▼令和5年 第6回定例会 石本 優子 一般質問 (令和5年12月13日)

○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、生活習慣病予防の取組について、文化芸術振興について、愛され続ける植物園の発展について、以上3項目質問いたします。
 まず初めに、生活習慣病予防の取組についてですが、皆さんは足病という病気を御存じでしょうか。足先の血管が閉塞し血液の流れが悪くなり、足がしびれたり歩くのが困難になったりする病気のことを言います。糖尿病や生活習慣病の悪化で起こるのですが、糖尿病の合併症で末梢神経障がいになり、足の感覚が麻痺してしまい、足にできた傷などに気づかず潰瘍ができたり、細菌などで感染し、重症化すると組織が死んでしまう壊疽という状態に陥ります。その後、足の切断に至ってしまいますので、注目すべき病気と考えています。
 私が看護師として働いていた頃、足の指の色が変わっていることに気づいていても、病院を嫌がってそのままにしていた方がいらっしゃいました。数日後、さらに色は変化し、壊疽を起こしており、足を切断せざるを得ないことになりました。歩けなくなってしまったと落胆された患者さんの言葉に、足の大切さ、予防することの大切さを痛感いたしました。何とか足病予防の取組を行っていけないかと思い、その要因である生活習慣病予防への取組について伺ってまいります。
 最初に、本市の国民健康保険において、医療費が高額となっている疾病を上位5つ教えてください。また、令和4年度の生活習慣病関連の医療費の額、国保医療費全体に占める割合を教えてください。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 福岡市国民健康保険における疾病大分類別で申し上げますと、1位ががんなどの新生物、2位が脳血管疾患、心疾患、高血圧などの循環器系、3位が関節症や骨粗鬆症などの筋骨格系、4位が糖尿病などの内分泌系、5位が統合失調症などの精神疾患となっております。また、令和4年度の生活習慣病関連の医療費の額としましては、新生物、循環器系、内分泌系及び腎不全などの腎、尿路系の医療費合計で約411億円となっており、医療費全体に占める割合は約40%でございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 本市の国保医療費だけでも、生活習慣病由来で411億円、4割とかなりの額、割合を占めていることが分かりました。生活習慣病悪化予防のために、運動とバランスのよい食事、そして、自分の体を知るための健康診断が必要です。それぞれの対策について本市の取組を聞いてまいります。
 まず、運動について伺います。
 生活習慣病予防策として、運動を促すために本市が取り組んでいる内容を教えてください。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 運動を促す取組としまして、公民館などの健康教室や自宅で実践できる運動動画の配信、気軽に取り組みやすい運動として推奨しているウオーキングに関するイベントやマップの作成などを行っております。また、運動に取り組むきっかけづくりとして、民間のスマートフォンアプリ、ふくおか散歩を活用し、健康づくりイベント等の情報発信などを行っております。
 さらに、公園や道路、駅などの身近な環境を活用し、自然と楽しく体を動かしたくなる仕組みや仕掛けをつくるFitness City プロジェクトにも取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 歩きたくなる仕掛けづくり、大変賛同いたします。住んでいて健康になれるまちづくりにさらに期待をしております。
 それでは、御答弁いただいた民間のアプリを利用したふくおか散歩についてお尋ねいたします。ふくおか散歩を活用した事業の目的、内容、ダウンロード数、特典などを教えてください。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) ふくおか散歩では、市民の運動習慣の定着を目的として、性別や年代、居住地別での健康づくりイベント等の情報発信、ユーザー間で歩数を競うイベントの開催、ウオーキングの実践や健康づくりイベント参加などに対するポイント付与、たまったポイントで参加できる市内特産品等の抽せんイベントなどを実施いたしております。また、アプリの利用登録者数は、令和5年10月末時点で4万5,556件となっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 私もこのふくおか散歩をダウンロードしておりまして、10月には六本松でウオーキングスタンプラリーが行われておりました。ゴールすると500ポイントたまりました。アプリの中で、健康セミナーなども含めたイベント紹介もなされていました。歩くことは血流を改善させ、足病予防の一歩になると言われる循環器の専門の先生もいらっしゃいます。このふくおか散歩は、健康づくりへのきっかけとなり、有意義であることが分かります。一方で、ポイントを使用できる特典をもっと充実させてほしいという声も届いております。
ポイントを利用した得点はどのように決められているのか、教えてください。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 答弁の前に、先ほどの答弁、1点修正をさせていただきます。
 アプリの利用登録者数を4万7,556件とお答えするところを4万5,556件とお答えしてしまいました。修正しておわび申し上げます。
 続きまして、先ほどの御質問に対するお答えですが、ふくおか散歩は民間事業者が運営するアプリであり、当該事業者において、アプリ全体の魅力向上の観点から特典の充実に取り組んでいるところでございます。また、福岡市の独自の取組として、地域振興の視点から、市内産の農水産物加工品や障がい者授産施設の製品を特典の一つとして選定をいたしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) ふくおか散歩をこれからも継続して運動や健康づくりの啓発のために、引き続きさらなる特典の充実とアプリの周知や広報もお願いいたします。
 生活習慣病予防にはバランスのよい食事も欠かせません。食生活改善の取組としては、各地域での啓発や料理教室などが主かと思いますが、飲食店が多いとされる福岡市では、お店と連携した取組も効果があると思われます。
 福岡100では、企業と連携した様々な取組を推進されていますが、本市で行われている飲食店と連携した食生活改善の取組を教えてください。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 飲食店と連携し、健康づくりや食生活改善に配慮したメニューやサービスを提供するとともに、市民の健康的な食生活を応援する飲食店などを登録し、広く市民に発信する健康・食育パートナーズ事業を実施いたしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 登録店舗はまだ少ないと聞いております。市内には8,000を超える飲食店があると言われておりますので、1店舗でも多く御協力いただくことで市民の食生活改善の環境づくりにつなげていただきたいと考えますが、今後の健康・食育パートナーズの取組についてどのように進めていこうとされているのか、教えてください。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 健康・食育パートナーズ事業の推進のためには、登録店の増加とともに、認知度向上を図っていく必要があると考えており、市政だよりやホームページ、各種SNSなど、様々な媒体を活用したPRや登録店のみが使用できるロゴマークの活用などにより、市民や飲食店への効果的な周知、広報に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 食に関しては、福岡県でもスマソるといって、スーパーで塩分控え目のお弁当を販売したり、住んでいて自然に健康になる環境づくりを行っています。本市も減塩などを含め、この健康・食育パートナーズ事業をさらに推進されるよう期待しております。
 ここまで運動と食事について聞いてまいりましたが、健康診断で自分の体を知ることは生活習慣病予防には大切であります。本市では500円で採血と身体測定などが行える特定健診よかドックがあります。
本市の令和4年度の特定健診よかドックの受診率の目標値及び実績についてお示しください。また、一番受診率が高い年齢層とその受診率についてもお示しください。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 毎年行っている国への法定報告の数値で申し上げますと、令和4年度は、目標値の38.0%に対し28.0%となっております。また、最も受診率が高い年齢層は70歳から74歳であり、その受診率は36.1%となっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) この数値はほかの政令市と比較するとどのようになりますでしょうか。令和4年度における政令市での順位を教えてください。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 令和4年度は20政令市中14位となっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 政令市で比べると低い順位ですが、どのように捉えていらっしゃいますか、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) よかドックが開始された平成20年度以降、受診率は徐々に向上しており、令和4年度の法定報告においては過去最高の数値となっているものの、目標値には達していない状況でございます。引き続き受診率向上を図るために、より効果的な取組を検討していく必要があると考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 令和4年度の受診率は、目標値の38%に対し受診率28%というのは、想定内ではないということでございます。今年度の目標値は40%とのことですが、その数値に対してどのように行っていく予定でしょうか。よかドックの受診率を上げるための工夫を教えてください。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 受診率向上のため、スマホ等で簡単に集団健診のウェブ予約ができるけんしんナビの開設や、出かけるついでに特定健診などを受診できるよりみち健診の実施、ダイレクトメールと電話による個別勧奨や、各保健所における医療機関への個別訪問による協力依頼などの取組を実施いたしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 各区それぞれで取り組んでくださっていることも分かりました。本市は、成人した若者が健診を受診しやすくなるために、よかドック30という制度も取り入れ、毎年3,000人以上の30代の方が特定健診を受けてくださっているようです。このまま若いうちから受診できる体制を継続し、早めの生活習慣改善ができるように、引き続き周知と広報、そして、受診率向上の取組をお願いいたします。
 ここまで特定健診受診について伺ってまいりました。健診後は、結果により医療機関などで特定保健指導などを受けていただき、生活習慣の改善に努めていただいております。しかし、現状は指導を受ける必要性を感じていない人が多いことも課題であると聞いております。
 そのような対象者を病院受診するように促し、生活の改善につなげる工夫など、今行っていることがありましたら教えてください。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 生活習慣の改善に向け、よかドックの結果から、生活習慣病の発症リスクが高いと思われる方に、その状態に応じた保健指導や医療機関への受診勧奨を実施いたしております。また、特定保健指導等につながらない方には、利用勧奨通知等でその必要性について啓発を行うとともに、対象者が特定保健指導の必要性を理解できていないという意見があることから、特定保健指導の意義やその重要性について啓発強化、受けやすい環境整備に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 日本フットケア・足病医学会の寺師理事長は、現在、我が国では糖尿病が強く疑われる患者数は1,000万人、その半数が末梢神経障がいを併発していれば、500万人の方は明日にでも足の潰瘍や壊疽を発症する危険性があると提唱されています。
 保健師の皆様には保健指導の中で本人へ自覚させて、必要な方への病院の受診を促す重要な役割を担っていただいております。
 そこで提案なのですが、さきにお話しした足病は、末梢神経障がいを起こしていると、自分では足病であることに気づきにくい方も多いため、異常の早期発見のために保健指導で実際に足を見てはいただけないでしょうか。そして、足の血管が閉塞してきて色が変わっていないか、壊疽を理解していますかなど、対象者に指導の補足をしていただけないでしょうか。異常が一つでもあれば、足の血流をチェックすることができるABIという検査ができる病院への受診も勧めていただきたいのです。皆さんの足を守る一歩になることを望んでいますが、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 受診勧奨は足病に至る前の早い段階で予防するために重要であると考えており、特定健診の結果やレセプトから生活習慣病の発症や重症化リスクが高い方を早期に把握し、医療機関の受診勧奨や保健指導に努めるとともに、特に重症化リスクが高い方には訪問による保健指導も実施いたしております。引き続き特定健診の受診勧奨に努め、生活習慣病の早期改善、早期治療を図ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 足を実際に診ること、検査ができる病院へ受診を促すことで足を守ることができ、高齢の方々においては社会参加につながると思います。足病予防の取組を検討いただきますよう重ねてお願い申し上げます。
 次に、甲府市では、糖尿病重症化予防の取組の一環として、糖尿病患者への歯科健診を推進していました。糖尿病と歯周病は相互に悪影響を及ぼすことが分かっていることから、レセプト情報や特定健診の受診結果、ヘモグロビンA1cが5.6%以上の方に歯科検診の案内と受診券をプッシュ型で郵送し、受診券を歯科に提示すれば無料で受診できるという事業を進めています。この事業で歯科健診受診者が増え、健康づくりにつながっているという事業でありました。
 本市でも、35歳などの節目年齢の方に歯周病検診は500円で進めていただいておりますが、甲府市のように、糖尿病などリスクが高い方を歯科健診や治療につなげる取組について検討いただけないでしょうか、所見をお伺いいたします。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 糖尿病診療ガイドライン2019によりますと、糖尿病と歯周病は、その発症や進行に相互に影響を及ぼすことが示されており、定期的な歯科健診が望ましいとされております。このため、本市国民健康保険におきましては、糖尿病などの生活習慣病の重症リスクが高い方に対し、引き続き歯科健診の受診勧奨を行ってまいります。なお、現在、国の経済財政運営と改革の基本方針2023において、生涯を通じた歯科健診、いわゆる国民皆歯科健診に向けた取組の推進という方針が示されておりますので、今後、国の動向を注視するとともに、他都市を参考にしながら効果的な取組について検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 糖尿病の方が歯周病を悪化させると、様々な病気を引き起こし、治療が長引き、医療費が膨大になることが予想されます。歯科健診について、糖尿病の重症化予防の一つとして取組の検討をお願いいたします。
 これまで生活習慣病予防への本市の取組について質問してまいりました。病院で働いていた頃、もう少し早く受診しておけばここまで悪くならなかったのにと思う症状の方がたくさんいらっしゃいました。実際に病院での治療に来ている方はごく一部で、潜在的に治療予備軍の方々や、今にでも病院で治療を受けたほうがよい方がもっとたくさんいらっしゃると考えます。その方々を拾い上げ、本人の病院への受診行動につなげることが社会の仕組みに必要だと思います。
 本市の保健師の皆様はコロナ禍、コロナ対策で多忙な中にあっても、一生懸命に対象者に病院への受診を促してくださっておりました。本当に大変だったかと思います。感謝とともに、今後も保健指導にも継続して尽力いただきますようお願い申し上げます。
 人生100年時代の到来を受け、健康寿命を延ばすために、行政だけでなく、福岡100の取組でもある企業や社会全体が市民の行動が変わるよう働きかけることが大切だと考えています。
 最後に、生活習慣病予防など、本市の健康づくりに取り組む今後の意気込みを荒瀬副市長に伺い、この質問を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 福岡市では、人生100年時代を見据えて、誰もが健康で自分らしく活躍できる持続可能な社会の実現を目指すプロジェクト福岡100を平成29年度から、産官学民、オール福岡で推進し、このふくおか散歩もその一つでございますけれども、健康寿命の延伸を目指しております。生活習慣病予防につきましては、運動や食生活などの生活習慣の改善を図るとともに、疾病の早期発見のための各種健診事業や、糖尿病、慢性腎臓病対策といった重症化予防事業などにも取り組んでおります。さらに、令和2年度からは、九州大学公衆衛生学と連携し、福岡市民の医療や介護、健診に関するビッグデータの解析を進めており、その分析結果をもとに、Fitness City プロジェクトやオーラルケア28プロジェクトを進めているところでございます。今後とも、エビデンスやデータをしっかり活用しながら、ライフステージに応じた効果的な健康づくり施策に取り組んでまいります。以上です。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 文化芸術振興について質問いたします。
 文化芸術の振興は市民の生活の質を向上させるために欠かせないものであります。コロナ禍にあったこの数年を乗り越え、福岡市美術館、福岡アジア美術館、福岡市博物館における各種催しをはじめ、芸術のお祭りとも言える福岡市民芸術祭や、まちにアートがあふれるFaN Weekの開催など、文化芸術とともに、まちに活力戻ってきていると実感をしております。
 ますますの発展が期待できる文化芸術振興の観点から質問をいたします。
 まず、昨年7月から福岡市文化芸術振興財団で開始されたアーツカウンシルについて、具体的な取組も含めてお伺いいたします。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡市文化芸術振興財団では、アーツカウンシルにおいて、相談対応や助成、情報発信、交流機会の提供などにより文化芸術活動者を支援しているところでございます。具体的には、演劇や音楽、伝統芸能などの分野において、文化芸術活動を行う個人や団体に対して様々な助言を行うほか、ステップアップ助成プログラムによる活動助成、国の補助金等の情報発信、文化、イベントに関する広報、スキルアップに向けた活動者同士の意見交換会などを実施しております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) アーツカウンシルの取組には都市によってそれぞれ特徴があるようです。
活動者に対する公的な助成によって文化芸術を支えることは重要な要素かと思いますが、御答弁いただいたステップアップ助成プログラムによる個人や活動団体への助成内容、申請件数などの状況を教えてください。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) ステップアップ助成プログラムにつきましては、公演などの鑑賞機会の提供、人材育成、または文化芸術を通じた社会課題の解決のための取組など、今後の活躍が期待できる文化芸術活動者が自らのステップアップを図る文化芸術活動に対し、その経費の一部を助成しているものでございまして、申請件数と助成件数は、令和元年度が34件の申請に対し15件の助成、令和2年度が35件に対し19件、3年度が21件に対し16件、4年度は18件に対し13件となっておりまして、令和5年度は35件の申請があり21件に助成する予定でございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) しっかり助成いただいているということが分かりました。
 助成件数については、コロナ禍で減ったものが令和5年度には持ち直してきているようですが、それでは、相談対応はいかがでしょうか。相談対応の状況、件数や内容をお知らせください。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 相談対応につきましては、令和4年度は60件、令和5年度は11月末時点で74件となっており、自分自身のスキル向上や同じ分野で活動する人とのネットワーク構築、公演の周知などの相談を受けているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 相談件数も上がってきているのが分かります。活動者が文化芸術を続けていけるように、引き続き助成や相談対応をお願いしたいと思います。
 また、先ほどお知らせくださったスキルアップのための活動者同士の意見交換会はどのような内容でしょうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 意見交換会につきましては、ステップアップ助成プログラムの採択を受けた個人や団体が、それぞれの事業の取組内容や成果を発表し、相互に意見を交換するほか、専門アドバイザーからの助言をいただくものでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 活動者同士の意見交換会を定期開催していくとともに、アドバイザーからの助言により活動がさらに活性化することを期待しております。
 本市のアーツカウンシルの今後の取組について御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 現在、新型コロナウイルス感染症により影響を受けていた文化芸術活動が徐々に従前の姿を取り戻してきているところでございまして、引き続き文化芸術活動者に寄り添った効果的な支援に努めていく必要があると認識しております。アーツカウンシルにおいては、今後も活動者のニーズを的確に捉えながら、ステップアップ助成プログラムや意見交換会などに積極的に取り組んでいくとともに、より多くの活動者に活用していただくため、広報の充実強化を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 私が視察に伺ったさいたま市は、芸術を生かしたまちづくりや拠点施設同士の連携強化など、様々な事業を展開されておりました。地域の文化芸術の活性化を市民が主体となり盛り上げておりました。一般の市民が文化芸術のサポーターとしてボランティアで2,000人近く応募され、様々なイベントを仲間に自らが広告塔となって宣伝し、ワークショップなど、成功に導いていました。毎月30名くらいミーティングに参加して意見交換を行っていく中で、さいたま市と市民サポーターの連携が、3年ごとに行われる国際芸術祭の成功にもつながっている様子でした。
 本市では、市民がボランティアとして参画する事業はどのようなものがあるか、お伺いいたします。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 市民がボランティアとして参画する事業につきましては、福岡市美術館、福岡アジア美術館において、展示作品のガイドや、美術情報の収集、整理などをボランティアで行っていただいておりまして、令和5年11月末時点で294人の方に御登録いただいております。また、令和5年度は、福岡アジア美術館のアーティスト・イン・レジデンス事業において、招聘したアーティストが大型アート作品を制作される際に、130人の方にボランティアとして参画いただいたところでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) たくさんの市民が参加していただいていることが分かりました。今後とも、市民を巻き込み、市民がより深く文化芸術に触れる機会を創出していただくよう、引き続き御支援よろしくお願いいたします。
 これまで、本市のアーツカウンシルについて伺ってきました。
 令和4年度に行った市民アンケートでは、文化芸術活動を行う市民の割合は16%、文化芸術を鑑賞する市民の割合は58%とありました。その文化芸術活動をしている方々の発表の場も大事だと思います。発表できるホールなどの本市の現状について伺います。
 市民センターや市民会館など、福岡市が所有する演劇や音楽などの文化芸術の発表ができるホールはどれぐらいあるのか、お知らせください。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡市が所有する音楽や演劇などが発表可能な舞台設備があるホールは、1,000席を超える大規模ホールとして、福岡サンパレス、市民会館、博多座及び福岡国際会議場の4施設、500席から1,000席未満の中規模ホールとして、各区市民センターの7施設、500席未満の小規模ホールとして、市内4か所の地域交流センターのほか、あいれふや祇園音楽・演劇練習場など11施設、合計で22施設でございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 中規模ホールや大規模ホール、座席数の差はあるものの、それぞれ本市にも22か所あることが分かりました。
 それでは、本市の市民会館、市民センターホールについて、利用状況、利用者からの意見、課題など、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) まず、市民会館については、令和4年度の大ホールにおける日数単位での利用率が79.9%となっております。また、利用者からの意見では、職員対応や清掃などの運営面にはおおむね満足いただいておりますが、施設の老朽化に伴い、空調などの館内設備に対する御意見をいただいているところでございまして、現在、令和7年3月の供用開始に向け、拠点文化施設の整備を進めているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市民センターのホールにつきましては、午前、午後、夜間の3つの利用枠がございまして、その枠ごとの利用の有無から算出をしました令和4年度の利用率は、おおむね45%から70%となっております。また、利用団体などからの御意見といたしましては、空調や座席、トイレなど、館内設備の改善や希望した日に予約が取りづらいといった声を伺っております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 市民センターホールは比較的使用料金が安く設定されており、利用希望が多いのではないかと考えます。
 一方で、市民センターホールを継続で使用できる日数制限が3日であり、利用団体によっては日数を延ばしてほしいとの声があります。継続使用日数を3日と定めている理由を教えてください。
 
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市民センターは、市民の教育や文化の振興とともに、地域コミュニティの活性化等に資するために設置をしている施設でありまして、ホールにつきましても、市の催しに加え、市民グループや地域団体、学校など、市民の身近な発表や活動の場として非常に多くの利用希望がございます。継続利用の日数を延ばしてほしいという声があることは承知をいたしておりますが、市民センターの利用実態を見ますと、1日単位や、午前、午後、夜間の枠のみといった短期間の利用枠で別々の団体が利用されているケースが多いことから、できるだけたくさんの団体に御利用をいただけますよう、継続利用の場合には最大3日間までと定めているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 市内で高校演劇を支援している方からの市民相談を受けました。演劇部は福岡地区大会に28校参加されており、2か所に分かれて実施しておりますが、リハーサルや本番、後片づけなど、時間をタイトに区切っても、大会のときはホールを3日以上は貸し切らないといけない状況です。学生の芸術活動ですので、資金も多くは持ち得ておりません。福岡国際会議場などの使用料の高い施設を借りることはできない状態です。出場校28校中、福岡市の高校が20校もあるにもかかわらず、市外の3日以上借りることができる、そぴあしんぐうや春日市ふれあい文化センターに行かざるを得ませんというものでした。高校生は夢や希望を持って目を輝かせながら部活に取り組んでいます。福岡市の高校に通いながら福岡市で市大会ができないという状況を何とかしてあげたいと切実な声もいただきました。
 本市としては、できるだけ多くの団体が利用できるよう、継続使用は3日までとされているとのことでしたが、特例で3日以上借りたりできないものでしょうか。今後とも御検討いただきますよう要望をいたします。
 続けて、ホールの予約の申込みのルールについて伺います。
 7区それぞれで設置されている市民センターのホールについては、いつから予約ができるルールになっているのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市民センターのホールにつきましては、利用月の9か月前から予約を受け付けており、抽せんの上、利用団体を決定しております。なお、市が主催する催しや、地域団体の大会などの市の関連事業につきましては、利用月の1年前から受付できることといたしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 1年前の申込みの時点で市や地域のコミュニティ活動が入れば、9か月前に予約しようと思っても、もう申込みできない状況だということですね。
 実は、高校演劇の九州大会が、2年後、福岡で開催されることが決まっています。九州大会の日にちはもう決まっているのに、9か月前に申し込もうと思っても予約が入っていれば、そこから場所を探さなくてはいけなくなります。
 福岡市の主催等でなくとも、公共性の高い催しなどは一般と同じ9か月前の申込みではなく、せめて市や地域と同じ1年前より予約の受付をできるよう検討していただけないでしょうか、所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市民センターにつきましては、各区の文化祭や人権講演会などの市の催しのほか、保育園のお遊戯会や小中学校の合唱コンクール、シニアの演芸大会、サークルの発表会など、非常に多くの利用希望がありますことから、利用調整は大変難しい状況がございます。このため、利用予約につきましても、国や県などによるものも含め、公的な催しか否かにかかわらず、市の主催事業や地域団体の大会など、市の関連が特に深い事業に限って通常9か月前からの受付を最大1年前からとする取扱いを行っているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 市民センターが設置された昭和52年からずっと変わらずホールの使用日数の制限は3日間とされているようですが、一般予約の受付に関しては、昭和52年からその当時は3か月前からだったものが、現在は9か月前に受け付けていただけるように段階的に改善を図っていただいていると聞いております。
 時代とともに変化する利用者のニーズや実態に沿った市民センターの利用となるよう、ぜひとも御検討いただきたいと思いますが、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市民センターにつきましては、身近な発表や活動の場として、非常に多くの市民、団体の皆様に御利用をいただいているところでございます。その運営に当たりましては、時代の変化やニーズに応じ、利用受付方法の改善やキャッシュレス決済の導入、Wi-Fi環境の整備など、市民サービスの向上を図ってきたところでありまして、今後とも、様々な団体の利用実態やニーズを踏まえながら、より使いやすい施設となるよう努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 市民センターの役割について、今後も使いやすい施設としての検討を重ねてお願いいたします。
 では、現在、須崎公園で整備が進められている拠点文化施設について伺っていきます。
改めて、拠点文化施設を整備する目的をお尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 拠点文化施設については、多彩な舞台芸術の公演や市民の文化芸術活動等の場を提供することにより、本市における文化芸術の振興や文化芸術を通じた交流の促進を図り、心豊かな市民生活の実現と都市の魅力向上に寄与することを目的としております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 拠点文化施設は、令和7年3月の開館に向けて、これから施設の予約受付が始まるかと思いますが、利用予約の仕組みについてはどのように考えていますでしょうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 拠点文化施設の利用予約については、公の施設としての公平性と施設の設置目的を踏まえ、令和7年3月の開館に向けてその仕組みを検討しているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 施設の利用予約について、公の施設としての公平性を確保するとともに、施設の設置目的である文化芸術の振興に向け、活動者のニーズを踏まえた仕組みを検討していただきますよう要望いたします。
 文化芸術振興のために本市が取り組んでいるアーツカウンシルの中での活動者支援や、今後のさらなる発展のための市民への啓発、そして、文化行動を支える拠点文化施設の充実にも期待をしております。
 ますます市民が心豊かに文化芸術を楽しみ、活力ある魅力あるまちづくりに貢献できるよう、文化芸術振興に尽力してくださっている髙島市長に意気込みをお伺いし、この質問を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 文化芸術は市民一人一人の心豊かな生活の礎となり、人々の創造性を育み、また、魅力ある都市づくりや都市の個性を形成する上でも大変重要であるというふうに考えてございます。福岡市の文化芸術の振興につきましては、令和4年度からアーツカウンシルの取組を開始して、文化芸術活動を幅広く支援するほか、Fukuoka Art NEXTとしてファンウィークの開催などを通して、市民がアートの魅力、さらにはアーティストの思いに触れて、アートをより深く鑑賞する機会の充実を図るとともに、アーティストの創造活動やスタートアップ支援を行う成長、交流拠点、アーティストカフェフクオカを運営しているところでございます。現在、福岡市の新たな文化振興の拠点として、令和7年3月の開館に向けて拠点文化施設の整備も進めており、今後も引き続き、市民が文化芸術に触れる機会を増やすとともに、文化芸術活動者がより活動しやすい環境づくりを推進してまいります。以上です。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 愛され続ける植物園の発展について質問いたします。
 福岡市動物園は昭和28年に開園し、70周年を迎えました。そして先日、待望のゾウが春には4頭やってくるといううれしいニュースが髙島市長から発表されました。ゾウは動物園のシンボルですので、本当に楽しみにしております。
 一方、植物園は昭和55年に開園し、43年、楽しみながら緑を育てることを学べる都市緑化植物園として発展し続け、市民から愛されてきました。本年3月の当初議会において、当会派の黒子前議員が、愛され続ける動植物園について、ますます発展してほしいと議員生活最後の質問に語ってくださいました。私からも、植物園は市民の皆様や観光客が憩い、にぎわい、さらにたくさんの方々に来てほしいと切に願い、質問をいたします。
 まず、都心に近く、地下鉄七隈線の沿線に位置する植物園ですが、直近4年間の来園者数の推移をお尋ねします。あわせて、来園者の主な交通手段とその割合もお示しください。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 直近4年間の動植物園の来園者数を申し上げますと、令和元年度が81万5,980人、2年度が61万6,742人、3年度が59万5,277人、4年度が77万839人となっております。また、4年3月に実施した来園者調査によりますと、主な交通手段及び割合につきましては、自家用車が62%、バスや電車などの公共交通機関が21%、徒歩が14%などとなっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) コロナ禍を過ぎて来園者は増えつつあることがうかがえます。来園手段は自家用車が多く、公共交通機関は2割ということが分かりました。せっかくの地下鉄沿線施設ですので、公共交通機関の利用者が増えてほしいと思います。
 公共交通機関の利用促進はどのようなことを行っていますか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 動植物園ホームページにおいて、バスや電車でのアクセス方法について常時掲載し、公共交通機関の利用促進についても周知を図っております。また、毎年夏に開催しております夜の動植物園など、多くの来園者が見込まれるイベント時においては、公共交通機関の利用の呼びかけをSNSでも実施をしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 私は早良区に住んでおり、野芥駅から地下鉄に乗っております。植物園に行く際は桜坂駅で降りるのですが、先日、桜坂駅から目と鼻の先にある南公園内の森を抜けて、植物園入り口付近にたどり着く約15分から20分の最短コースを歩きました。少し歩いていくと、都会の喧騒から一気に鳥のさえずりが聞こえてきて、とてもすばらしいコースだと感じました。このような道があることを初めて知りました。
 森林浴には快適でありましたが、植物園への誘導の表示が小さいので、もう少し大きく表示するなど、工夫をしてほしいと感じました。また、親子連れの家族がベビーカーを押して楽に歩けたり、スニーカーで来ればハイキングのようにさらに楽しく歩けるようにするなど、多くの皆さんが利用しやすくなるような工夫はできないでしょうか、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 桜坂駅から最短ルートとなる南公園の入り口に、植物園までの誘導表示について、早急に整備を検討してまいります。また、最短ルートの道の舗装につきましては、現在砂利道となっておりますが、歩くこと自体を楽しめるように、森の雰囲気に合ったウッドチップによる舗装について早急に整備を検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 南公園のよさも残しながら歩きやすく整備いただき、この森を抜けるコースも魅力の一つですので、広報をぜひよろしくお願いいたします。
 一方で、この南公園の道の途中には倒木も多くあり、維持管理は大変な状況かと拝察いたしましたが、南公園において、緑を管理する中での課題、そして、取り組んでいることはありますでしょうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 緑の管理に当たっては、枝落ちが発生しないよう定期的な樹木剪定や枯れ枝処理を行うこと、また、倒木の危険性が高い樹木を発見するための樹木医による診断などが必要ですが、これらが十分でないなどの課題があると考えております。なお、管理によって発生した樹木については、葉は堆肥化し、枝はチップ化するなど有効活用し、SDGsへの取組につなげております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 歩きやすい安心、安全と、倒木を利用する循環型サイクルに貢献する取組は、今後も持続可能なものにしていただきたいと思います。
 森を抜けると、上智福岡中学、高校もあり、西門の交差点に出てくることができました。ここは車の通りも多く、信号待ちの間に動植物園への入り口をアピールできる場所だと感じました。(パネル表示)このパネルにあります。ちょっと御紹介させていただきます。この写真のように、駐車場へ向かう入り口部分の看板も古くなっており、もったいないなと感じられました。
西門周囲、そして、この駐車場の入り口も、さらにおもてなし感が出せるような取組ができないのか、お伺いいたします。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 動物園西門の交差点や植物園駐車場への入り口は、動植物園への来園者だけでなく、日常の通過車両からも視認できる動植物園の顔とも言える場所であるため、彩りにあふれた立体的な花壇や市内産材を活用した案内表示など、おもてなし感のある景観づくりについて早急に整備を検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 植物園エントランス付近では、壁面植物がなされたトイレの改修もされ、立体駐車場の新設など、リニューアルが進められ、来場者へのおもてなしの雰囲気が増したように感じられました。
 もう1枚パネルを準備させていただいております。(パネル表示)これは、植物園の入り口と、その横にあります緑の相談所というところの写真でございます。
 この植物園の入り口ですけれども、リニューアルされた動物園のエントランスに比べると、まだ工夫ができるのではないかと考えます。入園口の横にはこの緑の相談所がありましたが、緑の相談所における相談件数や内容、どんな方法で相談を受けていらっしゃいますでしょうか。また、植物園に来た方もそうでない方も、相談しやすくなるよう、入り口の手前に花や緑を持ってくるなど、工夫を施してもよいのではないかと感じました。御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 緑の相談所における令和4年度の相談件数は4,360件で、そのうち電話相談が約7割を占めており、主な相談内容は、植物の育成方法や植物名の確認などとなっております。また、誰でも気軽に利用できるよう、緑の相談所は入園口外側の無料区域に設置しており、予約なしでも相談可能で、内部が見えるようなガラス張り、座り心地のよいソファーの設置などをしているところではございますが、さらに相談しやすくなるような工夫を検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 他都市の事例を幾つか紹介しますと、千葉市花の美術館では、エントランス部分に当たる前庭には色とりどりの花が出迎えてくれます。入場するとすぐに噴水もあり、前庭の中にはドッグランも併設され、ホスピタリティにあふれています。
 東京都稲城市にあるよみうりランドのフラワーパークでは、温室にデジタルを駆使して、花によるプロジェクションマッピングを映し出し、美術として花と緑のアートも感じられるようなおもてなしが施されております。
 本市の植物園はわくわく感がまだ工夫できると思っています。
 例えば、植物園の入り口にネモフィラやコキアなどが広がるインパクトのある風景や、人気の高いバラ園を手前に移動するなど、花と緑でお出迎えするようなエントランスにリニューアルを検討してはいかがでしょうか。御所見をお伺いします。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 植物園の入り口付近は、開園から43年で樹木が大きく成長したことで、見通しや日当たりが十分に確保できず、花壇が手狭になっているなどの課題があると考えております。今後、よりおもてなし感やわくわく感のある花修景を行うなど、開放的かつ印象的なエントランス空間への改修などを検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 植物園に行きたくなるわくわく感が増すような魅力向上の取組をぜひお願いいたします。
 次に、植物園の維持管理について伺ってまいります。
 植物園内で多くの方が水やりや整備に尽力してくださっておりました。どれぐらいのボランティアの方々がこの植物園を守ってくださっているのでしょうか、また、主な活動内容についても教えてください。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 令和5年11月末現在で11団体172人がボランティアとして活動されておられます。どの団体も植物園という場所ならではの価値を見いだされ、ハンギングバスケットによる花装飾の製作及び維持管理、樹林地における里山保全活動や園内ガイドなど、それぞれが持つスキルを生かしながら活動をしていただいております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 植物園にはボランティアや団体だけでなく、企業からの寄附や寄贈などもあるとのことですが、どんな方々が園に支援をしていただいているのでしょうか。また、主な支援の内容についても教えてください。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 植物に好意的な個人や団体、また、植物園の運営に寄与したい企業や事業所などから、一人一花友の会への寄附や寄贈で御支援をいただいております。最近では、子どもたちが安心して遊ぶことができる空間づくりにおける人工芝や壁面緑化の整備費への御寄附とその維持管理の御協力、また、屋根つきの休憩スポットにもなる花修景施設の提供などの御支援もいただいております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) こうした活動団体は、愛され続ける植物園の継続のためには大事にしていただきたい方々だと思います。緑のコーディネーターも300人を超え、一人一花運動に取り組んで6年。こうしたボランティアの方々が、そして、福岡市緑のまちづくり協会の皆様、寄附してくださる皆様方が、植物園から地域まで、至るところで花と緑をつくってくださっています。
 今後も持続的に御支援いただくための工夫が必要かと思いますが、どんな取組を検討されていますでしょうか。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 植物園への持続的な支援獲得のため、支援活動や寄附の実績を動植物園の広報誌やホームページなどで紹介するとともに、一人一花サミットなどの機会を捉えて表彰を行っております。なお、花や緑に関わる管理をされているボランティア活動団体など、植物園運営への貢献意識が高い方々に対しては、個々のスキルアップを支援していく仕組みなどを今後検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 持続可能な維持管理のために、スキルアップで人材育成の機能も発揮していくことを期待し、今後の取組の継続をお願いいたします。
 さて、園内には、さらに先に進むと、(パネル表示)こちらのパネルにありますボタニカルライフスクエアという共有スペースが今年3月に開設されました。とても広くて開放感もあり、これからさらにたくさんの方に御利用いただきたいエリアだと感じました。このボタニカルライフスクエアの上には展望台がありまして、本当に絶景でございます。
 このボタニカルライフスクエアの開設の目的を教えてください。あわせて、活用事例や活用状況も伺います。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) ボタニカルライフスクエアは、一人一花運動の拠点である植物園において、360度植物に囲まれたロケーションを生かして、緑のある空間や生活のよさを感じてもらい、花や緑のあるライフスタイルの発見、発想、発信を生み出すための施設でございます。平日は、花や緑関連の講座、週末はマルシェやイベントなど、小さな子どもも楽しめるような活用がされており、施設がオープンとなった令和5年3月から11月末までの使用率は75.2%となっております。なお、閉園後の夜間も利用できるよう貸出しを行っており、企業の会議や研修会、国際交流イベント会場としての利用も見られるようになっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 閉園後の夜間も利用できるのは魅力発信につながると思います。星を見ながらワークショップに参加するなど、昼間と違う夜間の楽しみも創出できるボタニカルライフスクエアのさらなる活用を期待しております。
 スクエアのすぐ裏にある、先ほどの展望台では、カフェも併設しており、絶景と飛行機の離発着も見ることができました。本市の植物園は、花や緑の愛好者だけでなく、ほかの利用者を取り込むことができる、まさに花と緑の美術館と言えるポテンシャルの高い施設だと思います。
 さらなる発展のために、一眼レフ撮影会の開催や携帯での映え写真や動画の撮影会、また、結婚式の開催など、これまでに植物園に来たことがない方々をさらに取り込む取組について所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) ボタニカルライフスクエアの開設を機に、新たな植物園ファンをもっとつくっていきたいと考えておりまして、花、緑分野以外での活用を増やすため、植物に囲まれた開放的な空間が持つポテンシャルや、夜間でも利用可能である自由度を生かし、植物園の活用モデルを考えてまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 本市の植物園を花と緑の美術館として、ボタニカルライフスクエアや展望台カフェなど、都心に近いことも生かし、会議やイベント、アフターコンベンションなど、様々な利用ができると思っています。アートの創出やスクエアやホールの活用について、さらなる活用拡大を期待しております。御所見をお伺いします。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 植物に興味がない人も引きつけていけるよう、都心部などで開催されている既存の会議やイベントなどを呼び込むことに加えまして、植物園の魅力を最大限に生かし、多様な方々が交流できる新たな企画も実施するなど、より幅広く活用される場になるよう展開してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 一人一花運動により、今、天神や博多駅などの都心部にはスポンサー花壇が、身近な拠点である公園や道路にはボランティア花壇、民有地も含め、市内全域にはパートナー花壇が花と緑であふれています。花と緑で共創のまちづくりが実現し、フラワーシティとして発展しています。まだまだ時代とともに変化を続け、市民から愛され続ける植物園であってほしいと思います。
 最後に、一人一花運動の拠点である植物園の発展のため、さらなる魅力向上と活用推進について、髙島市長の意気込みを伺い、私からの質問を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 福岡市植物園は、植物の展示や緑化の普及啓発とレクリエーション機能を備え、1年を通して花や緑に関して市民が楽しく学べる憩いの場となっており、一人一花運動の拠点として多くの市民や団体などが来園したくなるわくわく感の創出や、エンターテインメント性の向上などに取り組んでおります。また、令和5年3月にはボタニカルライフスクエアがオープンし、花や緑に関する講座やイベントの開催に加え、夜間の利用も可能にしたことによって、これまで植物園を訪れたことのない多様な方々が利用される機会なども増え、幅広い活用による新たな交流や発信が生まれております。今後とも、愛され続ける植物園として発展していくためには、都心部に近く、動植物園が一体となった強みなどを生かしながら、市民はもとより国内外の多くの皆様から満足していただける植物園となるように新しい価値向上に積極的に取り組んでまいります。以上です。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
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