◯議長(打越基安) 古川清文議員。
◯23番(古川清文)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表して、本議会に上程されました令和7年度一般会計、特別会計並びに企業会計の予算議案、条例議案、関係諸議案につきまして、賛成の意を表し、討論を行います。
世界では、今なお各地で紛争が続き、深刻な人道危機が発生する中、国際社会の平和と安定へ我が国の役割が重要な局面を迎えています。国際的な影響もあり、エネルギーや原材料価格の上昇が続いております。そのような中、本市の財政状況についてですが、市税収入は納税義務者の増加や企業収益の改善等により過去最高を更新し続けています。しかし、米の価格高騰をはじめとした物価高騰は市民生活に大きな影響を及ぼしています。そのため、低所得世帯への物価高騰支援とともに、歳入と歳出のバランスの取れた将来にわたり持続可能な財政運営を強く要望いたします。
DXの推進に伴う業務のデジタル化については、さらなる業務の自動化、省人化が重要です。庁内業務へのRPAや、AI-OCRなどの拡充、業務システムの開発にプログラミングを必要としないノーコードツールの活用など、さらなる推進を求めておきます。
自治会、町内会の負担軽減や迅速かつ効率的な情報発信のため、電子回覧板の普及促進を要望いたします。
平時から災害に対する事前防災は重要です。要支援者の個別避難計画の作成や校区でのワークショップ、防災訓練の実施支援とともに、本市で導入する移動式トイレについては、配置計画や平時における使い方の体験会など積極的な利活用を要望いたします。
市民の地域活動などを支援する地域ポイント事業の推進に当たっては、各局と連携を図り、地域コミュニティの活性化につながるよう要望いたします。
子育て関連施策について、プレコンセプションケアに関する情報発信事業については、市立小中高校などの早い段階で市内の企業や大学など幅広く若者に伝わりやすい事業展開を求めておきます。
出産後の親子の心と体の健康づくりのため、切れ目のない健康診査の実施は重要です。1か月児健診及び5歳児健診については、医療機関と連携し、医療機関や保健福祉センターにおいて万全の体制で取り組んでいただくよう要望いたします。
医療的ケア児と家族を支えるレスパイト事業においては、コーディネーターの育成、事業所が緊急時に対応できる体制確保をするための支援方法の検証を行い、家族の生きる力を失わせない命を守る仕組みづくりを要望いたします。
次に、教育施策についてです。
子どもを主体とした学びの推進事業については、長年実施されてきた講義中心の一斉授業からようやく目覚め、主体的、対話的で深い学び、協働的な学びへの転換の節目としていただくことを求めておきます。
学校図書館の充実については、我が会派の要望により学校司書等を大幅に増員していただきました。拡充されたマンパワーを蔵書の充実や読書バリアフリーなど、読書環境の多様なニーズに対応し、子どもたちの読み解く力が向上するような具体的な施策の充実につなげていただくよう要望いたします。
また、新年度2学期から始まる学校給食費無償化に伴い、不登校児童生徒やアレルギー対応で給食を食べることができない子どもたち、その保護者へも経済的、精神的配慮がなされるよう要望いたします。
新たに開館する福岡市民ホールや、あらゆる文化芸術拠点において、障がいのある方も利用しやすくなる配慮、また、ボートレース場パーク化を含めたイベントの強化を求めます。さらに文化財の活用として、発掘調査や復元整備を通して市民が愛着を持ち、来街者がより本市へ旅をしたくなるような物語の発信を要望いたします。
国際クルーズ船の博多港への寄港がコロナ前のように回復傾向にあります。近年、日本一周クルーズの需要があり、人気のようですが、博多港への寄港がありません。今後は国内クルーズの博多港への寄港を働きかけ、国内客にも船旅のよさを感じてもらい、やがてはクルーズによるアウトバウンド拡大につなげるよう求めておきます。
農福連携推進事業に関しては、農業者と福祉事業者のニーズが一致するように働きかけ、農業者にとって明確な収益の向上につながるよう、また、福祉事業所も自分たちにもできると感じてもらえるような推進を求めておきます。
また、森林保全や花粉リデュース促進は、杉やヒノキの花粉を減らす取組を加速し、花粉の少ない品種への植え替えを計画どおりに進めつつ、伐採した木材を地域産木材として活用し、住宅や公共施設での利用推進を求めておきます。
緑の活用や推進については、民有地の緑化推進や、来年開催予定のFukuoka Flower Showなど、市民との協働で花と緑にあふれるまちづくりを全庁的に展開することを要望いたします。
公園の維持管理については、緑の基本計画の改定に伴い、都心部の緑化率向上に向けて強力に推進することを求めます。また、持続可能な公園の維持管理のため、市民に分かりやすい公園再整備計画を作成することを要望いたします。
福祉施策についてです。
2030年に本市の単身高齢者は13万人と予測されています。緊急連絡先や死後のことなど大切な人に思いをつなぐマイエンディングノートの推進、終末期医療のことも含めた人生会議の市民への推進を求めます。また、多くの高齢者が不安に思っている葬儀や納骨などの死後事務の委任について、終活サポートセンターの役割が発揮できるよう、見守り等の地域との連携や事業のさらなる広報、周知を求めておきます。
高齢者の社会参加の拠点施設として、福岡100プラザが新年度からリニューアルされます。eスポーツを通した高齢者のフレイル予防や新たな活動のきっかけづくり、多世代の方々が交流できる場となる取組を要望いたします。
保健医療施策についてです。
今後、減少傾向にある骨髄ドナー登録の推進と骨髄提供者へのドナー助成金交付事業においては、市独自の要綱を策定し、全てのドナー提供者へ助成対象の拡大を要望いたします。
また、国民健康保険の都道府県単位化により、本市の県への納付金、県からの給付金は現在何とか均衡を維持しております。各市町村の1人当たりの医療費水準には格差があり、本市は県平均値よりも低く、各市町村も医療費の適正化に取り組んでおります。今後、都道府県が予定している医療費水準を納付金算定に反映させないことは県全体の国保財政を悪化させるおそれもあり、各市町村による医療費低減化の取組を優先すべきであると県に対して今後も強く要請されるよう求めておきます。
環境行政についてです。
ペロブスカイト太陽電池を設置する事業者支援など積極的導入の推進、温室効果ガス排出量取引制度の創設など、脱炭素のまちづくりへのさらなる推進強化を求めます。また、火災などの原因ともなり得る乾電池、ボタン電池、小型充電式電池など回収方法や回収場所が大変複雑なため、市のホームページやLINEではイラストなどを用いた分かりやすい市民への発信を求めておきます。
道路下水施策についてです。
市民からも不安の声が多く寄せられている八潮市の道路陥没事故を教訓として、優先順位をつけた空洞調査など予防保全型の維持管理強化を求めます。また、浸水対策として、来年度完了予定の雨水整備Doプラン2026に次ぐ新たな整備地区の検討、市が主導した地上権設定などによる下水道未整備地区の解消を図るよう要望いたします。
水道DXの推進に関して、将来を見据えた水道スマートメーター全市導入に向けた実証実験や先行他都市の事例の検証、別所接合井に次ぐ新たなマイクロ水力発電導入の検討を求めます。また、漏水調査でスマートグラスでの遠隔作業支援など、DXを活用した安定経営や効率化の推進を求めます。
消防行政について、Live119映像通報システムの具体的な救命成功事例の発信や医療機関への一斉受入れのシステムの導入検討を行うとともに、救急体制を強化し、高齢化の進展や人口増加による救急需要に対し、搬送時間の短縮を図るよう求めます。また、自家発電設備の法定点検の完全実施など災害への備えの強化を要望いたします。
最後に、福岡市地下鉄についてです。
地下鉄全駅の冷房化に合わせた避難所としての体制強化や、デジタルサイネージでの災害緊急情報発信強化を求めておきます。また、利用者のさらなる利便性の向上に向け、JRや西鉄への乗継ぎの際の課題解消に早急に取り組むことや、QRコードを使ったチケットレス乗車券についても、検討を求めておきます。
以上、令和7年度予算には、市民が待ち望み、我が会派が要望してきた数多くの施策が盛り込まれました。
福岡市は昨年、子どもたちや若者をはじめ、多くの市民の皆様の御意見を取り入れた第10次基本計画を策定いたしました。
高島市長は市政方針の中で、この計画に基づき、初年度からスピード感を持ってチャレンジすることで社会の変化にしなやかに対応しながら、本市をさらに魅力的なまちに発展させ、次の世代へ引き継いでまいりますとその思いを述べられました。私たち公明党福岡市議団もこの基本計画に基づき、これからも子ども、若者から高齢者世代まで、市民一人一人がそれぞれの幸せを実感できる施策を提案してまいります。
人と環境と都市活力が高い次元で調和したアジアのリーダー都市の実現、世界から選ばれる都市であり続けるため、スピード感を持って様々な課題に果敢にチャレンジされている高島市長の手腕に期待し、賛成討論を終わります。