▼令和4年 第1回定例会 尾花 康広 補足質疑 (令和4年3月7日)

○23番(尾花康広)登壇 質問に入らせていただく前に申し上げます。ウクライナ情勢についてであります。ウクライナにおいては、日々刻々貴い人命が失われておりますことに大変心を痛めております。核兵器は絶対悪であります。ロシアはウクライナへの軍事侵攻を即時停止し、核で威嚇するのをやめ、無条件で撤退するよう強く求めておきます。そして、世界においてウエルビーイングが一刻も早く達成することを心から祈念させていただき、質問に入らせていただきます。
 私は公明党福岡市議団を代表し、我が会派の高木勝利議員の代表質疑を補足して、ウエルビーイングの向上に資する取組の推進について、1、まちづくり、2、孤独、孤立対策、3、ネット・メディア依存対策の3つの視点から質問いたします。当局の前向きな答弁に期待するものであります。
 さて、ウエルビーイングとは、身体的、精神的、社会的に良好な状態と定義され、経済的な指標であるGDPに代わる新たな社会的な幸福をはかる指標として注目されております。これからの時代の究極の価値観であり、日本も世界もそこに向かっていくと言われております。
 まず、まちづくりに関してですが、本市はこれまでサステーナブル・持続可能性、レジリエンス・強靱性、ユニバーサル・優しさ、インクルーシブ・包摂性、スマート・先進性など、様々なコンセプトを掲げてまちづくりを進めてまいりました。
 そこで、住宅都市局にお尋ねいたしますが、それぞれのコンセプトに基づいたまちづくりがどのように進んでいるのか、象徴的な事例を挙げてお示しください。
 本市が目指す2040年までのカーボンニュートラルの実現のためには、グリーン、風通しのよさ、クリーンエネルギーの活用など、まちづくりにおいて地球環境への保全に取り組むことが必要です。令和4年度に重点的に取り組む内容をお答えください。
 本市が国内外から認知され、高い評価を得るためには国際標準のダイバーシティ・多様性への対応が必要不可欠であります。福岡アジア都市研究所、URCは、2020年度総合研究報告書としてダイバーシティ・ネクストを取りまとめておられます。そのポイントをお答えください。
 また、住む人、働く人、来街者にとっての文化的な魅力づくり、憩いや学び、交流の場の提供などによるストレスフリーの実現、感染症への天神ビッグバンなどにおける対応、地震や気候変動による台風、水害の激甚化などへの防災、減災、BCP・業務継続対策を踏まえたまちづくりに新年度どう取り組まれるのか、お伺いいたします。
 次に、孤独、孤立対策についてですが、地球の有限性、限りがあるということが、エビデンス、科学的根拠を基に次々と明らかにされる中で、次の世代の生き方に関する未来の選択肢を広げることが最重要課題であります。他の国を俯瞰すると、ウエルビーイングががくんと下がる要因は社会的格差であります。その後に社会が不安定化していくことが裏づけられております。日本においても、コロナ禍の長期化により雇用失業情勢が悪化してくるこれからが正念場だと考えられます。
 絆が強調される我が国の孤立率は、米国の5倍、英国の3倍近く、この10年間、小中高生の自殺者数はほぼ一貫して増加傾向にあり、一昨年、小中高生の自殺者数は統計開始以来、過去最多であると伺っております。コロナ禍により、これまでの様々な孤独、孤立に関する課題が深刻かつ顕在化しているのではないかと推察されます。
 そこで、これまで公明党福岡市議団として要望を行い、その対策を訴えてきた幾つかの気になる点をお尋ねいたします。
 本市における自死、特に小中高生の自殺者の状況及びその未然防止に向けた対策をお示しください。
 18歳の壁と言われる、養護施設や里親などの社会的養護下から自立する若者たちが、厚労省が昨年公表した初の実態調査でも、施設などを出た3人に1人は生活費や学費の悩みを抱えていたとされておりますが、本市における状況及び支援対策についてお答えください。
 障がい者の就労継続が困難となる事案の発生も気になるところですが、職場でのテレワークに向けた就労訓練の取組状況をお伺いいたします。
 単身高齢者等への孤独、孤立対策の取組状況についてお示しください。
 コミュニティガーデン、直訳すると地域の庭と呼ばれるものが注目を浴び、国内外で広がりを見せておりますが、その概要及び本市の事例として、アイランドシティにおける取組状況をお示しください。あわせて、他都市の特徴的な取組として千葉県柏市のカシニワ制度が有名ですが、事業の概要をお知らせください。
 難病に指定されていない希少で診断困難な病気に悩む方への孤独、孤立対策の取組状況についてもお答えください。
 成人年齢以上でDV法による支援対象に当たらない方や被養護者ではなく、高齢者虐待防止法の支援対象に当たらない方で、親、兄弟姉妹、子などの親族からの暴力に苦しめられている方への対応状況をお伺いいたします。
 生活が困窮するひとり親世帯に対して、新年度どのような新たな取組を行うのか、お伺いいたします。
 次に、ネット・メディア依存対策についてですが、スマホ、SNS依存と呼んだほうが最近では一般的なのかもしれませんが、新型コロナウイルスはお湯に弱く、26度、27度のお湯でウイルスが死滅するという情報がまことしやかに拡散されたことは記憶に新しいと思いますが、スマホの急速な普及でSNSなどのメディア情報に翻弄される人々が増えているように思えます。
 ネット・メディア依存対策の必要性については、平成26年第4回定例会、平成30年第1回定例会の二度にわたり、重症化すると、例えば精神面で、自殺企図、自殺を企てること、希死念慮、死を願うことなどに至る子どもたちのネット・メディア依存の深刻さと、その対策に喫緊に取り組むことの大切さなどを一般質問で取り上げさせていただきました。
 そこで、確認の意味でお尋ねいたしますが、ネット・メディア依存になった子どもたちには、身体面、精神面、学業面、経済面、家族・対人関係においてどのような問題が発生してくるのか、お示しください。
 最新の調査では、子どもたちのネット・メディア依存状況はどうなっているのか、改善は進んでいるのか、あわせて、その調査を踏まえどのような対策を打っているのか、お答えください。
 このネット・メディア依存は、乳幼児から高齢者までの全世代に広がりを見せているようであります。特にSNSに書かれていることを何の疑いも持たずに拡散し、自ら実践することに飽き足らず、人へ勧め、時には強要する光景を最近身近で見るようになり、一種の恐怖心すら覚えます。
この年齢層に応じたネット・メディアリテラシー啓発の取組状況についても、お知らせください。
 以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は発言者席にて行います。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) まちづくりのお尋ねにつきましてお答えいたします。
 まず、サステーナブルなどのコンセプトに基づく取組でございますが、平成26年度にまちづくりの指針となる都市計画マスタープランを策定し、豊かな自然環境と充実した都市機能を備えたコンパクトで持続可能な都市づくりを掲げ、様々なまちづくりを進めております。
レジリエンスの視点では、防災上安全な市街地の形成に向け、災害時に避難場所となる公園の整備や、都心部では天神ビッグバンなどにおきまして、耐震性が高く、感染症にも対応したビルへの建て替え誘導に取り組んでおります。ユニバーサルやインクルーシブの視点では、ユニバーサル都市・福岡の実現に向け、駅やノンステップバスなど、公共交通のバリアフリー化や障がいの有無にかかわらず、あらゆる子どもたちが一緒に遊べるインクルーシブな遊び場の整備に向けた検討を進めております。
またスマートの視点では、九州大学箱崎キャンパス跡地におきまして、最先端の技術革新による快適で質の高いライフスタイルと都市空間の創出に向けて、Fukuoka Smart Eastの取組を進めております。
 次に、天神ビッグバンなどにおける感染症への対応についてでございますが、ビルの建て替えが進行している都心部において、この機会を捉え、規制緩和を活用し、喚起、非接触、身体的距離の確保、通信環境の充実などを誘導することにより、引き続き安全、安心で最先端のまちづくりに取り組んでまいります。
 続きまして、孤独、孤立対策についての御質問にお答えします。
 コミュニティガーデンにつきましては、国土交通省の都市計画制度小委員会の資料によると「地域住民の自主的な活動により維持管理されるオープンスペース」とされております。千葉県柏市で取り組まれているカシニワ制度は、空き地などを利用したい地域やNPO法人などの団体とその土地所有者を仲介し、それらの団体や土地所有者に対して基盤整備の助成や税控除などの支援を行う制度でございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) まちづくりに関する御質問にお答えいたします。
 脱炭素社会の実現に向けた取組につきましては、複数の局の所管にわたっておりますので、環境局よりまとめて答弁いたします。
 令和4年度は再生可能エネルギーの利用促進、脱ガソリン車への転換、水素エネルギーの活用、森づくりなどに重点的に取り組むこととしております。具体的には、再生可能エネルギーの利用促進につきましては、市有施設で使用する電力を再生可能エネルギー由来電力に切り替えるとともに、太陽光発電の自家消費を促進する蓄電池などの住宅用エネルギーシステムの購入に対する助成について補助枠を拡充して実施いたします。脱ガソリン車への転換につきましては、電気自動車などの購入や急速充電設備設置に対する助成の補助枠を拡充して実施いたします。水素エネルギーの活用につきましては、新たに法人を対象とした燃料電池自動車の購入助成を行うとともに、下水バイオガスによる水素ステーションの機能強化、民間事業者と連携した燃料電池自動車の導入などに取り組んでまいります。森づくりにつきましては、間伐などの森林整備や公共建築物での地域産木材の利用を推進してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) まちづくりについてお答えします。
 福岡アジア都市研究所の令和2年度総合研究報告書につきましては、先の見えない時代にあっても、福岡市が創造性豊かで活力ある都市であり続けるために必要な要素としてダイバーシティの深化に着目したもので、性別や国籍など従来の属性のダイバーシティにとどまらず、人々の習慣や暮らし、学びや楽しみなどにおいて多様であること、そして、その多様な選択肢が存在することをダイバーシティ・ネクストと定義した上で、多様なキャリア形成、文化的活動、次世代の育成という分野において、その実現に向けて必要となる取組をまとめたものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) まちづくりに関する御質問にお答えします。
 文化的な魅力づくりにつきましては、令和4年度は経済的な価値にとどまらない多様な魅力が輝く彩りのあるまちを目指し、FUKUOKA Art NEXTを推進してまいります。市民が身近にアートに触れる機会を創出するとともに、国際的なアートフェアの開催やアーティストの創造活動と成長支援を行うアーティストカフェの開設など、産学官が連携し、アート分野におけるスタートアップ推進に取り組んでまいります。また、福岡市文化芸術振興財団にアーツカウンシルを設置し、文化芸術活動者の支援の充実に取り組むとともに、文化芸術の鑑賞、体験機会の充実を図るなど、文化芸術による都市の魅力向上に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) まちづくりに関する御質問にお答えいたします。
 学びの場の提供につきましては、このコロナ下を契機として、社会のデジタル化が加速する中、学びの在り方も変化してきており、今後とも、多様な市民の学習活動を支援してまいります。次に、主な防災、減災などの取組につきましては、自治会、町内会を対象とした防災講座や訓練など自主防災活動を促進するほか、ワークショップの実施など、避難行動要支援者の避難支援対策に取り組んでまいります。また、新たに整備した災害対策本部室を活用し、関係機関との連携による全庁的な訓練、研修を実施するなど、防災・危機管理体制を強化してまいります。
 次に、ネット・メディア依存対策に関する御質問にお答えします。
 公民館や市民センターにおきましては、公民館スマホ塾などインターネットに関する講座も開催しております。その中で、ネット・メディア依存対策としてではございませんが、インターネットの安心、安全な利用に関する啓発等も行っております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 孤独、孤立対策についてお答えいたします。
 児童生徒の自殺者の状況については、議員御指摘のとおり、文部科学省が令和3年10月13日に公表した調査結果によると、令和2年度の全国の児童生徒の自殺者数は、令和元年度に比べて増加しております。福岡市における具体的な件数は、御遺族の意向を踏まえ公表しておりませんが、全国と同様の傾向となっております。未然防止に向けた対策については、月1回の学校生活アンケートや個人面談などを実施し、児童生徒の心の状態の把握に努めるとともに、1人1台端末への相談窓口の掲載やスクールカウンセラーによるアウトリーチ支援の実施など、すぐに相談できる体制を強化しております。
 次に、ネット・メディア依存対策についてお答えいたします。
 令和3年9月実施の教育委員会調査において、児童生徒の一部が深夜の時間帯に1人1台端末を利用している実態を確認いたしました。そのため、令和3年10月から不適切なサイトへの接続の制限を強化するとともに、12月からは深夜の時間帯に端末を利用させない仕組みを導入しております。また、各教科や道徳の時間などにおいては、教育委員会が作成したネット依存防止動画等を活用して情報モラル教育を推進しており、保護者に対しても中学校の入学説明会でのメディア啓発リーフレット配布やメディアについて学ぶ学習会への講師派遣などの支援を行っております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 孤独、孤立対策についての御質問にお答えいたします。
 社会的養護から自立する若者の支援については、18歳に達した後も必要に応じて20歳まで児童相談所が支援を延長できる制度や、就労しながら自立を支援する自立援助ホーム事業、22歳まで就職または進学をしながら施設や里親等の支援を受けられる社会的養護自立支援事業を活用し、継続して支援を行っております。また、施設を退所して就職や進学をする場合に、国から支給される支度金とともに、福岡市独自に自立促進事業として給付を行っているほか、就職、進学時や家を借りる際の身元保証人確保対策事業を実施しております。
 次に、成人年齢以上でDV法による支援対象に当たらない方への支援については、親や兄弟姉妹、子などからの暴力を受けている場合には、婦人保護事業において区の家庭児童相談室での対応を行っております。
 次に、ひとり親世帯に対する令和4年度からの新たな取組については、児童扶養手当を受給している世帯における小学5年生から中学3年生までの子どもを対象に、文化、スポーツ教室などの習い事にかかる費用を助成いたします。また、高等職業訓練促進給付金について、20歳未満の子を3人以上養育している非課税世帯に対し、3人目以降の子ども1人につき月額1万円を加算するほか、ひとり親家庭向けの情報を集約した分かりやすいサイトを作成し、必要な情報に簡単にアクセスできるよう情報発信を強化してまいります。
 次に、ネット・メディア依存対策についての御質問にお答えいたします。
 乳幼児期における対策については、子どもの発達とネット・メディアとの関係について保育士等への研修会を実施するとともに、乳幼児健康診査などの機会を捉えて保護者への啓発を行っております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 孤独、孤立対策についてお答えをいたします。
 まず、障がいのある方のテレワークに向けた就労訓練の取組状況でございますが、テレワーク等が可能な障がい福祉サービス事業所は令和4年2月時点で152か所あり、訓練の内容は、基本的なパソコン操作のほか、プログラミングやウェブデザイン、ビジネスマナーなどでございます。
 次に、単身高齢者等への取組状況につきましては、地域見守り活動への支援として、老人クラブによる友愛訪問や校区社協によるふれあいネットワークへの助成などを行っております。また、単身高齢者等を対象に電話で毎日安否確認を行い、相談に応じる声の訪問サービスのほか、孤立死が疑われるなど、異変に気づいたライフライン企業や地域住民等からの通報により安否確認を行う見守りダイヤルを実施するなど、重層的な見守り体制を構築しております。さらに、高齢者が社会の中で生きがいのある生活を送れるよう、趣味や健康づくりの活動、ボランティア、就業など、様々な活動を支援、促進するとともに、地域包括支援センターなどの相談体制を充実するなど、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう取り組んでおります。
 次に、難病に指定されない病気に悩む方への取組につきましては、県が指定した難病診療連携拠点病院である九州大学病院に設置されている未診断・未指定難病相談支援センターにおいて、難病が疑われながら診断がついていない患者やその御家族のため、早期に正しい診断が受けられるよう、専門医のいる医療機関を紹介する相談支援が実施されております。
 なお、難病の指定に当たっては、患者からの申出等を起点とする仕組みについて、国において具体的な議論が行われているものと承知をしておりまして、国の動向を注視しているところでございます。
 次に、親族からの暴力を受けている方で高齢者虐待防止法の支援対象に該当しない方につきましては、地域包括支援センターなどにおいて事実確認を行った上で、状況に応じて適切な制度の活用や関係機関との連携による支援、また、警察への相談についての助言などを行っております。
 続いて、ネット・メディア依存対策についてお答えをいたします。
 ネット・メディア依存になった子どもに起こる問題につきましては、厚生労働省指定の依存症対策全国センターの臨床研究によりますと、身体面においては、視力の低下、運動不足による筋力や運動機能の低下、偏った食生活による栄養障がいなど。また、精神面においては、生活リズムの乱れによる睡眠障がい、いらいらや鬱状態、ひきこもり状態など。さらに、人間関係においては、コミュニケーション能力の低下、暴言などによる家族や友人との関係の悪化や孤立化などが発生することがあり、成績の低下や高額なゲーム課金など、学業や日常生活に大きな影響が出る場合もあるとされております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 孤独、孤立対策についての御質問にお答えをいたします。
 アイランドシティにおけるコミュニティガーデンの取組につきましては、NPO法人や地元の団体などで構成する実行委員会が民間所有地を活用した菜園、花壇において、地元住民を対象に生ごみコンポストで作る堆肥作りや菜園講座などを行っているところでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 2回目の質問に入らせていただきます。
 まず、まちづくりについてですが、令和4年度当初予算案の特色は、ぬくもりと彩り、ダイバーシティ・ネクストの概念が実装されることを期待しております。
 さて、本市においては、都心のまちづくりとして、天神ビッグバン、博多コネクティッドが進められております。まちづくりにおいて、ハイクラスのビルに混じって老朽化したビルがそのままの形で点在する光景は何か物足りなさを感じます。全体を底上げするためには、建て替えによるハイクラスのビル群とそれ以外のビル群を、パッケージで有効活用することがポイントだと思います。
 そこで提案ですが、これまでの規制緩和に加えて、リノベーションを誘導する施策のつくり込みが必要だと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 このリノベーションは、人々の習慣、暮らし、学び、楽しみなど、まさにダイバーシティ・ネクストを踏まえた様々な形があってよいと思いますが、特にZEB、ゼロ・エネルギー・ビルの導入拡大、建築物敷地内の緑化の推進、更新時の高効率機器の導入、BEMS、ビルエネルギーマネジメントシステムの普及など、建築物や設備の省エネルギー化を着実に進めていただきたいと思います。
 また、公園、道路、公共空間の平時と非常時の弾力的な活用を前提としたまちづくりも大切であり、思い切ったオープンテラスの整備、屋上利用の再評価なども進めていただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 DX、デジタルトランスフォーメーションが大前提のまちづくりが今後行われていくものと考えます。ブラックアウト、電源喪失などによるオンラインの遮断を回避するシステムの構築が必要となります。
 そこで、住宅都市局にお尋ねいたしますが、エネルギーの分散型及び面的利用の促進に向けて、関係する環境局や市民局と連携を図りながらまちづくりを進める必要があると考えますが、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。
 ウエルビーイングは、イング、ingと進行形の状態を表す指標であります。従来にありがちな竣工まででよしとするのではなく、いい状態で機能しているかどうかという産学官の連携による竣工後のフォロー、不断の見直し体制の構築もぜひ進めていただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、孤独、孤立対策についてですが、今このときも多種多様、多くの市民の方々がコロナ禍の中で悩んでおられ、行政だけではなく、企業、団体、NPO、市民が一丸となった対策が求められている状況であることが分かりました。本市においてSOS支援を求める声を上げやすく、こうした分野でのウエルビーイングの向上に資する取組を行うことが大変重要だと考えます。
成人年齢以上でDV法による支援対象に当たらない方や被養護者ではなく、高齢者虐待法の支援対象に当たらない方に対する虐待等の通報があった際は、一旦受け止めて事実確認等を行った上で、関係機関に確実につないでいく人道的な対応を行っていただきたいと思います。このほか、8050問題など、社会的孤立を背景とした複雑な問題が増加しており、断らない相談窓口、重層的支援体制の充実強化に向けた新年度の取組をお伺いいたします。
 小中高生の自殺予防対策としては、GIGAスクールにおけるタブレット1人1台端末を児童生徒の各種相談業務に有効活用することと併せ、スクールカウンセラーによるアウトリーチ支援を着実に実施することが必要だと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 また、一部の児童生徒や教職員の方から、残念なことに、学校は楽しくないとの声を耳にすることがあります。学んでいて楽しい、教えていて楽しいと実感できる児童生徒や先生のウエルビーイングの見える化にも取り組む必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 地元にある児童養護施設の施設長から、18歳の壁についてのお話を伺ってまいりました。児童養護施設の入所者の半数以上が、親からの児童虐待、ネグレクトなどにより受け入れた子どもたちで、22歳まで児童養護施設の継続利用ができるようになれば、住居費をはじめとする生活費の負担が軽減され、子どもたちの生活状況はかなり改善されるとのことでした。しかしながら、子どもたちには積極的に周知を行うまでには至っていないとのことでした。その理由は、施設側として、二十歳以上でも施設利用が可能になれば飲酒や喫煙ができるので、2歳から二十歳未満までの子どもたちとの生活空間を分ける必要があり、新たなスペースとマンパワーが必要になるとのことでした。また、18歳に成人年齢が引き下げられることにも言及され、クレジットカードの契約などが施設の同意なしに可能になるので、払えない事態に陥ったときに、頼るべき親がいない子どもたちへの将来がとても不安になるとのことでした。
 そこで提案ですが、18歳の壁を打ち破ることができるせっかくの好機ですから、児童養護施設が空き家などを利活用しやすいよう整備費助成などを検討されてはいかがでしょうか。
また、2歳から22歳までの様々な問題、特に心のケアに対応するためにはかなりの専門性が必要で、その人材の確保に困難を極めているとのお話も伺いました。本市が保育人材を確保するために実施している各種支援制度を児童養護施設のマンパワー確保のためにも行ってはいかがでしょうか。 18歳の壁に対しては、児童養護施設などへの支援を現場に寄り添う形で懇切丁寧に行い、相談支援、居住、生活支援、進学、就職支援などを充実させ、社会的養護下から自立する若者たちが悩まない社会の構築に全力で取り組んでいただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 最近、東京工業大学の伊藤亜紗教授が視覚障がいのある友人から、これでみんな障がい者になったねと言われ、外出することや人と会うことなど、今まで当たり前にできていたことができなくなったコロナ禍は、ある意味で皆が障がい者を生きた1年半だったと述懐されていた新聞記事に、障がいのある方の日常に改めて思いをはせさせていただきました。コロナ禍で私たちはリアルとオンラインのハイブリッド、特にテレワークでもある程度の仕事ができることを学んだと思います。本市において働いて楽しいと思える就労環境の整備が重要であります。障がいのある方のテレワーク就労の拡大に向けたインセンティブ施策も含め、働く人にとってのウエルビーイングの見える化にしっかり取り組んでいただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 地域の人々の学びの場、触れ合いの場となるコミュニティガーデンは、環境問題や教育、福祉問題、地域活性化への取組を市民レベルで進めていくための有効な手段であり、単身高齢者等の孤独、孤立対策としても有効な手だてだと考えます。
まずは、所有者不明土地などの空き地を活用してコミュニティガーデンの設置を進め、住んでいる人にとってのウエルビーイングの見える化に取り組んではいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 孤独、孤立対策として、福祉分野でのDX、デジタルトランスフォーメーションの活用の促進も重要であります。
 京都府綾部市では、共働きなどで昼間に親がいない小学生を対象にした放課後学級に無線のインターネット回線、無料Wi-Fiを整備して、子どもたちがタブレットを使って宿題ができる環境を用意しております。あわせて、各放課後学級にパソコンを1台ずつ設置し、児童の入退室を管理するシステムを搭載し、お知らせの一斉送信や学級だよりの電子化にも対応し、運営側の業務負担軽減を図っているとのことであります。本市の留守家庭子ども会でも同様の取組を行ってはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 岩手県釜石市では、手話や音声を文字に自動変換する人工知能、AIシステムを窓口に導入し、聴覚障がい者とのコミュニケーションツールの一つとして窓口サービスに役立てています。本市での窓口での障がい者サービスの向上への新年度の取組についてお伺いいたします。
 令和3年9月1日に改正された児童相談所運営指針によれば、相談援助活動の原則として「児童相談所の職員が受け付けた相談は、すべて児童相談所の責任において対応すべき相談である。そのため、巡回相談、電話相談等において1回限りで終了した相談についても、児童相談所全体でその妥当性について確認する」こととされており、電話による相談であっても「継続的な相談援助活動を行う必要がある場合に限らず、電話で相談が終結する場合においても、責任ある体制をとるために、原則として受理会議に提出し、児童記録票をおこす」こととされております。
 東京都江戸川区では、通話音声分析・モニタリングシステムという人工知能、AIが電話の通話内容をリアルタイムにテキスト化し、通話内容に応じて子育て関連施設の一覧など、参照すべきマニュアル等を通話者の画面上に示すことができ、通話終了後には自動で通話内容の要約が作成完了するシステムを導入し、児童相談所の業務負担軽減に役立てております。体感で三、四割ほど負担が減り、その分を児童や保護者などへの対応に時間が充てられるようになったとのことであります。また、虐待、警察といった特定の言葉を検出すると、モニタリング画面にアラートが表示され、係長級が務めるスーパーバイザーなどが速やかに対応する体制を整えているとのことであります。まさにDX、デジタルトランスフォーメーションであります。本市でも取り組んではいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 次に、ネット・メディア依存対策についてですが、デジタルミニマムやデジタルデバイドといったキーワードを用い、情報格差をなくすための高齢者向けのスマホ教室の推進などを過去の議会において提案してまいりました。これらはDXの推進のためには欠かせない取組でありますが、コロナ禍が長引き、自宅などに引き籠もり、スマホでゲームやニュースなどを見ることが習慣になった人なども多くなったのではないかと推察されます。
 そこでお尋ねいたしますが、スマホを使い過ぎると抑鬱のような症状が出ると言われておりますが、その症状とその原因について、専門的知見をお示しください。
 以上で2回目の質問を終わります。

○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) まちづくりのお尋ねにつきましてお答えいたします。
 まず、リノベーションの誘導についてでございますが、都心部においては先進的なビルへの建て替えを促進し、都市機能強化を図るとともに、既存資源等を生かし、魅力あるまちづくりを進めることも重要と考えております。天神ビッグバンでは、イオンショッパーズのリニューアルされたオフィススペースがテナント移転の受皿となって円滑な事業推進が図られております。また、旧大名小跡地においては、地区計画を定め、ハイクオリティーホテルなどの整備と併せ、リノベーションした校舎の活用など、エリア一帯でまちづくりを行っているところでございます。さらに、西中洲地区においては、石畳整備と併せ、建築協定などを定め、これと調和した外壁への改修など、官民連携した沿道景観づくりを進めております。今後とも、様々なまちづくりの観点を踏まえながら対応してまいります。
 次に、公共空間の非常時の弾力的な活用についてでございますが、都心部においてはビルの建て替えに合わせ、広場、セットバックなどを確保しており、平常時は憩い、にぎわい空間として利活用しているところでございます。非常時につきましては、このうち大規模な屋外広場等を一時退避場所として、また、屋内広場等の一部を帰宅困難者の受入先として、市と施設所有者で協定を定め、活用することとしております。引き続き、ビルの建て替えに合わせ、安全、安心で魅力的なまちづくりを進めてまいります。
 次に、エネルギーの分散型及び面的利用の促進に向けたまちづくりについてでございますが、持続可能なまちづくりに向け、エネルギーの分散化などは重要と考えておりますが、その実現に向けては、各ビルの建て替え時期や費用負担などの課題もあるため、引き続き関係局や民間事業者とも連携を図りながら研究を進めてまいります。
 次に、竣工後のフォローについてでございますが、都心部では、新たな雇用と空間を創出するプロジェクト、天神ビッグバンなどを推進しており、規制緩和第1号である天神ビジネスセンターでは、ハイスペックなオフィスやゆとりある公開空地、沿道緑化などを備えることで、より高付加価値なビジネスの集積などにつながっているところでございます。これら都心部の公開空地につきましては、憩い等の場としての利用に加え、特区を活用したにぎわいの創出など、エリアマネジメント団体と行っております。さらに、感染症の影響による緊急措置において、沿道飲食店のテラス営業やテークアウトなどに活用しているところでございます。引き続き、関係者とも連携しながら魅力あるまちづくりに取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 孤独、孤立対策についてお答えをいたします。
 重層的支援体制整備事業につきましては、様々な分野の相談支援機関による多機関協働やアウトリーチの強化などにより、複雑化した相談を支援機関のネットワーク全体で受け止め、解決を図る取組でございます。令和4年度におきましては、複数分野の相談支援機関が参加する合同研修会を実施するなど、多機関協働の促進に向け取組を進めるとともに、社会的に孤立した方に対して、より効果的なアウトリーチを実施するため、社会福祉協議会に配置をした支援員と民生委員児童委員協議会との連携を試行するなど、重層的な支援体制の充実を進めてまいります。
 次に、障がいのある方のテレワーク就労の推進につきましては、テレワーク等が可能な障がい福祉サービス事業所をホームページで紹介するとともに、事業所において適切な支援が提供されるよう指導を行うなど、本人の希望や適性に応じた訓練を受けることができる環境整備を進めてまいります。
 次に、窓口での障がい者サービス向上の取組につきましては、区役所の障がい者窓口にタブレットを導入し、音声を文字に自動変換するアプリの活用などにより、聴覚障がい者等への窓口サービスの向上を図ってまいります。また、手話を利用される方が自宅から問合せができるよう、区役所の手話通訳者とオンラインで会話ができる環境を整え、利便性の向上に取り組んでまいります。
 続いて、ネット・メディア依存対策についてお答えをいたします。
 スマートフォンの使い過ぎによる症状につきましては、スマートフォンなどのデジタル機器を長時間継続して使用すると、それ以外の活動に興味や喜びを感じられなくなり、結果として気持ちの落ち込みや意欲の低下、感情が乏しくなるなどの抑鬱症状が現れる場合がございます。その原因といたしましては、睡眠不足となり、生活リズムが乱れて自律神経の不調を招くことや、運動量が低下し、外出の機会や他者との交流が減ることなどが考えられます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 孤独、孤立対策についてお答えいたします。
 1人1台端末の有効活用については、現在、児童生徒に配布している端末に、福岡こどもSNS相談に登録するためのQRコードや、いじめや不登校、虐待対応など様々な相談窓口の連絡先などを掲載しており、適切な相談窓口を選んで相談ができるようにしております。スクールカウンセラーによるアウトリーチ支援については、令和3年度からスクールカウンセラーを大幅に増員し、家庭訪問等を行っており、今後も継続してアウトリーチ支援に努めてまいります。
 次に、学校におけるウエルビーイングの見える化については、児童生徒一人一人が存在感を実感できる安全で安心な学校、また、教員が児童生徒の成長を実感し、やりがいを感じ、さらなる成長を促す学校を目指していく必要があり、今後、第2次福岡市教育振興基本計画に掲げる、あるべき学校像の実現に向け、児童生徒や教員のウエルビーイングの把握に取り組んでまいります。
 次に、留守家庭子ども会におけるDXの活用については、各施設にタブレット端末を1台ずつ配布するとともに、ネットワーク回線の整備を行ったことにより様々な業務改善が可能となっており、これを活用してオンラインによる研修や会議、連絡、報告、保護者との情報共有などを実施しております。また、児童がタブレットを活用して宿題に取り組む場合には、集中して取り組むことができるよう、教室等の学校施設を活用することとしております。各施設のWi-Fi環境の整備や入退室管理システムの導入については、今後、他都市の状況や支援員等の意見などを踏まえ、必要性について検討をしてまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 孤独、孤立対策についてお答えいたします。
 18歳以降の自立に向けた支援については、こども総合相談センターに社会的養護自立支援員を配置し、継続的な支援を行っておりますが、今後は、国が新たに事業化している児童養護施設の外で一人暮らしの体験ができる家賃補助の仕組みの活用について検討してまいります。
 次に、社会的養護施設の人材確保に対する支援については、国の制度の活用を含め、今後検討してまいります。
 次に、社会的養護から自立する若者への支援については、就職や進学により児童養護施設等を退所した後に、安定した自立につなげていくことは重要であると考えており、児童養護施設からの要望等を踏まえ、今後各施設に、退所後の自立を寄り添いながらサポートする自立支援員の配置を進めてまいります。今後とも、こども総合相談センターを中心に、児童養護施設や自立援助ホームなどにおける相談、居住、生活支援の充実を図るとともに、令和4年度に設置する若者支援地域協議会や若者総合相談センターなどと連携しながら、18歳以降も切れ目のない支援にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、児童相談所における電話相談の文字化システム等の導入については、相談機能の強化や業務の効率化の観点から有効な施策と考えております。その一方で、子ども自身や保護者が抱えている悩みや心配事を安心して相談できる環境を整えておくためには、相談時の会話内容が録音、文字化されることに対する相談者の不安感などの心理的な負担にも十分配慮する必要があり、相談者に寄り添った支援となるよう、費用対効果や他都市の取組状況なども参考にしながら、今後検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 孤独、孤立対策に関する所有者不明土地の活用についてお答えします。
 平成30年6月に制定された所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法において、都道府県知事の裁定を受けることで、まちづくり団体などが、所有者不明土地を利用して地域住民等の福祉や利便増進のための施設を整備することができる地域福利増進事業が創設されております。この地域福利増進事業では、一定条件の下、地域のための緑地や広場なども対象となることから、本制度の周知を図るとともに、手続に関する相談などに対応してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 3回目の質問に入らせていただきます。
 まず、ネット・メディア依存対策についてですが、専門的知見によれば、スマホを使い過ぎると、意欲の低下、感情が乏しくなる、物事に無関心になるなどの抑鬱症状が現れるようであります。
 そこで提案ですが、各電話事業者の御厚意などで実施しているケースもあり難しいとは思いますが、全世代を対象とした情報の真偽の見分け方、フィッシング詐欺への対策、依存への警鐘などのネット・メディアリテラシー教育を、スマホ教室などのあらゆる機会を捉え、必ずセットで実施していただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 また、他の施策との連携も進めていただきたいと思います。例えば、健康無関心層も含めた健康づくりを推進するには、地域づくりや社会環境の整備なども含めた暮らしの中で自然と健康になるような事業を実施していただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 ネット・メディア依存は、子どもたちだけではなく、高齢者も含めた全世代の生き方のウエルビーイングに関わる問題に深刻な影を落としております。健康寿命延伸の観点から、全世代にわたってのネット・メディア依存の啓発と予防、相談、治療スキームの拡充を図っていただきたいと思いますが、医師でもあり、専門的知見をお持ちの荒瀬副市長の御所見をお伺いいたします。
 次に、孤独、孤立対策についてですが、孤独、孤立は人生のあらゆる場面で誰にでも起こり得るものであります。長引くコロナ禍の中、市民が抱える多種多様な悩みに対し、孤独、孤立に至ってもSOSを求める声を上げやすい環境整備、状況に合わせた切れ目のない支援につなげることができる人材育成等も含めた相談支援体制の拡充、見守り、交流の場や居場所づくりを確保し、人と人とがつながりを実感できる地域づくりについて、幾つかの気になる点を確認し、新年度に向けた各種の提案を行わせていただきました。そのキーとなるのが、孤独、孤立対策に献身的に取り組んでいただいているNPO等の方々ですので、その活動もきめ細かく支援し、官、民、NPO等の連携により、孤独、孤立対策の充実強化に取り組んでいただくことを期待しております。
 最後に、まちづくりについてですが、福岡市の目指す、豊かな自然環境と充実した都市機能を備えたコンパクトで持続可能な都市を推進する上で、ウエルビーイングを令和4年度以降に進めるまちづくりの施策のど真ん中に据えていただきたいと思います。
 ウエルビーイングの向上に資する取組の推進について、1、まちづくり、2、孤独、孤立対策、3、ネット・メディア依存対策の3つの視点からるる述べてまいりました。本市において、ウエルビーイング、身体的、精神的、社会的に良好の状態の向上を目指すためには相当の労力が必要となりますが、名実ともに、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市であり続けるためには最重要な指標であります。
 髙島市長にウエルビーイング向上への意気込みをお伺いし、私の質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) ネット・メディア依存対策についてお答えいたします。
 市民のメディアリテラシー教育につきましては、先ほど市民局長とこども未来局長が答弁いたしました、公民館スマホ塾や乳幼児健康検査などの機会を捉えた啓発、保育士等への研修会の実施のほか、インターネットの活用に関する出前講座において、インターネットトラブルや悪質商法等に関する注意喚起などを行っているところでございます。今後とも、メディアリテラシー教育を推進する取組を充実させ、市民全体のデジタルに対するリテラシーの向上に着実につなげていきたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ネット・メディア依存対策についてお答えをいたします。
 議員御指摘のとおり、健康無関心層も含めた健康づくりを推進するには、日々の暮らしの中で自然と健康になれるような環境をつくっていくことが重要であると認識をしております。このため、市民が気軽に楽しみながら参加できる健康づくりイベントの開催や、地域で行うウオーキングなどの自主的な健康づくり活動を支援しますとともに、公園や道路、駅などのまちの中で、自然と楽しく体を動かしたくなる仕組みや仕掛けをつくるFitness City プロジェクトなどにしっかり取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) インターネットが身近な存在になっている現在、子どもから高齢者まで幅広い世代の方がデジタル機器に接する機会が増えており、その利便性を享受することができるようになっております。一方で、ネット・メディア依存などの深刻な問題も発生していることも事実であり、尾花議員御指摘のとおり、様々な対策を講じていくことが重要でございます。このため、児童生徒への情報モラル教育や保護者への啓発、公民館スマホ塾や出前講座など、全世代にわたるメディアリテラシー教育や依存症の啓発を進めるとともに、福岡市精神保健福祉センターにおいて専門相談の充実を図るとともに、専門医療についても最新情報の収集に努め、医療機関、相談機関、自助グループ等と連携し、予防啓発から治療に至るネット・メディア依存対策にしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) ウエルビーイングにつきましては、国において社会経済状況をGDPだけではなくて、満足度や生活の質に関する幅広い視点で見える化することが重要との観点から、主観的な指標である満足度や関連する生活実態の動向を把握するための調査を行っており、成長戦略実行計画では、国民がウエルビーイングを実感できる社会の実現を目指すことが掲げられております。
 福岡市では、多くの市民の皆様と共に策定をした総合計画において、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを基本戦略として掲げ、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市を目指してまちづくりを進めております。
 尾花議員御指摘のとおり、ウエルビーイングの向上は大変重要であり、デジタル化の恩恵を誰もが享受でき、人のぬくもりを感じられる社会を目指すとともに、天神ビッグバンや博多コネクティッドにより、まちが大きく生まれ変わっていく中で、緑や文化芸術、歴史などが持つ魅力にさらに磨きをかけ、まちに彩りを加え、多様な豊かさを感じられる市民一人一人のウエルビーイングを大事にするまちづくりをしっかりと進めてまいります。以上です。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
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