○18番(高木勝利)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、SDGs認証について、ボトル to ボトルリサイクルについて、浸水対策の強化について、観光関連事業者支援についての4項目、質問をさせていただきます。
初めに、SDGs認証についてです。
福岡市はSDGsの達成に向け、福岡市総合計画に基づき、経済的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスが取れたコンパクトで持続可能な都市づくりを着実に進めることが、誰一人取り残さない持続可能な社会実現というSDGsの理念と同じ方向性であり、SDGs達成につながる。環境、教育、産業、福祉などSDGsの17分野の国際目標のそれぞれの分野ごとに福岡市SDGs関連事業を実施し、その達成のためには、行政、企業等の団体、市民一人一人の行動が大切であるとして施策を推進しています。
福岡市のSDGs達成に向けた普及啓発の現状と今後の取組について御説明ください。
以上で1問目の質問を終わり、以降の質問は発言者席から行わせていただきます。
○副議長(山口剛司) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) SDGsの達成には、市民や企業、NPOなど多様な主体の参画が重要であると認識しており、自治体にはSDGsの理念の周知や、達成に向けた取組を促す啓発などを実施する役割があるものと考えております。
令和3年度につきましては、10月にオンラインで開催したアジア太平洋都市サミットにおいて、前回に引き続きSDGsの視点を踏まえた議論が行われたほか、12月10日から1か月間、SDGsと脱炭素をメインテーマとする環境フェスティバルを開催しているところでございます。
また、市政だよりや各種パンフレットなどの印刷物を活用した広報の実施、地下鉄の駅やコンビニなどへの啓発ポスターの掲示、市役所1階ロビーでのデジタルサイネージによる啓発動画の放映、SDGsに関する出前講座などを実施しております。
引き続き、様々な機会を捉え、SDGsの達成に向けた取組について普及啓発の充実を図ってまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 内閣府は、地方公共団体、民間団体が地方創生SDGsに貢献しようとする地域事業者を見える化し、地域金融機関の支援の補助材料とすることで地域経済を活性化し、好循環を形成することが重要としており、全国各都市ではSDGs達成に向けて、行政と企業等との団体の協働を強化するための様々な施策が行われています。
横浜市では、令和2年に横浜市SDGs認証制度、Y-SDGsを開始し、市内のSDGsに取り組む市内事業者がこの制度を活用し、持続可能な経営への転換や新たな顧客獲得などを狙いとするとともに、投資家や金融機関がESG投資等の投融資判断の情報として活用してもらうことを目指した取組です。ESG──環境、社会、企業統治及びLocal、地域の4つの視点から30のチェック項目について自社に当てはまる項目にチェックしてもらい、ヒアリングを通して外部評価を行い、Y-SDGs認証取得となります。中小企業診断士が申請者の取組内容とヒアリングの内容を基に評価書を作成、Y-SDGsの認証は各事業者の取組内容と進捗に応じ3段階──最上位、上位、標準に区分。認証期間は2年間、手数料は無料、年4回の申請受付を実施しています。
福岡市では、企業や団体等とのSDGsの協働ではどのようなことを実施しているのか、お聞きします。
○副議長(山口剛司) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) SDGsの達成に向けた企業や団体等の協働による取組につきましては、様々な施策分野で企業等と連携した取組を進めているところであり、市内企業の働き方改革の取組を応援するふくおか「働き方改革」推進企業認定事業や障がい者雇用率4.6%以上を達成している企業を認定する障がい者雇用促進事業、女性活躍やワーク・ライフ・バランスの推進に取り組む企業を認定する次世代育成・男女共同参画支援事業のほか、自治会等が行う地域活動を企業が応援する“ふくおか”地域の絆応援団、市民や企業等とともに、花によるまちづくりを進める一人一花運動、多くの企業や団体等が会員として参加している福岡市地球温暖化対策市民協議会による温暖化対策の活動など様々な取組を実施しております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 横浜市の認証取得によるメリットは、1、横浜市認証マークを名刺やホームページなどに表示可能、2、認証事業者名や取組内容を横浜市ホームページ等でPR、3、各種マッチングイベントやセミナー等への優先参加、4、横浜市総合評価落札方式の評価項目とする、5、よこはまプラス資金、信用保証協会の保証料減免の対象、6、三井住友海上・MS&ADインターリスク総研からのサポート提供などです。
認証事業者へのフォローアップとして評価結果についてフィードバックを行い、コーディネーターが今後の取組に関するコンサルティングを実施、例えば、電力契約の再エネへの切替えなど速やかに取組の向上を図る事業者も多く見られ、ランクアップに向けて再申請する事業者も多いそうです。本年9月現在、最上位10、うちランクアップ2、上位65、うちランクアップ11、標準165の計240事業者です。
認証を受けた事業者の反響として、取得してよかったは96%にも上り、企業内の議論の際も、これはSDGsの取組になる、SDGsの観点からそれは駄目といった意見が聞かれるようになった、社外からSDGsに積極的な企業として認知された、SDGs取組企業として取引先からの信用度が増した、企業がモノやサービスを提供するビジネスでSDGsを踏まえた事業提案を求められることが増えた、大手企業との商談でSDGsへの取組が受注のポイントになることが増えた、就職希望者からSDGsへの取組が選択のポイントとして評価されたことなど多くの効果を実感したとの回答を得ています。
一方で、帝国データバンク福岡支店の昨年6月の地場832社への調査では、SDGsを認知していても取り組んでいない企業は46.2%、特に中小企業からは何から手をつければいいか分からないとの声が多かったという結果になっています。
福岡市でも、地元企業等を支援するために企業等をSDGs推進企業として認証する制度を検討してはと考えますが、所見を伺います。
○副議長(山口剛司) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) SDGsの達成に向けて取り組む企業等の認証制度につきましては、内閣府が示したガイドラインにおいて、地域金融機関や様々なステークホルダーと連携して地域事業者等の取組を支援することで、さらなる取組の推進及び地域の自律的好循環の形成の加速化につなげることができるとされており、福岡市におきましても本ガイドラインや他都市の状況等を踏まえながら検討してまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 地元企業等から福岡市でもSDGsの認証の制度はありますかとの問合せも多いと聞いております。どうぞよろしくお願いいたします。
横浜市のY-SDGsの協力金融機関は令和3年10月現在、神奈川銀行、かながわ信用金庫、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、横浜銀行、横浜市信用保証協会、横浜信用金庫で、金融機関の営業担当がY-SDGs認証取得を推進、環境面では脱炭素に向けたさらなる省エネ、太陽光、蓄電池導入や再エネ電気切替えを促進し、自律的好循環とゼロカーボン実現を推進しています。また、政令市では初めて、Y-SDGs認証取得を目指す企業に対し、評価結果を参照に昨年12月に三井住友銀行が融資を実行しています。
また、熊本県では、九州フィナンシャルグループが持続可能性を意味するサステナビリティ宣言を行い、SDGsの趣旨に賛同し、持続可能な社会づくりへの取組を進めています。積極的に支援するのは、CO2排出量削減など気候変動の抑制のための事業、水資源や森林資源など生物多様性保全の事業、農林水産業、観光業など地域の基幹産業の振興事業、世界遺産、有形無形文化財など文化財保全の事業、防災、減災に関する事業、その他持続可能な社会づくりへ事業などで企業向けコンサルティングや、特に興味深いのは熊本県と連携し、企業等のCO2排出量算定の支援を行っていることです。また、同グループの肥後銀行では、中小企業などを対象にエネルギー使用量や温室効果ガス排出量削減などの条件を満たせば、金利を最大0.3%割り引く金融商品を提供しており、中小企業が自分ではなかなか把握しづらいCO2排出量の算定支援と合わせてSDGsの取組を後押ししています。
このような自治体と金融機関との連携は、民間事業者がSDGsを推進する上で大変重要であると思います。
福岡市でも、既に地元の西日本シティ銀行、福岡フィナンシャルグループなどがSDGs関連事業を推進していますが、福岡市は金融機関との連携についてどのように考えているのか、伺います。
○副議長(山口剛司) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 地元の金融機関では、SDGsに取り組む企業への融資やワークショップ等を通じたSDGsに資する事業創出へのサポートなど様々な支援を行われております。
福岡市といたしましても、企業等のさらなる取組を後押しする金融機関との連携の在り方について検討を行ってまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 現在、浜松市、川崎市、堺市、新潟市などもSDGs認証を行うなど官民一体でSDGs推進を図っています。
SDGsに取り組む企業等への認証制度は、SDGsを原動力に地域課題の解決に取り組み、その中で得られた収益を地域に再投資するという地方創生SDGsを通じた自律的好循環の形成を図るものと考えます。
髙島市長に福岡市による認証制度も含めたSDGsの推進についての所見を伺います。
○副議長(山口剛司) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 福岡市では、多くの市民の皆様とともに策定をした総合計画において、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを基本戦略として掲げ、経済的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスが取れたコンパクトで持続可能な都市づくりに取り組んでおります。
これは、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現を目指すというSDGsの理念と方向性を一にするものであり、総合計画の着実な推進によってSDGsの達成に向けて取り組んでいるところでございます。
世界ではSDGsの理念のもと、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向けて、地球環境への負荷の軽減や、また、人権への配慮などの経済的な価値以外の要素が様々な活動における重要な判断基準となっており、あらゆる分野で劇的かつ急速に意識や行動の変容が起こっております。
ポストコロナの時代を見据え、こうした情勢変化に柔軟かつ適切に対応していくためには、市民や企業、NPOなど様々な、また多様な主体の参画と共創が不可欠であると考えており、高木議員御指摘の認証制度を含め、SDGsの達成に積極的に取り組む企業等を応援する仕組みについて、しっかりと検討してまいります。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) ありがとうございます。
次にボトル to ボトルリサイクルについて伺ってまいります。
海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化等を契機に、国内におけるプラスチックの資源循環を一層促進する重要性が高まっております。
このため、多様な物品に使用されているプラスチックに関し、包括的に資源循環体制を強化する必要があり、本年6月にはプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律が制定されています。
この法律では、環境配慮設計やプラスチック使用の合理化、再資源化の推進など、あらゆる主体が資源循環体制を強化し、効果的で持続可能な資源循環を促進することを目的としています。
福岡市では、循環のまち・ふくおか推進プランに基づき、発生抑制や再利用など3Rの取組を市民や事業者など、あらゆる主体と連携して推進することや、水平リサイクルなど効率的なリサイクルの実現、環境負荷の低減に向け、分別区分の在り方や、事業者と連携した自主回収の強化について検討を進めるとしています。
また、福岡市ではプラスチック製品をできるだけ使わないリデュースの推進に向け、マイボトルの利用を促進するため、給水スポットの設置を進めています。
今後も、車椅子の方などバリアフリーにも配慮した設置や、ペットボトルが何本削減できたか分かる表示なども工夫して進めてもらいたいと思います。
まず、マイボトルの利用促進について現状と今後の方針をお示しください。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) マイボトルに給水できる環境づくりを進めるため、区役所、植物園等に給水スポットを設置しているほか、マイボトルへの給水等に協力いただける飲食店を募集、登録し、マイボトル協力店として市のホームページで紹介しており、現在67店舗となっております。今後も、継続して給水スポットやマイボトル協力店の活用について市民の皆様に呼びかけ、マイボトルの利用を推進してまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 次に、プラスチックの中でも代表的なペットボトルの回収とリサイクルの状況について質問してまいります。
福岡市は、使用済みペットボトルをどのくらい回収しているのか、お聞きします。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 福岡市内の家庭から出されたペットボトルを市が回収した量につきましては、令和2年度の実績で約3,700トンとなっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) ペットボトルのリサイクルについて、市区町村が民間事業者に引き渡す独自ルートと指定法人ルートの2つが示されています。この独自ルート、指定法人ルートについての説明と、福岡市はどちらの方法で処理を行っているのか、お示しください。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) ペットボトルのリサイクルにつきましては、独自ルートとして自治体がリサイクル事業者に直接処理を委託するものと、指定法人ルートとして自治体から容器包装リサイクル法に定める指定法人である公益財団法人日本容器包装リサイクル協会に対し、回収後のリサイクル処理を委託するものの2通りございます。
福岡市におきましては、指定法人ルートによりリサイクル処理を行っております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) ペットボトルのリサイクルには、ペットボトルからペットボトルを作る水平リサイクルと食品トレイや繊維製品などの衣類等に再利用されるカスケードリサイクルがあります。また、実際には資源物として回収されずに燃えるごみなどに混入するものもあると聞いております。
先日、葛飾区の水平リサイクルであるボトル to ボトル100%実施の取組について聞いてきました。葛飾区がボトル to ボトルを推進する理由として、従来から資源循環型社会を形成するため、水平リサイクルを推進してきており、平成18年度からスーパーなどの食品トレイを再びトレイにリサイクルするトレイ to トレイ、平成20年度からはプラスチック製容器包装の分別収集を開始、さらに令和2年2月に区内のCO2排出量を実質ゼロにするゼロエミッションかつしかを宣言したことが、ボトル to ボトルに踏み切る大きな転機になりました。
令和2年度までのペットボトル処理は、行政回収分をリサイクル事業者へ、その95%が食品トレイや繊維製品等にカスケードリサイクルされ、残り5%がボトルからボトルへの水平リサイクルでしたが、令和3年度からは行政回収分の100%をボトル to ボトルでペットボトルに再生させることが開始されています。その量は年間約1,700トン、500ミリリットルペットボトル換算で約6,800万本になると見込んでいます。
そこで、水平リサイクルについて福岡市ではどう捉えているのか、お聞かせください。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 水平リサイクルにつきましては、使用済みの製品を原料として用い、同一種類の製品を製造するリサイクルであり、市民に分かりやすく資源の循環が見えるリサイクルとして、化石由来資源の削減にも寄与する質の高いプラスチックのリサイクルであると認識しております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) この100%が実現できたもう1つのきっかけは、全国清涼飲料連合会のKIRIN、伊藤園、コカ・コーラなどの清涼飲料業界はペットボトルの100%有効利用を目指し、2030年までにボトル to ボトルの比率を50%にするというプラスチック資源循環宣言をしたことです。また、中国が使用済みペットボトルの輸入を制限したことも追い風になったと聞きました。これにより、ペットボトルを回収する行政側の資源循環推進と清涼飲料業界の思惑が一致し、協定が締結され、葛飾区のペットボトル100%有効活用であるボトル to ボトルが可能になりました。
葛飾に行ったときに頂いてきましたペットボトル(現物表示)、一見、何が何か口頭で分かりにくいと思います。少しだけ大きくしてパネルにしてみましたけれども、(パネル表示)この一番下の部分に白い丸い囲みがあります。これが2か所、ペットボトルの中に表示をされておりまして、さらに、この丸いところだけを拡大したのがこれになります。(パネル表示)ここには「環境に優しい100%リサイクルボトル」というふうに書かれています。これが2か所にペットボトルの中に表示をされています。また、ラベルのちょうど接合部分というか、裏側部分になるんですが、(現物表示)「100%リサイクルボトルは環境に配慮し、再生PET樹脂を100%使用したペットボトルです」というふうに表示されています。福岡ではまだまだ見ませんけれども、東京では既に販売されています。いよいよボトル to ボトルが実際始まるんだなということを実感したところであります。
全国の自治体では、ボトル to ボトルの取組が広がっています。兵庫県の高砂市、加古川市、稲美町、播磨町の2市2町はサントリーと本年4月にボトル to ボトルの実施に向けた協定を締結、姫路市は伊藤園やリサイクル事業者など4者で協定を締結し来年4月から、仙台市も伊藤園やペットボトル事業者と連携協定し来年4月から、それぞれのやり方でボトル to ボトル事業を開始します。
そこで、福岡市においても独自のやり方も含め、水平リサイクルであるボトル to ボトルの取組を実施してはと考えますが、所見を伺います。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) ボトル to ボトルの取組につきましては、先ほど答弁いたしましたとおり、質の高いリサイクルとして認識しております。新たなごみ処理基本計画である循環のまちふくおか・推進プランにおいても、実行計画に定める施策として新たなペットボトルリサイクルの仕組みを検討していくこととしております。
一方で、独自ルートによる処理をする場合は、指定法人ルートと異なり、リサイクル事業者の安定的な確保などの課題もございますので、今後、市で回収したペットボトルの一部を対象としてボトル to ボトルの取組を試行的に実施する方向で検討してまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 実施の方向で検討するとの答弁をいただきました。
葛飾区では、さらに本年度は区役所内にペットボトルのボトル、キャップ、ラベルの3分別のリサイクルステーションを設置、また、ボトル to ボトル啓発ポスターを区内230か所の公共施設に掲示しています。中身を軽く水洗いし、異物がないきれいなペットボトルを回収することが有効活用最大化の鍵になるとのことです。
使用済みペットボトルを資源物として適正に処理するためのさらなる啓発の強化も必要と考えますが、所見を伺います。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 家庭からのペットボトルの排出につきましては、ラベルやキャップの取り外し、水洗いなど適正な手順により排出いただくよう広報、啓発を行っているところでございますが、ラベルやキャップなど不適物の混入も一定程度見られるのが現状でございます。
効率的で質の高いリサイクルを推進するためには、市民の皆様に適正排出をしていただくことが重要であると認識しており、ボトル to ボトルのリサイクルを実施するに当たっては、資源の循環が見えるリサイクルという分かりやすさを生かして、市政だより等の広報物やSNSなどを通じ、啓発の取組をしっかり行っていく必要があると考えております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) さらに、全国ではペットボトル飲料を販売するセブンイレブンなどと連携し、ペットボトル回収機を店舗などに設置し、回収機に入れると自動的に圧縮され、5本入れるごとに電子マネーナナコに1ポイント付与といった仕組みも広がっています。
このような販売する店舗との連携も進めてはと考えますが、所見を伺います。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 販売する店舗との連携につきましては、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律において、製造、販売事業者の自主回収の強化が定められていることを踏まえ、福岡市におきましても各事業者の回収の取組が推進されるよう連携、協力を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 今年9月議会での公明党の楠議員の質問でプラスチック系ごみの拠点回収や分別回収を含め一括回収を提案し、局長から国の動向も見ながらプラスチックごみリサイクルの検討を行うと答弁をいただきました。
一方で、プラスチックごみ処理についての課題として、汚れの付着など約3割が不適物として焼却処理されており、プラスチックのリサイクル施設が市内に存在せず、九州内でも3施設しかなく、処理能力の課題もあると聞いております。そのことも理解はできますが、プラスチックごみの分別回収に向け、できることから始めていくことが大切ではないでしょうか。また、ボトル to ボトルもぜひ実現してもらいたいと考えます。
つい先日、サントリーが100%植物由来のペットボトルを開発したとの報道もありました。
福岡市は、ゼロカーボンチャレンジとして2040年度に温室効果ガス排出量実質ゼロへの全国に先駆けた取組を目標にしています。その実現のためには、民間事業者との連携を強化し、目の前の一つ一つの課題を着実に実行していくことが重要と考えます。
髙島市長に活力ある未来へつなぐ循環のまちふくおか推進のための意気込みを伺います。
○副議長(山口剛司) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 福岡市におきましては、人と環境に優しい持続可能な都市を目指し、環境負荷を軽減し、都市の発展を持続させる福岡式循環型社会システムの構築に取り組んでおります。
高木議員御指摘のとおり、脱炭素社会の実現に向けては様々な課題に対し、解決に向けた取組を着実に推進していくことが重要であると考えており、プラスチックごみの分別回収につきましては、まずはモデル事業を実施する方向で検討を進めてまいります。
また、ボトル to ボトルリサイクルについても、試行実施に向け、しっかりと検討を進めてまいります。
今後とも、循環のまち・ふくおか推進プランに基づき、福岡市に関わる全ての市民、事業者、団体等の皆様とともに、持続可能な社会を実現し、安全、安心な生活環境を将来世代に引き継いでいけるようにしっかりと取組を進めてまいります。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) ありがとうございます。
続きまして、浸水対策の強化について伺ってまいります。
今年9月の気象庁の異常気象分析検討会では、地球温暖化の影響で大気中の水蒸気量が増え、これまでにない雨量が各地で観測される可能性が高まっていると指摘されました。
令和元年10月の台風19号では、関東・東北地方を中心に142か所で堤防が決壊し河川が氾濫する極めて甚大な被害が発生、また、15都県135市区町村で内水氾濫が発生し、約3万戸が浸水しました。近年各地で発生する局地的豪雨に下水道の処理能力が追いつかず、市街地に水があふれる内水氾濫は、都市化でコンクリート舗装が進み、雨水の地中への浸透量が減ったことが要因の一つとされています。
福岡市において、平成11年に博多駅周辺などで発生した大規模な浸水被害は、浸水対策強化のきっかけとなっており、私の記憶に強く残っています。
まずは、福岡市における平成11年以降の浸水被害状況について説明願います。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 福岡市におきましては、時間雨量79.5ミリメートルを記録した平成11年6月29日をはじめ、平成15年、21年の集中豪雨により、博多駅周辺地区を中心に合わせて6,000棟を超える浸水被害が発生いたしました。
一方で、平成22年以降はレインボープラン博多、天神やDoプランに基づき、雨水管や貯留施設、ポンプ場などの整備を進めてきた結果、平成25年8月には時間雨量72.5ミリメートルの集中豪雨もございましたが、大きな浸水被害が発生しておりません。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 福岡市は浸水対策としてレインボープラン博多が完了、レインボープラン天神も令和8年度をめどに第2期工事を完了させ、第3期を目指すなど大規模浸水対策を進めているとともに、雨水整備Doプランとして市内の浸水地域の浸水対策を図るなど全国トップクラスの実績がありますが、近年の地球温暖化の異常気象による局地的な大雨被害など、今後も十分備える必要があります。
福岡市の雨水をためるための下水道事業の貯留施設の主な整備箇所と貯留容量についてお聞きします。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 主な貯留施設でございますが、雨水整備レインボープラン博多に基づき整備した山王雨水調整池及び雨水整備レインボープラン天神に基づき整備した中部2号幹線などで、貯留容量は令和2年度末時点で約13万立方メートルとなっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 福岡市は13万立方メートルとの答弁でしたが、横浜市は浸水対策として平成3年度から平成25年度の工事期間を経て、延長20キロ、貯留容量約41万立方メートルに及ぶ大規模貯留管である新羽末広幹線を整備しています。ちなみに、これは福岡市の貯留容量の3倍の規模です。鶴見川流域の治水安全度の向上のため、1時間雨量50ミリから60ミリへ、5年確率降雨から10年確率降雨に対応させるものです。
工事期間が長期にわたることや財政面での課題もありますが、福岡市民の生活や財産を守り抜くため、横浜市の新羽末広幹線のような大規模な貯留施設を新たに計画するなど整備水準を上げて、さらなる施設整備を検討すべきではないかと思いますが、所見を伺います。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 気候変動の影響による水災害の激甚化、頻発化などを踏まえ、令和3年5月、流域治水関連法が改正され、国は将来の降雨量増加に対応するため、整備水準の見直しについて検討するよう各地方公共団体に求めております。
そのため、福岡市においても整備水準の引上げ並びに施設整備計画の策定に向け、まずは浸水想定区域図を作成し、現在、浸水対策を実施している地区に加えて、新たに対策が必要となる地区の検討を進めてまいります。その後、整備期間や費用等を考慮し、排水、貯留及び浸透の3つの施設を組み合わせた最適な施設計画の検討を行うなど、将来にわたり浸水安全度のさらなる向上に向けてしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) どうぞよろしくお願いいたします。都市型水害の特徴として、都市は舗装された道路や宅地が多く、降った雨は地中に浸透しにくいため、川や水路、下水道に一気に集まることにより発生する都市特有の水害とされており、浸透施設の整備も重要です。
公共施設における雨水流出抑制のための浸透側溝などの雨水浸透施設の整備状況をお聞きします。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 福岡市の公共施設における雨水浸透施設といたしましては、下水道や河川に加え、道路、公園、学校等において、令和2年度末時点で浸透側溝約154キロメートル、雨水浸透ますを356基、透水性舗装を約136ヘクタール整備いたしております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 福岡市では、これらの雨水流出抑制のための市の整備と併せて、市民や市内事業者を対象に雨水流出抑制のための雨水貯留タンクや雨水浸透ますの設置をする際に費用助成を行うとともに、開発許可においては雨水流出抑制施設の設置を義務づけている場合があると聞いています。
これは市民の皆様とも浸水被害を軽減させるという意識を共有する施策であり、さらなる周知、啓発を行い、市民や事業者の雨水流出抑制の取組を強化してもらいたいと考えますが、これまでの市の取組状況と今後の対応についてお聞きします。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) まず、開発行為に該当する場合は、福岡市開発行為の許可等に関する条例に基づき、開発区域下流の水路や河川の排水能力に応じて調整池や浸透ますなどの雨水流出抑制施設の設置を義務づけております。
また、市民や事業者の自発的な取組を促進するため、市政だよりやホームページ等により、浸水対策の意義や効果について周知、啓発を行うとともに、雨水流出抑制施設助成制度に基づき雨水貯留タンクや雨水浸透ますの設置費用に対する助成をしており、助成件数は平成28年度から令和2年度の5年間で合計約200件となっております。
今後も、市民の皆様により一層御協力いただくため、ホームページの充実によるさらなる周知、啓発に取り組むなど雨水流出抑制にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 平成27年の水防法改正では、内水氾濫により相当な被害を生じるおそれがある主に地下街等が発達した地区において、浸水被害の危険を知らせる水位周知下水道を指定し、1000年に一度の規模に相当する降雨に対し、内水浸水想定区域を指定する制度が創設されました。
福岡市では、令和2年6月、かつて甚大な浸水被害が発生した大規模地下街を有する博多駅周辺地区の比恵1号幹線を全国で初めて水位周知下水道に指定し、内水氾濫危険水位に到達した場合は、その情報を市民や地下街管理者などに福岡市防災メールで配信しています。内水氾濫危険情報の配信の仕組みと効果についてお聞きします。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 内水氾濫危険情報の仕組みでございますが、福岡市防災メールに登録し、下水道水位情報の配信を選択した方に対して、下水道が氾濫危険水位に達した場合に直ちに防災メールで自動配信するものでございます。
また、効果については、この氾濫危険情報を配信希望者がいち早く入手することにより、例えば、地下街管理者が止水板を設置し、浸水を防止するとともに、利用者を円滑に避難誘導するなど地下街等における浸水安全度の向上が図られるものでございます。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 先ほどの横浜市では、駅周辺4か所のマンホールの蓋の裏に水位計を設置し、下水道からあふれるおそれがある場合、横浜市ホームページに水位情報が表示され、マップ上の色が溢水以下の場合は緑色、浸水のおそれがある場合は赤色に変色させ、危険を知らせます。
一人でも多くの市民や来街者がリアルタイムで見ることができる仕組みをつくるべきと考えますし、現在の博多駅周辺だけでなく、天神地区や地下鉄駅などにも拡大すべきと考えますが、所見を伺います。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 下水道水位情報につきましては、現在の防災メールによる周知に加え、市民や来街者の方々がホームページにより、リアルタイムで閲覧できるよう速やかに検討を進め、次の梅雨時期までにホームページに掲載してまいります。
また、対象区域の拡大につきましては、まずは大規模な地下街を有する天神周辺地区について鋭意検討を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 内水氾濫は降雨から浸水発生までの時間が短く、河川から離れた場所でも発生することから、地下街やアンダーパスなどでも特に注意が必要であり、対策強化をお願いします。
国交省は来年1月頃から自治体や民間事業者と連携し、大雨による浸水被害を迅速に把握し被害を軽減させるため、浸水想定区域などに小型センサー設置の実証実験の参加団体を募集するなどIoTを活用した取組が進められています。
そこで、福岡市においてAI、IoT技術を活用した浸水リスク低減のためにどのような取組を行っているのか、お聞きします。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 福岡市では、AIやIoT技術を活用し、雨水ポンプ場への流入量を予測することにより運転制御を高度化する実証実験を令和2年度から開始しております。
具体的には、下水道水位や気象レーダー等のデータを組み合わせてポンプ場への流入量を予測し、集中豪雨で急激な水位上昇が発生した場合や水位が頻発に変動した場合等においても、雨水ポンプの運転制御を効果的に行うことにより、浸水リスクの低減を目指していくものでございます。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) この項目の質問で、福岡市の下水道の浸水対策は他都市をリードする施策が進められていることが分かりました。さらなる市民の安全、安心のため、浸水対策の強化にどう取り組むのか、髙島市長の所信を伺います。
○副議長(山口剛司) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 近年、集中豪雨は全国的に増加傾向にあり、また、福岡県においても平成29年から5年連続で大雨特別警報が発表されるなど浸水リスクは高まりつつあることから、高木議員御指摘のとおり、浸水対策の強化は喫緊の課題であると認識をしています。
福岡市では、平成11年の豪雨などを踏まえ、これまでも雨水整備Doプランにより浸水対策を進めるとともに、博多駅周辺や天神周辺地区ではレインボープランにより、全国最高水準である時間雨量79.5ミリメートルに対応した施設の整備を進めるなど、浸水安全度を着実に向上させてまいりました。
今後とも、市民の安全、安心を守るため、将来的な降雨量増加への対応も含め、下水道施設による浸水対策を推進するとともに、関係者と連携をしながら流域全体で治水対策に取り組み、防災先進都市・福岡を目指してまいります。以上です。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) どうぞよろしくお願いいたします。
次に、観光関連事業者支援についてです。
今回のコロナ禍で特に深刻な打撃を受けた業種として宿泊事業者、旅行会社、貸切りバス事業者、土産物店、飲食店などが挙げられます。観光関連事業者の中では、給料やボーナスのカット、早期退職を募ったり、人員削減、会社の倒産などの事業者もあったと聞いています。
先日の西日本新聞の髙島市長へのインタビュー記事では、小売、宿泊、飲食など第3次産業が生産額の9割超を占める福岡市は、交流人口を増やすインバウンドやMICEの誘致に力を入れてきただけに、コロナ感染症拡大前後で状況が一変し、これまでの市政運営で最も厳しかったということが紹介されており、観光関連事業者などへの支援は福岡市の経済全体への回復に好影響を与えると考えます。
まずは、このコロナ禍の厳しい現状の中で、福岡空港及び博多港からの外国人入国者について、令和元年と2年の人数についてお聞きします。
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 福岡空港及び博多港からの外国人入国者につきましては、令和元年が約269万人、2年が約32万人にとなっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 次に、福岡市のMICE施設の稼働状況について、令和元年と2年の利用率を伺います。
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) MICE施設の稼働状況につきましては、マリンメッセ福岡A館は令和元年度が83.3%、2年度が14.7%、福岡国際センターは元年度が80.7%、2年度が20.3%、福岡国際会議場は元年度が77.7%、2年度が31.8%となっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 次に、福岡市内宿泊施設の稼働率について伺います。
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 福岡市内宿泊施設の稼働率につきましては、観光庁の統計によりますと、令和元年が79.6%、2年が34.8%となっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 九州運輸局の新型コロナ感染症による九州の公共交通事業者、観光事業者への影響についての調査では、今年6月の輸送人員をコロナ前の令和元年同月と比較すると、タクシーが41%減、高速バスが49%減、旅客船は58%減、貸切りバスは何と76%減など、観光目的の方が利用する割合が大きい貸切りバスは著しい落ち込みになっています。特に貸切りバスの同年同月の運輸収入は82%減など壊滅的な数字になっています。
そこで、貸切りバスの稼働状況について伺います。
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 貸切りバスの稼働状況についてでございますが、県内の貸切りバス事業者へのヒアリングによりますと、インバウンドを多く取り扱う事業者は新型コロナウイルスの影響により、稼働率が大幅に下がり、経営に支障が出ているところもあると聞いております。
また、国内客の取扱いが多い市内の事業者などにつきましても、修学旅行や学校行事のキャンセルなどに伴い稼働率が下がっていたものの、最近は学校関係の需要は戻りつつあると聞いております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 回復の兆しはあるようでありますが、今まで答弁いただいたように、観光関連事業者全体で極めて厳しい現状であり、国のGo To トラベルなどの再開が期待されるところです。
そこで、年明け早々にも再開が予定されている国のGo To トラベルの概要を伺います。
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 国のGo To トラベルの概要についてでございますが、政府の最新の発表によりますと、割引上限額を1万円とした30%の旅行割引と最大3,000円の地域共通クーポンが付与される観光需要喚起策となっております。
実施時期につきましては、年末年始の感染状況を改めて確認した上、全国規模でゴールデンウイーク前までの実施の予定となっております。
なお、令和2年度実施のGo To トラベル事業と異なり、ワクチン・検査パッケージの活用や低価格帯の実質割引率の引上げなど中小事業者への配慮、平日は地域共通クーポンを上乗せするなど平日への分散などの措置が講じられております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 国のGo To トラベルとは別に、各都道府県でも現在、観光関連事業者への様々な支援を実施しています。
例えば、北海道では苦境に陥っている貸切りバス事業者支援のため、車検整備費などとして道内の約2,600台の貸切りバスに1台4万円の補助を行います。岩手県では新型コロナウイルス感染症対策として観光関連事業者への様々な支援を実施、地元の宿応援割、観光バス運行支援、県民を対象とした県内旅行の旅行代金割引や土産物店等で利用可能なクーポン券の発行、観光バス等旅行商品造成支援などを実施、また、兵庫県でもふるさと応援県民割、ふるさと応援旅クーポンのほか、県外からのバス旅行誘致の事業などで、いずれも国の事業を活用したものです。
一方、福岡県では福岡避密の旅という県民向け観光キャンペーンを実施し、最近、県外在住者にも対象を拡大しましたが、概要についてお聞かせください。
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 福岡避密の旅の概要につきましては、1人1泊当たり最大7,000円補助が受けられる観光需要喚起策となっており、期間は令和4年2月14日までとなっております。
また、これまでは福岡県民を対象としておりましたが、12月10日販売分から、隣県である佐賀県、
長崎県、熊本県、大分県、山口県民についても、ワクチン・検査パッケージの活用条件に対象として追加しております。
なお、福岡県民についても、12月17日販売分以降はワクチン・検査パッケージの活用が条件となっているところでございます。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 観光関連事業者等への支援は、どちらかといえば国や都道府県が主体となった事業と思われがちですが、実は政令市や一般市などでも独自に様々な支援が実施されています。
仙台市は日本一の体験プログラム創出を目指した取組や宿泊代1万円を割り引くTravel仙台選べるトク旅キャンペーンを実施中で、今後、感染が落ち着けば東北6県に拡大を予定しています。また、旅行中に様々な場面で利用可能なクーポンも同時併用。また、静岡市は、静岡市はいいねぇ。しずトクキャンペーンとして貸切りバス、タクシーで市内目的の観光ツアーを企画した旅行業者と市内バス事業者に助成金など市内の新たな観光商品をつくることで、今まで立ち寄ることがなかった場所にも訪れてもらいたいとの趣旨からです。ほかにも、宿泊、貸切りバス、ツアー等への助成金は、千葉市、神戸市、高知市、長野市など多くの都市が実施中です。
そこで、貸切りバス事業者支援を含め、これまで福岡市が実施してきた観光関連事業者への支援策を伺います。
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) これまで実施してきた観光関連事業者への支援につきましては、事業者の事業継続に向けた支援として、売上げが減少した事業者への支援や融資制度の拡充、来店型店舗等の感染症対策強化支援などを実施しており、観光関連事業者にも活用されているところでございます。
また、特に観光関連事業者を対象とした支援として、宿泊施設の衛生対策支援を実施するとともに、需要喚起策として、修学旅行等による都市圏周遊の推進や宿泊事業者によるプランの造成、販売を支援し、利用促進を図る「福岡STAY」安全安心利用キャンペーン、MICE施設のオンライン設備導入や主催者側への開催経費を支援するMICEハイブリッド開催支援などを実施しております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) アジアのゲートウェイ都市を目指し、観光・集客で福岡市を盛り上げる施策を推進してきた福岡市だからこそ、今こそ独自に観光関連事業者を支援するさらなる施策を実施すべきと考えますが、所見を伺います。
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 観光関連事業者へのさらなる支援につきましては、新型コロナウイルスの影響により観光関連産業は大変厳しい状況にあると認識しており、経済効果の高い宿泊需要を喚起するための切れ目ない支援策として、12月補正において、新たな生活様式に対応した宿泊施設の多様な利用促進事業を計上したところでございます。
今後、博多旧市街などの歴史文化や食の魅力など、地域の観光資源の掘り起こしや磨き上げにつなげるため、国や県の支援策の動向及び各業種の置かれている状況などを注視しながら、貸切りバスを活用した団体旅行を促進するなど観光関連事業者に対する福岡市独自の支援について検討してまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 現在、まだまだインバウンドなどコロナ終息の見通しが立ったとは言えない状況でありますが、来年こそは福岡市経済のV字回復を成し遂げてもらいたいと心から願っていますし、我々も力を尽くしたいと思っています。
最後に、今後の福岡市のさらなる発展へ観光の振興にどう取り組まれるのか、髙島市長の決意をお伺いして、私の質問を終わります。
○副議長(山口剛司) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 福岡市は第3次産業が9割を占める産業構造であり、新型コロナウイルス感染症の影響で大きく減少している交流人口の回復は、観光産業をはじめとした市内経済の活性化に不可欠であると認識をしております。
高木議員御指摘のとおり、観光産業は宿泊や飲食、交通など裾野が広く、今回、影響を大きく受けた産業でもあるため、福岡市といたしましては事業の継続や需要の喚起に向けた支援を切れ目なく実施しております。
今後も、感染の拡大防止と社会経済活動の維持の両立を基本とし、コロナによって変容した観光を取り巻く環境やニーズを踏まえながら、また、来年5月に開催をされる世界水泳選手権に向けては、福岡・九州の自然、歴史、文化等の地域資源を生かした魅力の発信を行うなど、観光・MICEの振興に取り組むことでコロナ禍のピンチをチャンスに変え、福岡市経済の回復、そして、さらなる成長につなげてまいります。以上です。