○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、観光分野におけるSNSの活用について、福岡アジア美術館の魅力向上に向けたバリアフリーの充実について質問いたします。
初めに、観光分野におけるSNSの活用についてです。
福岡市は、コンパクトシティとしての利便性、豊かな食文化、国際的な交流拠点としての役割、特にアジアとの近さが特徴です。さらに、観光の面においては、博多ラーメン、屋台文化などの独自の観光資源を持ち、インバウンド観光客にとって魅力的な都市です。インバウンド消費は、2024年には8兆円を超え、日本では自動車に次ぐ第2位の輸出産業となっており、外貨獲得による地域の経済活性化になくてはならないものになっています。そうした中、近年、観光分野における情報発信や集客において、SNSの活用がますます重要になっています。SNSは、リアルタイムでの情報共有や双方向のコミュニケーションを可能にし、観光客に対して福岡の魅力を効果的に伝えるツールとして大きな役割を果たしています。
そこで、まず最初に、福岡市における2024年のインバウンドの来訪状況について伺います。
以上で1問目の質問を終わり、以降は自席にて行います。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 2024年の福岡空港及び博多港からの外国人入国者数は、法務省の出入国管理統計によると、前年比約1.4倍の約390万人となっております。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) 福岡市へのインバウンドの来訪が増加傾向にあることが分かりました。
一方、国内全体における2024年の訪日外国人旅行者数約3,687万人のうち、福岡市は大阪や東京に比べ観光客シェアが限定的であり、インバウンド需要の取り込みに課題があると思います。御所見をお伺いいたします。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 外国人入国者の割合につきましては韓国が57.3%と最も高く、次いで台湾の13.3%、香港の9.7%などとなっており、今後、多様な国々から質の高い誘客を進めていく必要があると認識しております。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) 多様な国々からの誘客をさらに進める必要があるとのことですが、そのためには、今、来訪が十分でないエリアに対するプロモーションを強化していく必要があると思います。
そこで、多様な国々からの誘客に向けて福岡市が実施している現状の取組について伺います。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 福岡空港への直行便が就航しているタイやシンガポールなど東南アジアからの誘客に向け、現地の旅行博への出展や旅行商品のプロモーションなどに取り組むとともに、滞在日数が長く、1人当たりの消費単価も高い欧米豪旅行者や高付加価値旅行者の誘客を目的として、西のゴールデンルートの取組を推進しており、モデルルートの構築やウェブ及び大型国際イベントでのプロモーションなどを実施しております。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) 直行便がある国々やこれまで福岡への来訪が少ない欧米豪からの誘客は、新たな需要創出に大きな効果があるものと思います。
そして、それら多様な国々からの誘客を進めていくには、各国の状況に応じた効果的な情報発信が必要です。福岡には、食や自然、歴史など、多くの魅力的な資源がありますが、その魅力が伝わらなければ来訪にはつながりません。そのためには、特に旅をする前の旅マエ、旅の途中の旅ナカにおいてSNSを活用した情報発信が重要だと考えます。例えば、中国ではインスタグラムなどのSNSが利用できないため、若年層への情報発信アプリとして、漢字で小さな紅の書と書いて、日本語で「しょうこうしょ」、中国語では「シャオホンシュ」、また、通称REDと呼ばれるSNSがあります。フォロワー数は約3億人以上と言われています。最近では中国本土だけではなく、台湾、香港、シンガポールをはじめとする中国語圏全体から、さらには東南アジアの若年層にも広く利用されているアプリとして注目を集めております。口コミやライフスタイル情報を共有するプラットフォームとして急成長しています。日本企業や他都市でもREDを活用してブランド発信や市場拡大に成功しています。
そこで、観光分野における福岡市のSNS活用の現状について伺います。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) SNSは、観光に関する情報収集を行う際のツールとして広く利用されており、その活用は非常に重要であると認識しております。そのため、福岡市においてもインフルエンサーを活用したプロモーションを実施するなど、国内、海外の観光客に向けてSNSを活用した情報発信に取り組んでおります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) SNSを活用した発信は有効的な手段だと分かりました。
ここで3都市の活用事例を紹介いたします。いずれもREDの公式アカウントを開設した、インバウンド観光の促進や地域ブランドの具体的なPRの活用事例です。
初めに、大阪ではユニバーサル・スタジオ・ジャパン、道頓堀、心斎橋などの観光スポットやイベント情報、グルメ情報やショッピング情報を、地元の観光局や民間企業がインフルエンサーを起用し、中国人観光客に向けて中国語で積極的に投稿をしています。また、京都市は、伝統文化や歴史的観光地の清水寺や伏見稲荷大社を背景にした映えコンテンツを投稿しています。特に着物体験や抹茶スイーツなどのコンテンツが人気で、若年層の中国人観光客の購入促進につながっています。さらには、東京は、ショッピングでは銀座、渋谷、ポップカルチャーは秋葉原、グルメは築地などを中心に情報発信が行われており、具体的には、渋谷区や民間企業が東京の最新トレンドを紹介する投稿を展開してにぎわっています。福岡市においては、REDの活用事例は限定的ですが、博多ラーメンや屋台文化が個人ユーザーやインフルエンサーによって投稿されており、観光PRのポテンシャルは高いと思います。
ぜひ福岡市でもREDの公式アカウントを開設し、KOL、インフルエンサーを活用したPRをしてはいかがでしょうか。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) SNSを活用した情報発信に当たっては、ターゲットとなる国ごとの特性や傾向を踏まえた手法を用いることが重要であると考えており、今後は、議員御指摘のREDなどの具体的な事例も参考にしながら、SNSを活用した効果的な情報発信の在り方について検討してまいります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) REDのインフルエンサー、KOL、キーオピニオンリーダーの信頼性が高いということもあり、広がりが期待できます。また、REDに限らず、韓国ではカカオストーリーなど、その国独自のSNSが用いられている事例はほかにもあります。ぜひ有効な活用方法を検討していただきたいと思います。
さて、インバウンドの誘客に向けては様々なPR手法を検討することも重要ですが、併せて福岡市の特性を生かした観光コンテンツを磨き上げていくことも大切です。中でも、自然や食は福岡市における重要な観光資源です。例えば、農林水産省や地方自治体が推進している取組として、農村や漁村での宿泊を通じて地域の文化や自然を体験する農林漁業体験民泊、略して農泊があります。農泊を積極的に推進している都市と行政の関わりの事例として、先日、宮城県登米市の農家民泊、たまやまに伺いました。ふだんは御夫婦2人で営まれており、繁忙期には息子さん夫婦が手伝いに来られているそうです。田園風景や農業体験を生かした小規模宿泊施設で、訪問当日は海外から学生8人が来られていました。農家での食事は、家の畑と一緒に収穫をしたキュウリ、トマト、ナスビなどの野菜が提供をされていました。また、時期によっては稲作体験を行うなど、農泊推進は、地域振興と教育旅行を目的とした地域資源を生かしたグリーンツーリズムの一環として実施されており、JAや観光物産センターとの連携も図られていました。
また、大分県由布市は農泊を観光振興の柱と位置づけており、湯布院の温泉と農村体験を組み合せたプログラムを展開し、農家民泊や農業体験として野菜収穫、郷土料理作りなどを推進しています。また、国の支援を受け、農泊施設の整備やプロモーションを強化し、地元NPOや観光協会と連携をして体験プログラムの開発支援をしています。
福岡市でも、農村地域を生かして農林水産省の農泊推進事業などを活用しながら、地域とともに、農泊をはじめ、イチゴ狩りや海鮮バーベキューなどの体験プログラムを開発するなどについて検討されてはいかがでしょうか。
そこでお尋ねをいたしますが、現在の福岡市における農泊や農業体験についてどのような取組を行っているのでしょうか。
○副議長(尾花康広) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 農泊につきましては、農泊の推進に係る国の補助金を活用したいという地域からの声に応じて、申請に合わせて本市の意見書を提出するなど連携して取り組んでいるところでございます。また、農業体験につきましては、市民農園の運営や開設支援等に取り組むとともに、今年度から市民が参加する農業体験ツアーや企業が農地を活用する事業を新たに開始しております。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) 農業のみならず、都市と農山漁村地域が近くアクセスがよい福岡市の自然は、インバウンド観光客にも大変魅力的だと考えます。
そこで、自然や農林水産資源を生かした観光客も楽しめる体験コンテンツにはどのようなものがあるか、お尋ねをいたします。
○副議長(尾花康広) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 福岡市の自然や農林水産資源を生かした体験コンテンツといたしましては、海外からの観光客も多く来訪している唐泊のカキ小屋をはじめ、手軽に釣り体験ができる福岡市海づり公園、イチゴなど福岡の特産品の収穫体験、ABURAYAMA FUKUOKAにおける牛の乳搾り体験などがございます。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) どれもインバウンド観光客が興味を持ちそうな魅力的なものに感じます。特に唐泊恵比須かきについては、ザ・リッツ・カールトン福岡で採用されていると聞いております。
このような魅力をSNSを活用して発信し、特にZ世代の若者や女性観光客を取り込むことで、長期的なリピーターを確保することができます。また、農林水産資源の活用により、農家や漁業者の副収入の増加や地域ブランドが高まることで、地域経済の活性化にもつながります。本市が有する様々な観光資源を活用し、福岡の魅力をどのようにPRしていくのか、所見を伺います。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 福岡市には、自然や食、歴史など様々な魅力が存在しており、これらの観光資源を多くの方々に知っていただき、市内各所への周遊へとつなげていくことが重要であると考えております。今後とも、SNSや観光情報サイトなどにおける多言語での情報発信や旅行博への出展、旅行会社へのプロモーションなどターゲットに応じたPR手法を用いて、しっかりと福岡市の魅力を発信してまいります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) 次に、もう一つの事例を紹介したいと思います。
先日、インバウンド観光の強化に取り組んでいる北海道富良野市へ視察に伺いました。富良野市はインバウンド観光の急増で、人口約2万人のまちに外国人宿泊者数は年間約25万人となっており、10年前の4.2倍、コロナ前との比較で1.7倍に増加をしているそうです。特に中国、香港、台湾、シンガポール、オーストラリアからの観光客が多いとのことでした。そうした中でも、富良野市はリサイクル率90%という高い目標を掲げ、持続可能な地域づくりに取り組んでいます。リサイクル率90%の維持には住民だけでなく観光客の協力も必要ですが、何といっても驚いたのは、まちの中にごみ一つ落ちてない美しいまちだということです。インバウンド観光を推進する上で、その経済的メリットだけでなく、オーバーツーリズムによるごみの問題、マナー違反、インフラ不足など、市民生活への影響に配慮する必要があると言われていますが、情報発信アプリ、REDなどを活用した啓発により、富良野市ではその対策が十分になされているように感じました。
福岡市においても、観光客が増えることは喜ばしい一方、その急激な増加に伴い、市民が観光客を受け入れることへの意向が年々低下をしており、市民生活への配慮が必要になっています。そのため、宿泊税を活用し、インフラ整備やマナー啓発等に取り組む必要があると考えますが、御所見をお伺いします。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 福岡市では、地域や市民生活と調和した持続可能な観光振興を推進しており、観光客や市民の利便性向上を図るため宿泊税を活用し、地下鉄博多駅や天神駅にエスカレーターやエレベーターの設置を行うとともに、文化や習慣に起因するマナー問題を防止するため、インバウンドに対する動画等による啓発などに取り組んでおります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) それと同時に、観光振興に伴う効果を見える化していくことも大変に重要です。富良野市では、観光消費額等のデータを公開し、分かりやすく市民に観光振興の意義を伝えています。福岡市においても、そのような取組を行っていくことが必要と考えますが、御所見を伺います。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) これまでの観光振興の取組により、2023年の入込観光客数は約2,309万人、観光消費額は約6,192億円になるなど、過去最高を更新しております。これらの効果を市民や事業者に対して発信することは重要であると認識しており、令和6年度から、観光振興の効果をデータやグラフなどを用いて分かりやすくまとめたリーフレットを作成し、見える化を図っております。今後とも、観光振興への市民理解の促進に向けた取組を推進してまいります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) 今後とも、ぜひよろしくお願いいたします。
観光振興を推進する上で、市民の利便性向上や理解促進は重要な視点だと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。そして、理解促進にとどまらず、市民が積極的に関わる機会を提供し、市民と一緒に観光振興を行う必要があるのではないでしょうか。
福岡市では、福岡市おもてなしサポーターを設けており、この取組は、市民と国内外の様々な方とをつなぐ重要な役割を果たすものと思いますが、制度の概要と今後の展望についてお尋ねをいたします。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 福岡市おもてなしサポーターは、観光やMICEで市内を訪れる方々に対し、市民が担い手となり、福岡の魅力を紹介することを目的に、令和6年度に新設したボランティア制度でございます。今後も、外国語によるまち歩きガイドや観光案内を実施していただくなど、市民が観光に携わる機会を増やしてまいります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) 福岡市おもてなしサポーターは、観光客のマナー向上やごみ問題の軽減に寄与し、宿泊税を活用した市民還元策と連動することで、観光と市民生活の調和が期待をされます。
ここまで、事例を紹介しながら、SNS活用による情報発信の重要性と魅力的な観光資源の磨き上げ、市民理解の促進について質問をしてきました。福岡の魅力はまだまだ世界に知られていない部分が多いのではないかと思います。大阪や東京と差別化し、都市と自然が融合した福岡をSNSで世界に発信するなど、福岡独自の食文化や自然を強調した戦略を展開することで、インバウンド観光の新たなモデル構築が期待できます。
最後に、より多様な国々からの誘客に向けて、どのように観光振興を図っていくのか、髙島市長の所見を伺います。
○副議長(尾花康広) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 福岡市は第3次産業が9割を占める産業構造であり、観光消費の拡大は市内経済の活性化において重要であると認識をしております。また、観光政策の推進に当たっては、特定の国や地域からの入国に偏ることによる、いわゆるカントリーリスクの低減を図るとともに、量から質へと政策を転換していくことが必要と考えております。このため、滞在日数が長い欧米豪の旅行者や、また、高付加価値旅行者などをターゲットとして質の高い観光コンテンツの開発などに取り組むとともに、西日本や九州の自治体と連携をした西のゴールデンルートの取組を推進しているところでございます。今後とも、SNSも活用しながら、福岡市の魅力をよりしっかりと発信をし、多様な国や地域の人々が訪れる都市となるように、観光・MICEの振興にしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) ぜひよろしくお願いいたします。
次に、福岡アジア美術館の魅力向上に向けたバリアフリーの充実について質問をいたします。
アジア美術館は、平成11年、1999年3月の開館以来、アジアの近現代美術に特化をした世界でも唯一の美術館として、福岡の文化拠点としての役割を果たしてきました。しかしながら、開館から25年が経過をし課題も浮かび上がっていることから、現在、天神の中心に位置する警固公園の地下を活用し、アジア美術館の機能を拡充することで、魅力向上を図る検討をしていると伺っています。今回の拡充によって、美術館として展示の充実やアクセスの向上、また、公共性やバリアフリーの強化を図ることが福岡市の文化的な魅力向上につながると考え、本日はアジア美術館の魅力向上に向けた取組内容等について質問をいたします。
まず、魅力向上の検討を始めるに至ったアジア美術館についてお尋ねをいたします。
開館から25年以上が経過をした、アジア美術館の現状と課題について伺います。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) アジア美術館は、これまでのアジアの近現代美術を系統的に収集し、その収蔵品は約5,700点に上り、長年の収集活動を経て、作品の価値も高まるなど市民の貴重な財産となるとともに、国内外の美術関係者からも高い評価を得ているところであります。一方で、開館から25年がたち、施設が老朽化したことに加え、作品の大型化や投影に広いスペースが必要な映像作品が増加するなど、収蔵作品を十分に生かした展示を行うには、より広い空間が必要になってきたことから、この課題の解決を図るため、警固公園地下を活用し、アジア美術館の機能を拡充し、魅力向上を図るよう検討を進めております。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) 警固公園地下を活用したアジア美術館の機能拡充を検討しているとのことですが、現在の検討状況についてお伺いいたします。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 令和7年度においては、アジア美術館の魅力向上に向けた基本計画の策定や事業手法について、有識者や民間事業者の意見、アイデアを確認しながら検討を進めております。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) 都市の中心地である警固公園の地下を活用し、アジア美術館の魅力が向上すれば、昼夜を問わず集客を見込むことができ、芸術文化、そして文化観光の象徴的な施設として大いに期待できると考えます。
アジア美術館について、警固公園地下でどのような美術館を目指していくのか、市としての方針を伺います。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) アジア美術館は、アジア美術と出会い、アジア美術が表現する問いかけを通じて鑑賞者が新たな気づきを得るとともに、アートの交流を通じてアジア美術の発展と都市の魅力向上に貢献するという基本的な方針に基づき、警固公園地下に施設拡充を行うことで、より多くの市民や国内外の観光客が気軽に訪れ、アジア美術を鑑賞できる場となることを目指してまいります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) 今、御答弁のあった基本的な方針や方向性を基に、現在、民間事業者等からアジア美術館の魅力向上に向けたアイデアを広く収集しているとのことであるため、これからは魅力向上に向けた具体的な方策などについて伺っていきます。
警固公園の地下をどのように活用するのか、所見を伺います。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 警固公園の地下では、アジア美術館の顔となる代表的な作品をはじめ、所蔵する多数の作品を展示するとともに、来館の多様な動機をつくり、アジア美術との出会いの機会を創出するための集客、にぎわい機能を導入することを目指しており、具体的には基本計画の策定において検討してまいります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) アジア美術館の機能拡充として地下空間を活用するというのは、大きな特色であると思います。
他都市の例ですが、先日視察した大阪市にある国立国際美術館は、中之島の地下に位置する、警固公園地下と同様の完全地下型の美術館です。また、施設は地上部にエントランスロビーがあるほかは、展示室や収蔵庫など全て地下に配置をされており、川に挟まれた地形となっているため、どのような防水対策を取っているのか話を伺ったところ、ハザードマップで想定される災害に対して、止水板や防水扉を設置するなど対策を行っているとのことでした。
私たちの身の回りでどのような自然災害が起きる可能性があるのか、どこへ避難すればいいのかを知る上で、便利なものとして、国土交通省の重ねるハザードマップがあります。指定した場所で想定される洪水、土砂災害、津波といった各種災害リスクをスマートフォンやパソコンなどで確認することができ、また、視覚障がい者の方向けに音声読み上げソフトに対応しており、大変に使いやすいものとなっているようですが、アジア美術館では警固公園地下構造という特殊な立地から、地下特有の心理的な閉塞感や圧迫感、防振や温度湿度の管理、さらには換気に加え、大雨、台風などによる浸水リスクへの対策として、特に防水対策が重要です。
展示物の保護の観点から、浸水リスクや経年劣化への対応が問題であり、定期的なメンテナンスや先進的な防水技術の導入が必要と考えますが、御所見を伺います。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 警固公園地下への施設拡充に当たっては、入り口部分に止水板を設置するほか、防水扉や防水シャッターなど、市民の財産である美術品を守るため、地下空間の特性を踏まえた防水対策を行ってまいります。具体的には、今後、基本計画の策定に合わせて検討してまいります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) よろしくお願いいたします。
あわせて、警固公園地下の活用の検討に当たっては、美術品保護の観点のみならず、大雨のときなどにおける来館者への安全対策も非常に重要な課題であると考えます。
地下特有の浸水リスクに備えるため、来館者の安全対策の観点から、アジア美術館ではどのような取組が必要と考えるか、御所見をお伺いします。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 来館者の安全確保については、地下空間対策における国のガイドライン等を参考に、設備面での対策のほか、滞在者への周知や避難経路の確保など、地下特有の対策について検討してまいります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) お願いいたします。
地上の美術館と同等以上の安全性、快適性を確保し、訪問者に安心感を与えるため、安全性の情報公開など、積極的に行っていただくよう要望いたします。
また、国立国際美術館の地上部のデザインは、竹林の混沌としつつも秩序立った成長を模倣しており、エネルギッシュで予測不可能な現代アートの進化を象徴しています。美術館の目印にとどまらず、パブリックアートとして機能しています。
アジア美術館について、都心部の中心に位置する警固公園に拡充するため、まちの特徴を捉えた施設とすることが重要であると考えますが、市としてどのように考えているのか、御所見を伺います。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 警固公園地下への施設拡充に当たっては、天神の中心にあって交通結節点に隣接し、商業施設等に囲まれた貴重なオープンスペースである特性を生かし、公園や周辺施設との連携を踏まえた施設計画とすることが重要と考えており、今後、基本計画の策定に合わせて検討してまいります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) ぜひよろしくお願いします。
また、横浜市のみなとみらい地区に位置する横浜美術館は再開発の一環として整備され、周辺の商業施設や観光地の赤レンガ倉庫などとの相乗効果で、まちの雰囲気に合った美術館です。このような他都市の事例を参考にしながら、魅力ある象徴的な施設となるよう検討していただくことを要望いたします。
次に、アジア美術館が所蔵する貴重なコレクションを中心とした展示機能についてお尋ねをいたします。
警固公園という都心部の中心に位置することで、若年層や家族連れなど、多くの様々な人が集う場所でアジア美術に触れていただく機会を提供することが重要です。加えて近年では、従来の額に収まった絵画を見るといった形式だけではなく、大型スクリーンやプロジェクションマッピングを使った映像投影や音楽や効果音による音響演出など、来館者が空間そのものに入り込み、作品の世界を体感できる展示手法も話題になっており、こういった展示手法の工夫で価値や魅力を伝えることも一案です。
展示スペースの拡充や展示の魅力向上など、展示の在り方に関する市の考えがあれば教えてください。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 近年、インスタレーションと呼ばれる大型作品や空間全体が映像に取り囲まれる大規模な作品など多彩な現代美術作品が増えており、これらを大胆に展示できるよう展示機能の拡充を行ってまいります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) 展示機能を魅力的にすることで、これまで以上に多くの客層がアジア美術に触れる機会を創出できることに加えて、特にその立地から、アジア美術館を中心に、昼夜を問わず多様な人々の活動や交流が生まれることが想像できます。警固公園は福岡市内でも、市民だけでなく、インバウンド観光客も多く集まる場所だと思います。
他都市の例として、石川県金沢市の金沢21世紀美術館は、日本三名園の一つとも言われる兼六園や金沢城公園に隣接をして立地しており、建築物はグッドデザイン賞を受賞した特徴的なもので、誰でも入りやすい雰囲気になっています。そのため、国内外の観光客が訪れやすい、また、訪れたい施設として知られ、集客につながっていると聞いています。アジア美術館も、アジアからの観光客が多く訪れる福岡市の都心の真ん中に位置する新たなランドマークとして、観光資源としても魅力的な施設になってほしいと思います。
アジア美術館における現在のインバウンドへのアプローチ、また、今後の集客増加について、市の考えを教えてください。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) インバウンドへのアプローチについては、旅マエの情報発信として、SNSにより多言語で展覧会情報や作品の魅力を動画配信するほか、館内においても、多言語での作品解説などを実施しております。今後、国内外の美術館の事例を参考にしながら、集客力の向上に向けた検討を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) また、公園でのアートイベントや季節イベントと企画展を連動させることによる集客の促進や、天神の繁華街に位置する立地を生かし、屋外へのパブリックアートの設置、夜間開館等によりアートに触れる場を提供するような取組が必要と考えます。
このように、多様で多目的な人々がアートと出会い、交流する取組や公共性の強化が重要と考えていますが、市としての所見を伺います。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 警固公園地下においては、展示機能の拡充のみならず、市民や来街者をはじめ、多様な人々がアートと出会い交流する場の提供が重要と考えております。屋内外のアートを感じる空間の創出や象徴的なエントランスの工夫など、基本計画の策定において検討してまいります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) 最後に、バリアフリーについて。
アジア美術館の魅力向上に当たっては、誰もが芸術に触れることができる環境の整備が、文化芸術施設に必要不可欠であると考えます。例えば、東京都六本木にある森美術館では、バリアフリー対応に力を入れています。施設や設備に関しては、森美術館1階下の52階の展望スペースは段差がなく、車椅子やベビーカーで利用可能で、多目的トイレ等の設備や無料のコインロッカー、ワイヤー錠つき荷物置場を提供されています。さらに補助犬、盲導犬や介助犬、さらには聴導犬の同伴も可能です。
アジア美術館では、施設や設備など、現状どのようなバリアフリー対応を行っているのか、お尋ねをいたします。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) アジア美術館では、来館者が安心して利用できるよう美術館への直結エレベーターやスロープ、みんなのトイレを設置し、車椅子での利用がしやすい動線を確保しているほか、貸出用の車椅子も用意しており、補助犬を伴っての入館も可能となっております。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) また、森美術館では、運営面でも、誰もがアートを楽しむことができる取組を行っています。例えば、障がい者向け割引として、障害者手帳の提示で、本人と介助者1名は入館無料になり、また、視覚、聴覚障がい者向けのプログラムとして、展覧会ごとに手話ツアーや耳でみるアート、聴覚障がい者向けツアーを実施しており、詳細は六本木ヒルズのユニバーサルガイドで確認ができます。
アジア美術館では、障がい者向けの入館料割引や鑑賞プログラム等のソフト面に関してどのような取組を行っているのか、お尋ねをいたします。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 障がい者割引として、障害者手帳等の提示により、本人と介護者1名は無料で常設展を観覧できるほか、今年度は、聴覚障がい者向けのプログラムとして学芸員の解説を手話通訳する手話ツアーを予定するなど、バリアフリープログラムの充実にも努めております。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) これまでお聞きしたとおり、アジア美術館の現在のバリアフリーの対応は車椅子専用駐車場、車椅子対応トイレ、エレベーター、スロープ、車椅子の貸出し、補助犬同伴、障がい者割引などは充実をしていますが、さらなる利用のしやすさが求められています。例えば、障がい者への点字ブロックを館内全体に徹底し、展示エリアやトイレ、案内所への誘導をよりスムーズにする、また、聴覚障がい者へは、答弁にもあったように手話つきギャラリーツアーを定期的に開催するなど、取り組むことが重要です。
また、自閉症や知的障がい、認知症、感覚過敏の症状を持つ方が安心して過ごせるよう、パニックの症状が出てしまう場合に落ち着ける場所としてカームダウンスペースの設置や、光や音などの感覚情報を記したセンサリーマップという案内ツールの作成を行う美術館、博物館もあります。アジア美術館においても、他の施設の事例を参考にして対応の充実を図っていただきますよう、検討をよろしくお願いをいたします。
さらに、最近では、国土交通省が障がいの有無などにかかわらず誰もが安心して暮らせる共生社会の実現に向け、建築物のバリアフリー基準を見直しました。車椅子使用者用のトイレについては、建築物に1か所以上だったものが、原則各階に1か所以上設けることを義務化しました。また、車椅子使用者用駐車施設については、1台以上が基準だったものが、駐車台数に対する割合で定めるよう、見直しの改善がなされました。
このように、バリアフリーに関する国の基準の見直しを踏まえて、アジア美術館でもバリアフリー対策にしっかりと取り組むべきだと考えますが、御所見をお伺いします。
○副議長(尾花康広) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) バリアフリー環境を整備することは重要であると認識しており、今後、警固公園地下への施設拡充について詳細に計画、検討をしていく中で、国のバリアフリー対策の見直しも踏まえ、利用者にとってより使いやすい施設整備を目指してまいります。以上でございます。
○副議長(尾花康広) 篠原達也議員。
○25番(篠原達也) しっかりと今後検討をしていただきたいというふうに思います。
アクセシビリティーの向上は、アジア美術館の施設拡充において、福岡市を代表する福岡の新たな顔として、公共性を高め、多様な人々が文化にアクセスできる環境を構築することが鍵となります。バリアフリー対応の充実や情報アクセスへの改善を通じて、誰もが気軽に美術館を訪れ、アジアの近代美術を楽しめる場が実現されることが期待をされています。インクルーシブな社会づくりに貢献し、福岡の文化的な魅力をさらに引き立てる一歩となることを願っています。
最後に、髙島市長の御所見を伺い、質問を終わります。
○副議長(尾花康広) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 福岡アジア美術館は、アジアの国々との歴史的な交流から培われた福岡市の特性を体現するものとして開館し、それ以来、世界で唯一、アジアの近現代美術を系統的に収集、展示する貴重な市民の財産となっています。この財産を最大限生かすために、アジア美術館を都心の核である天神の警固公園地下に展開し、福岡の新たな顔となるような施設の拡充を図ってまいります。市民や観光客が気軽に立ち寄り、鑑賞でき、子どもから高齢者まで、障がいのある人もない人も、全ての人がアジア美術と出会い、楽しむ場となるよう、バリアフリー対応にも十分配慮し、アジア美術館のさらなる魅力向上に取り組んでまいります。以上です。
















