○13番(勝山信吾)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、医療的ケア児・者や家族に対する支援について、がん対策について質問いたします。
昨日、東京パラリンピックが閉幕いたしました。選手一人一人のこれまでの思いを想像すると、涙なしでは観戦することができないほど感動をいただきました。このパラリンピックを機に、日本でも福岡市でも、ハード面、ソフト面ともに、障がいを持つ方々が住みやすい地域共生社会実現へのさらなる取組が必要だと強く感じました。
それでは初めに、医療的ケア児・者や家族に対する支援について質問をいたします。
医療的ケア児は寝たきりの子から動き回れる子まで様々で、個々によってケアも変わります。在宅で医療的ケア児を世話する家族の負担は想像以上に重く、特に動ける子の場合は自分で人工呼吸器を外してしまうリスクなどもあり、常に目が離せません。ケアを行うその家族は、日中ほとんどトイレに行けず、食事も取れない状況で、睡眠不足で疲弊しているというのが現状であります。
2016年に児童福祉法が改正され、医療的ケア児が初めて法律上に位置づけられ、国や自治体に適切な支援を行う努力義務が課されました。本年6月には、支援の強化や予算的な裏づけを確保する必要性から、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が議員立法で成立し、9月18日に施行されます。
初めに、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律──以下、医療的ケア児支援法と呼ぶ──の全体像と医療的ケア児の定義についてお伺いいたします。
以上で1問目を終え、2問目以降は発言者席にて行います。
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 医療的ケア児支援法につきましては、医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職の防止に資することにより、安心して子どもを生み育てることができる社会の実現に寄与することを目的として制定されるものでございます。主な内容については、医療的ケア児及びその家族に対する地方公共団体の支援施策が努力義務から責務とされたことや、保育所や学校への看護師等の配置などの医療的ケア児及び保護者への支援に必要な措置を講じるとされたこと、さらに、都道府県が医療的ケア児支援センターを新たに設置できるようになったことなどが規定されております。
次に、同法に規定する医療的ケア児の定義につきましては、日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である18歳未満及び18歳以上の高等学校等に在籍する児童とされております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 次に、医療的ケア児の全国と本市の2010年と2019年の推計値をお示しください。
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 医療的ケア児に関する全国の推計値と全国の推計値を基に人口比で算出した福岡市の推計値につきましては、平成22年は全国1万702人、福岡市122人、令和元年は全国2万155人、福岡市263人となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 今お示しいただいたように、医療的ケア児は医療技術の進歩により近年増加傾向にあり、福岡市においても、ここ10年間で122人から263人と倍以上になっていると推計されています。厚生労働省の医療的ケア児者とその家族の生活実態調査の報告書によりますと、家族の抱える生活上の課題について、医療的ケアを必要とする子どものそばからひとときも離れられない、また、家族以外に子どもを預けられるところがない、子どものことを理解して相談に乗ってくれる相手がいない、支援に関することで何度も行政窓口や事業所に足を運ぶ、医療的ケアを必要とする子どもの支援サービス、制度がよく分からないなど、様々な声があります。医療的ケア児が受けている医療、療育の状況や家族によるケアの提供状況、日常生活上の困り事といった生活の実態はまだまだ整理されておらず、医療的ケア児・者を抱える家族の課題は多岐にわたります。
今紹介した課題や声にもありましたが、医療的ケア児とその家族にまず必要なことは、支援の入り口となる自治体からの情報の提供です。
ここで医療的ケア児の支援サイトを今年4月に開設した名古屋市の取組について紹介いたします。名古屋市では、各種制度があるものの、教育、障がい者福祉、子育てなど、分野によって窓口が異なり、何度も窓口に足を運んだり、情報を得るのに苦労したり、制度を知らずに利用できなかったりするケースを回避するため、1、経済的サポート、2、障害福祉サポート、3、子育てサポート、4、保健サポート、5、教育サポートなど、手当、給付金などの情報や役に立つ制度が分野別にまとまった医療的ケア児の支援サイトを開設しています。「こんなときどうする?」のメニューをクリックすると、重症心身障がい児や歩ける障がい児の場合の具体的な情報が紹介されていたり、特に目をみはったのが、先輩家族の声として、経験者がどの支援を参考にして利用したかなど、利用者からも大変使いやすいと好評を博しているそうです。私もそのサイトを見ましたが、とても分かりやすくまとまっており、昼夜関係なくケアに追われている家族にとっては、子どもの近くでスマホを見ながら医療的ケアなどについて調べることができ、非常に便利なサイトだと感動いたしました。
そこで、本市でも医療的ケア児の家族に助言したり、制度の情報を提供する医療的ケア児支援サイトの開設を検討してみてはと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 医療的ケア児及びその家族への情報提供につきましては、市政だよりやホームページでの掲載のほか、医療的ケア児の御家族や利用が想定される方などへチラシにより事業を御案内するなど、周知を図っております。今後とも、他都市の事例も参考にしながら、医療的ケア児及びその家族に対する分かりやすい情報提供の充実を検討してまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) ぜひこのサイトを御覧いただき、御検討をいただければと思います。
ここからは、先ほど示していただいた医療的ケア児支援法の目的や基本理念、支援措置等に基づき、本市の取組について質問を進めてまいります。
医療的ケア児支援法の中に、医療的ケア児及び家族の日常生活における支援とありますが、本市における医療的ケア児及び家族の日常生活における支援にはどのようなものがあるのか、お示しください。
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 福岡市が実施している医療的ケア児及びその家族の日常生活における支援につきましては、主なものとして、医療的ケア児在宅レスパイト事業や訪問型在宅レスパイト事業などを実施しております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 主に医療的ケア児在宅レスパイト事業と訪問型在宅レスパイト事業があるようですが、そのサービス内容と対象者についてお伺いいたします。また、登録者と利用者、令和3年度の予算額についてそれぞれお答えください。
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 医療的ケア児在宅レスパイト事業につきましては、医療的ケア児の御家族の負担を軽減するため、ゼロ歳から18歳に達する日以降の最初の年度末までの医療的ケア児に対し、自宅での医療保険の適用を超える場合の訪問看護や医療保険の適用外となる、自宅以外での訪問看護を提供しております。また、令和2年度末の登録者数は86人、実利用者数は40人、令和3年度の予算額は365万円を計上しております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 訪問型在宅レスパイト事業につきましては、18歳以上の人工呼吸器管理等が必要な重度の障がい者を対象として、医療保険の適用を超える自宅利用での訪問看護を提供するものでございます。令和2年度の登録者数は12人、利用者数は6人、また、令和3年度の予算額は356万円余となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 医療的ケア児在宅レスパイト事業は、訪問型在宅レスパイト事業では提供しない自宅以外での訪問看護を提供しており、登録者、利用者ともに6倍近く多いようです。
そこで、この両事業は対象年齢によってサービス内容に違いがあるようですが、その理由をお尋ねいたします。
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 医療的ケア児在宅レスパイト事業につきましては、18歳になる年度末までの医療的ケアが必要な児童を対象に福岡県の補助金交付要綱に基づき実施しておりますが、訪問型在宅レスパイト事業については、18歳以上の人工呼吸器管理等が必要な重度の障がい者を対象に市で独自に実施しているためでございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 医療的ケア児在宅レスパイト事業は、県の補助要綱の定めで、18歳となったその年度末までしか対象にならないとの御答弁です。冒頭に局長から医療的ケア児の定義について御答弁をいただきましたが、医療的ケア児支援法の第2条に、医療的ケア児の定義は、18歳未満の者及び18歳以上の高等学校等に在籍する者とされています。要するに、高等学校等に在籍していれば、18歳となったその年度を超えた人でも医療的ケア児になるということです。
これらのことを勘案すれば、制度のはざまとも言える医療的ケア児在宅レスパイト事業の対象者については、医療的ケア児支援法との整合性を保つためにも、まずは福岡県に対して、高等学校等に在籍する18歳となったその年度を超えた人も対象とするよう要望されたらどうかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 医療的ケア児在宅レスパイト事業の対象者の拡大につきましては、医療的ケア児支援法の制定による対象者の定義の規定を踏まえ、福岡県の意向も確認しながら、必要に応じ要望してまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 今回の法律で初めて医療的ケア児の定義について明記されたこともあり、各種障がい福祉サービスとの兼ね合いを考えると、福岡県がすぐに要望に応えてくれるかどうかは不確定であり、時間を要するかもしれません。
そこで、県の補助事業ではありますが、18歳となったその年度を超えて高等学校等に在籍する者に対して、今後、本市独自で支援することは可能なのか、お尋ねいたします。
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 医療的ケア児在宅レスパイト事業につきましては、福岡県が補助金交付要綱において対象者を定めていることから、今後、福岡県への要望を含めて対応について検討してまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 制度の整合性を図るためにも、福岡県にしっかり働きかけていただきながら前向きな御検討をお願いいたします。
また、基本理念に「医療的ケア児及びその家族に対する支援は、医療的ケア児が18歳に達し、又は高等学校等を卒業した後も適切な保健医療サービス及び福祉サービスを受けながら日常生活及び社会生活を営むことができるようにすることにも配慮して行わなければならない」とあります。医療的ケア児支援法の理念に基づく切れ目のない支援について、本市のお考えをお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 医療的ケアを必要とする18歳以上の方につきましても、訪問型在宅レスパイト事業をはじめ、障害者総合支援法に基づく短期入所などの障がい福祉サービスや日中預かりなどの地域生活支援事業の活用により、切れ目のない支援に努めてまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 制度上の問題で抜け落ちてしまう人がいないように、切れ目のない支援にしっかりと取り組んでいただくように要望いたします。
次に、医療的ケア児が安心して学校生活を送るためには、看護師の安定的な確保が今後重要になります。
まず、本市における学校看護師の配置体制についてお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 医療的ケアを必要とする81名の児童生徒が在籍する小学校、中学校、特別支援学校の全ての学校に学校看護師を40名配置しております。以上です。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 17校に学校看護師を40名配置されているとのことです。
それでは、令和2年度の学校看護師の募集方法と応募状況についてお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和2年度も募集案内を市政だよりと福岡市ホームページに掲載するとともに、ハローワークや福岡県看護協会の求人案内にも掲載し、幅広く広報したところで、応募も配置必要数を満たす件数となっております。以上です。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 今現在、福岡市においては学校看護師の配置数を上回る応募があるようですが、先頃私が調査いたしました大阪府豊中市では、2007年度までは福岡市と同様に市教育委員会が雇用した看護師を各小中学校に固定配置していましたが、募集してもなかなか人材が見つからず、勤務時間が短く給与が少ないなどの理由で離職が相次いだことから、豊中市教育委員会は豊中市立病院と協定を結び、現在は市立病院から学校へ派遣しているとのことです。現時点では福岡市の学校看護師は確保できているようですが、今後、医療的ケア児の増加に伴い、学校看護師の確保についても、先を見据えて様々な策を講じることが求められると思います。
そこで、本市においても、人材確保について将来起こり得る学校看護師の成り手不足に備えるため、他都市の事例を参考に柔軟に検討するべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 医療的ケアを必要とする児童生徒に対して十分な支援を実施していくためには、学校看護師の安定的な確保が大変重要であると認識しております。今後も他都市の事例も参考に、直接雇用と委託との適切な併用など、雇用の在り方について検討してまいります。以上です。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) よろしくお願いいたします。
医療的ケア児支援法に、医療的ケア児及びその家族の相談に応じ、情報の提供、もしくは助言その他の支援を行うとあります。
そこで、医療的ケア児・者の相談支援業務を中心に専門的な役割を期待されているのが医療的ケア児等コーディネーターですが、その配置状況と本市が考えるコーディネーターの役割についてお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 福岡市では、心身障がい福祉センターに医療的ケア児等コーディネーターを配置しており、医療的ケア児の支援に関する関係機関との調整の役割を担っております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 福岡県では、人工呼吸器などの医療を要する状態にある医療的ケア児の成長と自立を支援するため、医療的ケア児等コーディネーターの養成事業を行っています。
そこで、本市で行っている医療的ケア児等コーディネーターの養成研修はどのように行っているのか、お尋ねいたします。
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 医療的ケア児等コーディネーター養成研修につきましては、相談支援事業所、訪問看護事業所などの職員を対象に、医療、福祉に関する講習とともに、具体的な事例を基にしたサービス等利用計画の作成や事例検討の演習を行っております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) お示しいただいたように、サービス利用計画の作成や事例検討を充実させ、医療的ケアを理解した相談支援専門員の人材育成、確保に取り組み、ケアを受ける人へのサービスの質の向上につなげることが医療的ケア児とその家族にとって重要だと思いますが、本市の御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 医療的ケア児等への支援に関しまして、専門的知識を持つ職員が関係機関に配置され、本人及びその御家族を適切に支援することは重要であると考えております。今後とも、医療的ケア児等への知見を有する相談支援専門員をはじめ、関係機関において医療的ケア児等を適切に支援できる専門的な人材の確保や育成を進めてまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) また、医療的ケア児及びその家族の相談に応じ、医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関と連絡調整し、地域の実情を踏まえつつ、身近な場所において必要な支援を受けられるよう、本市としても、今後、医療的ケア児支援センターの設置を検討してみてはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 医療的ケア児支援センターの設置につきましては、医療的ケア児支援法によりますと、医療的ケア児を社会全体で支え、居住する地域にかかわらず、ひとしく適切な支援が受けられるようにしていくため、その設置主体は都道府県とされております。福岡市といたしましても、同法を踏まえ、福岡県において医療、保健などの関係機関との連絡調整等の中核的な役割で設置される医療的ケア児支援センターとの緊密な連携を図ることにより、引き続き医療的ケア児やその家族への支援に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 支援センターの設置については都道府県が設置できることとされているとの御答弁ですが、医療的ケア児支援法における附帯決議には、医療的ケア児の数に応じて複数の医療的ケア児支援センターを設置し、適切な支援を行うことのできる体制を確保するようにと記載されています。この10年間、本市における医療的ケア児が2倍以上増加していることを考えますと、支援センターの設置の検討は早々に行わなければならないと思いますので、ここで改めて要望させていただきます。
その上で、今後、医療的ケア児が増加した場合は、本市でも速やかに同センターを設置できるように、まずは地域の多職種とつながる仕組み、現場のニーズを施策に反映することのできる仕組みをつくり、地域で期待される役割に応じた相談員の資質向上にさらに力を入れて取り組んでいただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 福岡市ではこれまで医療的ケア児の支援に関する連絡協議の場を設け、関係機関が連携して現場のニーズを把握し、施策に反映するとともに、研修による相談員等の資質向上に取り組んできております。引き続き医療的ケア児やその御家族への支援に向け、関係機関との緊密な連携やニーズに応じた事業の実施、専門的な人材育成等の推進にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) よろしくお願いいたします。
この質問の最後に、髙島市長に医療的ケア児・者とその家族への支援の今後の在り方について御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 令和3年6月に医療的ケア児支援法が国会で全会一致によって制定されたことは、医療的ケア児とその御家族にとって重要な一歩になったものと認識をしています。福岡市ではこれまで小中学校や特別支援学校、保育所に看護師を配置し、幼稚園などにも看護師を派遣するなど、早い時期から医療的ケア児の受入れ体制の充実を図ってきております。また、日常生活での御家族の負担を軽減するためのレスパイト事業や支援をする方々への研修機会の充実など、医療的ケア児・者に関わる方々に対する支援についても取り組んできたところであります。今後とも、医療的ケア児が健やかに成長し、充実した社会生活を送ることができるよう、医療的ケア児とその御家族の支援にしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) よろしくお願いいたします。
次に、がん対策についてです。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、がん検診の受診率が減少し、問題視されています。最初の緊急事態宣言が解除された後の昨年6月以降は徐々に回復していますが、宣言の再発令が続くと、さらに受診率の落ち込みが懸念されます。
そこで、福岡市が国の指針に基づいて実施するがん検診について、コロナ前の平成30年度の受診者数と令和2年度の受診者数、また、その増減数をお示しください。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 国の指針に基づき実施しますがん検診の受診者数につきましては、平成30年度が延べ14万6,928人、令和2年度が延べ13万86人となっており、1万6,842人の減少となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) がん検診の延べ受診者が1万6,800人ほど減っているようですが、その要因についてお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 受診者数が減少している主な要因ですが、胃がん検診において国の指針が改正されたことにより平成30年7月から対象年齢を引き上げるなどの制度変更を行ったこと、また、令和2年度において新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言を踏まえた国の通知に基づき、がん検診の実施を一時中止したことなどがあると考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 新型コロナウイルス感染症による検診実施を一時中断したことや、胃がん検診については平成30年7月から国の指針に基づき対象年齢引上げなど制度変更をしたことが減少の要因のようですが、どのような形で内視鏡検査、バリウムによる胃透視検査の対象年齢を引き上げられたのか、お尋ねいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 胃がん検診の対象年齢につきましては、平成30年7月から胃内視鏡検査は40歳以上を50歳以上に、バリウムによる胃透視検査は各区保健福祉センターなどで行う集団検診について35歳以上を40歳以上にそれぞれ引き上げております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 国の指針に基づき対象年齢を引き上げたとはいえ、内視鏡検査においては10歳も引き上げられており、市民の胃がん検診の機会が減ることは、コロナ禍の中、非常に気になるところです。
では、胃がん検診の対象年齢を引き上げる上で、本市が独自に新たな検査などを行っていればお示しください。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 胃がん検診の対象年齢の引上げに伴い、平成30年7月から胃がんリスク検査を開始いたしております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) では、その胃がんリスク検査とはどのようなものか、お尋ねいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 胃がんリスク検査につきましては、35歳または40歳の市民を対象として、血液検査によりピロリ菌の有無と胃の萎縮状況を調べ、胃がんになるリスクを判定するものでございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 胃がんリスク検査とはピロリ菌の有無を調べる検査で、対象は35歳、40歳に限られているようです。名古屋市では、若い世代の20代、30代の人に対して無料でピロリ菌検査を今年10月から開始されます。若いうちにピロリ菌を除菌してもらい、親となって子どもができたとき、生まれてきた子どもにピロリ菌を保菌させず、親の代だけではなく、子どもの代、その孫の代まで除菌することでピロリ菌を限りなくゼロに近づけ、根本的になくすという取組です。他都市では、千葉市も若い世代のピロリ菌検査を行っているそうです。
そこで、本市においても、市民を胃がんから守るため、他都市の事例を参考に、胃がんの原因となるピロリ菌検査を、例えば、25歳から5歳ごとに対象を広げ、ピロリ菌検査を行ってはどうかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 胃がんリスク検査につきましては、他の検診の開始年齢等も勘案し、35歳または40歳を対象として行っているところでございますが、今後、他都市の状況等を参考にしながら、受診年齢の見直しも含め、より効果的な事業の実施について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 胃がん予防の防波堤でもあるピロリ菌検査の受診年齢の見直しを含め、御検討をぜひお願いいたします。
また、先ほどバリウムによる胃透視検査の対象年齢が35歳以上から40歳以上に引き上げられたと御答弁いただきましたが、先日、公明党福岡市議団に1件の相談がありました。その相談者は障がいをお持ちの40代の方で、バリウムを飲むことができず、さらに、体をベッドに固定して転回するのも難しいとのことでした。
このように、障がい等によりどうしてもバリウムによる胃透視検査が受けられない方に、障がい者への合理的配慮の観点からも、50歳以上が対象の内視鏡検査を特例的に受けることができるように御検討していただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 胃がん検診におきましては、国の指針に基づき、40歳以上50歳未満の方は胃透視検査のみの対象といたしておりますが、障がいや医学的理由などでやむを得ず胃透視検査を受診できない方に対しましては対応を検討したいと思います。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
次に、コロナ禍で、例えば、がんの無料クーポン券のような対象年齢が決まっている人について、がん検診を含む各種受診を見送った人へどのような対応を行ったのか、お伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 受診を見送った方への対応につきましては、令和元年度に新型コロナウイルス感染症の影響により受診できなかった方に対して、受診できる期限を令和2年度末まで延長する特例措置を実施したところでございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 令和元年度対象の人には令和2年度末まで期限を延長して特例措置として検診を実施したとのことです。
それでは、期限を延長して検診を実施した結果、新たに何人の人が受診したのか、お伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 特例措置による受診者数につきましては、延べ2,753人となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 期間延長により2,753人が新たに受診したということは一定の効果があったと思います。
東京大学医学部附属病院の中川准教授は「1つのがん細胞が検診で発見できる1センチ大になるまでに要する時間は10年から30年と言われ、その1センチの病巣が2センチになるのは2年弱しかかからない。このまま受診控えが続けば、例年なら検診で見つかったはずの早期がんが放置され、多くの人の体内で1年から2年かけて進行がんに成長していくことになる。例えば、胃がんではステージ1の5年生存率は98%だが、ステージ4になると8%なので、今後、胃がんで亡くなる人が増えるということだ。こうしたことからも、検診は定期的に受けてもらわない」といけないと言われています。
そこで、令和2年度もコロナ感染拡大の影響で受診控えが見られますが、令和2年度の対象者についても、特例措置として延長受診できるようにすべきではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 令和元年度におきましては、新型コロナウイルスが国内で初めて確認をされ、その特徴や感染防止対策が十分に判明していない状況であったため、多くの受診控えが生じたことから特例措置を実施したものでございます。令和2年度は、4月に各種検診を中止したものの、がんの早期発見等のためにも各種検診の適切な間隔での受診が望ましいことから、5月以降は感染防止対策を行いながら順次再開し、受診を見送ることのないように年度内の受診を広く呼びかけたところでありまして、特例措置は実施していないところでございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 受診控えによる延長受診は難しいとの御答弁ですが、本市においてもコロナの感染者が今なお拡大している状況が続き、いつ収束するか先が見えていない中、受診控えに対する対象者へ何らかの手だては必要だと思います。今後も令和2年度の受診者の結果を見ながら、必要な措置を講じることを要望いたします。
次に、コロナ禍におけるがんに関する現状の把握も必要です。
本市において、がん対策に関するアンケートの実施の有無、実施していたならば、アンケートの対象者、内容と実施方法についてお聞かせください。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 平成29年度に実施をしました市政アンケート調査におきまして、がん検診の受診経験の有無や受診した検診の種類などについて調査を行っております。調査は市政アンケート調査協力員を対象としまして、郵送などにより実施いたしております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 本市では平成29年に市政アンケートの質問項目の中でがん検診についてのアンケートを行っているようですが、昨今のコロナ禍において、市民の皆様のがん対策に対する関心や要望などは刻々と変化していると思います。
そこで、本市においても受診率のさらなる向上やコロナ禍の実態に即したがんに関する様々な課題やニーズを把握し、より効果的な方法で受診率を向上できるよう、まずはがんに特化したアンケートを実施すべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) がんに関するアンケートにつきましては、令和3年度中に市民のがん検診に関する認知度やニーズなどを把握するため、ウェブによるアンケート調査を実施することといたしております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 今年度、市民に対してウェブによるアンケートを行うようですが、どのような人を対象にして行うのか、お尋ねいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ウェブによるアンケート調査につきましては、男性に比べて受診率が低い、福岡市内在住で40歳以上の女性約5,000人を対象に行うものでございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 40歳以上の女性5,000人を対象にアンケートを実施されることも大切なことだと思いますが、どうしても一部に限られたアンケート調査になり、幅広い調査結果を得ることは難しいと思われます。名古屋市では、がん検診受診率のさらなる向上に向けた取組を進めるとともに、がんに関する様々な課題やニーズを把握し、がん患者の支援の在り方を検討するために、市民、企業、協会けんぽ被保険者、病院、がん患者等に協力してもらい、がんに関するアンケート調査を行っています。
そこで、せっかく行う今年度のウェブによるアンケートも参考にしながら、来年度以降、各分野にわたる網羅的なアンケート調査を行うことを提案いたしますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) がんに関するアンケート調査につきましては、対象者を特定する場合と、議員御指摘のとおり、様々な対象に幅広く実施する場合など、多様な手法がありますけれども、市民のがん検診に対する認知度を高め、がん検診の受診率を向上させるなど、調査の目的、内容に応じて効果的なアンケート調査を実施してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) コロナ禍における市民のがんに対する不安や悩みを把握し、市民の望む効果的ながん対策につながるよう、幅広いアンケート調査の実施を要望いたします。
次に、がん患者やその家族の相談支援も重要であります。
本市におけるがん患者等に対する相談窓口の設置状況と事業内容についてお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) がん患者に対する相談窓口につきましては、国が指定したがん拠点病院に治療から療養生活全般まで幅広く対応できるがん相談支援センターが設置されております。福岡市内におきましても10か所のがん相談支援センターがあり、がん患者やその御家族等の相談に応じているところでございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 市内におけるがん相談支援センターにおいて、がん患者や家族等の相談に応じているとのことですが、その主な相談内容をお示しください。また、本市独自の相談窓口はあるのかを併せてお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) がん相談支援センターにおける主な相談内容につきましては、がんの治療や検査、セカンドオピニオンに関すること、在宅医療、ホスピス・緩和ケアに関すること、就労に関すること、医療費や社会保障制度に関すること、また、不安、精神的苦痛に関することなどでございます。なお、福岡市独自の相談窓口につきましては設置いたしておりません。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 福岡市独自の相談窓口は設置されていないようです。
がん患者や家族の相談内容はとても貴重で、本市における新たながん施策につながることだと考えますが、今後どのようにがん患者や家族が抱える悩みや問題を知り、対応していくのか、お伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) がん患者やその御家族の抱える問題等につきましては、がん相談支援センターや関係機関との連携を図りますとともに、がん経験者やその御家族が中心となって、情報交換や交流、悩みの相談等の活動をされておりますがん患者会への支援を通して把握をし、その支援に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 3日の本会議の前に、幼なじみの友人から電話がありました。その友人は胃がんの宣告を受け、家族のこと、子どものこと、経済的なこと、支援制度のことなど、どこに相談すればいいか分からず、悩んだ挙げ句、私に電話をかけたそうです。がんと宣告された人は今まで経験したことがない死と向き合う瞬間でもあり、精神的に不安定になります。宣告を受けてから手術までの期間、不安を感じながら過ごすことを想像すると、少しでも気持ちを軽くできないかと、いたたまれない気持ちになりました。手術後の人ががん相談支援センターに相談することは多いと思いますが、このコロナ禍で、宣告を受けた人が手術までの間にすぐに拠点病院内に設置されているがん相談支援センターに相談に行くことは、かなりハードルが高く、身近な相談窓口の必要性を強く感じました。
名古屋市では、がんの症状や治療法についての情報提供を行う相談窓口として、また、患者同士の交流による闘病や治療体験を語り、励まし合うための拠点として、がん相談・情報サロン「ピアネット」をNPO法人に委託運営し、相談員による個別相談やがん患者同士によるサロンの開催など、がん患者やその家族が直面する様々な疑問や悩みにきめ細かく対応されています。また、ピアサポーターによる出張個別相談を市内がん診療連携拠点病院でも実施されており、患者やその家族に寄り添った支援を行っています。
本市において、第3期福岡県がん対策推進計画に基づき施策が実行されていると思いますが、その計画の中に、がんに関する正しい情報の提供体制の整備や、がんサロン等を活用し、がん経験者によるがん患者への支援を進めるとあります。
がん患者やその家族の不安や悩みに手を差し伸べることのできる身近な相談窓口でもあるピアネットのような相談支援が必要だと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) がん患者にとって、がんを経験した方がその体験や気持ちを共有する仲間としてサポートするということが大きな助けとなるものと認識をいたしております。福岡市内においては、がんの体験をお持ちの方や御家族が集まり、情報交換や交流、悩みの相談等を行う場であるがんサロンが12か所あり、がん拠点病院やNPO法人等の団体が運営しております。福岡市といたしましては、がんサロンやがん患者会の活動を促進するために、ホームページでの紹介やチラシの配布などの広報を行っております。今後とも、がんサロンやがん患者会の活動の広報などを通じまして、がん患者やその御家族の支援に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) よろしくお願いいたします。
また、がん患者への具体的な支援も大切です。令和3年度から福岡県アピアランスケア推進事業が開始されましたが、その事業内容についてお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡県アピアランスケア推進事業につきましては、県内の市町村ががん患者やがん経験者に対して医療用ウィッグや補整具等の購入費用の助成を行った場合、その助成額の2分の1を県が市町村に補助するものでございます。具体的には、がんと診断され治療を受けた方または現に受けている方のうち、世帯の市町村民税の所得割課税年額が23万5,000円未満の方に対して、医療用ウィッグ等については2万円を上限に、補整具等については1万円を上限に購入費用の半額を市町村が助成した場合に、その費用の2分の1を県が補助するものでございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) このような治療に伴う外見の変化に対し、その人らしくいられるように、外見とともに、周りの環境や患者本人の気持ちに少しでも寄り添うことは最も重要なことだと思います。今年度は調査、情報収集を行いながら、来年度はこの事業を本市で実施することを検討してはと考えますが、所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡県アピアランスケア推進事業の実施につきましては、近年、がん医療の進歩により治療を継続しながら社会生活を送る患者は増加しており、がん治療に伴う外見変化の苦痛を軽減するアピアランスケアは重要でありますことから、福岡市におきましても、県の補助事業の活用について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) ぜひ検討のほどをよろしくお願いいたします。
次に、がん対策に関する条例についてお伺いいたします。
全国のほとんどの道府県でがん対策に関する条例が制定されているようですが、制定されていない都道府県と政令指定都市の数をお答えください。また、政令指定都市での条例の概要をお答えください。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) がん対策に関する条例につきましては、47都道府県のうち福岡県を含む6都県で制定されておらず、また、20政令市のうち、福岡市、北九州市を含む12市で制定されておりません。政令市の条例の概要につきましては、自治体、住民、保健医療関係者それぞれの責務、がん予防、早期発見の推進、がん教育の推進、がん患者等への支援、医療の推進、がんに係る情報の収集及び提供について規定されております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 20政令市のうち既に8市でがんに関する条例が制定されています。直近の厚労省の人口動態調査におけるがん死亡率によると、福岡市は上位7位に位置しており、がん対策が急務です。1位の大阪市では、より一層の対策を進める必要があると判断し、平成23年にがん予防推進条例を市の執行部が提案し、その後、制定に至っています。また、名古屋市のがん担当課長に条例制定による効果についてお聞きしたところ、その条例を基に議会でも議論が尽くされ、がん施策が拡充され、後押しとなっているのは間違いないと。また、条例を後ろ盾に様々施策が議論され研究されることによって、よりよい施策につながると言われておりました。
本市ではまだ制定されていないようですが、条例を定めることによるがん施策への効果を考慮していただきながら条例制定に向けて前向きに御検討いただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市のがん対策につきましては、がん対策基本法により都道府県に策定が義務づけられたがん対策推進計画に基づき、がん検診の受診率の向上やがんに関する啓発、がん患者やその家族、がん患者会への支援などに取り組んでいるところでございます。今後とも、条例を含め、他の政令市の取組等も踏まえながら、効果的ながん対策の推進を図ってまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 各政令市の条例を調べる中、ある市の条例の前段に心を感じる記載がありました。私たちは英知を結集し、都市を挙げてがんに立ち向かうことを決意しますと。また、がん患者及びその家族をまち全体で温かく包み込み、たゆまざる前進の第一歩としてこの条例を制定するとの記載でした。市民をがんから守るという本気度を感じ、市のスタンスを明確に表していることに私自身感動いたしました。がん対策推進計画に基づく取組はとても重要なことですが、市民をがんから守るという本市の心が条例制定に向けての第一歩につながることと強く期待をしております。今後とも、条例を含めたがん対策の御検討をよろしくお願いいたします。
最後に、髙島市長のがん予防対策やがん患者とその家族に対する支援の重要性について御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
○議長(伊藤嘉人) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) がんにつきましては、生涯のうちに2人に1人が罹患するとされており、福岡市においても死亡原因の第1位となっていることから、その対策は市民の生命と健康にとって重要であるというふうに考えています。福岡市におけるがん対策につきましては、生活習慣の改善によるがん予防や、早期発見、早期治療のための各種がん検診の受診率の向上、がん患者の在宅療養の支援などに取り組んでいるところでございます。今後とも、医療関係者や民間企業と連携をしたより効果的な受診率向上策を実施するとともに、勝山議員御指摘のとおり、関係機関などに寄せられる相談内容の把握に努めながら、がん患者やその御家族の支援に取り組んでまいります。以上です。