▼令和8年 令和8年度条例予算特別委員会 石本 優子 総会質疑 (令和8年3月24日)

◯石本委員 公明党福岡市議団を代表して、イノシシ対策について、暮らしを守る防犯対策について、以上2項目質疑を行う。まず、イノシシ対策についてである。昨年、熊の出現による人的被害が全国でニュースになり、有害鳥獣対策への関心が高まった。本市では熊の出現はないが、イノシシをはじめ、猿、カラス、アライグマ、鹿、ムクドリなど様々な鳥獣被害について市民からの相談も受けている。本市では、捕獲の主力を担う猟友会の高齢化が進み、人手不足も懸念されるところである。市街地や住宅地へのイノシシの出没による不安の声も上がっている。この課題意識の下でイノシシの実態と被害状況から尋ねていく。まず、イノシシの生息状況の推移について尋ねる。

△農林水産局長 本市が実施した生息状況調査の直近3回の結果で答弁すると、令和3年度4,188頭、6年度2,544頭、7年度2,490頭となっている。

◯石本委員 令和3年の約4,200頭から4年で約2,500頭まで減少しており、対策の効果が着実に数字に表れているようだ。しかし、ここで手を緩めるわけにはいかない。なぜならイノシシの繁殖能力が高いためである。イノシシは1歳でも2歳でも雌のほとんどが4~5頭を妊娠し出産する。捕獲の手を一瞬でも緩めれば、これまでの努力は水の泡となってしまう。依然として約2,500頭もの個体が生存している現状を踏まえれば、今こそ対策の手を強めるべきと考える。そこで被害の実態について尋ねる。イノシシなどの野生鳥獣による農業被害額について、直近と5年前の状況を尋ねる。

△農林水産局長 農業被害額は5年前の令和2年度が3,921万5,000円、直近の6年度が2,899万7,000円となっている。

◯石本委員 生息数と同様、農業被害も減少している。ただし、農家の人にとっては1円の被害も深刻であることを忘れてはならない。それでは、イノシシ出現などの相談件数並びに相談内容、人的被害の件数について、ここ3年間の推移を尋ねる。

△農林水産局長 農林水産局及び区役所に寄せられた相談件数は、令和4年度159件、5年度111件、6年度174件となっている。相談内容の主なものとしては、イノシシ出没の情報提供のほか、駆除の依頼に関することとなっている。また、人的被害については、令和4年度1件、5年度ゼロ件、6年度2件となっており、7年度については2月末現在で人的被害はない。

◯石本委員 今、答弁にあったとおり、相談件数は増加しており、決して安心できる件数ではない。人的被害は猿の件数ほど多くはないようだが、1件でも起きないように取組が必要だと思う。 相談内容については情報提供や駆除依頼があるとのことだが、早良区の人からは保育園や小学校の通学路のすぐ近くにイノシシが出没すると、子どもたちがけがしたりしないか気が気じゃない、早めに捕獲してほしいとの声をもらった。このことは後で触れていきたいと思う。次に捕獲対策の取組と効果について質問する。令和8年度のイノシシ対策の予算額と概要について尋ねる。

△農林水産局長 令和8年度予算において、イノシシ対策に5,322万円を計上している。概要としては、個体群管理としての捕獲、侵入防止対策、生息環境管理の3本柱を基本として取り組むこととしている。特に令和6年度からは、通常の捕獲体制に加えて、猟友会や民間事業者による集中捕獲を実施している。また、生息調査、侵入防止柵の設置支援や生息環境管理の支援などに取り組んでいく。

◯石本委員 捕獲、侵入防止、生息環境管理の3本柱で取り組むとのことである。では、3つの柱、1つ目の集中捕獲への取組について尋ねる。現在実施している集中捕獲の取組状況と生息調査結果を踏まえた対策の効果について、どのように評価しているのか、本市の所見を尋ねる。

△農林水産局長 捕獲体制を強化するため、令和6年度から猟友会及び民間事業者に委託してわなを増設し、集中捕獲を実施したことから、イノシシの捕獲数は6年度は1,827頭、7年度は約1,200頭を見込んでおり、農業被害額及び生息数とも減少傾向にあるものと考えている。

◯石本委員 被害も減少傾向にある、成果はあるとのことだが、被害をなくすための取組の継続が必要かと思う。では、令和8年度におけるイノシシの集中捕獲に係る予算額を尋ねる。

△農林水産局長 令和8年度の集中捕獲に係る予算は2,011万5,000円を計上している。

◯石本委員 この予算でどのように取り組んでいくのか、それぞれの実績とともに確認する。まず、民間事業者への集中捕獲の委託内容と実績について尋ねる。

△農林水産局長 民間事業者による集中捕獲は、イノシシの出没、被害が多い地域を選定し、従来から設置している箱わな約450基とは別に、奥山に約40基のくくりわなを設置して実施している。捕獲数は、令和6年度68頭、7年度93頭となっている。

◯石本委員 民間業者によっても着実に捕獲頭数が伸びてきている。山奥のほうでもくくりわなの設置というこれまで手が届かなかったところへの対応は効果に期待ができるようである。それでは、猟友会への集中捕獲の委託内容と実績を尋ねる。また、捕獲通知システムの利用状況についても尋ねる。

△農林水産局長 猟友会による集中捕獲は、従来から設置している箱わなに40基を追加して実施している。捕獲数は令和6年度130頭、7年度は1月末までで96頭となっている。また、わなの見回り活動の負担を軽減するため、IoTを活用したイノシシの捕獲を知らせるシステムを元年度から導入しており、7年度現在、猟友会に100台を貸し出している。

◯石本委員 猟友会、民間と合わせて190頭近い捕獲実績である。さらにIoTを活用した捕獲通知システムを100台貸し出しているということで、デジタル技術が猟友会の負担軽減につながっているようだが、捕獲の担い手であるこの猟友会の高齢化は深刻な課題である。高齢化が進む猟友会に対しての本市の支援内容を尋ねる。

△農林水産局長 猟友会に対しては、有害鳥獣捕獲活動に必要な燃料代や銃の弾代の一部助成を行っている。また、イノシシの捕獲に対する国からの報奨金7,000円に本市独自に1頭当たり4,000円の上乗せを行っている。

◯石本委員 燃料代、弾代の一部助成と国の報奨金に加えて、市独自で上乗せを行っているとのことだが、有害鳥獣対策のために活動してもらっている猟友会の中には、先ほども述べたが、担い手の確保に悩んでいる人もいるようである。長野県佐久市では、若手の狩猟免許取得者に対して、講習料や手数料の補助を行っている。本市においてもこうした制度があるのか、あれば実績も尋ねる。

△農林水産局長 本市では、猟友会によるイノシシの捕獲のほか、農家においても自ら箱わなを設置し、イノシシを捕獲してもらっている。そのような農家が狩猟免許を取得・更新する場合はその費用の全額を助成しており、また、捕獲に使用する箱わなも市から貸し出している。狩猟免許に関する助成の実績については、令和6年度12件、7年度は2月末現在で、同じく12件となっている。

◯石本委員 農家が狩猟免許を取得、更新する際は費用を全額支援し、箱わなも貸し出しているとのことで、農家の皆さんが箱わなを設置し、捕獲できれば、猟友会の負担軽減にもつながるのではないか。ぜひこの制度を広く農家の皆さんに周知すべきと考えるが、所見を尋ねる。

△農林水産局長 現在、市ホームページにおいて、イノシシを捕獲している農家が狩猟免許を取得、更新する場合の費用の助成について掲載している。今後とも広く農家に伝わるよう周知や情報発信に努めていく。

◯石本委員 周知を進めていくと同時に猟友会の存続のためにも若手の免許取得支援も検討するよう要望しておく。イノシシ対策は農業被害が続き、相談件数も増加する以上、さらなる対策を進める必要がある。mirai@公民共働事業に鳥獣対策DXがテーマにあった。イノシシ対策の実証プロジェクトの目的を尋ねる。併せて募集結果及び進捗状況について尋ねる。

△農林水産局長 従来の対策に加えて、より効率的、効果的な対策を検討するため、民間事業者の技術やアイデアを活用した新たな捕獲、防除手法等の募集を行ったものである。募集に対して6社から応募があり、現在、実証実験の開始に向け、協議を行っているところである。

◯石本委員 引き続き新たな事業でも集中捕獲の推進をよろしくお願いしておく。次に、3つの柱の2つ目、侵入防止について尋ねる。まず、国の補助制度を活用した防護柵の整備状況を令和6年度と7年度の実績で尋ねる。

△農林水産局長 国の補助制度を活用した侵入防止柵の整備状況については、令和6年度はワイヤーメッシュが48件で総延長が約9.6キロメートル、電気柵が51件で約25.2キロメートル、7年度はワイヤ
ーメッシュが31件で約9.0キロメートル、電気柵が57件で約28.2キロメートルとなっている。

◯石本委員 では、令和7年度の本市独自の侵入防止策強化等支援事業の申請件数及び実績状況について尋ねる。

△農林水産局長 本市の支援事業は、国の助成対象となっていない侵入防止策の強化、補修や国の助成基準を満たさない新設について費用の一部を助成している。令和7年度は2月末までに17件の申請があり、全て助成している。

◯石本委員 市独自の防護柵の支援も申請数が上がるよう、農家の人々に周知されたい。次に、捕獲と防護に加えて、そもそもイノシシを引き寄せない環境づくりを進めることが根本的な解決につながるのではないか。3つ目の柱である生息環境の調整について尋ねる。イノシシの生息環境を調整する取組として、住みかになり得る耕作放棄地の草刈り、放置された果物や野菜の整理への対応状況はいかがか尋ねる。

△農林水産局長 生息環境管理として、餌となる放任された果樹の除去や隠れ場所となるやぶの刈り払いなど、地域主体で行われる取組の活動費用に対して助成を行っている。

◯石本委員 そもそもイノシシが市街地、住宅地のほうに出没する要因について、本市はどのように分析しているのか尋ねる。

△農林水産局長 市街地に出没する要因については、本来の生息地である山林から餌を求めて農村地域に出没したイノシシが市街地に迷い込んでいるものと考えている。

◯石本委員 イノシシが迷い込んでいるとのことである。農村部での捕獲、防護をしっかり行うことが市街地への出没を防ぐ第一歩ではないか。農家には防護柵への補助があるが、農地を持たない一般の住民には現在のところ支援の手が届いていない。さきに述べた通学路近くの出没に子どもの安全を気にする声やイノシシが庭に入り込んで家庭菜園を荒らされた、また、玄関先まで来ていて怖い思いをしたという声は農家だけでなく一般家庭にもある。千葉県御宿町では、農家以外の一般住民を対象とした防護柵設置補助制度を設けている。自宅敷地や周辺にイノシシ、キョン、アライグマなど野生獣の侵入を抑制し、市民の良好な生活環境を維持することを目的としている。利用者からは、侵入経路を防いだことによって被害が減った、ふん害などがなくなり、安心して家庭菜園を楽しめるなど喜びの声が上がっており、令和7年度には予算を倍増させるなど、住民のニーズに直結した施策となっている。本市では市街地でイノシシの出没の通報があった際、具体的にどのように対応しているのか。また、農地だけでなく、住宅地への侵入防止の観点から、御宿町のように一般家庭も対象とした防護柵補助制度の創設について検討すべきと考えるが、所見を尋ねる。

△農林水産局長 市街地でイノシシの出没通報があった場合は、農林水産局や区役所が出没状況等を確認し、地域や学校などの関係機関への注意喚起を行うとともに、現地での状況に応じて捕獲や追い払いを行っている。また、農地以外を対象とした侵入防止柵への助成については、住宅地へのイノシシの出没や被害状況等を注視しながら必要な方策について検討していく。

◯石本委員 山から下りてきたイノシシを頻繁に目にし、時期によっては毎日姿を見るという市民の中には、いつも不安を感じている人もいる。御宿町の事例が示すとおり、これは単なる農政の課題だけではなく、市民の生活環境の安全を守るための安全対策とも言えるのではないか。農業被害への支援にとどまらず、市民局など関係部局とも緊密に連携を図り、全庁横断的な視点で制度設計を検討することが不可欠と考える。必要な方策について検討するとの答弁であった。前向きに進めてもらうようお願いする。1枚パネルを用意した。これは神戸市のイノシシ相談ダイヤル案内のチラシである。相談ダイヤルの電話番号が掲載されている。イノシシやアライグマが記されており、お困りの際はお電話ください!と直接書いてある。神戸市では、被害情報や相談を一元的に受け付ける専用ダイヤルを設けるとともに、鳥獣被害に遭遇した際の市民の行動を明確に示した条例を制定し、公式LINE等による通報体制も構築している。本市においてもこうした対応マニュアルを整備し、困っている市民がどう対応したらよいのかなど、情報を周知、発信していくべきではないかと考えるが、所見を尋ねる。

△農林水産局長 野生鳥獣に関する注意喚起や出会った場合の対応については、市ホームページや市政だよりで市民に周知している。また、イノシシに限らず、猿やカラスなどの野生鳥獣による被害の発生や相談については、農林水産局及び区役所において個別に対応している。今後とも市民にとってより分かりやすい周知や情報発信に努めていく。

◯石本委員 イノシシ対策について、生息頭数、農業被害ともに減少傾向にあること、捕獲、防護、環境管理の3本柱で取組が進んでいることが分かった。一方で、猟友会の高齢化、市街地及び住宅地へのイノシシの出没、市民への情報発信など解決すべき課題はまだ残っている。農業を守り、市民の命と安全を守るために、全庁挙げてイノシシ等の有害鳥獣対策のさらなる拡充をお願いしておく。最後に、今後のイノシシ対策の強化に向けた市長の所見を尋ね、この質問を終わる。

△市長 農業者を守り、また、農業を持続可能なものとしていくためには、イノシシ対策は大変重要であり、安全、安心な市民生活の確保にもつながると考えている。現在、イノシシ対策において重要な役割を担ってもらっている猟友会の人々の高齢化も進む中、今後もこれまでの取組をしっかりと継続をしながら民間事業者の技術や新たなアイデアも活用し、より効率的、効果的な対策を導入するなどスピード感を持って全庁横断的に対策に取り組んでいく。

◯石本委員 よろしくお願いする。次のテーマである、暮らしを守る防犯対策について質問する。 2023年1月、博多駅近くの路上でストーカー被害を警察に繰り返し相談していた女性が元交際相手の男性に待ち伏せされ、命を奪われる事件が発生した。また、昨年12月には、商業施設でコンサートに訪れていた女性と施設のスタッフが刃物で刺される殺人未遂事件が起きた。つい先日の総合図書館での事件も記憶に新しいと思う。事件が起こるたびに、市民から女性が安心して暮らせる福岡にしてほしいとこれまで多くの声をもらってきた。本来は県警に問うべき内容かもしれないが、本市における市民の暮らしを守る防犯対策について質問していく。まず、本市の安全、安心なまちづくりに向けた令和8年度の防犯対策における予算額と取組内容について尋ねる。

△市民局長 令和8年度の防犯対策に係る予算額は1億7,255万円余で、SNSやホームページ、チラシなど様々な媒体を活用した広報、啓発をはじめ警察官OBによる出前講座を実施するほか、防犯パトロール活動や街頭防犯カメラの設置、維持などの地域の防犯活動を支援するとともに、繁華街における悪質・迷惑な客引き対策や関係機関等と連携した暴力追放を推進することとしている。

◯石本委員 1億7,200万円余の予算で啓発、そして地域支援、繁華街対策に取り組むとのことである。では、まず本市における令和6年と7年の刑法犯認知件数及び傾向について尋ねる。

△市民局長 刑法犯認知件数については、令和6年が1万4,434件、7年が1万5,675件と増加しており、特に窃盗犯と知能犯の伸びが大きくなっている。

◯石本委員 刑法犯認知件数が増加傾向にあり、特に窃盗犯と知能犯の増加が顕著とのことである。こちらにパネルを準備した。令和7年度の刑法犯認知件数を市内7区別にグラフにしている。まず件数だが、6年は1万4,000件余り、7年は1万5,675件ということで、そこからの7区に分けた内訳である。区別で言うと、刑法犯認知件数は博多区、中央区が多い状況であり3,728件と3,235件となっている。これは商業施設が多く、繁華街もあり、そして昼間の人口が多いため、認知件数が多くなっているという状況である。博多区や中央区のほうが犯罪が多いというわけではないため承知されたい。刑法犯の種類だが、先ほどの答弁であったとおり、特に多いのが窃盗犯である。この窃盗犯は青色で示している。窃盗犯には、自転車窃盗や住宅侵入窃盗、そして万引きなどが含まれる。これは昨年より増加しており、5つの刑法犯の中でいまだに1位である。赤色で示しているものが知能犯である。知能犯の中には特殊詐欺がある。オレオレ詐欺や還付金詐欺など、その手口は年々巧妙化、多様化している。先ほどの窃盗犯、知能犯以外にも、凶悪犯、そして粗暴犯、風俗犯とあるが、凶悪犯は強盗やかつて強姦と呼ばれていた不同意性交が含まれ、粗暴犯には暴行や傷害事件、そして不同意わいせつや盗撮などは風俗犯に含まれる。不同意わいせつ、不同意性交などの性犯罪は本市全体、そして全国的にも増加している傾向にある。今回はこの中で、特に市民生活への影響が大きい窃盗犯、知能犯、性犯罪の3つに絞って質疑を行う。最初に知能犯の中にある特殊詐欺について尋ねていく。まず、令和6年と7年の本市における特殊詐欺認知件数と被害総額を尋ねる。

△市民局長 特殊詐欺被害認知件数と被害総額の順で、令和6年が282件で約9億6,000万円、7年が446件で約14億9,000万円となっている。

◯石本委員 特殊詐欺の被害額は約10億円から15億円へ、件数も合わせて約1.5倍増加をしている。この数字を見れば、現在の取組だけでは到底追いついていないと言わざるを得ない。この現状をどう認識しているのか。また、特殊詐欺に対する市の取組を尋ねる。

△市民局長 特殊詐欺については、手口が複雑化、巧妙化し、認知件数、被害額とも過去最多となる中、国を挙げて対策の強化が図られているところであり、本市としても関係機関と連携し、市民の被害防止に取り組むことが重要であると認識している。このため、警察官OBによる出前講座や市政だより、ホームページ、SNSでの注意喚起、啓発のほか、民間事業者との連携によりスマートフォン用詐欺対策アプリ詐欺バスターを有期無償で提供するとともに、県警察と連携をして注意喚起ポスターや動画の制作、区役所での詐欺被害防止特設ブースの設置などを実施している。

◯石本委員 スマホ用の詐欺対策アプリ詐欺バスターの無償提供があるとのことであり、その中身について尋ねたい。詐欺バスターの機能と特殊犯罪被害防止に向けた令和8年度の取組について尋ねる。

△市民局長 本アプリについては、詐欺電話の着信を自動で拒否したり、危険なウェブサイトへの接続をブロックするなど、特殊詐欺被害防止に有効な機能を有している。令和8年度においても引き続きアプリの無償提供やインストールのサポートなどに取り組んでいく。

◯石本委員 無償提供には期間があるとのことである。アプリを入れてもらうことがゴールではなく、継続して使い続けてもらうことが本当の詐欺対策につながるのではないか。詐欺バスターの無償提供期間が終わった後の支援も検討すべきだと思うが、市の見解を尋ねる。

△市民局長 本アプリは全ての機能が利用できる期間の終了後も詐欺電話対策など一部の機能については無償での利用が可能となっている。また、ほかにも特殊詐欺等の被害防止に有効な警察庁推奨の無料アプリがあり、この周知にも取り組んでいく。

◯石本委員 一部の機能は無料継続とのことである。引き続き推奨アプリの周知、啓発をお願いする。アプリでの対策に加えて、詐欺が実際に行われる現場での対策も欠かせないと思う。特殊詐欺の多くはコンビニやATMが犯行の舞台となっている。大阪府では条例でATM付近の電話使用を禁止し、コンビニ店員による声かけを義務づけており、詐欺予防につながっている。本市でも現場での詐欺防止対策の検討を要望する。次に、窃盗犯の中にある住宅侵入窃盗や凶悪犯の中の強盗について尋ねる。住宅侵入窃盗、強盗の令和6年、7年の認知件数と人口1,000人当たりの政令市での順位について尋ねる。

△市民局長 住宅侵入窃盗の認知件数については、令和6年が205件、7年が162件で、強盗の認知件数については、6年が13件、7年が10件となっている。また、6年度の人口1,000人当たりの認知件数については、政令市中、多いほうから住宅侵入窃盗が8番目、強盗が16番目となっている。

◯石本委員 住宅侵入窃盗の人口1,000人当たりの認知件数が政令市中8番目という順位は決して看過できる数字ではない。市民が毎日帰り着く自宅が犯罪の標的になっているという現実を改めて重く受け止めるべきではないか。東京都港区では、住まいの防犯対策へ助成をしている。パネルを1枚準備したため見てもらいたい。空き巣犯が侵入を諦める時間というのは、侵入にかかる時間が5分以上で70%、10分以上かかると90%諦めると言われている。港区は、一戸建ての住宅へは入るとライトがつくセンサーライトやセンサーつきのアラーム、あとは防犯カメラやダミーカメラ、そして庭や家の周りに置く、侵入すると音が鳴る砂利も助成をしている。窓には割れないように防犯フィルム、そしてシャッターやガラスの破壊センサー等が対象となっている。マンションやアパートの集合住宅でも玄関に補助錠やカメラつきのインターホン、スマートドアの設置にも助成をしている。住宅侵入窃盗も強盗に対しても自己防衛対策ができるよう、港区のように住まいの防犯対策の充実のため、補助錠やセンサーライトやカメラ、砂利の購入への助成を検討すべきと考えるが、所見を尋ねる。

△市民局長 本市では地域の安全は地域で守るという条例の基本理念の下、防犯カメラの助成等を地域団体に対して行ってきたところであり、引き続き地域の防犯活動に対する支援を進めることが重要であると考えている。

◯石本委員 個人より先に地域の防犯を支援するという答弁である。地域で守るという理念は大切である。しかし、地域の活動だけでは限界がある。特に独り暮らしの高齢者や女性にとって個人の住まいの防犯を支援する制度は急務であると考える。個人での自己防衛について支援できるよう検討することを要望する。次に、性犯罪について尋ねる。繁華街では、万引き、自転車窃盗などの窃盗犯罪や性犯罪が起こりやすいとの特徴がある。実際に繁華街は夜間1人で歩くのは怖いとの声も上がっている。また、ストーカー被害についても気になるところである。特に女性への自己防衛の取組が重要だと感じている。性犯罪の現状について、令和6年と7年の性犯罪の認知件数、被害防止に向けた現在の取組と課題意識について尋ねる。

△市民局長 性犯罪の認知件数については、令和6年が195件、7年が167件となっている。性犯罪の被害防止に向けては、警察官OBによる出前講座をはじめ、市政だより、市ホームページ、SNSを活用した情報発信、毎年4月、5月の新大学生強化月間における学生への注意喚起メール配信、チラシ送付など広報、啓発を行うとともに、性暴力被害者支援センター・ふくおかでの被害者相談対応などの取組を行っている。性犯罪は全世代で被害が発生しているが、特に20歳代以下の認知件数が多くなっていることから若い世代に対しての周知、啓発が重要であると考えている。

◯石本委員 性犯罪の認知件数は167件と数値的には少し減少しているが、何らかの理由で通報できないだけであり、この認知件数は氷山の一角だと考える。私たちのもとに相談が来ている体感で言うと、悩んでいる人はもっと多く存在するのではないだろうか。一方でストーカーについて、警察庁の発表によるとストーカー事案の摘発件数は全国で3,717件。ストーカーに関する相談件数は2万件を超えて高止まりをしている。ストーカー事案とも関連が深いこの性犯罪だが、答弁では全世代に発生をしており、特に20歳代以下が多いということである。大学生への注意喚起やチラシだけでは対策は不十分ではないか。ここで、港区の女性の防犯対策について紹介する。これは防犯ブザーだが、パッケージに入っているため少し分かりにくいかと思う。チョコレート風で、少しおしゃれな感じである。バックにすぐつけられるようなおしゃれな、小学生がもらっている防犯ブザーとは若干違う。港区ではこうした一見アクセサリーにも見えておしゃれで常時携帯したくなるような防犯ブザーを配布している。大変好評で女性の帰宅の安心につながっているようである。防犯ブザーは周りに助けを求めることができる。音が出ると犯人が逃げたがる。犯罪被害に遭うと被害者は声も出ない。そして走って逃げることもできないほど恐怖で体が固まってしまうのが現実である。だからこそこのピンを抜くだけで大きな音が出てとっさに助けが呼べる、そうした手段を常に持っておくことで命を守ることができる。もう一つ、防犯アプリを紹介する。福岡県警が作成した公式無料アプリみまもっちは、まさに自分を守る手段の一つになる。現在地の周辺や配信を希望した場所の発生した事件や不審者情報をリアルタイムで知らせてくれるほか、いざというときはスマートフォンが防犯ブザーになり、ワンタップで110番にもつながる。さらに詐欺被害の疑似体験ができる動画まで搭載されており、性犯罪から特殊詐欺まで幅広く防犯意識の向上につながるアプリである。一方、本市の公式LINEは登録者が196万人にも上る市民への強力な情報発信ツールとして利用拡大をされている。防犯情報も既に発信、注意喚起をしてもらっているが、この広報力をぜひみまもっちのダウンロード促進にも生かすべきだと思う。そこで大学生やストーカーで悩む相談者に対し、本市でも港区のように常時携帯したくなるデザインの防犯ブザーを配布することに加え、県警のみまもっちの周知、啓発に努めてほしいと考えるが、所見を尋ねる。

△市民局長 県警察の防犯アプリみまもっちについては、防犯ブザー機能を備えているため、より多くの市民に利用してもらえるよう、SNSやチラシ、ホームページなどにより引き続き周知、啓発に努めていく。

◯石本委員 助けが来るまで注意を引き続けることができる防犯ブザーであるため、ぜひこの機能を生かしたアプリの活用の周知をよろしくお願いする。次に、犯罪抑止力の一翼を担う地域や町なかにある防犯カメラについて尋ねる。町内会などの地域には防犯カメラを多く設置してもらっている。自治協議会などへの防犯カメラ設置に関する支援内容と設置台数、令和8年度の支援内容について尋ねる。

△市民局長 防犯カメラ設置補助制度については、自治協議会、自治会、町内会などに対して1団体につき年間4台を限度に1台当たり25万円を上限として、機器購入費及び工事費の75%以内で補助するものである。制度を活用し、設置された台数は令和6年度末で2,207台となっている。また、8年度からは防犯カメラの維持管理費についても、カメラ1台につき年間3,000円を補助することとしている。

◯石本委員 本市でも地域で2,207台ものカメラに設置補助している上に、維持管理費まで助成開始となるのは大変ありがたい支援である。警察庁の犯罪統計によると、防犯カメラの映像をリレー操作することで容疑者検挙率が上昇しているということに加え、防犯カメラが設置されていることが窃盗犯罪の抑止力につながっていることが証明されている。今後も防犯カメラは設置を推進すべきだと思う。地域でカメラを設置する以外に市が管理する市直轄カメラも天神や博多駅などの繁華街に設置されている。目的と設置台数について尋ねる。

△市民局長 市が繁華街等に設置している防犯カメラについては、悪質な客引き行為や暴力団等の犯罪抑止を目的として、令和6年度末時点で52台を設置している。

◯石本委員 繁華街における暴力団対策、客引き対策を目的として52台設置しているとのことである。カメラのアングルは目的によって違う。そして52台という数字は167万人都市である本市の規模からすると、まだまだ少ないのではないか。神戸市では、設置目的が暴力団、客引き対策に限らず、広く市民の安全を守るために活用されている市の直轄カメラが200台以上設置されている。女性を含め、多くの人が繁華街を歩く際に怖がることなく安全に歩けるよう、もっと安全を守るための市直轄の防犯カメラを増やすべきと考えるが、所見を尋ねる。

△市民局長 犯罪情勢などを踏まえて必要な状況があれば、それに応じて繁華街等におけるカメラの設置を検討していきたいと考えている。

◯石本委員 ぜひとも検討をお願いする。犯罪の内容や起こる時間、そして犯罪の予防に市民ができることなど、情報をもっと発信してほしいと考えている。初めの答弁であった様々な広報媒体を活用した広報、啓発などを行っているとのことだが、SNSでの注意喚起や啓発はどのように行っているのか尋ねる。

△市民局長 市民の身近で発生した事件や不審者の情報を県警察と連携をし、市公式LINEによりプッシュ型で配信している。また、毎年4月、5月の新大学生防犯強化月間や8月の防犯強化月間のほか、犯罪情勢に応じて随時、特殊詐欺、SNS型投資、ロマンス詐欺、闇バイト、性犯罪などの注意喚起情報を配信している。

◯石本委員 全ての市民があしたは自分に起こるかもしれないという危機感を持ち、自己防衛となる行動ができるようにタイムリーで効果的な情報発信や啓発が必要と考える。性犯罪や特殊詐欺においてもプッシュ型で発信をしているとのことだが、公式LINEにおいては防犯情報を受け取る人のみ受信となる。多くの人に情報が伝わるように取組を進めてもらいたいが、所見を尋ねる。

△市民局長 登録者数の増加に向けて、SNSやホームページ、チラシなど様々な機会を捉えて周知を図っていく。

◯石本委員 ここまで市民生活への影響が大きい窃盗犯、知能犯、性犯罪の視点から詐欺対策アプリ、住まいの防犯設備、性犯罪防止のための防犯ブザーやアプリの登録、防犯カメラの設置、地域の支援、そして情報発信、啓発と多岐にわたる防犯対策について尋ねてきた。本市の防犯対策は市民局だけにとどまらない。交通局では、痴漢、盗撮防止のため、地下鉄全車両へ防犯カメラを設置を進めるとともに駅構内への防犯カメラの増設を含め、安心して利用できる環境整備に取り組んでもらっている。道路下水道局では、市営駐輪場への防犯カメラや地域の防犯灯の管理、工事費補助を行っている。そして地域では、青色防犯パトロール等で毎日、時にはイノシシが出たときなど臨時でも地域を走り回ってくれる自治協議会や団体の皆さんがいる。頭が下がる思いである。しかし、本市での特殊詐欺被害、いまだに多い窃盗、夜道を1人で歩くことへの恐怖を訴える市民の声に対し、これからも全市挙げて防犯対策を進めてもらいたいと願う。最後に、犯罪のない安全で住みよいまちづくりの実現のために市長の所見を尋ね、質疑を終わる。

△市長 全国的に特殊詐欺や街頭犯罪が増加をするなど、治安の情勢は厳しさを増していく中、生活の質の向上を支える基盤である安全、安心のまちづくりは大変重要であると認識をしている。このため、福岡市犯罪のない安全で住みよいまちづくり推進条例に基づき、犯罪防止の啓発活動や特殊詐欺被害の未然防止対策、地域防犯活動への支援、また、防犯に配慮した環境整備などソフト、ハードの両面から防犯のまちづくりを推進をしているところである。今後とも地域団体、事業者、県警察などとさらに緊密な連携を図り、犯罪のない安心で安全で住みよいまち福岡の実現に向け、しっかりと取り組んでいく。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
PAGE TOP