▼令和7年 令和7年度条例予算特別委員会 田原 香代子 総会質疑 (令和7年3月19日)

◯田原委員 公明党福岡市議団を代表し、子どもたちにとって一番身近な図書との出会いの場である学校図書館の充実について、誰もが選挙で意思表明できる環境づくりについて、命をつなぐ骨髄ドナー登録の促進について、以上3項目質問する。初めに、子どもたちにとって一番身近な図書との出会いの場である学校図書館の充実についてである。「物語を読むことで語り手の視点を共有してその経験を追体験することは、別の誰かの目で世界を見ることができる」、「安易にお金や技術では解決できない問題にぶつかったときこそ、文学は私たちのよりどころになる。文学作品を読むことで、そこから生きる力をくみ上げることができる」、京都大学大学院教授でイギリス文学者の廣野由美子氏の言葉である。読書によって築かれる知恵や考え方は何物にも代え難い財産になると考える。しかし、文化庁が令和5年度に行った国語に関する世論調査では、1か月に大体何冊くらい本を読んでいるかとの問いに対し、読まないと答えた人が62.6%と、同調査を実施した平成30年度の47.3%から大幅に増え、読書離れが進んでいると言わざるを得ない。まちの書店も減少している今、子どもたちが本と身近に出会える学校図書館は、非常に重要な役割を担っている。そこで、現在の本市における学校図書館の現状について確認し、さらに、子どもたちにとってよりよい読書の拠点となるよう願いを込めて質問する。まず、学校図書館の位置づけ、目的について示されたい。

△教育長 学校図書館は、学校図書館法の規定により、全ての学校に設けるべきものとされており、文部科学省によると、その目的は、図書館資料を収集、整理、保存し、児童生徒及び教職員の利用に供することによって、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童生徒の健全な教養を育成することとされている。

◯田原委員 続いて、学校図書館にはどのような機能があるのか示されたい。

△教育長 文部科学省が作成した学校図書館ガイドラインによると、読書活動や読書指導の場である読書センター、学習活動の支援や授業の理解を深める学習センター、情報の収集、選択、活用能力を育成する情報センターの3つの機能に加え、子どもたちの居場所としての役割があるとされている。

◯田原委員 読書、学習、情報センターとしての機能があるということだが、学校においては、実際にはどのように活用されているのか。

△教育長 まず、読書センターとして、児童生徒が好きな本を自由に選んで読んだり、読書ボランティアによる読み聞かせが行われるなど、読書を楽しむ場として活用されている。また、学習センターとして、国語で学んだ読み物と同じ作者の作品をさらに読む活動や、社会で取り上げた事象や人物を詳しく調べる活動など、学習内容を広げ深める際に利用されている。また、情報センターとしては、児童生徒がお薦めの本を紹介したり、卒業生が作成した修学旅行の感想文やパンフレットを基に事前学習を行うなど、情報発信や収集の場として利用されている。

◯田原委員 「子どもと本をつなぐ学校図書館」推進事業について、過去5年間の予算額を示されたい。

△教育長 令和3年度は5,422万7,000円、4年度は5,413万3,000円、5年度は5,835万3,000円、6年度は6,714万4,000円、7年度は1億9,460万5,000円となっている。

◯田原委員 「子どもと本をつなぐ学校図書館」推進事業における令和7年度の予算額が大幅に増額されているが、6年度と何が違うのか。

△教育長 将来的な1校1人配置に向け、令和7年度は学校司書を大幅に100人増員することとしており、それに伴う予算の増額をお願いしている。

◯田原委員 これまで、会派としても学校司書の増員について要望を重ねてきた。これほど大幅な増員は、今までになかったのではないだろうか。大変うれしく思う。大きな転換に期待とともに、多くの人が学校司書として活躍することを望むが、増員される学校司書はどのような人たちなのか。また、どのように配置されるのか。

△教育長 司書または司書教諭の資格を採用要件とする学校司書Aと、資格は不問とするが、教育に意欲が高く、研修受講が必要な学校司書Bを採用することとしており、学校司書Aは1人で2~3校を、学校司書Bは1人で1校を担当する。

◯田原委員 それでは、学校司書の職務内容について示されたい。また、学校司書AとBで違いはあるのか。

△教育長 学校司書A、Bともに、図書の選定、収集、管理、環境づくり、図書の貸出しなどの日常の管理、レファレンスや読み聞かせなどの児童生徒への支援、授業に必要な図書の準備などの教育活動への支援が主な職務となっている。なお、学校司書Aは、必要に応じて学校司書Bへの助言や支援を行う役割を担うこととしている。

◯田原委員 学校司書が大幅に増員される次年度以降、学校図書館がさらに大きな使命を担い、機能、役割を果たしていくことが期待されるが、具体的にどのような効果を見込んでいるのか。

△教育長 学校図書館の3つの機能が強化され、本の紹介や日常的な読書相談が可能になるとともに、本を読みたくなるような読書環境の整備が進むことで、読書活動が充実すると考えている。また、学校図書館に学校司書が常駐する時間が大幅に増え、不登校や心に悩みを抱える児童生徒が安心して過ごすことができる居場所としての役割も、一部担うことになるのではないかと考えている。

◯田原委員 今回、大幅に採用する学校司書一人一人が生き生きと活躍することが、学校図書館の今後の運営にも大きく関わると考える。研修や意見を聴く場などを大切にし、働きがいを持ち、子どもたちに接することができるよう、取組をお願いする。そこで、図書貸出率や読書率が向上した学校の表彰を行うなど、学校司書のやりがいや頑張りが見える化できる仕組みもつくってはどうか。

△教育長 学校司書が図書館運営に関わることで、読書活動の充実につながった好事例を研修等で紹介し、市全体に広げていく取組を実施していく。

◯田原委員 学校司書を増員することで、今後期待したいことの一つが、学校図書館の蔵書の充実である。学校図書館世論調査によると、学校図書館に行く、どちらかといえば行くと答えた割合が、2019年の調査では59.2%で、2008年の同調査71.1%に比べ、11.9ポイントのマイナスになっている。学校図書館に対し、読みたい本がない、本が古いなどの声も聞かれる。図書の充実を図ることが重要であり、そのためには古い本の適切な廃棄を行い、子どもたちにとって魅力的な読んでみたいと思う本の購入が必要である。そこで、本の廃棄後、図書を購入できる予算が十分にあるのか尋ねる。

△教育長 児童生徒が豊かな読書活動を行うため、学校図書館の図書を充実させることは重要であり、現在、図書の廃棄を踏まえ、適切に図書の購入ができる予算を確保している。引き続き、必要な予算の確保に努めていく。

◯田原委員 子どもたちが集まる図書館であるために、魅力ある本の充実ができるようお願いする。小学生や中学生のときに、たくさんの良書に出会うきっかけは、多くあるべきではないかと思う。また、学校司書を増員し、学校図書館を充実させていくことを広く市民にも周知し、全体で読書の機運を高めることも重要ではないかと考える。その一つとして、教育長お薦めの1書、市長による小学生に読んでほしい本を紹介するなど、多くの人の読書体験の共有や、市全体として読書の楽しみを伝える取組もあるのではないかと思う。地域、家庭などで、読書の大切さを分かち合う時間も必要ではないだろうか。東京都葛飾区では、毎月10日をノーテレビデー、ノーゲームデーとし、アウトメディアチャレンジを実施している。また、参加した小中学生とその保護者を対象に、チャレンジした思い出を手紙にして伝え合う、親子の手紙コンクールを実施している。その表彰作品の中には、親子で夕日を見に行ったことがつづられていた。子どもからは「こんなにきれいな空を見たことはなかったよ」と伝え、保護者は「セミの鳴き声も聞こえて、夏の思い出になったね。また、一緒に空を見上げに行こうね」と返す手紙に、スマートフォンなどのメディアから離れ、自然に触れた親子のかけがえのないひとときが思い浮かばれ、こちらも感動するようなすてきな取組であった。本市でも、家庭での語らいや読書習慣を身につける機会を設ける取組として、アウトメディアチャレンジなどを行ってはどうかと考えるが、所見を尋ねる。

△教育長 これまで、読書習慣を身につける取組として、総合図書館本館や分館において、お話会や本の読み聞かせを実施し、幼少の頃から本に親しむ機会を提供してきた。また、家庭教育の支援として、家族でのコミュニケーションの重要性や読書の時間の確保、メディアとの付き合い方の一例として、ノーメディアの週や日をつくるなどの取組についても啓発を行っている。今後とも、家庭での語らいや本に親しむ機会の増加につながる取組を進めていく。

◯田原委員 ぜひ、取組を進めてもらうようお願いする。メディア利用に関しては、このような声も聞いた。小学生の子どもがインスタグラムやティックトックなどをよく閲覧しているが、明らかに誤りと思う情報にも触れている。保護者も視聴時間や視聴についての約束をするものの、止められない現状がある。保護者の携帯電話や子どもに持たせている端末では利用制限をかけても、1人1台タブレット端末ではユーチューブも閲覧できるため、なかなか歯止めが利かず、中学校の卒業と同時にタブレット返却に至ったときには、ほっとしたとの保護者の声である。第4次福岡市子ども読書活動推進計画では、学年が上がるにつれ本を読まなくなる傾向が顕著であり、スマートフォンなどのメディアの所持率が高い世代では動画サイトの視聴やSNSなど、メディアの使用時間が長く、読書に時間を割くことが難しくなっている現状を踏まえ、メディアを活用した情報提供など、読書活動支援を行うことなどが書かれている。具体的にどのような支援を行っているのか示されたい。

△教育長 ヤングアダルト世代に向けたイベントを行うほか、総合図書館本館や分館にヤングアダルトコーナーを設置し、お薦めの本を展示している。また、電子図書館では、ヤングアダルト世代向けのコンテンツを提供しており、令和7年度は、映画化されたコミックや小説など、76作品を1年間読み放題の対象とするとともに、ホームページなどでも広報していく。

◯田原委員 答弁にあったとおり、電子図書館においても、子どもたちに向けた図書も取り扱ってもらっている。メディアが生活の一部となっている子どもたちにとって、そのメディアで本を読む環境が整うことで、いつでも図書に親しむことができる。茨城県つくば市では、子どもたちが日頃利用する端末でも読書の習慣が身につく機会創出のため、小中学生に電子図書館が使えるID、パスワードを発行しているとのことである。また、3月11日に行われた文部科学省第3回図書館・学校図書館の運営の充実に関する有識者会議において、デジタル社会に対応した読書環境の整備として、図書館の電子書籍貸出しサービスなどとの連携が議題に上がっている。本市でも、読書習慣を身につける一つの手法として取り入れてはどうか。

△教育長 児童生徒が気軽に本を読める環境づくりを行うことは大切と考えており、他都市の先行事例を参考に、今後検討していく。

◯田原委員 ぜひ、よろしくお願いする。読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものとし、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものであり、学校図書館はその中核を担う貴重な拠点である。読書という観点だけではなく、様々な子どもたちにとって、心の居場所となる図書館であってほしいと考える。また、読書は自分の糧だけではなく、その広げた知見が人のためになっていく。子どもたちにそのような経験が増えるような読書の習慣も身につけてもらいたい。そのためにも、ぜひ学校司書1校1人配置を目指し、今後も取組をお願いする。今後の図書館の充実に向け、最後に教育長の所見を尋ねる。

△教育長 子どもの読書活動を推進する上で、学校図書館の果たす役割は重要であると考えている。これまで、各学校において司書教諭が中心となり、学校司書と連携しながら、学校全体で組織的に学校図書館の運営を行ってきた。引き続き、子どもの豊かな読書活動を推進するとともに、今後は1校1人配置に向けて計画的に学校司書を増員するなど、さらなる学校図書館の充実に努めていく。

◯田原委員 続いて、誰もが選挙で意思表明できる環境づくりについて質問する。1人でも多くの有権者が選挙に参加するためには、投票しやすい環境づくりが重要である。物価高騰が続く中、生活がよくなるよう政治に求める市民の声が高まっているが、その意思表明をしたくとも投票行動ができない、できにくい人たちがいる。障がいのある人や介護が必要な人は、投票所までの移動手段、投票所内での移動や文字の記入などの行動に不安を訴える相談を市民から受けた。本市においても、安心して意思表明ができる環境が整っているのか尋ねていく。まず、本市の選挙権がある障がいのある人の人数を、障がいの種別ごとに示されたい。

△福祉局長 令和6年3月末時点での18歳以上の各障害者手帳の所持者数で答弁すると、身体障害者手帳は5万539人、療育手帳は1万96人、精神障害者保健福祉手帳は2万1,559人である。

◯田原委員 では、本市の選挙権がある介護の必要のある人の人数について、要介護1~5の区分ごとに示されたい。

△福祉局長 令和6年3月末時点での要介護認定者数で答弁すると、要介護1は1万4,959人、要介護2は1万1,321人、要介護3は8,810人、要介護4は8,048人、要介護5は5,479人である。

◯田原委員 では、障がいの重い人や介護度が高い人については、自宅にいながら投票が実施できるが、その手法と対象者について示されたい。

△選挙管理委員会事務局長 障がいの重い人などが自宅にいながらの投票については、あらかじめ郵便等投票証明書の申請を行うことにより、自宅などから郵送で投票を行うことができる郵便等投票の制度があり、身体が不自由な人のうち、要介護5の人や、身体障害者手帳などを持つ人で一定の要件に該当する人が対象となっている。

◯田原委員 郵便などでの投票ができる対象条件には該当しないものの、1人での外出が困難な人、移動に支援が必要な人は多くいる。そこで尋ねるが、障がいのある人が外出する際の支援について、どのようなサービスがあるのか。

△福祉局長 居宅介護や移動支援、同行援護などがある。

◯田原委員 では、介護保険のサービスにおいて、外出する際の支援としてどのようなサービスがあるのか。

△福祉局長 介護保険サービスでは、訪問介護のほか、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護などにおいて、外出時の支援が可能である。

◯田原委員 それでは、そのサービスは、選挙における当日、期日前投票所への移動時も利用できるのか。

△福祉局長 いずれも利用可能である。

◯田原委員 いずれも利用可能であるとのことで、障がいのある人や介護が必要な人が投票所へ行きたいと思ったときに、サービスを活用できることが分かった。選挙の機会は1年に1度あるかないかの場合が多く、前回の選挙では健康で1人で投票所まで行くことができた人が、次の選挙では1人で行くことが難しくなり、投票を諦めてしまうこともあるかもしれない。投票所までの移動などに活用できるサービスを、誰もが分かりやすく知ることができる環境が必要である。北九州市では、投票所への移動に利用できる福祉サービスとして、ホームページに一覧をまとめ、問合せ先などもリンクしている。本市においても、より分かりやすい周知を図っていくことで、投票行動につながると考えるが、所見を尋ねる。

△選挙管理委員会事務局長 障がいのある人や介護が必要な人に、選挙の際に利用できる福祉サービスを周知することは、投票の機会を確保する観点から重要であると考えている。投票所への移動に利用できる福祉サービスについて、指摘の点を踏まえ、他都市のホームページなども参考に、福岡県知事選挙から選挙管理委員会のホームページに掲載し、より分かりやすい周知に努めている。

◯田原委員 早速、県知事選からホームページの作成、掲載を行ってもらい感謝する。詳細な内容も分かるよう、リンクなど多くの工夫があり、とても利用しやすいホームページになっている。投票所に行くまでの支援について確認し、そのサポートについてもホームページで周知をしてもらった。いざ投票所に行ったときの支援についても尋ねていく。投票時に不安があるとの声も聞く。車椅子での投票が可能か、字を書くことに心配があるなどの声には、どのように対応しているのか。

△選挙管理委員会事務局長 投票所に来た人が安心して投票できる環境づくりは大切と考えており、投票所の状況に応じて、仮設スロープや仮設照明を設置するとともに、全ての投票所に車椅子利用者が記載できる記載台や、目の不自由な人のための拡大鏡などを配置し、意思の疎通や意思表示に不安がある人のために、コミュニケーションボードや耳マークなどの案内を掲示している。また、自ら候補者の氏名等を記載することが難しい人については、職員が代わりに投票用紙に記載する代理投票の制度がある。このほか、高齢者や障がいのある人への接遇について、事務従事者のマニュアルにも掲載し、全ての従事者に周知している。

◯田原委員 様々なサポートがある。また、高齢の人からはこのような声も聞く。政見放送や選挙公報を確認し、事前に候補者を決めて投票所に行っても、きちんと投票までできるか心配との声である。どの順番で投票するか、また、自分が決めた人を忘れないよう紙などに記し、投票所の中でその内容を確認することは可能なのか。

△選挙管理委員会事務局長 投票する人が自身で確認するために、メモなど投票所に持ち込むことは可能となっている。

◯田原委員 そのような小さな情報も分かると、高齢になり投票に不安を抱える人も、安心して選挙に参加してもらえると思う。また、視覚に障がいがある人向けに、横浜市では補助具を新たに導入した。このパネルを見てほしい。こちらはプラスチック素材のケースで、投票用紙を入れると候補者の名前のところが枠囲みになっており、どこに名前を書くかが分かるような補助具となっている。この黄色の囲まれたところが、候補者の名前を書くところである。視覚障がいがあっても、ケースを触りながら記入欄を確認できるようになっており、自分で投票者の名前を書くことで、社会参加できたとの気持ちになるということであった。本市でも、視覚に障がいのある人が投票しやすい補助具の導入を行ってはどうか、所見を尋ねる。

△選挙管理委員会事務局長 本市においては、投票用紙への記載がしやすいよう、投票用紙を固定するためのバインダーや滑り止めシートを全ての投票所に用意し、貸出しの案内を掲示している。指摘の補助具については、できる限り早期の導入に向けて検討していく。

◯田原委員 ぜひ、よろしくお願いする。福岡県知事選挙においても、市政だより3月1日号にせんきょかわら版を封入し、分かりやすい広報を行ってもらっている。郵便投票についての記載はあるが、投票所までの移動に利用できる福祉サービス、投票所内でのサポートについては記載がない。ホームページに掲載してもらった、障がいのある人や介護が必要な人が投票所への移動に利用できる福祉サービスや、投票所でのサポートについて、せんきょかわら版でも周知してもらいたいと考えるが、所見を尋ねる。

△選挙管理委員会事務局長 障がいのある人や介護が必要な人への投票所でのサポートなどについては、せんきょかわら版に掲載しているが、投票所への移動に利用できる福祉サービスについても、周知を図っていきたいと考えている。

◯田原委員 ぜひ、よろしくお願いする。横浜市では、誰もが投票しやすい環境づくりの取組の一環として、障がいのある人及び要介護認定を受けている人の投票状況について調査を行い、障がいの等級や要介護度ごとの投票率などの状況、当日投票、期日前投票などの投票方法の傾向について分析し、今後の取組などを発表した。本市においても、現状を確認し、さらに投票がしやすい環境づくりのため、障がいのある人、介護が必要な人の投票率について実態調査を行い、さらに投票行動につながる施策実施につなげるべきであると考えるが、所見を尋ねる。

△選挙管理委員会事務局長 障がいのある人や介護が必要な人への施策については、他都市の調査事例も参考にしながら、誰もが投票しやすい環境づくりについて、引き続き検討していく。

◯田原委員 生活の中で日頃から困り事がある中、代弁する代表者に1票を託し、思いを反映してほしいとの市民の声が届くよう、取組をお願いする。誰もが選挙で意思表明できる環境づくりについての所見を尋ね、この質問を終わる。

△選挙管理委員会事務局長 選挙は民主主義の基盤であり、主権者としてその意思を政治に反映させることのできる最も重要かつ基本的な機会であり、有権者一人一人の1票は極めて重要なものであると考えている。このため、障がいのある人や介護が必要な人を含め、投票する全ての人が不自由なく、また、安心して投票してもらえるよう、今後とも投票環境の充実に努めていく。

◯田原委員 最後に、命をつなぐ骨髄ドナー登録の促進について質問する。骨髄移植などが必要となる、白血病をはじめとする血液疾患を発症する人は、年間1万人以上に上ると言われている。適合するドナーが見つかる確率は、兄弟姉妹の間でも4分の1、血のつながっていない他人になると数百から数万分の1である。移植を希望する全ての患者がチャンスを得るためには、1人でも多くの人のドナー登録への協力が必要である。また、ドナー登録の対象年齢は、18歳以上54歳以下との制限がある。現在のドナー登録者は、40代以上が57.5%と半数以上を占めている。10年以内に22万人のドナーが減ってしまうと計算されており、ドナー登録者の確保が命をつなぐための大きな課題である。我が会派の議員が、平成30年にドナー登録者の休業補償の必要性を訴え、福岡市骨髄移植ドナー助成金交付事業が創設された。その後の状況及び現在の課題について確認していく。まず、骨髄ドナー登録について、ドナー登録できる人の条件、全国の現在のドナー登録者の年齢別割合の状況について示されたい。

△保健医療局長 骨髄ドナー登録ができる人の主な条件としては、骨髄・末梢血幹細胞の提供について内容を十分に理解している人で、18歳以上54歳以下の健康状態が良好な人、体重が男性45キログラム以上、女性40キログラム以上の人となっている。また、全国の骨髄ドナー登録者の年齢別割合については、令和6年12月末時点で答弁すると、10代は0.8%、20代17.3%、30代24.4%、40代37.6%、50代19.9%となっている。

◯田原委員 40代の割合が一番高く、40代以上の登録者数は約32万3,000人を超えている。福岡市骨髄等移植ドナー助成金交付事業について、事業開始からの各年の予算額、実績について示されたい。

△保健医療局長 骨髄等移植ドナー助成金交付事業については、令和2年度から開始しており、6年度までの各年度の予算額はいずれも280万円である。また、交付実績としては、2年度は3件で42万円、3年度2件18万円、4年度7件116万円、5年度9件156万円となっている。

◯田原委員 現在の申請状況は、予算額を下回っているようである。本市の助成制度は、休業した場合の経済的負担に対しての助成となっており、就労していない人は助成対象ではない。経済的負担は働いている人にしか発生しないのだろうか。今回の質問に至ったきっかけは、看護学生として学ぶ人から、骨髄ドナー登録を行い様々な説明を受ける中で、福岡市骨髄移植ドナー助成金交付事業についても聞いたが、学生の自分は対象外と言われ、もちろん善意の登録ではあるが、働いている人だけの助成に学生の自分は置いていかれたような気持ちになった、との声を聞いたことである。他都市の同様な事業では、対象者の条件に就労を必須としていない市町村もある。本市では、福岡県骨髄等移植ドナー助成事業の要綱に基づき事業を実施するため、市町村独自の要件緩和などは行えない状況なのか。

△保健医療局長 骨髄等ドナー助成金交付事業については、福岡県の補助金交付要綱に基づき実施しているものであり、要件を緩和するためには、県の補助金交付要綱の改正が必要となるものである。

◯田原委員 骨髄移植を待つ患者にとって、命が助かるか助からないかの瀬戸際にいる状況である。仕事を休めないなどの経済的理由で、ドナーが移植をちゅうちょするということがあるならば、どれほどの落胆か想像に難くない状況である。社会全体での理解促進を含め、様々な状況に即した助成制度であるべきではないかと考える。広島市でも、有給の休暇を取得していない人に対し、経済的負担を軽減するため助成制度を設けているが、主婦も、子どもを預けるなどの経済的負担があった場合や、学生も、アルバイトを欠勤する場合には助成の対象としている。そのような要件を本市独自で加えることはできないだろうか。

△保健医療局長 骨髄バンクドナー登録の推進については、広域的に取り組むことでより大きな効果が得られるものと考えており、国に対し、特別休暇制度の普及拡大や休業補償制度の構築について要望を行っているところである。骨髄等を提供するドナーへの助成については、他の政令市の状況等を調査した上で、福岡県に対し補助金交付要綱に関する要件の緩和について要望を行っていく。

◯田原委員 一方で、就労の要件を全く入れずに、ドナー登録者の身体的負担などを鑑みた助成制度を行う自治体もある。北海道札幌市では、令和6年度よりドナー助成制度を設立し、身体の負担の大きさも様々であることを鑑みるとともに、就労は要件に入れずに事業を実施している。ドナーに選ばれた人は、家族の同意、職場などへの説明や確認、また、採血や最終検査で骨髄採取の基準を満たすようにと自身の体調を徹底して管理するなど、並々ならぬ努力をしてもらうことになる。それでも誰かの命を助けたい、誰かの希望になれるならと、ドナーの人は挑戦してくれる。本市も一歩進んだ助成制度にすべきと考えるが、所見を尋ねる。

△保健医療局長 骨髄等の移植を望んでいる人を救うためには、1人でも多くのドナー登録者を確保するための制度の改善が重要であると認識している。骨髄等を提供するドナーへの助成に関しては、他の政令市の状況等を調査した上で、福岡県に対し補助金交付要綱に関する要件の緩和について要望を行っていく。

◯田原委員 本市には、多くの就労者がいる一方で、さきに紹介した学生のように、人口10万人当たりの短大、大学、専門学校数が政令市、東京を加えた21大都市でも1位で、学生が多く暮らしている。ドナー登録後、患者と適合し、授業や実習を休まなくてはならなくなった場合、ドナー公欠制度を導入する学校が日本に15大学と、まだ少ない状況ではあるが、そのうちの1大学が本市にある。さらなる周知と協力が必要であると感じる。また、54歳までしかドナー登録ができない状況の中、多くの若者、学生が集まる本市でドナー登録が進むことは、患者にとっても希望となるのではないだろうか。その一助となる助成制度を誰もが利用しやすい要件にするためには、県の要綱に基づき実施している現在の助成制度ではなく、本市独自で取り組むべきではないかと考える。県の要綱に基づき事業を実施しているが、本市独自助成としての事業化はできないだろうか。

△保健医療局長 骨髄等を提供するドナーへの助成については、福岡市民に限らず、広域的に取り組むことでより大きな効果が得られるものと考えているが、本市独自の助成制度の創設に当たっては、保健、福祉施策全体の中で総合的に検討していく必要があると考えている。

◯田原委員 ぜひ、検討をよろしくお願いする。献血ルームでもその場でドナー登録ができるよう準備があるが、さらなる周知、広報が必要であると考える。埼玉県富士見市では、昨年から市内の献血会場に骨髄バンクのドナー登録ブースを設置するよう、主催団体への働きかけを開始している。同市内の献血活動は、原則、県赤十字血液センターが日程を決め、骨髄バンクの登録ブースは、市が各日程に沿って主催する団体へ呼びかけ、了承された場合に開設しているそうである。ドナー登録推進に関するより一層の広報、周知が必要であると考えるが、所見を尋ねる。

△保健医療局長 現在、ドナー登録者は増加傾向にあるが、年齢層の高齢化が顕著となるとともに、高齢ドナー登録者の場合は、健康理由などにより移植に至らない割合が高いとされていることから、実際にドナーになり得る可能性がより高い若年層に対して、ドナー登録の働きかけを進めていくことが重要であると認識している。周知、広報としては、市政だよりやホームページなどでドナー登録の呼びかけを行うとともに、赤十字血液センターによる献血ルームでの骨髄バンクコーナーの設置や、移動献血バスでの登録会の実施を行っているが、今後、SNSなどを活用した若年層への働きかけを強化するなどにより、1人でも多くの人にドナー登録を行ってもらえるよう取り組んでいく。

◯田原委員 腰に注射針を刺す手術で1.2リットルの骨髄の血液を提供したドナーの人が、後日、移植を受けた患者から骨髄バンクを通じ匿名の手紙をもらったそうである。震える字で感謝の思いがつづられた手紙に、ドナーとなった人は、移植直前まで葛藤や不安もあったけれど、命をつなぐことができたと思うと涙があふれた、と語った。ただ患者のためにと願うドナーのため、また、ドナーに登録しようと思うこれからの人を増やすためにも、ドナー助成制度のさらなる拡充を、また、骨髄移植を待つ患者のために、さらなるドナー登録の啓発に取り組んでもらいたいと考える。本市には学校、企業が多く、たくさんの人が集う。多くの人に関心を持ってもらい、推進することが命をつなぐ行動につながると考える。市長の所見を尋ね、質問を終わる。

△市長 現在、全国では、毎年数万人が白血病などの重い血液の病気と診断され、そのうち約2,000人が骨髄バンクを通して移植を望んでいる一方、実際に移植を受けることができるのはその半数程度にとどまっており、1人でも多くのドナー登録者を確保していくことは非常に重要であると考えている。今後とも、多くの市民に骨髄等の移植に関心を持ってもらえるように、効果的な情報発信を行うとともに、ドナーが安心して骨髄等を提供できる仕組みや環境づくりに向けて、国や県に要望するなど、骨髄バンクドナー登録の推進を図っていく。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
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