▼令和5年 第4回定例会 たのかしら 知行 一般質問 (令和5年6月22日)

○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行)登壇 おはようございます。公明党のたのかしら知行でございます。本日、初めての一般質問に立たせていただきます。この場に送り出してくださいました皆様に感謝し、未来への責任を胸に問題を取り上げてまいります。
 私は公明党福岡市議団を代表して、ふるさと納税を活用したシティプロモーションについて、災害弱者への対策について質問をいたします。
 初めに、ふるさと納税を活用したシティプロモーションについてです。
 長いコロナ禍で巣籠もり需要が膨らみ、ふるさと納税全体の規模も返礼品をネット通販の感覚で利用する方の増加に伴い、大変大きくなりました。一方、本市はこのふるさと納税については、いまだ乗り遅れている感があります。今後の介護、医療、子育てなどの予算増大が予測される中、継続性などを考えますと、ふるさと納税へもしっかりとした対策を立て、少なくともこれ以上大きな税の流出にならないようにすべきと考えます。コロナの感染症法上の位置づけが2類から5類に移行する中で、経済正常化の波に乗れるよう新たな取組も必要と感じましたので、質問させていただきます。
 まず、ふると納税の仕組み、返礼品、手数料の決まりについて、加えて、制度開始時と直近令和3年度の全国のふるさと納税額についてお尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) ふるさと納税は、個人が行った地方自治体への寄附のうち、2,000円を超える部分について一定の上限まで所得税や個人住民税が控除される制度でございます。また、返礼品については、制度の趣旨を踏まえた良識ある対応が国から要請されており、地方税法及び総務省の告示において、返礼品の金額は寄附額の30%以内、郵送料などその他費用も含め寄附額の50%以内とされております。
 次に、全国におけるふるさと納税の受入額につきましては、制度開始時の平成20年度が81億円余、令和3年度が8,302億円余となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 返礼品競争が過熱し、ふるさと納税の規模が大変大きくなっていることが分かります。
 政令市のふるさと納税額の上位3市と本市への寄附額、品目数、人気の返礼品をお示しください。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 令和3年度におけるふるさと納税受入額上位3市について、都市名、受入額、品目数、人気の返礼品の順に申し上げますと、1位が京都市で62億円余、約3,000品、お菓子やおせちなどの加工食品、2位が浜松市で22億円余、約1,900品、ウナギやギョーザなどの加工食品、3位が名古屋市で21億円余、約1,800品、健康器具やドライヤーなどの工業製品、また、同じく福岡市については3億1,000万円余、約380品、お菓子やからし明太子、博多とんこつラーメンなどの加工食品となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 上位の政令市と本市とでは寄附額に大きな開きがあり、本市の返礼品の品目数もまだ増やさなければならない段階にあると考えます。
 この寄附額も全て本市に入るわけではありません。本市への3億円余のふるさと納税額に対し、返礼品や事務手数料などの経費を引いた額をお示しください。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 令和3年度おける返礼品や事務手数料などの経費は1億2,000万円余で、受入額3億1,000万円余から当該経費を差し引いた金額は1億9,000万円余となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) では、直近令和3年中にふるさと納税を利用した福岡市民の数と、それに対応する個人市民税のふるさと納税控除額についてお示しください。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 令和3年中のふるさと納税が対象となる令和4年度の個人市民税控除額は、人数が約11万7,000人、控除額は約72億円でございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 令和4年度の個人市民税のふるさと納税による控除額が約72億円とのことですが、このうち75%は国から地方交付税措置があることを踏まえると、実質的には25%の18億円が減収額となり、先ほどの1億9,000万円を引いた16億円ほどが本市からの流出額になります。この金額が減っていけばよいのですが、ふるさと納税額全体の規模拡大とともに、毎年本市からの流出額も増え続けていますので、この制度が続く限り、本市としても努力を重ねなければいけない状況にあるのではないでしょうか。まずはふるさと納税をリピート利用していただくための取組を確認します。
例えば、楽天ふるさと納税という寄附金上位のポータルサイトでは、年間カレンダーというページで季節の返礼品を紹介し、1年間に何度もふるさと納税をしてもらえるようにしております。本市でも季節の返礼品に対しての取組があるか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 福岡市における季節の返礼品としまして、現在、夏のシャインマスカット、冬のあまおうなどが登録されており、引き続き、季節ごとに繰り返し寄附いただけるような返礼品の充実に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) まだまだ季節の返礼品は少ないと感じますので、さらに品数の充実を図っていただくべきと考えます。肉や魚介類、工芸品などが人気の返礼品の中で、第3次産業で発展してきた本市にとって厳しい競争となっているわけですが、今後本市としては何を中心としてふるさと納税に力を入れていかれるか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 返礼品につきましては、これまでも博多織、博多人形などの伝統工芸品や、からし明太子、博多とんこつラーメンなどの特産品の登録に力を入れてまいりましたが、今後はこれらに加え、大規模イベントのチケットや飲食、宿泊の利用券など、福岡市の強みを生かすとともに、寄附者が来訪することにより経済波及効果も期待できる体験型返礼品の充実に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) コロナの位置づけが2類から5類に変わるタイミングで全国のふるさと納税も巣籠もり消費関連の返礼品の数が全体的に少し落ち込んだようで、経済として動き出す様子が数字にも出始めています。体験型に力を入れていくとなると、本市に来られた方の消費をつかむため、ふるさと納税の返礼品として地域の加盟店で利用できる電子商品券、電子ポイントを提供する事業もしっかり対応していく必要があると考えます。旅前、旅中、訪問先納税などと呼ばれる事業で、スマートフォンの専用サイトから寄附すると、返礼品として3割分の電子ポイントを受け取れるようになる仕組みです。旅行や出張で訪れた方が、その地域だけで使える電子ポイントを受け取れることで消費拡大を図り、観光関連業を中心にふるさと納税制度の恩恵を受けられるようになると考えます。使用期限があるため、本市へのリピートも旅行客も狙っていけると予想できるのですが、この旅先で使える体験型返礼品について、本市の取組と利用件数、利用された金額の推移をお示しください。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 福岡市では、事前に寄附を行うことで寄附額の30%分をポイントとして受け取り、登録がなされている宿泊施設や飲食店の支払いに利用できる電子ポイントを導入しております。運用を開始した令和2年度の利用件数は7件、利用金額は約6万円、3年度は174件、約330万円、4年度は265件、約480万円となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 直近で利用されたのが265件、480万円とは少な過ぎると感じますが、どのくらい使える場所があるのかが気になります。
電子ポイントの加盟店のうち、本市で登録されている事業者の数をお示しください。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 電子ポイントの登録事業者数は、レストランなどの飲食業で30、ホテルなどの宿泊業で31、合計61事業者となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 食のまち福岡で30事業者は少ないのではないかと思いますが、令和2年度から導入してこの対応事業者数についてはどのようにお考えでしょうか。また、事業者数を増やすため、今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 現在導入している電子ポイントは認知度が低く、加盟店も少ないといった課題があり、普及が十分ではないというふうに認識しております。今後、利便性の向上や寄附の増加につながるよう、認知度が高く、加盟店も多い新たな電子ポイントを採用するなど、登録事業者の拡充を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 利用時はスマホから専用サイトで支払金額を入力し、加盟店側が電子スタンプを押して決済します。加盟に際し、店側に費用はかかりません。長浜屋台も復活しましたし、ぜひ御答弁のとおり、使える場所をしっかり増やしていただきたいと考えます。
今後、いつまでにどのくらいの事業者数を目指していくのか、目標をお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 事業者数の目標につきましては、政令市の中で最も寄附額の多い京都市において、約500店舗の飲食店が電子ポイントに登録していることを踏まえまして、福岡市においても財政運営プランの推進期間である令和6年度末までに、これを超える登録事業者数となるよう取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 使える場所が限られていて、利用者が使える店を探し回るような制度ですと利用金額は伸びないと思いますので、まずは目標どおりの加盟店の状況をしっかり目指していただきたいと思います。
 最近、NFTという技術を活用したデジタル返礼品が出てきており、採用する自治体が増えてきておりますが、このNFTを活用した返礼品についてどのように御認識されているか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) NFTにつきましては、経済産業省の資料によりますと、偽造、改ざん不能のデジタルデータとされており、ブロックチェーン上でデジタルデータに唯一性を付与して真贋性を担保する機能や、取引履歴を追跡できる機能を持つとされており、一部の地方自治体ではこのNFT技術を活用した返礼品が採用されております。
 一方で、NFTについては関係法令が整備されておらず、総務省においてもNFT技術を活用した返礼品に関する明確な基準がいまだ示されていないことなどから、多くの自治体はその採用に慎重になっているものと認識しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 返礼品の資源に乏しい自治体や生き残りをかけた自治体が、このNFTを活用してふるさと納税で注目を集めています。政令市の中でもNFTを活用した返礼品への取組が始まっています。
 (パネル表示)一部御紹介ですが、このようなものです。地域の商品と組み合わせたサービスや景色と組み合わせたデジタルアート、ねぶた祭りのような体験型との組合せも出てきています。先日、視察に伺った堺市の担当の方も、何からどう提供してよいか分からないというところからスタートしたそうですが、何度も総務省に掛け合い、先進事例の自治体に連絡し、熱意を持って足を運び、金額面や条件面の交渉をしてNFTアート作品を返礼品に加えておられました。本市も返礼品の1次産品での競争、工芸品での競争では分が悪い状況です。
 そこで、NFTを活用したデジタル返礼品を新たにメニューに加え、宿泊、イベントなどの体験型返礼品との組合せをするなど、さらなる工夫をしてはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) NFTにつきましては、法的に未整理の部分があるものの、様々な分野に活用が広がっており、他都市においては現地を訪問するとNFTを使ったオリジナルグッズが入手できるといった体験型返礼品との組合せの事例もございます。福岡市としましては、今後関連事業者団体との意見交換や他都市の先行事例などを踏まえ、返礼品の活用について検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 御検討ありがとうございます。
 デジタル返礼品を活用して本市を訪れていただき、長く滞在していただくことができれば、さらなる経済効果が見込めると考えます。NFTを活用して長期滞在者への画像プレゼントやサービスを提供するなど、滞在日数を増やす工夫もできるのではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 滞在日数に応じてNFTを活用したデジタル返礼品などを付与することは、来訪者の増加や滞在日数の増加に寄与するものと考えており、返礼品の具体的な内容につきましても、関連事業者団体との意見交換や他都市の先行事例などを踏まえ、検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) ぜひ取組をお願いいたします。
 デジタル返礼品を使った呼び込みも駆使して、観光イベント、体験を目指して本市へ来ていただき、訪問先納税を使って消費を楽しんでいただけるようにしていく、さらに、限定のデジタルコンテンツや季節の品などの提供ができると滞在日数も増える可能性がありますし、本市へお越しになられた皆さんによるSNS等での情報発信が増え、大きなシティプロモーション効果が生まれる可能性があると考えます。近年成長した企業の中ではデジタル技術やデータの活用で大きくなったものも多数ありますし、最初はビジネスモデルが理解されにくい事業もあります。スタートアップ都市として力を入れていくのであれば、新しい挑戦を後押しする行政の姿勢はとても大切だと思います。
 ここまで返礼品の話をしてまいりましたが、ふるさと納税は返礼品をせずに寄附という形が財源として一番望ましいわけですので、寄附のメニューについても質問いたします。
 寄附メニューの御紹介や活用状況についてどのように説明を行っているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 寄附メニューの紹介や寄附金の活用状況につきましては、福岡市ふるさと納税特設サイトにおいて広く情報発信し、寄附を呼びかけるとともに、各メニューの詳細な活動内容を事業実績報告書として取りまとめ、寄附者の方にお知らせをしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 今はSNSで誰でも発信、宣伝ができる時代です。市民の皆さんに共感していただき、発信したいと思える仕組みを考える必要があります。ふるさと納税特設サイトを拝見する中で、寄附ですので返礼品がないのは分かりますが、寄附者限定動画を作成するなど、感謝の気持ちをお伝えしたり、その後の使われ方の実例などを御紹介して、寄附していただいた方がよかったと思える工夫はできないでしょうか。また、寄附メニューの紹介の仕方もあと幾らで達成、実現できますなどの具体的な周知があれば寄附の底上げにつながるのではないかと感じましたが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 寄附をしていただいた方に対しましては、お礼状を作成し送付するとともに、寄附の使われ方に御理解や御納得をいただけるよう、事業実績報告書の中で寄附金を活用した事業の進捗状況や活動の様子などのほか、近年は各寄附メニューの担当者の感謝の言葉を掲載するなどを工夫いたしております。今後とも、繰り返し寄附していただけますよう効果的な広報、PRに努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 提案を受け止めていただき、ありがとうございます。本市であれば挽回していけると期待しております。
 ふるさと納税をシティプロモーションとして企業、行政、市民で一体となって発信していくにはどうしたらよいか。先日、視察させていただきました島根県美郷町でのお話ですが「自治体のブランディングは産官民が力を合わせなくてはいけない。行政が主導しているブランディングにおいて企業や住民は受け身になりがちなため、まちの魅力が発信されにくい」というお話でした。事業者や市民の皆様の要望や願いが入ってこそ皆様も共感し、ふるさととしての関心を持って捉えてくださいます。
 また、デジタル技術の進歩は早く、試行錯誤も必要ですが、先行者利益が大きいことも周知の事実です。このふるさと納税制度は国に制度の在り方を問うべきところもあり、地域資源に乏しい自治体は苦しんでいる制度でもあります。本市がこの分野の最前線で工夫をし、知恵を出すことは、全国のロールモデルとなり、ほかの自治体への希望にもなり得ると考えます。DX先進都市として力を入れていくんだということを内外に示すためにも、デジタル人材をこの福岡市に集めるという意味でも、納税額の増額だけではない、未来につながるシティプロモーションとしても大きな意味を持つとも考えます。
ふるさと納税について、今後どのように取組を進めていかれるのか、髙島市長の決意をお伺いして、この質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 全国から福岡市に寄せられておりますふるさと納税につきましては、福岡市を応援したいという気持ちの表れで、様々な事業の貴重な財源として大切に使わせていただいており、大変ありがたく感謝を申し上げます。
 一方で、ふるさと納税制度によります減収額の拡大は、財源の確保の面から課題であると認識をしておりまして、福岡市経済の9割を支える第3次産業を振興する観点からも、交流人口の増加や経済波及効果も期待できる体験型返礼品の充実を図ってまいりたいと考えております。今後とも、議員からいただいた様々な御提案も含め、返礼品の充実や返礼品を活用したシティプロモーションに努め、より多くの皆様から福岡市の施策や事業に共感や賛同を得られ、ふくおか応援寄付の拡大につながるようにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 次に、災害弱者への対策についてお尋ねいたします。
 近年、日本各地で大規模な災害が多数発生しています。地震や水害が思わぬタイミングで発生し、今後も警戒が必要な状況が続いています。2016年に熊本も大地震に見舞われ、災害時だけでなく、避難生活による災害関連死でもお亡くなりの方が多数出ました。本市でも過去に水害と地震発生の事例もあることから、災害発生時の対策についてはたくさんの議論がなされてきましたが、改めて命を守るための備えという点からお伺いいたします。
 災害発生時に救急搬送できる病院数と非常用電源の確保数をお示しください。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 災害発生時に救急搬送される可能性のある災害拠点病院及び救急告示病院につきましては39施設あり、このうち非常用電源が確保されているのは37施設でございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 災害拠点病院は72時間の非常用電源の維持が義務化されていますが、緊急搬送される可能性のある他の病院は努力義務となっており、緊急搬送されたのにもかかわらず、数時間で停電になる可能性もあります。非常用電源の確保施設37施設の中で72時間利用可能な施設は幾つあるか、お示しください。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 72時間利用可能な施設につきましては、12施設でございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 災害拠点病院については、災害時に搬送できなかった事例もあることから、災害拠点病院だけでなく、他の緊急搬送される可能性のある病院にも非常用電源の充実を目指すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 災害拠点病院以外の救急告示病院につきましては、県の非常用電源の整備のための補助制度を活用し、整備強化を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 努力義務とはいえ、緊急搬送される病院37か所のうち、12か所しか72時間の電源確保ができていない状況については、補助制度を積極的に周知し、整備の強化を要望します。
 次に、福祉避難所についてお尋ねします。
 熊本地震の後、福祉避難所の場所を公開すべきであると公明党として要望してまいりまして、現在は本市でも福祉避難所を公開していただけるようになりました。福祉避難所が公開されたことで、災害発生時には、避難される際に対象の方が福祉避難所に直接向かうことはできるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 福祉避難所につきましては、あらかじめ協定を締結した高齢者施設等に開設することとしており、避難の際は、まずは一時避難所である公民館等へ避難していただき、配慮が必要な状況や協定施設の被災状況、受入れ体制等を確認の上で、二次避難先である福祉避難所へ移っていただくこととしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 現状ではほかの方と同じ一時避難所へ避難の後、職員によるマッチングを経て福祉避難所に避難するため、災害時に対応が追いつかない可能性が高いと考えられます。労力がかかるだけでなく、福祉避難所を必要とする方に対し、受け入れる施設に余裕がなければマッチングすることもできなくなります。
本市の福祉避難所の数と、このうち非常用電源を確保されている数をお示しください。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 福祉避難所の数は152施設であり、このうち121施設において非常用電源が確保されております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 熊本市は人口73万人に対して福祉避難所は199か所です。熊本市と比べて人口163万人の本市の福祉避難所が少ない理由についてお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 福祉避難所の状況につきましては、市域や協定締結の対象となる施設の状況、設置の経緯等により異なっているものと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 現在の福祉避難所数で災害時に対応は十分とお考えでしょうか。福祉避難所になり得る事業者に対し、行政がサポートや補助の提案をしながら、福祉避難所確保への努力をすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 福祉避難所につきましては、令和4年度から、希望する施設に対して非常用圧縮毛布や非常用電源などの配付を開始するなど、各施設への支援や働きかけを強化しているところでございます。令和4年度の1年間で新たに29か所を確保したところであり、今後ともこうした取組をしっかりと推進してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 本市の福祉避難所の確保についてはまだ不足していると考えられますので、さらなる確保を要望します。
 先ほどの答弁で非常用電源が設置されていない福祉避難所もありましたが、個別避難計画作成の際に知ることはできるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 個別避難計画の作成に当たりましては、協定を締結している施設と調整の上で、非常用電源の設置状況等も含め、必要な情報を提供してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 現時点では非常用電源の確保ができていない施設もあるようですので、この点は明確にし、情報提供をしていただけるよう要望します。
 続いて、要支援者として自力での避難が難しい方の人数と個別避難計画の作成数をお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 避難行動要支援者名簿の登載者数につきましては、令和4年5月時点で2万6,653人となっており、このうち地域への名簿提供について、本人の同意を得た方、または拒否をされなかった方は1万9,504人となっております。
 また、個別避難計画の作成数は、令和4年度の集計で1,760件となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 個別避難計画の作成数1,760件というのは、名簿提出者1万9,504人から見て10%以下という現状ですが、要支援者で個別避難計画ができていない方について、理由をお尋ねいたします。また、どのように改善していく予定なのか、御所見もお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 個別避難計画の作成につきましては、地域からは、特定の方の避難支援を担当することに対する精神的負担や責任が大きいとの意見や、計画の作成方法が分からないといった意見を伺っております。このため、地域へのガイドブックの配付や出前講座の開催のほか、自治会、町内会に出向いて作成支援を行うなどの取組を進めており、より一層の作成推進を図ってまいります。特に心身の状況や居住地域の災害危険度などを踏まえ、計画作成の優先度が高いと判断される要支援者につきましては、福祉事業者と連携し、計画の作成を進めていくことといたしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 名簿提出者1万9,504人の中で、計画作成の優先度が高い要支援者の数は何人になるか、お示しください。また、福祉事業者と連携した個別避難計画作成の取組についてはどのように進めていかれるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 計画作成の優先度が高い要支援者につきましては、約2,000人となっており、このうち計画作成に同意された方は約1,000人となっております。また、この方々の個別避難計画については、令和3年5月に示された国の取組指針において、今後おおむね5年程度で作成に取り組むこととされておりまして、福岡市では、令和4年度に福祉事業者と連携した計画作成をモデル的に実施した上で、令和5年度からは本格実施をしており、早期の計画作成を目指して集中的に取り組んでいくことといたしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 計画作成に同意された、言わば避難計画をつくってほしいという方が1,000人ということです。公明党としては個別避難計画の作成を以前から要望してまいりました。今回もモデル的という言葉を使われていますが、事前にお聞きしたところによると、昨年の個別避難計画の作成数は19件でした。日頃要支援者との接点があるデイサービスなどの福祉事業者と連携を強化して作成すれば、このような作成数にはならないと考えます。集中的に取り組んでいかれるという御答弁に対し、今年こそは大幅な作成数に期待します。
 続いて、災害時に最も命の危険があると考えられる人工呼吸器を使用している方についてお尋ねいたします。
 在宅で24時間人工呼吸器を使用している方の数と個別避難計画の作成数をお示しください。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 24時間在宅で人工呼吸器を使用している方の数につきましては、令和5年4月末時点で67人となっております。
 個別避難計画につきましては、令和3年度から試行的に作成に着手しており、令和5年5月末時点では49人分の計画作成を完了いたしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 人工呼吸器の方に対し、7割程度の個別避難計画は作成されているようですが、停電時に12時間以上のバッテリーを確保されている方の人数をお示しください。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 確保されている方の人数につきましては、個別避難計画の作成が完了した49人のうち、26人でございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 人工呼吸器を使用している方の停電時の電源確保のための補助や助成制度などがあればお示しください。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 人工呼吸器を使用している方に対する電源確保につきましては、現在、助成制度はございません。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 先日、視察してきました神戸市では、保健師によって116人中107人の個別避難計画が作成されておりました。また、人工呼吸器使用患者への非常用電源装置等の購入費用を令和2年度から9割の助成をしていました。12万円、6万5,000円、5万円の3つの品目で、3名が12万円、82名が6万5,000円の助成を受けられたとのことでした。なぜ非常用電源の助成が必要なのか。停電になってもすぐにはバッテリーは切れないと思われるかもしれません。人工呼吸器の方の電源は大体6時間くらいはもつそうですが、災害時には緊急搬送するにしても、12時間程度はもたないと命に関わるからだそうです。年間300万円ほどの予算に対し、140万円から150万円ほどの申請数とのことでした。災害拠点病院以外の緊急搬送先の電源も努力義務のため、何時間もつか分からず、福祉避難所の数は足りず、また非常用電源も全ての福祉避難所に設置されていません。
本市でも人工呼吸器の方への非常用電源の助成について、災害発生時に命を守るための備えとして必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 非常用電源確保のための助成につきましては、個別避難計画の作成状況や内容等を踏まえるとともに、他都市の状況を参考にしながら、関係局と連携し、しっかり検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 検討していただけるとのことですので、ぜひ早期の実現をお願いいたします。
 令和3年5月に災害対策基本法の一部を改正する法律が施行されましたが、その改定の趣旨には、指定福祉施設の指定を促進するとともに、事前に受入れ対象者を調整して、人的、物的体制の整備を図ることで災害時の直接の避難等を促進し、要配慮者の支援を強化するとあります。本市にはLINEによるオンライン避難訓練、防災アプリ、ツナガルプラス、防災行動計画マイ・タイムラインとありますので、そのいずれか、もしくは組み合わせて活用しながら、持病や障がいのある方を災害時は最初から指定された福祉避難所へ御案内し、直接避難の体制を目指していくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 福祉避難所への直接避難につきましては、要支援者それぞれの状況により、受入れ体制等を整える必要があることから、協定を締結している施設等と協議を行うとともに、市民局とも連携し、個別避難計画の作成を通じて対象者の調整を行うなど、その在り方について検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 直接避難の体制づくりをぜひよろしくお願いいたします。
 医療機関なども事前に避難者情報があれば対応が取りやすいとのお話もあります。近年の全国の災害発生率を考えると、事前に個別避難計画の作成率を上げ、決めておけることは決めて、非常用電源で生命維持できる時間を確保しながら、臨機応変に対処する作業を極力減らしておくことが必要であると感じます。防災先進都市として全国に先駆けて避難対象者、福祉避難所、行政で事前の体制づくりをさらに進めていくべきと考えます。
 最後に、災害弱者への対策について、防災先進都市としての観点から、髙島市長に御所見をお伺いし、質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 近年、毎年のように全国各地で大規模な自然災害が発生をしておりまして、防災、減災の対策を推進していく上で、議員御指摘のとおり、災害時における要配慮者への取組は大変重要であると考えております。このため、災害時の非常用電源の確保や個別避難計画の作成、福祉避難所の拡充などを進めているところでございまして、災害時に要配慮者が安全に安心して避難できるように、さらにしっかりと取り組んでまいります。今後とも、市民の貴い命と財産を守ることを第一に、災害に強いまちづくりを進め、防災先進都市福岡を目指してまいります。以上です。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
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