▼令和5年 第5回定例会 勝山 信吾 賛成討論 (令和5年10月5日)

◯19番(勝山信吾)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、令和4年度福岡市一般会計、特別会計並びに企業会計に係る決算諸議案について、これを認定することに賛成の意を表し、討論を行います。
 令和4年度の決算は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、一般会計の実質収支は99億円の黒字であり、特別会計におきましては58億円の黒字となっております。また、全ての企業会計においても単年度損益が黒字となっております。
 財政の現状については、市債残高が着実に減少し続けており、プライマリーバランスは黒字を維持しております。また、市税収入は新増築家屋の好影響等により固定資産税が増収になるなど、前年度決算額と比較して増収になっている点は一定の評価ができるものと考えます。しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻から1年半以上が経過し、原油価格や原材料などのエネルギーコストの高騰や加速度的な円安の影響により物価上昇が依然として進んでおり、日本経済にも大きな影響が出てきております。そういった予断を許さない経済状況の中、少子・高齢化の進展による社会保障費の増大など、本市を取り巻く環境は決して楽観できる状況ではありませんが、持続可能な財政運営にしっかり取り組んでいただきますようお願いいたします。
 以降は、さきの決算特別委員会等の審議やこれまで我が会派の議員が主張してきた意見、要望について、その要点を述べさせていただきます。
 初めに、財政につきましては、財政運営プランに基づき、市民生活に必要な行政サービスを安定的に供給するとともに、将来にわたる必要な財源を確保するための財政運営を求めておきます。
 また、行政手続や市民サービスのデジタル化、オンライン化など、DXの推進はとても重要です。特にデータ連携基盤を活用した公式ポータルサイト、ふくおかサポートによるプッシュ型の情報提供の促進と市民の利便性向上や行政の効率化を図る取組を求めるとともに、市民への丁寧な説明をお願いいたします。
 市政情報の発信については、市政だよりやホームページ、SNS等で分かりやすい情報発信に努めていただくとともに、外国の方などからの各種問合せに関しては、ホームページから外国語対応電話窓口へのスムーズな誘導案内を要望しておきます。
 新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に移行され、地域の活動や行事も開催され始めました。地域のつながりの希薄化などの課題を解決するためには、住民主体の地域コミュニティづくりへの持続可能な支援は欠かせません。町内会活動支援事業など、自治協議会等が行う地域活動、担い手づくり、住民相互の交流を図る取組をさらに推進することを要望いたします。
 地域コミュニティの活性化と魅力的な公園づくりを目指すコミュニティパーク事業において、地域住民の要望にかなった公園の維持管理をサポートするために、デジタル地域ポイントなど、持続可能な公園管理体制につながる支援を要望いたします。
 福岡市総合計画に掲げる本市の目指すまちづくりの施策を着実に推進するとともに、働く人のウエルビーイングの向上とSDGsの達成に向けて取り組む企業を支援する福岡市ウエルビーイング&SDGs登録制度のさらなる推進を求めておきます。
 本市は誰もが心身ともに健康で自分らしく暮らせる福祉の充実に取り組んでおります。そこで、福岡100については、各アクションの成果等を可視化するとともに、ふくおか散歩アプリの特典の改善、そして、多くの方が歩きたくなる仕掛けづくりの拡充を求めます。
 高齢者の社会参加を促すことは、今後ますます重要な取組になります。オンデマンド交通社会実験については、効果などを検証し、さらなる実験地域の拡大と利便性の向上、必要な地域への本格導入を求めます。
 また、高齢者乗車券、福祉乗車券等については、1乗車複数利用も含め、交付額の増額とともに、透析医療を受ける患者への乗車券の増枚など、利便性の向上に努めることを要望いたします。
 近年、社会問題となっております認知症やひきこもりを有する当事者への支援と同様に、その家族へのさらなる支援の充実を要望いたします。
 高齢化のピークを迎える2040年に向けて、福祉、介護人材の不足が喫緊の課題であります。介護人材の確保、定着を早急に進めるため、介護福祉士などの有資格者に対し、奨学金の返済支援や潜在介護士の人材バンクの開設など、労働条件の改善と処遇改善を図り、具体的で幅広い施策に取り組むよう要望いたします。
 先日、高齢化率が29.1%と過去最高を更新したと発表されましたが、高齢化に伴う単身高齢者の増加を踏まえ、住宅の空き家問題や生前からの医療に対する意思決定支援、終活支援等、相談しやすい体制づくりを要望いたします。
 良質な住宅、住環境の形成について、市営住宅については建て替え住宅に網戸を設置するなど、誰もが快適に生活できる居住環境づくりを求めます。
 近年、増加傾向にある帯状疱疹に罹患する患者については、帯状疱疹後神経痛などの後遺症により療養が長期化し、医療費の増大も懸念されております。予防ワクチン接種費用の助成は9月時点で278の市区町村で行われておりますが、本市においても予防ワクチン接種費用の公費助成を行うよう要望いたします。
 子どもが健やかに育ち、安心して生み育てられる社会づくりも重要であります。家庭環境によって学びの機会に不公平が生じないよう、オンライン授業の際に貸し出すモバイルWi-Fiルーターの整備については、引き続きしっかり取り組むことを要望します。
 老朽化した学校施設の改修等に当たっては、防災機能の強化や衛生環境の改善、脱炭素、配慮が必要な児童生徒への合理的配慮など、社会のニーズにしっかり応え、合築すれば国庫補助率が拡充されている今を好機と捉えて、他の施設等との統合など、多角的に検討するとともに、長年の懸案となっております住吉中学校の第2運動場の整備にもしっかり取り組むことを求めます。
 放課後児童クラブの施設整備については、細やかな点検による施設の改修、充実に取り組むとともに、責任職の主任支援員の待遇の改善とスタッフの確保にしっかり取り組むことを要望いたします。
 設置率が低い自閉症・情緒障がい特別支援学級については、大幅な新設、増級を行い、教員の特別支援教育の研修体制の強化及び学校生活支援員の配置の拡充を求めます。
 また、通級指導については、保護者の負担軽減などを図る観点から、これまでの拠点校方式に加えて巡回方式も早急に取り入れることを要望いたします。
 学校司書の配置については、市内全小中学校への常駐配置を目指し、電子書籍の充実にも取り組むことを求めます。
 身近な地域における子育て支援のファミリー・サポート・センター事業について、預かり月齢の引下げやひとり親家庭への助成の拡充と一時預かり事業の受入れ施設数の拡充を求めるとともに、働き方の多様化を踏まえて、ニーズの高い延長保育や休日保育の拡充を求めます。
 母親の育児不安の軽減や乳幼児の虐待防止のため、乳幼児健診を受けなかった家庭へのフォローと、乳児家庭全戸訪問やこんにちは赤ちゃん訪問事業にしっかり取り組み、訪問時にはブックスタート、本の読み聞かせのノウハウを活用することを要望いたします。
 医療的ケア児等とその家族を支援する医療的ケア児等コーディネーターについては、医療的ケア児等へのよりよい支援のため、さらなる役割を発揮できるよう支援の拡充を求めます。
 農林水産業と関連ビジネスの振興については、農林漁業の現場で課題となっている担い手不足がさらに加速していくことが予測されることから、次代の担い手へのヒアリングなど、寄り添った支援とスマート農林水産業を活用した先端技術の効率化を求めます。
 また、福岡の魅力発信と地元水産物の流通、加工、消費拡大のために、ブランド化の推進とさらに踏み込んだ消費ニーズに対応した商品開発への支援を求めます。
 中小企業の経営基盤の強化については、コロナ感染症や原油価格、物価高騰の影響を受けた中小企業への支援を拡充するとともに、持続的な人材確保の観点から、オンライン合同会社説明会を引き続き開催し、加えて、若者が希望を持って本市で活躍できるよう奨学金の返済支援制度の設置を求めます。
 観光の受入れ人材の確保と人材育成などの事業者への支援と災害時における外国人観光客に対する環境整備については、宿泊税を活用するよう要望いたします。
 博多港の機能強化については、アジアに一番近い港という地の利を生かして、コンテナ取扱個数の増加、人流の増加に向けて広域経済圏の連携をさらに進めるとともに、D岸壁の早期整備を要望します。
 安全で快適な生活基盤の整備について、道路に関しては、中央線や路側帯、注意喚起の表示などが消えかかっている箇所が散見されるため、定期的な点検強化を進め、市民からの通報などに迅速に対応した白線の引き直しをお願いいたします。
 また、街路樹が根上がりし、凸凹になった歩道が多く見られますが、街路樹の総合管理と新たな事業として根上がり対策事業の実施を求めます。
 さらに、歩道のバリアフリー化についても、スピード感のある対応を求めるとともに、下水道整備については、下水道未整備率0.05%、371世帯の早期整備を要望いたします。
 脱炭素に関して、自動車部門の脱炭素推進のため、EV自動車の購入費補助金の拡大、集合住宅や民間企業へのEV充電器設置補助の拡大を求めます。あわせて、公共施設や大型商業施設への充電器整備の促進を求めます。
 福岡市地下鉄は、コロナ禍を脱し輸送人員が大きく回復しております。そこで、戦略的営業施策を図るとともに、広告料収入の確保や駅ナカ事業を強力に推進するよう求めます。
 また、交通系ICカードのオートチャージ機能やスマホアプリを活用したチャージ可能な仕組みなど、利用者のさらなる利便性向上を図る施策の検討をお願いいたします。
 水道事業については、お客様サービスの向上のため、ICTの積極的な活用を図り、水道スマートメーターの導入とともに、水道使用量のお知らせへのユニボイスの導入について、早期実現を要望いたします。
 また、安心、安全でおいしい福岡市の水道水という観点から、子どものうちから認識してもらうことは大変重要と考えます。教育委員会とも連携し、小中学校などへの給水スポットの設置を始めるよう求めておきます。さらに、市内公共施設への給水スポットの設置場所の拡大をお願いいたします。
 開校から45年目を迎え、老朽化が進む福岡市消防学校は、既に消防学校の機能強化検討に着手されておりますが、本格的な機能強化や新たな学校施設への建て替えを要望しておきます。
 以上、様々御要望をいたしましたとおり、我が会派の議員が総会質疑、分科会などで申し述べた要望や提案を実現していただきますようお願い申し上げます。
 原油価格や原材料の高騰、円安の影響により物価上昇が依然として進んでおりますが、福岡の経済を力強く推進し、また、活力ある福岡市の未来を開くため、高島市長のさらなるリーダーシップに期待するとともに、私たち公明党福岡市議団も全力を尽くすことを決意し、賛成の討論を終わります。ありがとうございました。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
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