要であると認識しております。3年ぶりに市役所西側ふれあい広場で開催する予定の環境フェスティバルや電気自動車をはじめとする次世代自動車の展示、試乗会といった多数の来場者が見込めるイベント、今回の実行計画の改定に合わせて新たに作成した市民向けのリーフレットなど、様々な機会や広報媒体をフル活用し、市民の脱炭素型ライフスタイルへの転換に取り組んでまいります。また、より多くの市民の皆様に脱炭素に関する情報を提供できるよう、新たな広報、啓発の手法についても検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 福岡市の脱炭素に向けた取組の加速化に関して、るる述べてまいりました。高知県のように脱炭素の関連施策にKPI、重要業績評価指標を設けることも待ったなしの脱炭素目標達成のためには必要だと考えますが、それと並行して、市民に開かれた脱炭素アクションプランの進行を提案したいと思います。
 福岡市では、市民、企業、大学などの知恵や工夫を取り入れ、オール福岡で人生100年時代に向けて、誰もが住み慣れた地域で、心身ともに健康で自分らしく暮らせる、人もまちもどちらも幸せになれる社会の実現を目指すプロジェクト福岡100を推進しています。福岡100が打ち出された当時、ある自治協議会の会長さんから福岡100の詳しい資料が欲しいと言われ、御自宅にお届けしたところ、福岡市は何か面白いことを始められましたね、とてもわくわくしますねと満面の笑顔で話されたことが思い起こされます。この手法を脱炭素に取り入れ、脱炭素に向けたロードマップを示すと同時に、先日は、ある有識者からフロー型のいかだで水生植物を栽培し、そのことにより水質浄化やCO2削減などを図るお話を聞く機会がございましたが、世間にはいろいろなアイデアや知恵が転がっていることを実感いたしました。
門戸を開き、オール福岡で脱炭素に向けた様々なアクションが進捗していく状況をつくり出してはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 福岡市では、令和4年8月に改定した福岡市地球温暖化対策実行計画において、都市の将来像や2030年度における市域の温室効果ガス排出量の50%削減目標、市民、事業者、行政が行う具体的な取組をまとめたところでございます。計画の推進に当たりましては、温室効果ガスの排出量が多い家庭、業務、自動車に廃棄物を加えた4つの分野を重点的に取り組む分野と位置づけ、部門別の成果指標として世帯や業務分野の床面積当たりのエネルギー消費量、乗用車新車販売に占めるガソリン車の割合、再生可能エネルギーによる設備導入量などを掲げ、毎年度の達成状況を評価、公表、見直しを行いながら、取組を進めてまいります。脱炭素の取組を推進するに当たっては、市民、事業者と一体となった取組が不可欠であると考えており、脱炭素に関連する市の取組を分かりやすく紹介するとともに、市民の方々が持つアイデアなどをお聞きする手法についても検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) プロジェクトのネーミングは髙島市長の得意とされるところでございますが、チカッぱ脱炭・福岡100、バリバリ脱炭・福岡100、単に博多弁を使っただけですけれども、どうかネーミングをしっかり考えていただき、ちなみにここで言う100はRE100、事業で用いる電力を再エネで調達、EP100、事業のエネルギー効率を倍増、EV100、輸送手段の電化を目指すなど、脱炭素達成100%を目指す意味を私なりに込めております。御承知のとおり、2030年度までにCO2排出実質ゼロを目指す第1弾として26件、19道府県の48自治体が選ばれ、都市部では横浜市、さいたま市、静岡市、名古屋市、北九州市が選ばれております。福岡市は脱炭素に向けて、これらの都市に負けないポテンシャルがあると確信しております。どうか福岡市が脱炭素先行地域に選ばれる取組をぜひお願いしたいと思います。
 最後に、髙島市長の脱炭素に向けた取組についての御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 福岡市は、世界や、また日本が目指すカーボンニュートラルに積極的に取り組んでいくために2040年度を目指したチャレンジを掲げておりまして、福岡市地球温暖化対策実行計画を策定いたしました。この計画に掲げますカーボンニュートラルを実装した都市の実現のためには、尾花議員御指摘のとおり、市役所が率先して取組を進めますとともに、分かりやすい情報発信によって、市民や事業者の皆様に共感を広げて、実践につなげていくなど、脱炭素の取組を加速化していくことが重要であるというふうに考えております。引き続き、脱炭素型ライフスタイル、またはビジネススタイルへの転換、そして省エネルギー化の推進、再生可能エネルギーの利用拡大など、もろもろの取組に加えまして、今後、脱炭素先行地域など、国の制度の活用も進めていきながら、目標の達成に向けて取組を加速してまいります。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 次のテーマ、障がい者等の社会参加施策の推進に入ります。
 公明党として、市会、県会、国会のネットワークを生かし、当事者からのお声を基に、これまで障がい者等の社会参加の推進に向けた着実な法整備を図ってきたところであります。
新しい順で並べますと、2022年5月、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の成立、2021年5月、改正障害者差別解消法の成立、2020年4月バリアフリー法改正、2018年12月、ユニバーサル社会実現推進法の成立など、たくさんの動きがございました。それぞれのポイントをお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) 障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法につきましては、障がい者による情報の取得利用、意思疎通に係る施策に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項が規定されております。改正障害者差別解消法につきましては、事業者による社会的障壁の除去の実施に係る必要かつ合理的な配慮の提供について、努力義務から義務とされたほか、国及び地方公共団体の連携協力の責務の追加、障害を理由とする差別を解消するための支援措置の強化が規定されております。改正バリアフリー法につきましては、公共交通事業者などにおけるソフト対策の強化や、心のバリアフリーなど、国民に向けた広報、啓発の推進などが規定されております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律につきましては、ユニバーサル社会の実現に向け、障がい者、高齢者等の自立した日常生活及び社会生活が確保されるための諸施策を総合的かつ一体的に推進することを目的として、国や地方公共団体の責務などを定めるものでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法においては、基本理念として、1、障がいの種類、程度に応じた手段を選択できるようにする。2、地域にかかわらず等しく情報取得、利用、円滑に意思疎通ができるようにする。3、障がいのある人が障がいがない人と同一内容の情報を同一時点で取得できるようにする。4、デジタル社会において、高度情報通信ネットワークの利用、情報通信技術の活用ができるようにする。国や自治体が取り組む施策、責務として、1、機器、サービス開発、提供、習得の支援。2、防災、防犯に関する情報を取得できるようにする体制の充実。3、多様な手段による緊急通報の仕組みの整備。4、意思疎通支援者、手話通訳者などの確保、養成、資質の向上などがうたわれております。
 福岡市は、現在どのような施策、事業を推進しているのか、お伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) お尋ねの法律に基づく施策の実施状況につきましては、まず、視覚障がい者への情報提供として、市からの重要なお知らせなどに音声コードを掲載するとともに、市民や企業に向けて、音声コードに関するチラシや動画を作成して普及啓発をいたしております。また、令和4年8月から携帯電話事業者4社と連携し、視覚障がい者に対して、区役所や市内の携帯ショップなどで音声コードアプリの使い方の支援を行っております。次に、聴覚障がい者に対しましては、意思疎通支援として、手話通訳者や要約筆記者の養成と派遣を行っております。また、4年7月からは聴覚障がい者が区役所に来所せずに必要な相談等を行うことができるよう、ビデオ通話によるオンライン手話通訳を導入いたしております。さらに、視覚障がい者や聴覚障がい者に対して、区役所窓口にタブレットを配置し、文字を拡大するアプリや音声を文字化するアプリを利用して円滑なコミュニケーションが行えるサービスを今年度中に導入することといたしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 次に、改正障害者差別解消法については、例えば、車椅子利用者のために段差に携帯スロープを渡すことなど、合理的配慮の提供がこれまでは努力義務とされていたものが、3年以内に、実質あと2年を切りましたが、地方自治体と同様に、事業者においても義務化が実施されることになっております。
福岡市はこれまでどのような施策、事業を推進しておられるのか、お伺いいたします。また、あわせて、学校施設におけるバリアフリー化についても、どのような施策、事業を推進しておられるのか、お伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) 改正障害者差別解消法に基づく施策の実施状況につきましては、今回の法改正に伴い、現在、国において基本方針の改定が進められていることから、福岡市におきましては、当該基本方針の改定内容を踏まえ、事業者への周知などの具体的な施策を検討してまいります。以上でございます。
 
○福祉局長(中村卓也) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校施設のバリアフリー化につきましては、文部科学省において、令和2年度に車椅子使用者用トイレとスロープは全ての学校に、エレベーターは要配慮児童生徒などが在籍する全ての学校に整備するという目標が示されたところであります。福岡市の小中学校及び特別支援学校における整備状況といたしましては、車椅子使用者用トイレは、既に全ての学校で整備済みであり、スロープなどは172校、エレベーターは37校で整備を終えております。引き続き、未整備となっている学校の整備をしっかりと進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 最近の動きとして、福岡市においても携帯電話4社と連携し、音声読み上げアプリの利用の促進、区役所にオンライン手話通訳の導入、福岡市営地下鉄の障がい児割引をポイント式で改善、遠隔手話通訳サービスの導入など、様々な取組を実施されていることは承知しておりますが、さらに取組を進めるべく、私が調べた各自治体の特徴的な取組を紹介いたします。まず、先ほど我が会派の高木勝利議員の一般質問で言及がございましたが、障害者手帳アプリの利用拡大のためには、その母数となる障がい者が利用しやすい施設やサービスが増えるための具体的な環境整備が必要であります。
全産業のうち、卸売業、小売業、サービス業が占める割合が高い福岡市の特徴を踏まえ、行政としてこうしたところを対象に、これまでにどのような合理的配慮の提供やバリアフリー促進に向けたアプローチを行ってきたのか、お答えください。
 
○副議長(山口剛司) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) 事業者に対する合理的配慮の提供の周知につきましては、障がい当事者団体などの意見を踏まえ作成したチラシやパンフレット、啓発動画を活用した広報啓発を行いますとともに、研修会などを開催しているところでございます。また、事業者のバリアフリー促進に向けた取組につきましては、店舗のバリアフリー化や人的対応のポイントについてまとめたみんなにやさしいお店づくりの手引きによる広報、啓発を行うとともに、出前講座などを行っているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 東京都小金井市では、バリアフリー化など、障がい者のために具体的な合理的配慮を行う市内事業者や団体に助成を行っております。助成する費用は、点字メニューや筆談会話ボードなどのコミュニケーションツール作成、音声拡張器やローカウンター、簡易様式トイレなどの物品購入、手すり設置や段差解消などのバリアフリー化工事、不特定多数の市民が参加するイベントなどへの手話通訳者や要約筆記者の派遣の4種類です。限度額はツール作成が5万円、物品購入が10万円、バリアフリー化工事が20万円、通訳者や筆記者派遣が3万円と設定されております。
福岡市もこのような民間事業者が合理的配慮を提供するための環境整備費用の助成を行ってはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) 民間事業者による合理的配慮の提供につきましては、負担が重過ぎない範囲で、必要かつ合理的な配慮が求められていることを理解していただくことが重要であるため、今後の義務化に当たりましては、民間事業者が対応する際の基本的な考え方を知っていただくための周知や啓発に取り組んでまいりたいと考えております。また、民間事業者のへ支援につきましては、他都市の実施状況なども踏まえ、今後検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 広島市では、障がい者が安心して利用でき、障がい者が住み慣れた地域で安心して生活できるよう積極的に環境整備に取り組む、みんなのお店ひろしま宣言店を募集しています。宣言店については、市のホームページなどで取組内容を公表、周知することで、障がい者差別の解消に向けた機運を醸成しております。宣言店は市内の飲食店や小売店などから幅広く募集し、障がい者対応に関する心構えとして、1、入店、サービス拒否をしない。2、合理的配慮の提供に努める。3、心のバリアフリーを大切にするの3つを設定、それを遵守した上で、店舗に筆談ボードや点字メニューを用意し、手すりやスロープを設置するといった取組を1つでも実施していれば、宣言店に認定いたします。認定されれば、取組内容を記載した宣言書とシンボルマークが入ったステッカーが交付されます。パネルを出しましたけれども、(パネル表示)このシンボルマークは広島市立大学芸術学部の学生がデザインしたものであります。笑顔を中心に様々な人が手をつなぎ、広島の県花でもある紅葉、また、特産品であるもみじまんじゅうが連想されるシルエットになっております。
 高松市では、意思の伝達が難しい聴覚障がい者や発達障がい者らに向けた支援ツールとして、店舗用のコミュニケーションボード、たかまつ楽楽ボードを作成しています。(パネル表示)こういったボードを用意いたしましたけれども、イラストを指すことで注文などの意思の疎通ができます。中央商店街の68店舗が利用しているほか、市のホームページでもダウンロードできます。ボードは2種類で、ゆっくり話してくださいとか、もう一度言ってくださいとか、基本的な表現から(パネル表示)ほかのサイズはとか、ラッピングお願いしますとか、そういった店舗で使える20パターンのイラストで用意されています。イラストは香川大の大学院生が描き、英語、韓国語、中国語でも表記されています。ボード製作は、市と高松中央商店街、香川大の特別支援教育を学ぶ学生らによる連携事業で、学生が店舗にアンケートを実施して、項目を選定し、ネーミングを決めたりしたとのことであります。市によると、新型コロナウイルスの影響で、パーティションの設置や、マスクの着用などが広がったため、市民から大きな声で話したくない、聞こえにくいなどの声が上がったとのことであります。誰もがよりよいコミュニケーションを取れることを目指し、このボードがその一歩になればとしています。
これらの取組を福岡市においても推進してはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) 現在、福岡市では、コミュニケーションを支援するツールといたしまして、聴覚障がい者向けには、筆談などができるよう、区役所などの窓口に耳マークや筆談ボードの設置を促進するとともに、新たにビデオ通話によるオンライン手話通訳を導入いたしております。また、視覚障がい者向けには、携帯電話事業者と連携した音声コードの普及促進に取り組んでおります。障がい者差別の解消に向けた機運を醸成することは重要であると考えており、他都市の事例も参考に、当事者や事業者などと連携したコミュニケーションツールのさらなる充実について検討を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 川崎市では、オリンピック・パラリンピックの開催を、社会に有形、無形の持続的効果を生み出し、長期にわたり、特にポジティブな影響を与えるもの、レガシーとするため、パラムーブメント推進ビジョンを策定し、具体的な取組としては、健常者が障がい者の身になってレストランを利用するバリアフルレストランを2022年度に2回開催して市民の障がい者への理解を深めています。また、エレベーターの設置が難しい市の施設を利用してもらうための対応方法に関する職員研修の実施、スポーツ活動や文化芸術活動への障がい者の参加が少ない場合に、関係者への聞き取り調査や外部の有識者の分析を行うなど、バリアの解消に取り組んでおります。さらに、障がい者雇用を促進するため、特別支援学校で生徒に遅刻をしないなど、基本的な生活習慣を身につけさせるほか、定着支援のために教員が就労先を訪問するシステムをつくり、市職員についても障がい者の雇用率を2021年6月の2.66%から3%に高めることなどを行っております。
 福岡市もこれらの取組を行ってはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) 障がいに関する理解を深めるための取組につきましては、毎年12月に障がい者週間記念の集いとして、障がいのある方とない方が触れ合うためのイベントを実施いたしております。また、小中学校などにおいて、障がい者による講話や車椅子体験などを行う福祉教育を実施しており、今後とも当事者団体の意見を踏まえながら、市民の障がいに関する理解を深める取組を検討してまいります。また、エレベーター設置困難な市の施設の利用支援につきましては、福岡市職員が適切な支援を行うための対応要領やマニュアルを定めており、これらを活用した研修の実施などにより、今後とも適切に対応なされるよう周知を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) スポーツ活動への障がい者の参加促進の取組につきましては、総合体育館や市民体育館において、パラスポーツ体験会等を実施するほか、福岡マラソンでは、車椅子競技に挑戦する中高生への競技用車椅子の貸与や競技指導、視覚障がい者への伴走者の紹介などを実施しております。今後とも、関係者のお声をお聞きしながら、スポーツ活動への障がい者の参加促進に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 文化芸術活動への障がい者の参加促進につきましては、福岡市文化芸術振興財団において、障がい者団体などの御意見を伺いながら、特別支援学校での文化芸術の鑑賞、体験プログラムを実施しております。また、美術館においては、視覚や聴覚に障がいがある方や車椅子利用者を対象とした美術鑑賞ツアーを実施するほか、障がい者も参加しやすいオンライン上で作品を紹介するギャラリートークを開催しております。今後とも、関係者の御意見をお聞きしながら、文化芸術活動への障がい者の参加促進に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 特別支援学校においては、職業科や作業学習の時間をはじめとする教育活動全体を通じて就労に必要な基本的生活習慣の習得に向けた指導を行っております。また、卒業後の定着支援につきましても、卒後3年間を目安に必要に応じて教員が就労先を訪問し、生徒や保護者と面談して助言を行うなどの追指導を行っておりまして、今後とも就労促進に向けた指導の充実と就労後の継続支援に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 地方公共団体における障がい者の法定雇用率は令和3年3月に2.6%へ引き上げられたところでございます。福岡市の障がい者の雇用率は令和4年6月1日現在で2.68%を達成いたしましたが、まずは改正された法定雇用率を確実に上回ることができるよう、雇用拡大の取組を進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 利便性の向上を図るとともに、緊急時の命を守る対策も必要であります。山口県周南市では、市内に住む視覚、聴覚障がい者を対象に、災害時に着用するベストと呼び笛を無料で配付しています。外見からは障がいの有無が分かりにくく、移動や対話が難しい人に対し、避難時や避難所での介護や支援を強化することが狙いです。配付対象者は1級から3級の障害者手帳を持つ市内在住者。ベストの前後には、目が不自由ですなど、障がいの内容を表示できるようにし、夜間対応のため一部に反射材を使用、300着を用意し、事業費は約50万円とのことであります。
福岡市もこのような取組を行ってはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 視覚や聴覚に障がいがある方に対しましては、福岡市では本人の御希望に応じて御自宅の電話やファクスへ避難情報をお知らせする避難情報配信システムにより、情報の提供を行っております。また、避難所においては、受付時に特に配慮が必要な事項を一人一人に確認しており、公民館の和室や学校の諸教室を利用した福祉避難室での受入れを行っているほか、避難所内でのお知らせ事項は、聴覚に障がいのある方にも確実に情報が伝わるよう、掲示板に貼り出すなど、障がいをお持ちの方にも配慮した避難所運営に努めております。さらに、避難時に支援が必要な方については、現在、地域において個別避難計画の作成を進めていただいており、議員御提案の他都市事例も含め、障がいがある方への支援については、地域の方々などの御意見も伺いながら検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 最後に地元の課題にも触れます。
 私の住む東区にはJR香椎線が通っております。福岡市内には西戸崎駅から土井駅まで9つの駅があり、そのうち、香椎駅を除いて8つの駅が無人駅であります。国においては令和2年11月に障がい当事者団体、鉄道事業者及び国土交通省の3者から成る意見交換会が設置され、所要の議論を経て、駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドラインが策定されておりますが、そのガイドラインが描く望ましい無人駅のイメージが、これまで述べてきた一連の障がい者関連の法の趣旨に基づき、JR香椎線で実現される期待が刻々と高まっております。
鉄道事業者に積極的に働きかけ、障がい特性に応じた障がい当事者への適切な情報提供、利用者利便の向上などの実現にしっかり取り組んでいただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 福岡市では、福岡市バリアフリー基本計画等に基づき、鉄道事業者と連携しながら鉄道駅のバリアフリー化に取り組んできたところであり、平成27年3月にJR香椎線の駅が無人化された際にも、カメラやインターホン、遠隔放送装置等による駅遠隔案内システムが導入されております。また、JR香椎線では、令和4年2月から乗務員による乗降介助が試験的に開始され、車椅子利用者が事前連絡なく介助が受けられるようになるなど、国のガイドラインに示された取組が進められております。今後とも、国のガイドラインも踏まえながら、無人駅における安全性や利便性を確保するよう、鉄道事業者にしっかりと働きかけてまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 最近の法改正に沿った障がい者等の社会参加施策の推進について、るる述べてまいりました。最近の障がい者関連の法の趣旨と、努力義務から責務への法の改正の動きを、どうか鋭敏に感じ取っていただき、医療、介護、保健、福祉、教育、労働、交通、電気通信、放送、文化芸術、スポーツ、レクリエーション、その他の関係部局の連携を密にし、オール福岡で障がい当事者等の意見を尊重し、共生社会の実現のため、さらなる実効的な施策を展開していただきたいと思います。
 最後に、髙島市長の障がい者等の社会参加の推進に向けた御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○副議長(山口剛司) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 障がいのある方が社会を構成する一員として、経済、文化、スポーツ等、あらゆる分野の活動に参加するためには、尾花議員御指摘のとおり、障がい当事者等の意見を尊重し、官民を挙げて、オール福岡で取り組むことが重要であるというふうに考えております。福岡市におきましては、視覚障がい者への情報提供を支援するため、今年8月から携帯電話事業者と連携をして、音声コードの普及促進に取り組みますとともに、令和3年12月に改正した福岡市バリアフリー基本計画に基づき、公共交通事業者などとともに、旅客施設や道路などのハード整備や、また、心のバリアフリーの推進を図るなど、障がい者の社会参加の促進に向けて官民連携して取り組んでおります。今後とも、みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサル都市・福岡の実現に向け、障がいの有無にかかわらず、全ての人にとって暮らしやすいまちとなるよう、しっかりと取り組んでまいります。以上です。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
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