○25番(楠 正信)登壇 お疲れさまでございます。もうしばらくお付き合いください。
私は公明党福岡市議団を代表して、家庭ごみの分別について、福祉避難所について、道路照明灯一括LED化ESCO事業について、3点質問いたします。
最初に、家庭ごみの分別についてです。
個人的なことで申し訳ありませんが、私の妻は、地域の資源物回収に取り組む団体の代表を任され、活動しています。我が家では、プラスチック系のごみ、名刺以上の大きさの紙類、どうしても捨てなければならないごみと生ごみ、ペットボトル・瓶、燃えないごみと分別するよう指導されています。紙類を手で丸めて捨てようものなら、厳しい指導が入ります。おかげで、我が家のごみはどのような組合せになっているのかよく分かります。週2回のごみ出しで、30リットルの指定袋のうち、90%がプラスチック系のごみとなり、10%が生ごみです。目で見ると驚きを感じます。資源物としてまとめられた紙類の多さにも、これを燃やしていたのかと思うとぞっとします。しかも、この紙類はお金になります。そして、プラスチック系ごみは、カップ麺の器とその蓋、レジ袋、納豆や卵のパックなど、生活の全てでプラスチックにお世話になっていることが分かります。そして、そのプラスチックごみは再生が可能である、リサイクルできるという識別表示がほとんどについています。製品を作っている企業に対してリサイクルを義務化しているのです。
リサイクルできるのに福岡市では燃やされている識別表示マークがついているプラスチックごみは、家庭ごみの燃えるごみのうち、全体でどれくらいの量になるのか、お尋ねいたします。また、それは家庭ごみの排出量の何%を占めているのか、お示しください。
これで1問目を終わり、2問目以降は発言者席で行います。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 家庭から排出される可燃ごみに含まれる識別表示マークがついているプラスチックごみの量につきましては、組成調査結果に基づく推計によると、令和元年度が4万4,889トンとなっており、家庭から排出される可燃ごみ量の約16.7%となっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) (パネル表示)このマークが資源物ですよというマークです。再生ができますという、プラマークと呼ばれているマークであります。お菓子とか、冷凍食品とか、(包装紙表示)こういった包み紙、チキンラーメンの包み紙も全部このマークが入っています。それで、福岡市はペットボトルを出すときに、フィルムは燃えるごみに捨ててください、キャップも燃えるごみに捨ててくださいというふうに言われていますけど、キャップも、これもプラマークがついていますので、資源化ができます。私驚いたのは、スライスチーズを包んでいるこの紙、これにもプラマークがついています。だから、プラマークのついていないプラスチックごみを探すほうが難しいです。
では、燃やす家庭ごみの処理量はどのように推移していますか。また、その処理に係る経費はどのように推移していますか。平成21年度から5年刻みでお示しください。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 家庭から出る可燃ごみ処理量につきましては、平成21年度が26万7,306トン、平成26年度が26万9,622トン、令和元年度が26万8,796トンとなっております。次に、ごみ処理施設での処理にかかった費用につきましては、事業系ごみの経費も含めて、平成21年度が約99億2,200万円、26年度が約95億6,600万円、令和元年度が約130億5,800万円となっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 数字が表しているとおり、分別も何もしていないので、燃やす家庭ごみは一向に減る気配はありませんし、処理経費だけが増加しています。
このプラスチック製容器包装を分別収集し、リサイクルしている都市は20政令市中、何都市あるのか、リサイクルしていない都市はどことどこなのか、お尋ねいたします。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) プラスチック製容器包装につきましては、20政令市のうち、16都市が分別収集した上でリサイクルを実施しており、分別収集をしていない都市は、千葉市、静岡市、岡山市、福岡市の4都市となっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 20政令市中、福岡市を含めた4都市だけがリサイクルせず、燃やし続けています。先進都市としてSDGsを標榜しながら、資源物を燃やし続けることは、その理念との逆行にならないのか心配です。
先月、国連のIPCC気候変動に関する政府間パネルの作業部会は、人間活動の影響で地球温暖化が進んでいることについて疑う余地がないと初めて断定する報告書を発表しました。国も地方も脱炭素社会を実現するため、温室効果ガス排出量の削減目標を掲げ、大量廃棄、大量リサイクルから脱却し、資源物を含むごみの総排出量を抑制する循環型に転換してきました。これは多少費用はかかりますが、20政令市中、16都市が取り組むごみ処理計画、環境対策です。
福岡市がプラスチック製容器包装を分別せずに燃やしている理由をお尋ねいたします。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) プラスチック製容器包装の分別収集につきましては、既に分別収集を実施している都市の中には、その回収率が5割程度であり、残りは燃えるごみとして排出されている状況も見られることや、プラスチックごみとして回収した中の3割程度は、油汚れ等により不適物として熱回収されていることなどを踏まえ、福岡市が夜間戸別収集を実施している中、分別、排出時の市民負担、収集運搬や処理に係る経費及び環境負荷やリサイクルの効率性に課題があることなどを総合的に判断し、実施いたしておりません。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) リサイクルの効率性に課題があるので分別収集はしませんとの回答でした。リサイクルするのに効率性は関係ありません。循環型社会形成推進基本法では、資源物であれば、あくまでもリサイクルさせる、これ以上リサイクルできないというものだけを燃やしていいことになっています。廃棄物の処理の際に発生する熱をエネルギーとして回収するサーマルリサイクルは、この法律では既にリサイクルとは呼びません。また、ほかのリサイクルと比較することすら適切ではないとされていますが、これが福岡市がやっているリサイクルの一部です。リサイクルに回したほうがCO2発生量を必ず抑えていく、このことは国が調査したデータでも明らかです。
取りも直さず、カーボンニュートラル、脱炭素社会の基本は燃やさないということです。脱炭素社会へ向けてのごみ処理計画、第5次福岡市一般廃棄物処理基本計画の中で、重点3品目の一つであるプラスチックごみには、どのような削減目標を立て、どのような具体策が進められていくのか、お尋ねいたします。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) プラスチックごみの削減目標と施策につきましては、令和3年8月に策定しました第5次福岡市一般廃棄物処理基本計画におきまして、国のプラスチック資源循環戦略などを踏まえ、不要なものを断るリフューズの推進や、マイバッグ、マイボトルの普及促進による発生抑制に取り組んでいくほか、使い捨て食器等のワンウエープラスチックについて、バイオマス素材等への転換による代替素材の普及を促進するとともに、プラスチックのリサイクルの在り方を検討してまいります。また、削減目標につきましては、家庭から排出されるプラスチックごみの焼却量を2030年度までに3,000トン減らすこととしているほか、取組指標としまして、レジ袋の辞退率や簡易包装商品の購入率、マイボトルの持参率などを設定いたしております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 掲げられた削減目標、9年間で3,000トンというのは、現在燃やされている1年間のプラスチック資源物4万4,000トンの15分の1であり、脱炭素社会へ向けての目標にはなり得ません。具体策も民間に厳しく、行政に甘い取組と言わざるを得ません。国際社会から厳しい目を向けられているプラスチックごみの対策は、国全体で取り組む必要があります。
本年6月に成立したプラスチック資源循環促進法に基づき、国は企業や自治体に求める対策を政令や省令で定め、来年4月の施行を目指していると大きく報道されました。この法律の目的、自治体に求められている内容、そして、今まで先進的に取り組んできた自治体にはどのようなメリットがあるのか、具体的にお示しください。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の目的につきましては、多様な物品に使用されているプラスチックに関し、包括的に資源循環体制を強化し、製品の設計から製造、販売、廃棄物処理までの各段階に関わるあらゆる主体によるプラスチック資源循環等の取組を促進するための措置を講じるものでございます。地方自治体においては、プラスチック廃棄物の分別収集及び再商品化に必要な措置を講ずることに努めるものとされております。なお、プラスチック製容器包装の分別収集をしている都市のメリットにつきましては、プラスチック製容器包装の分別収集に、法律で新たに対象となる玩具などのプラスチック製品を併せて収集する体制への移行が容易であるものと考えられます。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 今、局長がお答えになった、最後にお答えいただいた部分が大事なところなんです。今後、プラスチック製品であるバケツ、洗面器、おもちゃなどなど、どのように分別しているのか自治体に求められます。そして、プラスチック系ごみとして一括回収するための自治体の費用は、今後、地方財政措置される見込みであるということもポイントになります。
第5次福岡市一般廃棄物処理基本計画は、5年後に見直しが行われると聞いております。国の法律の趣旨を踏まえて、プラスチック系ごみの拠点回収や分別収集も含め検討していただき、対策としての方向性だけは示していくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 第5次福岡市一般廃棄物処理基本計画につきましては、今後の社会状況の変化等に対応するため、10年間の長期ビジョンと5年ごとの具体的な施策を定める実行計画で構成しております。プラスチックごみのリサイクルの在り方につきましては、今後示される国の政省令等を見ながら、拠点回収や分別収集も含めて課題の整理を行い、今後の方向性について検討を行ってまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) ありがとうございます。よろしくお願いしておきます。
もう一つの家庭ごみの中の資源物、古紙、紙類のことをお尋ねいたします。
家庭ごみの燃えるごみのうち、資源化が可能な古紙、紙類は全体でどれくらいの量となるのか、お尋ねいたします。また、それは家庭ごみ排出量の何%を占めているのか、お示しください。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 家庭から排出される可燃ごみの中に含まれている資源化が可能な古紙の量につきましては、組成調査結果に基づく推計によると、令和元年度は4万4,083トンとなっており、家庭から排出される可燃ごみ量の約16.4%となっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) リサイクルできるのに燃やしている古紙、紙類の年間量は4万4,083トンとなり、家庭ごみの16.4%を占めていました。リサイクルできるプラスチック製容器包装と合わせると、燃やしている家庭ごみの中には33%の資源物が入っているということです。
この古紙、紙類のリサイクルとして中心的な取組となっているのが地域集団回収です。その古紙、紙類の回収量を平成21年度、平成26年度、令和元年度でお示しください。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 地域集団回収における古紙回収量につきましては、平成21年度が3万5,956トン、26年度が3万541トン、令和元年度が2万1,809トンとなっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 頼りにしてきた地域集団回収量も5年ごとに約5,000トンずつ減少しています。私の地域もそうですが、集団回収を支えてくださる人材の減少はどうにも止まりません。それではどうするか。
昨年10月から、事業系ごみの古紙の分別が始まりましたが、搬入されたリサイクルベースの実績をお尋ねします。また、10月より排出事業者が古紙問屋さんと直接契約をしリサイクルされた総量もお尋ねいたします。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 事業系古紙を受け入れ、選別処理を行っている施設である福岡市リサイクルベースへの搬入量につきましては、令和2年10月から令和3年3月までの合計で5,644トンとなっております。また、古紙を排出する事業者から古紙回収業者が回収した量につきましては、民間事業者間の取引であり、把握いたしておりません。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) リサイクルベースへの搬入による排出事業者のメリットは何なのか、お尋ねいたします。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) リサイクルベースへの搬入による排出事業者のメリットにつきましては、リサイクルベースにおける処理手数料が市の清掃工場における処理手数料の半額であること及び施設で選別を行うため、様々な種類の紙を1つの袋にまとめて出すことができ、分別の手間が省けることが考えられます。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) リサイクルベースの実績からのごみ処理の削減効果についてお尋ねをいたします。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) リサイクルベースの実績から見た市のごみ処理経費の削減効果につきましては、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、単純に比較することはできないと考えておりますが、事業系ごみ処理量が減少している中でも、令和2年度の10月から3月までのリサイクルベース搬入量は、令和元年度の10月から3月までと比較して、約1,700トン増加しており、その増加量に基づき試算しますと、市のごみ処理経費としては約3,000万円の削減効果があったものと考えております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 昨年10月から排出する事業者が古紙問屋さんと直接結んだ契約で収集された古紙の総量は、組合役員さんにお聞きしたところ、半年で約3,000トンだったとのことでした。今お答えいただいた削減効果に当てはめると、約5,000万円の削減となります。リサイクルベースの実績と合わせて、半年間で約8,000万円の処理経費の削減効果が出たことになります。分別収集を行えば、出す人も、収集する人も、福岡市も得をする。しかもCO2削減効果も非常に高いのです。
市民から家庭ごみでの古紙分別収集の要望を受けたことはありますか、お尋ねいたします。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 家庭から排出される古紙に関して、市に寄せられる市民の声等において、古紙を分別して収集してほしいという意見を受けたことはございます。なお、令和元年度に実施しましたごみ・減量リサイクルに関する市民意識調査におきまして、ごみの分別に関するアンケートを実施しており、分別収集について、分別を増やすべきと回答した市民の割合は12.6%となっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 家庭ごみでの古紙の分別収集を古紙問屋の組合さんから要望を受けたことはありますか、お尋ねをいたします。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 家庭から排出される古紙の分別収集に関する要望につきましては、古紙回収業者の組合から、近年、正式な要望としては受けておりませんが、意見交換を行う中で、一部からの意見としての要望はお聞きしております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) ごみ処理経費の削減効果の実績があり、市民からの声があり、古紙問屋組合さんからの要望もある。ぜひとも家庭ごみ古紙分別収集の道を開いていただきたいと要望いたしますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(山口剛司) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 家庭から排出される古紙の回収につきましては、これまで主に地域集団回収で行われており、地域集団回収が共創のまちづくりの理念に合致していることや環境教育の場になっていること、また、回収量に応じた報奨金が地域の活動資金になっているという現状がございます。一方で、高齢化等による回収の担い手等の課題もあることから、まずは地域や古紙回収業者とも協議しながら、地域集団回収における回収量の増加に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) ちょっと残念な回答でありましたが、最初のほうで20政令市の分別収集の状況を示してもらいましたが、プラスチック系ごみの分別収集も古紙、紙類の分別収集も両方とも一度もやっていない都市は、私たちの住む福岡市だけです。家庭ごみの分別は、カーボンニュートラル、脱炭素社会達成の大きな鍵を握っていると考えます。
市民の方々も環境意識を大きく変えようとしています。その市民の皆さんとともに、どのような循環型社会をつくっていかれるのか、髙島市長の御所見をお伺いして、この質問を終わります。
○副議長(山口剛司) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 福岡市におきましては、人と環境に優しい持続可能な都市を目指し、環境負荷を低減し、都市の発展を持続させる福岡式循環型社会システムの構築に取り組んできております。楠議員御指摘のとおり、環境行政を取り巻く国内外の状況は大きく変化をしていることから、今般策定をした新たなごみ処理基本計画であります循環のまち・ふくおか推進プランに基づき、引き続きごみの減量、またリサイクルの推進に向け、福岡市に関わる全ての市民、事業者、団体等の皆様とともに、持続可能な社会を実現し、安全、安心な生活環境を将来世代に引き継いでいけるように取組を進めてまいります。以上です。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) ありがとうございます。
次に、福祉避難所についてお尋ねいたします。
本年4月、西日本新聞の1面のトップに「高齢者や障害者 どこに逃げれば…」、「福祉避難所 不足深刻」との大きな記事が掲載されていました。5年前の熊本地震では、福祉避難所が機能せず、災害による死者268人のうち8割、218人は避難生活による災害関連死であったと報道されていました。地震の災害で直接亡くなった方が50人、避難生活による災害関連で亡くなった方が218人だったことに衝撃を受けました。福岡市で災害が起こったとき、高齢者や障がい者の逃げる場所があるのか、守ってもらえるのか、今回ここをお尋ねしたいと思います。
まず、福祉避難所とはどのような避難所なのか、お尋ねいたします。また、福祉避難所運営に各地で起きた災害の教訓がどのように生かされているか、具体的にお示しください。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福祉避難所は、主として高齢者、障がい者、乳幼児、その他の特に配慮を要する方が滞在することを想定した避難所でございます。福岡市におきましては、あらかじめ協定を締結した高齢者施設等に開設することとしておりまして、避難の際は、まずは一時避難所である公民館等へ避難していただき、配慮が必要な状況等を確認の上で、二次避難所である福祉避難所へ移っていただくことといたしております。
各地での災害の状況も踏まえた対応につきましては、台風や大雨などの情報に基づき、あらかじめ各施設に避難者受入れの可否を確認し、避難が必要な方の迅速な受入れを図ることといたしております。また、円滑な運営に向けた施設の受入れスペースや設備の状況、受入れ可能な障がいの種別などの把握や、大規模災害に備えた福祉避難所の拡充に取り組んでおります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) では、その福祉避難所に避難できる方について、市のホームページにはどのように掲載されているのか、お尋ねをいたします。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市のホームページには、福祉避難所の対象者として、日常生活に介助や常時見守りが必要な、食事や排せつ、移動が一人では困難な方、家族の付添いがなく、常時介護が必要な方、重度の知的障がいがある方、胃ろう、寝たきりの方などと掲載いたしております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 福岡市の告知の仕方は、福祉避難所に避難できる人を厳しく制限しているように感じます。
お隣の熊本市のホームページでは、福祉避難所に避難できる方、対象者はどのようになっていますか、お尋ねいたします。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 熊本市のホームページには、高齢者、障がい者、乳幼児、その他の特に配慮を要する方と掲載されております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) お隣の北九州市も神戸市も同様です。条件をつけている都市はどこもありません。福岡市の告知の仕方では、ほとんどの人が福祉避難所への避難を諦めてしまいます。
他都市と同様の告知へと変えるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市ホームページにおきましては、どのような方が福祉避難所の対象者となるのか、具体例を挙げる形で掲載をしているところでございますが、他都市の事例を参考に、より分かりやすく、正しく伝わるよう、内容の見直しを行いたいと考えております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 弱い立場の人たちを救うために、時間をかけずに、よろしくお願いいたします。
障がいのある方から、私たちはどこに避難したらいいのでしょうかとよく尋ねられます。高齢者団体、障がい者団体などから、指定避難所や福祉避難所に対してどのような要望を受けていますか、お尋ねいたします。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) これまでに障がい者団体から、福祉避難所の箇所数の増加、事前公表や直接避難の実施などの要望をいただいております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) では、その福祉避難所の箇所数は幾つあるのか、3年間の推移でお示しください。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福祉避難所の箇所数につきましては、各年3月末現在で、平成31年が102か所、令和2年が109か所、3年が115か所となっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 福祉避難所の数は若干増加していますが、115か所。もともと福祉事業を行いながら、空きスペースに避難者を受け入れるところが115か所です。福岡市には要介護の高齢者が約5万人、2級程度以上の障がいのある方が3万人、合わせて8万人を115か所で受け入れることは当然不可能です。福祉避難所へ避難するために、障がいのある人たちは一般指定避難所へ行くわけですが、そこへの移送はごく僅かになり、そもそも迷惑をかけると思っているので、指定避難所へはますます行きづらくなるのです。
もう一つよく尋ねられるのが、高齢者、障がい者が通所サービスを利用中に大きな災害が発生した場合です。避難所はどこになるのか、お示しください。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者や障がい者が日中のサービスを利用している際に災害が発生した場合、利用している施設や周辺地域の被災の状況などにより、施設内の安全が確認された場所にとどまったり、施設の職員とともに最寄りの避難所に避難するなど、各施設における非常災害対策計画に沿って対応することとなっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 最寄りの避難所と簡単に言われますが、障がい者などが自宅のある地元ではなく、遠く離れたサービス事業所周辺の避難所を利用するとき、そこで自分たちを受け入れてもらえるのかどうかが心配なのです。
障がい者施設側とその避難所運営側の連携が取れているのか、お尋ねをいたします。もし取れていないのであれば、早急に連携を取るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい者施設と避難所運営に携わる地域との連携につきましては、それぞれの施設によって様々ではございますが、令和3年4月に施行された厚生労働省令により、施設における避難訓練に地域住民の参加が得られるよう、地域との連携に努めるとされたことを踏まえ、今後、市としても施設と地域住民との連携強化に向けて支援をしていきたいと考えております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 皆さんが避難に対してちゅうちょすることがないよう、しっかり連携強化をお願いしておきます。
次に、本市は特別支援学校を福祉避難所に指定されていますが、そこに至った背景をお尋ねいたします。また、受入れの対象者をお示しください。
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 指定の背景については、平成28年に発生した熊本地震の際に、現地で支援活動に従事した発達教育センターの職員が、障がいがあることによって、多くの方が安心した避難生活を送ることができないという状況を目の当たりにしたことや、さらに、報道等でも災害時における障がい者の避難について話題となったことから、福岡市としても災害が発生した場合において、障がいのある子どもとその家族が安心して避難生活を送ることができる環境を確保する必要があると考え、特別支援学校をこども福祉避難所といたしました。また、受入れ対象者は、在籍児童生徒とその家族を想定しております。以上です。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 平成28年の熊本の震災での教訓がここでは生かされています。教訓は本来であれば、本市福祉避難所全体の運営に生かされるべきと考えます。要望しておきます。
指定避難所を経由せず、児童生徒とその家族が直接避難できる画期的な取組であると評価します。ただし、遠方から通ってくる生徒とその家族が目的の学校までたどり着くことができるのか、こども福祉避難所としての訓練を実施されるよう要望しておきます。
福祉避難所とこども福祉避難所の備蓄内容をお示しください。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福祉避難所につきましては、各施設において必要に応じて水や食料、毛布、タオルなどの備蓄を行っております。また、避難者の受入れに際して物資に不足がある場合は、施設と協議の上、対応することといたしております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) こども福祉避難所には、福岡市が公民館に公的に備蓄している量と同様に、水500ミリリットル入りのペットボトル240本、レトルトの御飯240食、レトルトの白かゆ50食、保存が利くパン240食を備蓄しております。以上です。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 物資に不足がある場合には、施設と協議の上、対応することとしているというお答えは、市では協定を結んだ民間施設への提供を目的とした備蓄はないとのお答えです。特別支援学校も児童生徒とその家族が避難するとなると、300人を超えるところもあります。1日分にも満たない備蓄では命は守れません。後ほどまとめて提案いたします。
また、福岡市の福祉避難所は非公開とお聞きしておりますが、なぜ非公開なのか、理由をお尋ねいたします。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福祉避難所につきましては、市と協定を締結している施設が被災などにより福祉避難所として機能することが困難となる状況も想定されることや、対象とならない方が直接施設に避難された場合、混乱が生じるおそれもあることから、事前にその場所を広く公開するような取扱いは行っていないところでございます。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 今、局長がお答えになった逆のことが熊本市で起きています。熊本市は、5年前の震災時の教訓を生かし、福祉避難所の充実を図っています。先日、お話を伺ってきました。
西日本新聞に報道されたとおり、福祉避難所は機能せず、一番手を差し伸べなければならなかった弱い立場の人を避難所に受け入れることができませんでした。そこから問題解決に取り組まれています。熊本で実際に起きた状況は、指定避難所での生活が困難な高齢者、障がい者の方々が福祉避難所を知らなかったという現実でした。福祉避難所を知らないので、当然、迷惑をかけるであろう指定避難所には行きません。壊れた家屋で過ごすなど、危険な状態での生活を送っていたことが後で分かりました。
また、福祉避難所として協定を結んでいた社会福祉施設に、一般の地域の方々が避難されてきたため、高齢者、障がい者など要配慮者を受け入れることができませんでした。避難してきた一般の方々も、そこが福祉避難所とは知らなかったのです。一部開設できた福祉避難所も、水や食料、生活物資が極端に不足し、物資の供給が始まるまで、水の供給を受けようと、職員さんたちが手分けをして指定避難所の長い列に並んだそうです。
教訓を生かし、災害時に明らかになった課題を協議し、福祉避難所マニュアルを改定されていました。そして、非公開だった福祉避難所を、高齢者、障がい者の要配慮者の方々にも、一般の方々にも、どのような避難所なのかを知ってもらうため、公開に切り替えました。直接福祉避難所へ避難することはできませんが、自分の住んでいる近くに何か所福祉避難所があるかは明確に分かります。
指定避難所でのトリアージ、優先順位を受けた後、近くの福祉避難所に移送となります。福祉避難所としての協定を結ぶ社会福祉施設の方々が現状をよく理解してくださり、熊本地震当時の協定数の倍以上、現在191か所と協定を結んでおられました。ちなみに、熊本市の人口は福岡市の半分以下の74万人ですが、協定数は福岡市の約2倍となっています。
災害備蓄は、物資の供給、運搬体制が整うまでかなりの期間を要したこと、障がいを持った児童生徒とその家族が配食に並ぶことも困難だったことを教訓に、福祉避難所の中心施設を区ごとに決め、そこに備蓄体制をつくり上げていました。福岡市の発達教育センターの職員さんたちが見てきたとおりであります。
熊本市だけの教訓ではなく、全国の災害報告や各団体からの要望を受け、国は福祉避難所の確保・運営ガイドラインの改定を本年5月に行いました。その内容をお示しください。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 改定の主な内容でございますが、指定福祉避難所について、受入れ対象者を特定し、あらかじめ指定の際に公示する制度の創設、地域防災計画や個別避難計画の作成を通じた指定福祉避難所への直接の避難の促進、避難所の感染症、熱中症対策や、衛生環境対策のための必要な物資の備蓄、緊急防災・減災事業債等を活用した指定福祉避難所の機能強化などとなっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 災害対策基本法等の一部を改正する法律が同じく5月に施行され、福祉避難所については、あらかじめ受入れの対象者を特定し、本人とその家族のみが避難する施設であると公示、公開することを明確化しました。そして、福祉避難所となる特別支援学校においては、自治体が人材の確保や備蓄等について必要な支援を行うこととされ、福祉避難所となる施設管理者とも連携し、必要な備蓄を図ることとなっています。また、他都市の事例集を通し、補助金を活用した備蓄整備への取組も奨励しています。
お隣の熊本の教訓を生かし、国の改定ガイドラインに沿った福祉避難所の公表、協定数の拡大、想定される受入れ避難者の備蓄体制の構築を具体的に検討し、福祉避難所の確保、運営に積極的に取り組むべきと要望いたしますが、御所見をお伺いし、この質問を終わります。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福祉避難所につきましては、協定を締結する施設数の拡大に取り組むとともに、本年5月に改正されました災害対策基本法施行規則や福祉避難所の確保・運営ガイドラインを踏まえ、今後の在り方について検討を行っているところでありまして、この中で施設名称等の公表や、物資の備蓄体制についても検討を行ってまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) ありがとうございます。よろしくお願いをいたします。
次に、道路照明灯一括LED化ESCO事業についてお尋ねをいたします。
私は6年前の平成27年も道路照明灯のLED化について質問をいたしました。3万4,570基ある道路照明灯のうち、LED化が進んでいたのは2,853基で、僅か8%の進捗率でした。いろいろな手法を用いてLED化を進めてもらいたいこと、耐用年数が大幅に超えているものは検査してもらいたいこと、天神周辺のLED化は照明灯の色も形もばらばらで、統一されたデザインにしてもらいたいことなどを要望いたしました。
まず、一括LED化ESCO事業でLED化がどれぐらい進んだのかお尋ねいたします。また、ESCO事業の仕組みを分かりやすく説明してください。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 道路照明灯のLED化につきましては、平成24年度に着手して以降、毎年国庫補助を活用しながら工事を実施し、令和元年度までの進捗率は約32%でございました。その後、道路照明灯一括LED化ESCO事業により令和2年度に2万基のLED化工事を行った結果、令和2年度末現在の道路照明灯約3万8,000基のうち、約3万3,000基が完了し、進捗率は約87%となっております。
また、ESCO事業の仕組みについてですが、受注した事業者が自らの資金によりLED化工事及びその後10年間の維持管理を行う一方、発注者である福岡市がLED化により削減される電気料金等の範囲内で、事業者にLED化工事や維持管理などのサービスに対する報酬としてESCOサービス料を10年間にわたり支払うものでございます。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) このLED化に際して福岡市の初期投資はなく、浮くであろう電気代で事業が進められ、しかも毎年一定の削減効果を最終利益として福岡市が得ることができます。
令和3年度のESCOサービス料の支払い回数、時期、金額をお尋ねいたします。また、本市の最終利益額もお示しください。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 令和3年度のESCOサービス料につきましては、支払い回数が4回、支払い予定時期は7月、10月、翌年1月、4月、支払い金額は1年間で約1億6,000万円となっております。また、削減効果額としましては、年間で約1億2,000万円を見込んでおります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 浮いた電気代の範囲内で事業者にサービス料を支払う、さらに浮いた電気代は福岡市の手元に残る、その金額が1億2,000万円です。
一括LED化事業によって削減される電気料金は、今後、道路照明灯の補修などに活用されるべきと考えます。活用されるのか、お尋ねいたします。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 一括LED化事業による電気料金削減によって生み出される財源につきましては、道路照明灯の補修などの道路維持に活用してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 活用していくとのお答えでしたので、来年度予算を楽しみにしたいと思います。
このESCO事業は契約日から2万基にも及ぶLED化完了まで、約1年間という短い期間での工事となりました。受託した事業者は、どのような業務を順番に行わなければならなかったのか、その内容をお示しください。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 事業者の業務手順につきましては、福岡市が指定した道路照明灯2万基について、まずは現地調査を行い、柱の健全性などを目視点検した上で、LED灯具の機種選定を行い、工事を実施いたしております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) LED化が完了する間近、今年の2月以降、3か所の通りの方々から市民相談が上がってきました。1か所目は、LEDの工事があったのに暗くなったという相談です。2か所目は、ばらばらのLEDをちゃんときちっとしてもらいたい。3か所目は、倒れそうな照明灯が何本もあるということでした。1か所目は国体道路から桜坂に抜ける、はなみずき通りというところですが、確かに現地に行ってみると、20本以上のLED照明灯の中で相談者の近辺にある2本だけがぼんやりとした照明灯でした。周りは明るいのにそこだけ暗く感じます。確認すると、この通りの照明灯は全てESCO事業でのLED化の対象とできたのに、この2本だけがLED化されていないことが分かりました。2か所目も現地に行ってみると、親不孝通りの交番からあいれふの短い通りですが、ESCO事業でLED化されている照明灯とされていないものと、ばらばら状態になっていました。
気になって中央区内を少し見て回りましたが、中央市民体育館の通りや北天神の通りも同じようにLED化は歯抜け状態になっていました。なぜこのような状態になるのか、なぜこのような非効率的な工事となるのか、御説明ください。また、受託事業者は工事の前に現地調査をすることになっています。工事が終わっても報告があります。なぜ2回ある報告時に気がつかないのか、御説明ください。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) まず、ESCO事業の対象となる2万基の道路照明灯につきましては、福岡市が道路照明灯の台帳の中から選定を行い事業者に指示したものでございますが、選定に当たっては、柱の老朽化等により建て替えを計画しているもの、灯具が取り外せないような特殊デザインのものなどを対象外といたしておりました。議員御指摘の赤坂はなみずき通りなどにおいてLED化されていない照明灯が生じておりますが、これらにつきましては、選定基準に基づき対象外としたものに加え、道路照明灯の台帳に一部記載漏れがあったことにより、選定対象から外れたものでございます。
次に、事業者がなぜ気づかなかったのかとのおただしですが、事業者は福岡市の指示に基づき対象となる照明灯のLED化工事を実施したものであり、対象外の照明灯についての調査報告までは求めていなかったものでございます。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) LED化の対象となっている道路照明灯は、福岡市が指示し、その番号どおりに事業者が工事をしたとのお答えでした。つまり、台帳に一部不備があったことにより、通りの中で配列どおりに選定できず、LED化が歯抜け状態になったとのことです。中央区のたった4つの通りでこれだけ台帳と違う、福岡市全体となれば相当数の不一致があったはずです。
ESCO事業によって判明した現地と違う情報の台帳の書換え、更新に早急に取り組んでいくべきと考えます。また、歯抜け状態となっているところにも工事を完了させる手だてを考えていくべきです。御所見をお伺いいたします。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 道路照明灯の台帳につきましては、市内に約3万8,000基ある道路照明灯の設置位置やランプ種別などの情報を登録した道路維持管理システムにおいて整備しております。今回のESCO事業でLED化した2万基につきましては、工事完了後に台帳の更新を完了したところでございますが、議員御指摘の登録情報に不備があったものにつきましても、現地確認などを行いながら適宜更新を行ってまいります。また、今回対象外となったものも含め、LED化されていない道路照明灯につきましては、LED化推進事業の中で令和8年度の完了を目指し、引き続きLED化を実施してまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 私は、台帳と違うということは、これは本当に問題があるんではないかなというふうに思っています。3か所目の市民相談は、倒れそうな照明灯が何本もある、大丈夫ですかということです。これが倒れそうな照明灯です。(パネル表示)大丈夫というふうに言われましたけど、私は危険だなと思います。もともと照明灯は傾いていてはいけません。受託事業者の現地調査で、この柱はLEDに不適当ですとなぜ報告されなかったのか不思議でなりません。
照明灯の胴体部分が?離しているもの、大きな傾きのある照明灯、これは喫緊のうちに、我が会派が以前より要望している非破壊検査を行い、適切に対応していただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 御指摘の道路照明灯につきましては、事業者の現地調査において目視点検の結果、柱の塗装?離や変形はあるものの、重度の腐食や穴空きは見られなかったとの報告を受け、福岡市としましては道路照明灯を維持管理していく上で特段問題はないと判断し、ESCO事業の対象としたものでございますが、今回の御指摘を踏まえ、改めて現地の状況を確認した上で、超音波等を用いて内部の劣化状況を調べる非破壊検査等の実施を検討してまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) そもそも北天神も大手門三丁目も公園に隣接し、美しいデザイン照明灯が歩道に設置されています。LED化されるべき2万基の照明灯は、それらのデザイン灯を含まず、全て道路照明灯でLED化を進めるべきでした。また、そのように進められると記憶しておりました。
これは大手門三丁目と天神にあるデザイン照明灯です。(パネル表示)きれいな照明灯、公園の近くにあるので、30基ほどがきれいに並んでいるデザイン照明灯です。
今回のESCO事業でLED化されなかった道路照明灯、いわゆる標準型の照明灯は何基ありましたか、お尋ねいたします。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 今回のESCO事業でLED化の対象となる2万基を選定するに当たりましては、主に車道を照らすための標準的な形状をした照明灯を優先することとし、今回LED化した標準型照明灯は約1万9,050基で、お尋ねのLED化されなかった標準型照明灯は約1,650基となっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) その約1,650基の道路照明灯はなぜLED化されなかったのか、お尋ねいたします。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 今回のESCO事業で対象外となった約1,650基の標準型の道路照明灯につきましては、選定段階において柱の老朽化等により建て替えを計画しているものや、道路整備に伴い建て替えや撤去を計画しているもの、また、事業着手後において事業者の現地調査で柱の腐食等により不適と判定されたもの、そのほか、道路照明灯台帳の不備により選定対象から外れたものでございます。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) ESCO事業でLED化されたデザイン灯は約950基とお聞きしています。このLED化されなかった道路照明灯1,650基が今回のLED化に含まれていれば、デザイン灯をわざわざ数に入れる必要はありませんでした。どうしても2万基という数に合わせなければならず、対象外にすべきだったデザイン灯にも手を出してしまいました。今さっきの美しいデザイン灯は現在こんなふうになっています。(パネル表示)一度壊れたデザインは元には戻りません。
市民の方は、環境にいいだけでなく、デザインもいい、両方兼ね備えたものを求めています。舞鶴二丁目のあいれふのある通りや中央市民体育館のある通りなどは、きれいなデザイン灯がまだたくさん残っています。今後、一括LED化によりデザイン灯が今回のように壊されないよう、デザインはそのままで電球と配線を替えるユニット型のLED化を進めていくべきと考えます。他都市が取り組んでいるようにリースを活用し、ESCO事業と同じ、本市の初期投資なしで、このLED化は進められます。
小さな通りごとに、デザインを守りながらLED化を確実に進めていただきたいと要望しますが、御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) まず、福岡市の道路照明灯のLED化につきましては、国のガイドラインで示されている照明灯具の耐用年数15年を参考に、費用対効果等の観点から、照明灯具を一式更新することを標準として事業を進めております。今後、デザイン灯のLED化を進めるに当たり、特に景観への配慮が望ましい路線につきましては、照明灯具外箱を残して内部をLED化できるLEDユニット工法などを含め、十分比較検証した上で、最適な工法を採用してまいります。また、リース契約につきましては、現時点では国庫補助が活用できないなどの課題がございますが、他都市の導入状況なども調査しながら検討を行ってまいります。
最後に、道路照明灯のLED化につきましては、議員からいただいた御指摘も踏まえ、通りごとのデザイン等に十分配慮しながら、しっかり取り組んでまいります。以上でございます。