▼令和2年 第4回定例会 篠原 達也 一般質問 (令和2年6月17日)

○22番(篠原達也)登壇 まず初めに、新型コロナウイルスに罹患された方々に心よりお見舞いを申し上げます。約4か月の長きにわたるコロナ禍において、医療従事者をはじめ、様々な分野のソーシャルワーカー及びエッセンシャルワーカーの皆様には、自身の経済的、精神的な痛みに耐えながらも、他者を思いやる行動に徹して御尽力いただき、心からの敬意と感謝を申し上げますとともに、我慢に我慢を重ね、自粛を貫き通しておられる市民の皆様にも心より御礼を申し上げます。
 私は公明党福岡市議団を代表し、保健所の機能強化について、障がい者に寄り添う支援について、2つの質問をいたします。
 まず、保健所の機能強化について、新型コロナウイルスとの闘いは、全国民の協力と努力により、パンデミックを抜け、今のところ落ち着きを見せておりますが、コロナとの闘いは長期戦の様相を呈しております。
 初めに、福岡市での相談件数、検査実施数、陽性者数の最も多かった日とその数を伺います。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市におきましては、各保健所に設置した帰国者・接触者相談センターへの相談件数が最も多かったのは4月6日の1,472件、検査件数が最も多かったのは4月14日の302件、陽性者が最も多く判明しましたのは4月4日と10日の26人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 今御答弁にありましたように、すさまじい件数でした。感染拡大防止の最前線で闘われているのは全国の保健所です。電話相談や患者の搬送、感染経路の追跡など、文字どおり想像を絶する保健所の皆様の毎日の働きに、ただただこうべを深く垂れ、感謝を申し上げます。
 保健所の機能強化について、国から通知が出ていると思いますが、その概要をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 3月13日付の厚生労働省通知につきましては、保健所の業務継続のために帰国者・接触者相談センターの外部委託や非常勤職員の活用、保健所内の感染症以外の業務を担当する職員や事務職員による応援等について検討を促す内容となっております。また、4月4日付の通知では、検討を行うに当たっての参考として患者の移送など外部委託や事務職員による支援が可能と考えられる業務のリストが示されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 感染症対策については、帰国者・接触者相談センターや積極的疫学調査などにより保健所の業務が増大しています。感染症の流行を早期に収束させるためには、積極的疫学調査などに重点的に人員を投入し、クラスターの連鎖を打ち切っていかなければなりません。これからも起こり得る感染拡大に備え、保健所の機能強化が求められます。
 今回、保健所においての外部への委託、ITなどの活用、職員の体制強化、それぞれの視点でお尋ねしていきます。
 まず、電話相談を外部に委託して保健所の負担がどのように軽減したのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市の電話相談につきましては、当初、各保健所に設置した帰国者・接触者相談センターと新型コロナウイルス感染症に関する一般的な相談を受け付ける新型コロナウイルス感染症相談ダイヤルの2つの窓口を設け、職員が対応しておりました。4月20日からは帰国者・接触者相談センターと一般相談ダイヤルを合わせて相談回線を専用化し、看護師や保健師などの専門職の派遣人材を最大36人配置することによりまして、保健所職員が電話応対業務に直接携わることがなくなり、疫学調査などの防疫業務に専念できる体制となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 次に、患者の移送や検体の搬送についても委託されているか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 新型コロナウイルス感染症患者の移送につきましては、市の感染症対応の専用車両を市内の民間移送事業者に貸与し、運行を委託しております。また、検体の搬送につきましては、保健所以外の職員による応援体制により実施いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 5月上旬、相談、受診の目安から37.5度以上の発熱が4日以上との言葉が削除され、体温などの基準が緩和されたため、保健所への相談が増え、PCR検査を求める声が増加しています。それに対応するため、かかりつけ医などからPCR検査が必要とされれば保健所を介さずに検査できる地域外来・検査センターの導入が進んでいます。
 本市における地域外来・検査センターの設置状況、ドライブスルー方式、唾液検査の導入など、PCR検査体制の強化に向けた取組状況をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市では保健環境研究所において、検査機器の増設や人員の増員などを行い、検査体制の強化を図っているところでございます。また、ドライブスルー方式の地域外来・検査センターにつきましては、5月から民間機関による検査を開始しますとともに、6月にさらに3か所の増設を行っております。これにより、市内での検査件数は保健環境研究所と合わせて少なくとも1日に440件程度が可能となっております。唾液による検査など新たな検査方法につきましては、国が示す指針に基づいて適切に導入してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 次に、ICT、情報通信技術の活用についてお尋ねいたします。
 東京都港区では、保健所の相談業務について、3月下旬より人工知能、AIで自動回答するプログラム、チャットボットを導入し、区のホームページを開ければ、イラストの女性との会話、チャットを通し、検査を受けたい、感染を予防するにはなどの相談に24時間対応しています。
 本市においても同様の取組を行っていると思いますが、その概要と利用状況を教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市におきましては、福岡市公式アカウントや福岡県と共働で開設しております福岡-新型コロナ対策パーソナルサポートにおいて、チャットボットを活用して予防方法や気になる症状があるときの対処方法を自動で案内するなどの相談対応を行っております。現在、公式アカウントの登録人数は約168万人、パーソナルサポートは約33万人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 医療現場が逼迫し、軽症者や無症状の感染者に自宅などで療養してもらうと、実は保健所の負担が増えます。感染者や濃厚接触者と連絡を取り、入院などが必要な状態に悪化していないか見守る役目を担っているからです。
 感染者が1,700人を超えた大阪府では、ICT、情報通信技術を活用し、自宅やホテルなどで療養する軽症や無症状の感染者の健康状態を把握するITシステムを導入した結果、保健所に勤める保健師の女性は、以前より患者の声に耳を傾けられるようになったと語っています。このシステムでは、感染者自らが体温やせきの有無、息苦しさなど注意が必要な13項目をスマートフォンなどで入力を行います。導入前は自宅などで療養する何人もの感染者に毎日電話して聞き取り、その内容をコンピューターに入力していました。現在では感染者が情報を入力すると、保健師や府の担当部署などとオンライン上で即座に共有されます。1人で二、三十分かかることもあった聞き取りや打ち込みの手間が減ったと言います。
 本市も同様のITシステムを導入することにより、保健所業務の機能強化を図ってはどうかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 濃厚接触者等の健康観察につきましては、福岡市におきましても保健所の機能強化と負担軽減を図るため、対象者本人がスマートフォンやパソコンから健康状態を入力できるサービスを導入しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) また、大阪府はコロナ追跡システムというITシステムを導入し、感染拡大を早期に封じ込めるため、QRコードを使って施設やイベント会場での新型コロナウイルス感染確認を利用者に一斉メールで通知するコロナ追跡システムの運用を始めました。クラスターが発生したと判断した場合は、事業者側の同意を得て施設名などを利用者に伝え、感染拡大を早期に封じ込めるようにしています。
 国もスマートフォンアプリを使って感染者と濃厚接触者を把握し通知する仕組みの実用化を急いでいます。いずれも個人が特定されて偏見や差別がないよう匿名性に力点が置かれています。
 本市でも感染の再拡大を防ぐため、このようなシステムの導入を検討されてはいかがですか、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 議員御指摘のような感染者と接触した可能性が分かるアプリ等の活用につきましては、感染経路の追跡を迅速に行うことで、感染の拡大を防ぐために有用と考えております。現在、国において導入に向けた準備が進められていることから、その動向なども踏まえ、適切に導入できるように検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 感染拡大防止に有効だと思いますので、ぜひ検討をよろしくお願いいたします。そして導入される際には、まず、本市のコンベンション施設や美術館、博物館のように、人がたくさん集まる市の公共施設から取り組んではいかがでしょうか、要望いたします。
 命も経済も守る。IT技術を使って未曽有のコロナ危機を乗り越える新しい生活様式を確立してまいりたい。
 そこでお尋ねいたしますが、新型コロナウイルス感染症が収束するまでの時限措置として、自宅などでスマートフォンやパソコンを使い、テレビ電話のように受診するオンライン診療の初診が解禁になりましたが、本市では誰でも利用できたのか、利用実績、具体的にはどのようなものか、本格的普及などへの課題についてお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) オンライン診療につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に際して、時限的、特例的に初診からの電話やスマートフォンによる診断や処方が可能となっております。福岡市内におきましては、5月末現在で202の医療機関がオンライン診療を実施する医療機関として公表されておりまして、そのうち約68の医療機関は初診から利用可能となっておりますが、利用実績につきましては、オンライン診療を実施する医療機関が県を通じて国に報告することになっておりまして、現在、国において集計中でございます。
 オンライン診療を希望する場合の具体的な手順でございますが、まず医療機関のホームページ等でオンラインによる診療を行っているか確認の上、事前予約した時間に受診することとなります。薬の配送を希望する場合には、薬局に連絡の上、電話等で服薬指導を受け、その後、薬が自宅等に配送されるというものです。
 今回の時限的、特例的な取扱いは、新型コロナウイルス感染症の感染が収束するまでの間とされておりますが、オンライン診療の本格的な普及に向けましては、対面診療と比較して十分に医療の質と安全性が確保されることや医療情報のセキュリティー対策などが課題と考えられますが、現在、ガイドラインの改定や診療報酬の改定に際し、国において検証が行われることとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 感染拡大防止のため、非接触型のサービスが新しいスタイルとして普及していくことを期待いたします。
 次に、保健所の体制についてお尋ねいたします。
 これまでの対応を振り返り、今後の感染の再拡大に備えるためには、現場である各区役所の保健所の職員の声は大事です。保健福祉局と各区の保健所職員がこれまでの対応の意見交換をされることはありましたか、また、現場からはどのような意見が出ているか、教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 保健所と保健福祉局との職員間の意見交換につきましては、ウェブ会議などによりまして頻繁に行っているところでございます。
 保健所からは、市民からの電話相談対応や検体搬送などの業務が増大し負担が大きい、感染者や濃厚接触者の調査方法を整理してほしい、各区での患者発生状況や症例などを共有してほしい、また個人情報の取扱いルールを決めてほしいなどの意見が出されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 現場からの声に検体搬送業務の支援強化を望むとありましたが、これまでは他の部局からの応援で対応していました。しかし、今後、感染が再拡大した際には、保健所が負担を抱えることがないよう、場合によっては外部への委託も検討されてはいかがでしょうか。
 次に、5月のある新聞では、保健所の増える業務、人員横ばい、コロナ以外にしわ寄せの懸念と見出しに大きく出ていました。4月下旬に開かれた全国保健所長会のオンライン記者会見では、高齢者の認知症予防、自殺予防、難病の医療費助成といった業務への影響を心配する声もあり、5月4日の国の専門会議の提言では、国内でPCR検査が進まなかった理由に、保健所の業務過多が挙げられました。コロナ対応以外にも飲食店の営業許可や病院への立入検査など、本来の業務に手が回らないことへの懸念もあります。
 現在、各区保健所における感染症を担当する職員の人数をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 保健所において感染症対応を担当する職員につきましては、いずれも健康課健康づくり係の7人でございまして、7保健所合わせて49人でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 今お聞きしました人数では、4月、5月のピーク時にはとても対応できる人数ではなかったと思います。6月13日の新聞報道では、その職員49人のうち3割に当たる14人が、4月に過労死ラインとされる100時間以上の残業をしていたとの記事がありました。
 保健所全体の業務に影響は出なかったのか、対策業務に支障はなかったのか、また、保健所の職員体制を強化されたのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 保健所が行う業務につきましては、新型コロナウイルス感染症対応が急を要する中で、優先度に応じて業務の実施時期を変更するとともに、健康教室や健診などの人が集まる事業については、感染拡大防止の観点から、一定期間、休止や先送りとするなど、柔軟かつ計画的に実施しているところでございます。一方で、4月に患者が急増した際には、市民からの電話相談対応など保健所の業務量が増大し、負担が大きくなった状況がございました。そのため、保健所におきましては、業務量の増加に応じて相談対応、検体搬送、健康観察などについて外注化や効率化を図りますとともに、市役所全体での応援体制を整えることによって、保健所が疫学調査などの防疫業務に注力できる体制を強化し、感染拡大の防止に取り組んでおります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 職員の体制強化については、保健所以外の職員の応援で対応されたようですが、それにしても保健所職員の残業時間はあまりにも多く、大変な負担だったと思います。第2波、第3波に備え、国の通知で紹介されているような、県などからの応援派遣の受入れや保健所OB職員の再雇用なども策の一つと考えられます。
 およそ100年前、1918年から19年にかけて世界に猛威を振るったスペイン風邪は、多くの地域で第2波のほうが致死率が高かったと言われています。その歴史を教訓とし、十分な対策を講じていただきたい。
 公明党は6月11日の国会質疑において、地域の感染対策で大きな役割を果たしている保健所の機能強化に力を入れるべきと訴え、厚生労働大臣は、都道府県や保健所設置市と密に連携し、必要な支援に取り組むと答弁しています。今のうちにこれまでの対策を検証し、体制強化を図っておくことが重要です。
 新型コロナウイルス感染症対策を所管される荒瀬副市長に、これまでの保健所の対応や評価、また、認識された課題など、今後どのように生かしていかれるのか、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 今回の新型コロナウイルス感染症は、これまで経験しことのない全く未知の感染症であり、想像を超えた急速な拡大が見られましたが、福岡市保健所の迅速な対応により、劇的な拡大を防ぐことができたものと考えております。
 感染症に関する保健所としての仕事は多岐にわたりますが、今回、福岡市においては、可能な限り業務の集約、応援、委託、外注を実施し、負担の軽減を図るとともに、保健所職員が患者の発症前後の状況を細かく聞き取り、感染源の追及や接触者を特定していく積極的な疫学調査を集中的に行い、感染拡大防止に努めてまいりました。さらに、第1波から得た知見を基に、病院、施設、学校、市民等へ注意喚起を行ってきたところでございます。
 今後も、国際ゲートウェイ都市である福岡市においては、新興感染症への対策は必須であり、保健所機能の在り方を再検証し、体制や機能の強化を図ってまいりたいと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 今後とも、ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、障がい者に寄り添う支援についてお尋ねいたします。
 福岡市の障がい者別の人数と、そのうち視覚障がい者と聴覚障がい者の人数、また障がい者の方が新型コロナウイルス感染症に関してどのようなことで不便を感じておられますか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市の障がい者の人数をそれぞれの手帳所持者数で申し上げますと、令和2年3月31日現在で、身体障がい者が5万2,161人、うち視覚障がい者が3,508人、聴覚障がい者が4,340人、知的障がい者が1万2,497人、精神障がい者が1万7,454人となっております。
 新型コロナウイルス感染症に関して障がい者が不便に感じることといたしましては、関係団体からの聞き取りなどによりますと、視覚障がい者では情報が確認しづらい、手で物を触れる機会が多いため感染が心配、聴覚障がい者ではマスクで口の動きや表情が分かりづらい、知的障がい者では情報が複雑で理解しづらいなどの声が上がっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) ありがとうございます。その中で、視覚障がい者の方は、まず情報が確認しづらく、手で物を触ることが多く、日々感染の不安におびえながら暮らしておられます。ある弱視の壮年は、職場においても自分用の消毒液を置き、席を離れるたびに手を消毒するなど、可能な限り感染防止策を取っているものの、不安が付きまとうと言われていました。また、ある女性も、もしも感染したら入院やホテルでの宿泊療養では、どこに何があるか教えてもらわなければ何もできない、体温を測っても、自分では表示を読めません。感染拡大で外出を補助するガイドヘルパーの支援がなくなることにも不安を抱かれています。
 本市のガイドヘルパー支援では、現場からはどのような声が出ていますか。また、福岡市としては事業所に対してどのような対応をされているのか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい福祉施設や事業所の団体によりますと、利用者によってはサービス提供前の体温の計測を拒否したり、人混みなどの3密を気にかけないなど、新型コロナウイルス感染症の予防に対する意識の持ち方に個人差があり、ヘルパー自身への感染に対する不安の声があると聞いております。
 また、事業所への対応についてでございますが、ガイドヘルパーが視覚障がい者の外出に同行し、移動の支援を行う同行援護サービスは、国の運営基準によりますと、正当な理由なくサービスの提供を拒否してはならないとされております。したがいまして、事業所に対しましては、サービス提供前後の手洗いやマスク着用等により感染防止の徹底に努めながらサービスを提供するよう文書で通知しており、事業所におきましても適切に対応していただいているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) コロナ禍において、ガイドヘルパー要請の集中が起きており、ヘルパーさんも大変御苦労をされています。中でも初めての方、土地カンのない方、また高齢のガイドヘルパーさんは自身の感染も恐れています。また、障がい者は糖尿病や持病を抱える方も多く、感染イコール死と頭をよぎり、不安を拭えないと言われていました。
 そこで、同行援護事業者に買物代行を依頼できないかとの要望がありました。これについてのお考えをお聞かせください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 法令等により、買物代行は同行援護のサービスの対象となっておりません。しかしながら、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の必要性に鑑み、本年4月の国の通知により、当面の間、同行援護サービスの対象として買物代行を利用することが可能となっております。このため、福岡市におきましても、新たな国の考え方に基づき対応しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 今後も感染の状況により柔軟に同行援護の支援をお願いいたします。
 次に、聴覚障がい者についてですが、先ほどの答弁でもありましたように、聴覚障がい者にとって相手の口の動きや表情は重要な役目を果たします。しかし、マスクによりそれが全く読み取れず、大変苦労をされています。フェイスシールドなど口の動きが見えるようにしてほしいとの要望が上がっております。
 さて、かねてより公明党が推進してきました電話リレーサービスが6月5日に法制化いたしました。電話リレーサービスとは、手話通訳者などのオペレーターが聴覚障がい者と健聴者、耳の聞こえる方の間に入って通話をサポートします。(パネル表示)ちょっとパネルは小さいですが、上に電話リレーサービスの仕組みと、それで耳の不自由な方が真ん中の上の通訳オペレーター、ここは基本的に手話通訳の方が対応されています。パソコンで、テレビ電話の要領で手話で話すか、もしくは文字で手話通訳の方に伝えると、その手話通訳の方が反対側の店とか病院のほうに直接電話で音声で伝えます。それを耳の不自由な方も直接パソコンを見ておられますので、会話が成立するという、こういう仕組みになっております。その際に、聴覚障がい者の間で懸念されているのは、リレーサービスの認知度を高めなければ、いたずら電話などと誤解されるおそれがあるとの声があります。広く市民への理解が必要です。
 本市としても、このサービスが円滑に導入、普及していけるよう、ぜひ取り組んでいくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 電話リレーサービスにつきましては、日本財団が厚生労働省から補助金を受け、モデルプロジェクトとして実施している事業でありまして、来年度中に国において公共のサービスとして開始される予定となっております。電話リレーサービスの普及に向けましては、福岡市といたしましても、聴覚障がい者情報センターなどを通じ、広く周知を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 今回、この電話リレーサービスの法制化により、安心して365日、24時間対応で、警察、消防への緊急通報が実現し、聴覚障がい者だけでなく、耳が遠くなった高齢者への活用も期待されています。
 次に、医療的ケアや障がい者、高齢者を在宅で介護する家族は、もし自分がコロナに感染したらどうなるのかという不安を抱えています。
 そこで、お尋ねいたしますが、ふだん高齢者や障がい者などを介護している家族がコロナに感染して入院などすることになった場合、残された障がい者などに対する支援について、本市ではどのような対応を行っているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 家族が新型コロナウイルス感染症で入院し、介護が必要な障がい者が自宅に残される場合につきましては、残された障がい者の介護を行うためにホームヘルパー等を派遣する事業所に対し給付金を支給する制度を5月に創設しておりまして、介護を要する障がい者の日常生活の支援が切れ目なく行われるよう対応してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 介護者が入院した場合にはヘルパーによる支援がなされるとしても、それぞれの症状や特性に配慮する必要があり、ふだん面倒を見ていた人が急な病気やけがに見舞われたとき、要介護者の情報、介護を引き継げる相手がいるかいないか、名前、連絡先のほか、要介護者の状態、コミュニケーションの取り方、配慮すべき障がいの特性など、ほかの家族や施設の職員にスムーズに伝えられるようケアについての留意点などを記録することが必要となってきます。こうした緊急引継ぎシートを活用した人は、同居家族でも知らないことも多く、あらかじめ書いておくことで介護者の気持ちも軽くなるということです。
 このような緊急引継ぎシートを本市においても積極的に活用すべきではないでしょうか、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 緊急時の引継ぎにつきましては、福岡市では障がい者を支援するNPO法人との共働事業によりまして、家族等が障がい者に関する情報を支援者に伝えるためのパーソナルブックを作成しているほか、障がい者団体や事業所におきましても情報の引継ぎの取組がなされているものと聞いております。今後とも、緊急時の支援に役立つ情報の引継ぎにつきましては、様々な機会を捉え、取組事例の情報収集や周知、広報に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 今こそ引継ぎシートの取組強化をお願いいたします。
 さて、コロナに対しての様々な支援策の中でも、全ての国民に一律10万円が支給される特別定額給付金は、一日も早い支給を待ち望まれています。現在、本市においての支給済みは、今週末でも約25%です。この申請について、障がい者の団体から支援を求める声を多く頂いております。書類やオンラインでの手続が困難で諦めたという人もいました。
行政においても急ピッチで対応されていることと思いますが、本市の特別定額給付金の手続に関して、障がい者の方へはどのような配慮をされていますか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金につきましては、市政だよりやホームページ、新聞各紙への広報の掲載のほか、LINE公式アカウントへのQ&A機能の新設など、様々な媒体を活用して、障がいのある方にも分かりやすい広報に努めているところでございます。特に視覚障がいのある方に対しましては、申請書に同封している案内チラシに音声コード、ユニボイスを掲載し、音声でチラシの内容を案内できるようにしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 特別定額給付金の申請期限は8月31日消印までですが、障がい者や高齢者は郵送を選ぶ人が多いと見られます。
自力で書類を読み、記入し、提出するのは難しいと諦めてしまうことがないよう、郵送後、一定期間申請がない場合、コール、リコールの手法を取られてはいかがですか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金につきましては、高齢者や障がいのある方なども含め、一定の期間内において申請がなかった場合に、申請漏れが生じないようコール、リコールの手法を検討するとともに、関係局区とも連携し、市政だよりやホームページ、SNSなど様々な広報媒体を活用し、周知を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 視覚障がい者の方に申請方法を適切に伝えるためには、書類に点字や音声コードが有効です。
 本年2月、私は福岡市役所の各部局にアンケートを行いました。視覚障がい者に郵送物を送る際、音声コードを印刷していますかとの問いに、しているとの回答はゼロでした。それが今回の特別定額給付金申請書の送付で初めて印刷されました。公明党の山口代表が総務大臣に直接、音声コードの利用を要望した経緯もあり、私も即日、福岡市の特別定額給付金課長に今回の申請書類に音声コードの印刷を要望し、間に合わせていただきました。(パネル表示)大きくても字が小さいので見えにくいかも分かりませんが、これが今回、皆様方のところにも来ました定額給付金、この中に、(資料表示)こういう小さいチラシが入っています。ここに音声コードがついているんですね。初めて見られた方も多いと思いますが、この音声コードは、このチラシのところに(資料表示)実際にはこういうふうにカットしてあるわけです。視覚障がい者の方が触ると、ここで2つあるということは、表と裏の両方に音声コードがついていますよという意味合いがあります。そこに皆さんが持っておられるスマートフォンのアプリに、ユニボイスというアプリがありますので、それをダウンロードしていただいて、ここにかざしていただくと、音声で分かりやすく説明がされると、これは裏も表もそういう仕組みになっております。
 それで、今ちょっと見ていただきましたように、欲を言えば、封筒にも音声コードを印刷していただき、切り欠き加工といって今の半円をつけていただければ、(資料表示)ここについていれば、この中に音声コードが入っているということが視覚障がい者の方にも分かりますので、それがあればさらに分かりやすかったなと思います。
 全国的に見ても、この音声コードの活用は20政令市のうち福岡市、さいたま市、横浜市、広島市、福岡県内では久留米市と数少ない中、福岡市は迅速に対応していただきました。また、保健福祉局から全所属長宛てにこの音声コードの活用についても通達していただきました。
 さらに、特別定額給付金に続き、経済支援についても音声コードを活用した案内をされていると伺いましたが、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 経済支援に係る音声コードを活用した案内につきましては、福岡市の主な事業者向け経済支援策である店舗等への家賃支援及び休業等要請対象外施設への支援について、音声コードを印刷した視覚障がいがある方にも配慮したチラシを作成しており、今後、保健福祉局と連携し、関係団体の御協力を頂きながら、障がいがある方への情報提供に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 早速、福岡市の家賃支援金と休業等要請外施設への支援のチラシの案内に活用されているとのことです。大変ありがとうございます。今、私の手元にありますが、先ほどと同じように福岡市家賃支援金の御案内ということで、(資料表示)こちらに音声コード、ユニボイス、裏側には福岡市休業等要請対象外施設の支援ということで、こちらにもユニボイス、音声コードがついております。
 先ほどの保健福祉局の依頼文の中に事例として挙げられている納税通知書、選挙入場券、水道料金のお知らせ、検針票について、今後、音声コードを活用されることを期待いたしますが、いかがお考えでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 納税通知書につきましては、現在、希望される方に対し、封書に納税通知書である旨の点字シールを貼り付けて送付しております。音声コードは、点字が読めない方でも利用できることや納税通知書の内容をより詳細に伝えることができるなどの利点があることから、希望される方に対応できるよう、他都市の先行事例を参考に導入に向けた検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 選挙の際の投票所入場整理券につきましては、現在、希望される方には、点字シールを貼り付けた封筒に入れて送付いたしております。音声コードの活用については、視覚障がいのある方への情報支援につながることから、希望される方に対応する方向で考えてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 坂本水道事業管理者。
○水道事業管理者(坂本秀和) 水道局におきましては、現在、お客様からの申出に基づき、検針通知書などのお知らせを点字化して郵送するなど、視覚障がいのある方に寄り添った対応に努めております。篠原議員御指摘のとおり、音声コードを活用することで視覚障がいのある方へのさらなる支援の充実につながると考えておりますので、7月には、現在、点字対応している方を対象に音声コードの利用について希望確認を行い、希望される方には次回から郵送する通知書に音声コード付文書を同封する予定でございます。あわせて、この取組につきましては、福岡市ホームページや障がい関係団体等を通じて周知を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) ありがとうございます。音声コードは日本語が読めない外国人等に対する情報伝達のツールにもなりますので、職員の皆様には音声コード作成ツール、これは無償ですので、各自パソコンに導入していただきますよう要望いたします。
 福岡市として、今後は音声コードを市の全ての郵送物に印刷すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がいの有無にかかわらず、社会の一員として共に生きる社会を目指すための合理的配慮として、視覚障がい者への情報を伝える音声コードを活用することは非常に大切なことであると認識しております。このため、音声コードの活用が進むよう、市役所内の全所属に対しまして、市民向けのチラシや各種行政計画などを作成する際には音声コードを掲載するよう文書で依頼をしたところでございます。
 今後とも、視覚障がい者に寄り添った支援として、音声コードの普及啓発に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 今回の質問では、主に音声コードによる支援などを取り上げましたが、情報弱者と言われる方への支援は、あらゆる手だてを講じていただきたい。
 新型コロナの対策により、一層不自由を感じている障がい者などの生活に、私たちは想像力をもっと働かせ、今こそSDGsの精神にのっとり、誰一人取り残さないことを命に刻み、ウィズコロナと言われる、これからの時代、障がい者に寄り添った支援の拡充について、髙島市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 新型コロナウイルス感染症の対策につきましては、感染拡大防止と市民生活や経済活動の維持を両立させていくため、福岡市独自の支援策などに全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 新型コロナウイルス感染症対策の推進に当たりましては、障がいの有無にかかわらず、必要な支援が行き届くように専用コールセンターの設置やSNSを使った様々な情報発信、さらには今回の特別定額給付金では音声コードも活用しているところでございます。
 今後とも、障がいのある方をはじめとした、情報が届きにくい方々への支援や、その伝達方法について十分に配慮するとともに、障がいのある方の生活に寄り添った支援を進めていくことで、「みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサル都市・福岡」の実現に向けたまちづくりをしっかりと推進してまいります。以上です。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
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