◯堤委員 公明党福岡市議団を代表して、鳥獣被害対策について、生ごみ資源化の推進について、以上2項目について質疑していく。初めに、鳥獣被害対策についてである。農林水産省の発表によると、令和5年度の野生鳥獣の全国の農作物被害額は164億円に上り、依然として高い水準にあるとのことである。被害を及ぼす鳥獣は、鹿に次いでイノシシ、熊、猿となっており、鳥類ではカラスが1番となっている。福岡県においては、同じく5年度の被害額として7億980万円となっており、その4割がイノシシによるものとされている。鳥獣による被害は金額的な損失にとどまらず、農業従事者の営農意欲の減退や耕作放棄地、離農の増加にもつながりかねない問題である。また、生息環境の変化による市街地への出没など、市民の生活環境にも影響を及ぼしている。本市においても鳥獣対策を一層強化し、時代や環境の変化に対応したより実効性のある対策を講じていくことが必要であると考える。そこでまず、本市のイノシシなどの鳥獣による農業被害の状況と、鳥獣被害の防止についてどのような指針に基づいて行っているのか尋ねる。
△農林水産局長 令和6年度のイノシシ等の鳥獣による農業被害額は2,899万7,000円で、そのうち約7割がイノシシによるものである。また、指針については、鳥獣被害防止特措法に基づき、福岡市鳥獣被害防止計画を6年度からの3か年を計画期間として策定している。この計画に基づき、本市、JA、猟友会などで対策協議会を設置し、国からの補助に加え市の上乗せによる捕獲報奨金や、侵入防止柵の設置支援など様々な鳥獣被害防止対策を行っている。
◯堤委員 本市においては被害額が2,900万円、イノシシ被害が全体の7割と大半を占めているとのことである。市町村が定める鳥獣被害防止計画は全国の8割以上の自治体で策定されているようだが、本市の現計画は令和6年度からの3か年とのことである。では、イノシシなどをはじめとした鳥獣被害対策事業全体について、過去3年の決算額の推移を示されたい。
△農林水産局長 決算額は、令和4年度1,370万2,000円、5年度2,675万円、6年度5,238万5,000円となっている。
◯堤委員 令和6年度の決算額は、この3年で4倍に増加している。本市の鳥獣被害対策への意気込みを強く感じるが、6年度はどのような取組を強化したのか、強化した理由についても尋ねる。
△農林水産局長 令和6年度は、これまでの猟友会等によるイノシシの捕獲活動に加え、さらなる被害軽減のため新たに民間事業者及び猟友会による集中捕獲を実施したほか、市独自の侵入防止柵の導入支援や地域ぐるみで実施するやぶや茂みなどの刈り払いへの支援を強化している。
◯堤委員 イノシシ対策の3本柱である捕獲、侵入防止、生息環境管理を市の独自支援も含めて強化した、それらの取組による事業の成果と、農業被害額、被害面積は5年前と直近でどのように変化しているのか尋ねる。
△農林水産局長 事業の成果について、令和6年度の捕獲数は、イノシシ等の獣類は1,935頭で前年度比724頭の増、カラス等の鳥類は1,199羽で前年度比49羽の増である。農業被害額については、5年前の2年度が3,921万5,000円、6年度が2,899万7,000円、農業被害面積については、2年度が16.06ヘクタール、6年度が10.24ヘクタールとなっており、農業被害額、被害面積ともに減少傾向である。
◯堤委員 これまでの取組により一定の成果が出ていると思うが、地域を回ると依然として農業者からイノシシなどによる被害の声を聞く。先月8月の大雨による市内の農作物被害は約650万円と聞いているが、昨年度の鳥獣被害額2,900万円はその約4.5倍である。特に、今の時期は収穫を控えた米などへの食害を防ぐ対策が重要である。しかし、これまでの対策を担っている猟友会などの捕獲従事者や農業者は、高齢化や人手不足の状況であると聞く。そのため、効率的な捕獲活動のためのICTを使った捕獲通知システムや、IoT技術による箱わなに入ったイノシシを検知する自動捕獲機器は広く商品化され普及しつつある。さらなる対策の効率化に向けて、ICTやIoTなどの新しい技術を積極的に活用し鳥獣被害対策に取り組むべきと考えるが、所見を尋ねる。
△農林水産局長 これまでも、センサーカメラやわなの通知システムなどのICTやIoT機器を導入するなど捕獲活動の効率化に取り組んできたところであり、今後とも、専門家などの意見を踏まえながら、捕獲活動のさらなる効率化のため新しい技術や製品などについて積極的に検討し、鳥獣被害の減少の対策を進めていく。
◯堤委員 よろしくお願いする。また、農地以外におけるイノシシ対策も重要と考える。西区では本年、特に今津や今宿でのイノシシ出没情報が頻繁に出されているようである。私も金武地域で、金武の室見川沿いはやぶなどが生い茂っておりイノシシなどの動物のすみかにもなっていて、一部は通学路にも近くて危ないとの声を聞いた。春先に出没情報があり、歩行者はもちろん車両においても注意が必要である。そのため、本市もこのパネルようにイノシシ出没注意の看板を設置して注意を呼びかけている。室見川沿いにおいて人的被害を起こさないためにも、定期的な刈り払いを行い、市街地にイノシシなどを近づけない取組は重要と考えるが、所見を尋ねる。
△道路下水道局長 西区金武の室見川沿いの道路については、これまで雑草による交通支障が生じる場合に除草を実施している。今後の除草については、イノシシ等の動物のすみかになっていないか等の視点も踏まえながら必要な措置を実施していく。また、室見川については二級河川であり、管理者の福岡県からは、定期的に河川巡視を行い河川の流水機能を確保するためのしゅんせつや木の伐採、除草を適宜行っていると聞いている。今後、周辺住民の安全、安心な生活を確保するため、様々な視点に基づいた適切な管理が行われるよう県に対して要望していく。
◯堤委員 よろしくお願いする。一方、市街地における鳥獣被害で思い浮かぶのが、街路樹における鳥などの被害ではないだろうか。ここからは、街路樹における主に鳥類被害について尋ねていく。本市は緑豊かなまちづくりを掲げているが、現在改定中のみどりの基本計画は、今後10年間の本市の緑のまちづくりに関する重要な指針となる。そこで街路樹についての確認であるが、そもそも街路樹とはどのような樹木を指すのか、その植樹による効果は何があるのか、本市として街路樹についてはどのような方針で設置しているのか尋ねる。
△住宅都市みどり局長 街路樹については、道路構造令に基づき歩道などに設置する植樹帯に植栽された樹木の総称である。街路樹には都市景観の向上や緑陰形成、交通安全、生物多様性の保全など多様な効用があり、その配置に当たっては、緑の連続性に配慮しながら路線ごとに同一樹種を基本として、地域の意見も踏まえながら計画的な植栽に取り組んでいるところである。
◯堤委員 答弁のとおり、街路樹にはこれだけの多くの役割がある。また、防災面において災害時には倒壊する家屋の受け止めや、水分を多く含んだ街路樹は燃えにくいことから市街地の延焼を食い止めるなど、街路樹には多様な機能がある。住宅都市みどり局が管理している街路樹の高木は本市にどれくらいあるのか、また、街路樹の維持管理に係る令和6年度の決算額と、主な業務内容について尋ねる。
△住宅都市みどり局長 高木については、令和6年度末時点で約5万4,200本を管理している。また、街路樹の維持管理費については約6億2,400万円で、主な業務内容は樹木の剪定や除草、街路樹診断などである。
◯堤委員 街路樹の老朽化や倒木リスクへの対応など、市民が安全で快適に暮らすためにはこうした街路樹の適切な管理は不可欠である。ここまでは街路樹のことについて尋ねてきたが、街路樹に集まるカラスやムクドリなどによる被害について相談を受けることがある。そこで、街路樹におけるカラス、ムクドリに関する相談内容、問合せ件数の推移を過去3年間と今年度の直近での件数があれば示されたい。また、ムクドリなどの被害は主にどのような場所で発生しているのか、把握していれば示されたい。
△住宅都市みどり局長 主な相談内容としては、カラスによる威嚇行動やムクドリの鳴き声による騒音、ふん害などで、過去3年間及び今年度の問合せ件数については、令和4年度が42件、5年度が25件、6年度が29件、7年度が8月末時点で24件となっている。ムクドリなどの被害については、主に6月から10月頃までの間に駅周辺などの都心部において、大きく成長したケヤキやクスノキなどの街路樹で多く確認されており、南区の大橋駅前付近や西区の姪浜駅周辺などで複数の問合せがあっている。
◯堤委員 カラスやムクドリに関する相談や問合せが、過去3年間と今年度で計120件寄せられているとのことだが、実際の被害件数はもっと多いのではないかと感じる。特に、街路樹の多い都心部の駅周辺などでは、日常的に悩まされている市民も多いのではないだろうか。先月、西区姪浜駅付近のマンションの住民からムクドリ被害に関する相談を受けた。自宅マンションバルコニーの目の前の街路樹に、夜になるとムクドリなどが大群でねぐらを形成し、その鳴き声による騒音や大量のふん害、羽根などがマンションのエントランスにまで入り込んでしまうなど、睡眠の妨げや呼吸器疾患の発症のおそれもあり大変困っているとのことであった。また、8月中旬の日が暮れる頃に大橋駅にも行ってきたが、このパネルのとおり、西口の駅前広場にある大きなクスノキを中心にムクドリの大群が大きな鳴き声で集まり、このように地面には大量のふんが落ちていた。鳥獣保護法の観点から有害鳥獣の捕獲には制限がかけられているため、対策としては追い払いなどが考えられるが、街路樹におけるムクドリなどの鳥類被害に対しては通常どのように把握し、どのような対策を行っているのか。また、直近で行った追い払いの結果と課題も含め、具体的な事例で答弁されたい。
△住宅都市みどり局長 ムクドリなどの鳥類による被害については、定期的なパトロールや市民からの通報などにより把握しており、拍子木の音や木づちによって樹木に振動を与えることによる追い払い作業などを実施している。直近では、南区の大橋駅前において令和7年9月2日から3日間追い払い作業を行っており、特定の樹木に集まっていたムクドリが拡散したことなどを確認している。また、課題としては、追い払い作業に対しムクドリが一定期間経過すると元の場所に戻ってくることや、音や振動に慣れ効果が徐々に弱くなることなどがある。
◯堤委員 では、歩道における鳥類のふん害についてはどのように把握し、どのような対応をしているのか、西区姪浜や南区大橋などにおける清掃の実績や課題を答弁されたい。
△道路下水道局長 歩道におけるふん害については、市民からの通報や職員によるパトロールにより状況を把握し、必要に応じて清掃を実施している。清掃の実績としては、直近で、西区姪浜駅南において令和7年7月24日に清掃を実施し、また、南区の大橋駅前付近や中央区薬院等において、過去に複数回の清掃を実施している。課題としては、清掃を実施しても再度ふん害が発生することである。
◯堤委員 追い払い対策や歩道の清掃などは本市による対応を行っているが、共通して言える課題は一定期間がたつとムクドリが戻ってきて、また同じような状況になってしまうことである。ムクドリは学習能力が高く、一度ねぐらとして認識した場所には繰り返し集まる傾向がある。姪浜駅付近においてはその後被害は出ていないようであるが、大橋駅ではムクドリが戻ってきていた。いたちごっこの状況で、行政だけでは対応に追いつかない現状に苦慮していることが分かった。一方で、本市は街路樹についてボランティアによる管理も行っていると聞くが、概要と具体的な取組について尋ねる。
△住宅都市みどり局長 街路樹の管理については、これまでも地域の有志によるボランティアなどの協力も得ながら取り組んできたところであるが、令和5年度からは、登録してもらった市民や企業などに対し清掃道具等の貸出しやごみ袋の配布、回収などの支援を行う街路樹サポーター制度を開始するなど、市民や企業などとの共働により維持管理に取り組んでいるところである。
◯堤委員 同じように、行政だけでなく地域や住民主体の追い払い対策は必要と考える。また、各自治会には防犯委員が組織され、夜の防犯パトロールでは火の用心と呼びかける拍子木を活用している。ムクドリの追い払いに効果のある機材を有効に活用できるのではないだろうか。街路樹サポーターや自治会などの協力も得るなど、市民と連携した追い払い対策を行っていくべきと思うが、所見を尋ねる。
△住宅都市みどり局長 ムクドリなどの鳥類による被害への対応に当たっては、市民との連携などは重要であると認識しており、今後とも、街路樹サポーターをはじめ市民や企業などの協力も得ながら、街路樹のある美しい景観づくりに向け取り組んでいく。
◯堤委員 よろしくお願いする。ムクドリ被害が大きい浜松市では、追い払い対策としてLEDの光を使ってムクドリがねぐらとする街路樹などに強烈な光を照射することで、ムクドリを追い払う効果が確認されている。人間の目よりも反応がよい鳥の目は高速の点滅をそのまま認識するため、何らかの脅威だと感じて逃げ出すようである。本市としても、LED照明など効果の高い新しい技術を積極的に導入すべきと思うが、所見を尋ねる。
△住宅都市みどり局長 ムクドリなどの追い払い対策については、街路樹及びその周辺の状況や費用対効果の観点なども踏まえ、浜松市など他都市の事例も参考にしながら対応策を検討していく。
◯堤委員 過度な追い払い等は鳥などの生物との共生において相反すが、一部の地域に限定して被害が発生している現状には対応していく必要がある。鳥の習性などを把握した上で、分散させながら、市民が許容できる緩衝地帯にムクドリを誘導していくことが望ましいと考える。今後の街路樹の植栽については、ムクドリなどの鳥害対策の視点も踏まえた対応が必要になってくると考えるが、所見を尋ねる。
△住宅都市みどり局長 街路樹の配置に当たっては、街路樹の持つ重要な効用である緑陰の形成や生物多様性の観点を重視しつつ、ムクドリなどによるふんや騒音などの影響については抑制を図っていく必要があると考えており、今後とも他都市の取組なども調査しながら、快適で緑豊かな道路空間の創出に向けしっかりと取り組んでいく。
◯堤委員 最後に、本市として鳥獣害から農作物や市民の生活環境を守る取組について、市長の所見を尋ね、この質問を終わる。
△市長 鳥獣による農作物の被害防止策については、民間事業者や猟友会によるイノシシの集中捕獲を実施しているほか、本市独自の侵入防止柵の導入支援を行うなど対策を強化しているところである。また、都心の森1万本プロジェクトや街路樹の整備など緑のまちづくりの取組を積極的に推進している中、ムクドリなどの鳥獣被害から市民生活を守り、快適な都市環境を確保することも大変重要であると考えている。今後とも、地域の人たちの協力を得ながら鳥獣被害軽減のための対策にしっかりと取り組み、人と自然が調和し、緑豊かで誰もが快適に暮らすことができる環境共生都市を目指して取り組んでいく。
◯堤委員 よろしくお願いする。次に、生ごみ資源化の推進について質問する。現在開催中の大阪・関西万博でも環境が一つのテーマになっている。本市においても持続可能な社会の実現に向けたごみの減量、特に生ごみについては喫緊の課題であり、市民や事業者のさらなる理解と行動変容への取組が重要である。まず、これまでの取組の成果と今後の方向性について尋ねるが、本市におけるごみ処理量とリサイクル率の10年前と5年前、直近の推移を示されたい。
△環境局長 ごみ処理量とリサイクル率については、10年前の平成27年度が57万402トンで31.4%、5年前の令和2年度が52万8,235トンで30.3%、6年度が49万8,089トンで30.4%である。
◯堤委員 リサイクル率は横ばいではあるが、人口や事業所が増加する中でごみの量を着実に減らしてきたこれまでの取組は評価すべきである。本市では、福岡市環境基本計画に基づき、令和3年度から現計画である第5次福岡市一般廃棄物処理基本計画、いわゆる循環のまち・ふくおか推進プランを策定している。今年度は、計画期間10年の前半5年間である第1期実行計画が節目となる。そこで、循環のまち・ふくおか推進プラン第1期実行計画のこれまでの取組についての評価と併せて、現在策定中の第2期実行計画ではどのような点に重点的に取り組んでいくのか尋ねる。
△環境局長 循環のまち・ふくおか推進プランにおいては、古紙、プラスチック、食品廃棄物を重点3品目として位置づけており、第1期実行計画では、事業系古紙の分別義務化をはじめプラスチックごみの発生抑制、食品ロス削減などの取組の推進により令和6年度のごみ処理量は49.8万トンとなっており、12年度の数値目標である53万トンを前倒しで達成している。また、現在策定中の第2期実行計画においても、引き続き重点3品目を中心にさらなるごみの減量や資源化に取り組んでいくこととしており、事業系古紙の分別徹底をはじめ、プラスチックの分別収集や事業系食品廃棄物の資源化を推進していく。
◯堤委員 本市では、古紙、プラスチックごみ、食品廃棄物を重点3品目と位置づけ、令和2年度から事業系古紙の分別義務化がスタートし、令和9年2月からの家庭ごみのプラスチック分別収集に向けた準備が進められているが、さらなるごみの削減が期待される。ここからは、家庭から出る食品廃棄物である生ごみについて質問していく。生ごみにはまだ食べられるのに捨てられてしまう食品、いわゆる食品ロスも含まれる。本市の家庭から出る可燃ごみの処理量について、直近3年間の推移と生ごみが占める割合を示されたい。あわせて、食品ロスの傾向も示されたい。
△環境局長 可燃ごみの処理量と割合については、令和4年度が26万306トンで35.1%、5年度が25万3,538トンで32.3%、6年度が24万6,572トンで33.8%である。また、食品ロスについては、可燃ごみに含まれる手つかず食品の推計量で答弁すると、4年度が約1万2,000トン、5年度が約9,000トン、6年度が約8,000トンと減少傾向になっている。
◯堤委員 依然として3割を生ごみが占める状況が続いているが、可燃ごみ処理量の減少とともに、生ごみや特に食品ロスの削減は着実に進んできているようである。本市では10月の食品ロス削減月間を中心に、スーパーや公共施設などにフードドライブ会場を設けて未開封の食品を集めた後、フードバンク団体を通じて子ども食堂などに提供している。引き続き、この取組が広がっていくよう、情報発信などさらなる後押しを要望する。一方で、生ごみのほとんどを占める調理くずや食べ残しなどの削減に向けては様々な課題があるが、対策としては大きく2つあると思う。1つ目は生ごみ自体を減らすこと、2つ目は生ごみを活用することである。本市では、これまで市民に向けた生ごみの堆肥化、いわゆるコンポストに関する講座を行っているが、直近3年間の開催数と参加者数の推移を示されたい。
△環境局長 講座の開催数及び参加者数については、令和4年度が46回で369人、5年度が48回で364人、6年度が56回で720人である。
◯堤委員 コンポストへの市民の関心も年々高くなっていることが分かった。しかし、講座に参加する層は限定的でもあるため、SNSなどでの情報発信も要望しておきたいと思う。生ごみの資源化には最初のきっかけづくりが重要である。このパネルを見てほしい。我が家もSNSで見たことをきっかけに、今年からコンポストを始めた。これはリンゴ箱を使って手作りで作った。想像以上に分解が進むことに驚き、生ごみを燃えるごみで出すことはなくなった。1か月間の生ごみを量ったところ、家族4人の我が家では月15キログラムの生ごみが出ていた。単純計算で例えると、月10キログラムの生ごみを出す家庭が、本市の全世帯の1割に相当する9万世帯でコンポストをしたとすれば、年間1万トンの生ごみを削減できることになる。本市の家庭から出る生ごみが年間8万トンであるため、削減効果は大きいと思う。各家庭における生ごみの資源化は、このようにきっかけさえあれば大きく進むのではないかと思う。先日も、近所の小学生が小学校での施設見学でごみに関心を持ち、我が家のコンポストを見に来てくれた。子どもたちの環境に対する意識は高いものだと感じる。そこで、本市で行っている小学校における食の資源循環推進事業の概要と、昨年度の実施校数について示されたい。
△環境局長 小学校における食の資源循環推進プログラムについては、子どもたちが食の資源循環を学び実践するため、食品ロスに関する学習やフードドライブの実践、生ごみの堆肥化に取り組む事業であり、昨年度は6校で実施している。
◯堤委員 今年度実施している小学校で、給食の調理くずを使った堆肥化プロジェクトを視察した。約1か月間調理くずをコンポストバックに入れ、その様子を観察する過程で調理くずが分解されて土になること、何より生ごみは価値ある資源であることを児童たちが身をもって実感できることは大変有意義であると思う。実施校での児童や教員の声について、把握しているものがあれば示されたい。
△環境局長 実施校における児童へのアンケートでは、7割が学校でコンポストに取り組みたい、3割が食べ残しが減ったとの回答が得られ、また、教員へのヒアリングでは、児童は興味を持って積極的に取り組んでいたとの声があった一方で、負担に感じたとの意見も寄せられている。
◯堤委員 長い視点から見て、小学校において食品ロスの削減や生ごみの堆肥化等に取り組み、子どもたちが食の資源循環を学び実践する機会は重要である。多くの小学校で実施してほしいと思う一方で、教員の負担が増えてしまうことなど実施にちゅうちょしてしまうこともあるのではないかと思う。そこで、できる範囲で地域の協力も視野に入れて実施してはどうかと思うが、所見を尋ねる。
△環境局長 小学校での実施に当たっては、教員の意見などを踏まえながら今後の実施方法について検討していく。
◯堤委員 よろしくお願いする。次に、市民の取組を後押しする補助制度について尋ねる。生ごみ堆肥化容器や電動生ごみ処理機の購入費を一部補助する、家庭用生ごみ堆肥化容器購入費補助金の令和5年度と6年度の堆肥化容器と電動生ごみ処理機それぞれの申請件数、予算額と決算額を示されたい。
△環境局長 同補助金については、令和5年度の申請件数は堆肥化容器が291件、電動生ごみ処理機が15件であり、その予算額250万円に対し決算額は95万円余である。6年度の申請件数は堆肥化容器が272件、電動生ごみ処理機が31件であり、その予算額160万円に対し決算額は120万円余である。
◯堤委員 電動生ごみ処理機は、一般的に微生物の力で分解するバイオ式とヒーターによる温風で生ごみをからからに乾燥させる乾燥式の2種類あり、最近では両方の機能を備えたハイブリッド式もある。乾燥式のほうが臭いが比較的少なく抑えられるため、抵抗なく生ごみ削減に取り組めるようである。本市では、電動生ごみ処理機はバイオ式のみに補助しているが、乾燥式に補助していない理由を尋ねる。
△環境局長 同補助金については、家庭から出る生ごみの減量と堆肥化による資源循環を目的としており、生ごみを堆肥化することができるバイオ式のみを対象としている。
◯堤委員 堆肥化を前提にした補助をしているとのことだが、一般的に乾燥した生ごみも有機肥料として資源活用はできる。政令市の状況を調べたところ、電動生ごみ処理機に補助している政令市は本市を含め11都市であった。そのうち、乾燥式に補助していない政令市は本市だけである。堆肥としての活用を重視していない人でも生ごみ削減の取組に参加できるきっかけづくりとして、乾燥式の電動生ごみ処理機も含めて幅広く補助すべきと思うが、所見を尋ねる。
△環境局長 補助対象機器については、他都市の状況や市民ニーズなどを踏まえ検討を行っていく。
◯堤委員 よろしくお願いする。市民が作った堆肥の活用としての出口戦略も重要である。家庭で使い切れずに余った堆肥は、区役所などに設置している資源物回収ボックスや一部の公民館で回収し、歩道や公園の花壇などで活用しているが、さらなる資源化の推進の取組として、来年3月に開催するFukuoka Flower Showに向けて市民への堆肥の提供を呼びかけ、ガーデンコンテストやシンボルガーデンをはじめとした展示の随所に広く活用してはどうか。
△環境局長 市民から回収した生ごみ堆肥については、令和6年度に開催されたFukuoka Flower Show Pre-Eventのシンボルガーデンで活用し、その取組についてSNSなどを通じ広く発信している。来年3月のFukuoka Flower Show開催に当たっても広く市民に対し堆肥提供を呼びかけ、その活用にしっかりと取り組んでいく。
◯堤委員 よろしくお願いする。生ごみの資源化については、ごみ処理の高速化や効率化など新たな技術も重要と考える。このパネルを見てほしい。先日、東京都品川区の複合施設で、次世代型の生ごみ処理機を活用した実証実験を視察した。施設から出る弁当などの生ごみを太陽光発電で動くコンポストで1日で最大98%まで高速分解処理し、堆肥は施設内の花壇にも活用するようである。また、電源や排水設備が不要で設置場所を選ばない。このような新しい技術を活用したコンポストの事例は少しずつ増えてきている。本市においても、新しい技術を積極的に活用しながら市民への生ごみの資源化推進を図ってみてはどうか、所見を尋ねる。
△環境局長 生ごみの減量及びリサイクルの推進については、従来の取組に加えて、委員提案の次世代型の生ごみ処理機などの新技術の実用化や普及が大変重要であると考えている。そのため、民間の技術開発の状況や他都市の取組について費用対効果などの情報を収集しながら、新技術を活用したごみの減量と資源化を検討していく。
◯堤委員 よろしくお願いする。ここからは事業系ごみの取組についても尋ねていく。まず、本市の事業所から出る可燃ごみの処理量について、直近3年間の推移と生ごみが占める割合を示されたい。
△環境局長 質問の可燃ごみの処理量及び割合については、令和4年度が18万8,358トンで25.5%、5年度が19万3,284トンで22.2%、6年度が19万3,480トンで22.8%である。
◯堤委員 事業系ごみにおいても生ごみは減少傾向にあるが、毎年4万トン以上が焼却処分されている。本年3月から改正食品リサイクル法が施行され、食品ロス、廃棄物の発生抑制に力を入れていくという新たな方向性が示されているが、これまでのリサイクルについても一層の取組が求められている。国全体の食品廃棄物の再生利用実施率について、食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業の4業種ごとの令和11年度目標と直近の実績を示されたい。
△環境局長 質問の4業種に関する令和11年度の目標と直近の5年度の実績については、食品製造業は95%に対し97%、食品卸売業は75%に対し61%、食品小売業は65%に対し63%、外食産業は50%に対し34%である。
◯堤委員 食品製造業では高い数値で目標を達成しているが、卸売業、小売業、特に外食産業ではさらなる取組が必要である。外食産業では生ごみ分別の難しさがあるようだが、本市においても同じではないだろうか。そこで、本市の事業系ごみの食品リサイクルについて尋ねていく。昨年、西区に福岡バイオフードリサイクル(株)が運営する食品廃棄物のメタン化施設が本格稼働した。食品廃棄物からバイオガスを発生させ再生可能エネルギーとして発電、供給するサービスを展開している。大阪万博の日本館でも、バイオガスプラントが見学できる形で併設されており、万博施設内で出た食品廃棄物をエネルギーにして、生み出された電気を館内で利用するなど資源循環の象徴として注目を集めている。本市においても、新たなメタン化施設の稼働によって、以前より生ごみを家畜の餌にする飼料化施設と合わせた、さらなるリサイクル率の向上が期待される。そこで、稼働して1年であるメタン化施設及び以前からある飼料化施設のリサイクル状況について、令和6年度の年間と1日平均の処理量、稼働率を尋ねる。
△環境局長 メタン化施設については、年間処理量が3,376トンであり1日平均10.9トン、稼働率が約20%である。また、飼料化施設については、年間処理量が6,334トンであり1日平均17.3トン、稼働率が約62%である。
◯堤委員 メタン化施設の稼働率は約20%と大変低い水準にとどまっており、飼料化施設と合わせてもまだまだ処理能力に余裕がある状況である。本市では、昨年度、事業者が負担する食品廃棄物の処理費用を焼却処理に比べ削減できるなどの補助制度をスタートさせたが、飼料化、メタン化処理費、食品廃棄物の保管場所整備費、事業用生ごみ処理機の購入費の補助金について、令和6年度の予算額と決算額、申請件数について答弁されたい。
△環境局長 質問の補助金については、事業系食品廃棄物資源化費用補助金が、予算額5,200万円に対し決算額382万円余、申請件数21件、事業系食品廃棄物分別保管場所整備費補助金が、予算額500万円に対し決算額3万円余、申請件数1件、事業所生ごみ処理機導入支援補助金が、予算額1,875万円に対し申請はなく、決算額はない。
◯堤委員 令和6年度の実績を示してもらったが、6年度はどれくらいの件数を見込んでいたのか。今年度も引き続き補助をしているが、併せて今年度の予算額と申請件数、申請額についても尋ねる。
△環境局長 令和6年度の申請については、事業系食品廃棄物資源化費用補助金は300件を見込み、事業系食品廃棄物分別保管場所整備費補助金と事業所生ごみ処理機導入支援補助金については、それぞれ50件を見込んでいた。7年度については、事業系食品廃棄物資源化費用補助金の予算額が5,200万円で、8月末時点の申請件数は10件、申請額は381万円余、事業系食品廃棄物分別保管場所整備費補助金の予算額が500万円、事業所生ごみ処理機導入支援補助金の予算額が1,875万円で、8月末時点でいずれも申請はない。
◯堤委員 昨年度と今年度の状況について答弁があったが、いずれも想定を下回る状況である。補助金を活用せずに取り組んでいる事業者もいるとは思うが、令和6年度の決算額を見ても補助金制度が十分に活用されていない状況のようである。いかに排出事業者にメリットを感じてもらい、行動に移してもらうかが重要だと考える。このパネルを見てほしい。私もメタン化施設を見学に行き分かったことではあるが、このように容器、包装紙、箸、プラスプーンが混入していても、そのまま受入れが可能ということである。いわゆる、ゆる分別とも言えるが、これは破砕機にかけた後に不適物除去装置で自動分別されるため、厳密な分別を必要としないとのことである。このように排出事業者の行動変容を促すためには、手間はそれ程かからない、分別すればコストが下がるといったメリットなど事業者に分かりやすい周知、広報を検討すべきと考えるが、所見を尋ねる。
△環境局長 昨年10月に実施した大量排出事業者に対するアンケート調査においては、飼料化施設やメタン化施設を知らない事業者が7割を占めていた。そのため、これらに対し廃棄物条例に基づく定期的な立入調査に合わせて補助制度についての周知に取り組むとともに、その中でも排出量が特に多い大規模商業施設や病院、老人福祉施設などに対しては別途、個別訪問を行い、資源化のメリットや意義、補助金の活用などに関して丁寧に説明を行ってきたところである。引き続き、事業者へ個別訪問などを行い、周知、啓発にしっかりと取り組んでいく。
◯堤委員 食品廃棄物のリサイクル推進は一朝一夕で進むものではないことは理解するが、排出事業者の分別における課題が何なのか、実態把握を行いながら新たな施策を検討していくことは重要と考えるが、所見を尋ねる。
△環境局長 食品廃棄物の資源化に当たっては排出事業者の理解、協力が重要であると認識しており、個別訪問による補助制度の周知と合わせ資源化に取り組む際の課題を確認しながら、必要な対策について検討していく。
◯堤委員 担当課の職員の日々の活動には感謝している。よろしくお願いする。これまで、本市と市民、事業者が一体となった生ごみ資源化の推進について質問してきたが、最後に、食品廃棄物の削減など循環のまち・ふくおかを推進する本市の取組について市長の所見を尋ね、質問を終わる。
△市長 本市においては、人と環境に優しい持続可能な都市を目指し、環境負荷を軽減し都市の発展を持続させる福岡式循環型社会システムの構築に取り組んでいる。循環型社会の実現に向けては、食品廃棄物、古紙、プラスチックごみの重点3品目を中心として、従来のごみ減量の取組に加え、民間事業者による新しい技術やビジネスモデルを活用した資源化を推進していくことが大変重要であると考えている。今後とも、循環のまち・ふくおか推進プランに基づき、時代に即した取組を推進し、市民や事業者の理解と協力を得ながらごみ減量や資源循環の推進に向けた取組をしっかりと進めていく。
















