▼令和5年 第4回定例会 田原 香代子 一般質問 (令和5年6月21日)

○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子)登壇 公明党の田原香代子でございます。初めての一般質問で大変緊張しておりますが、信託いただいた御期待にお応えすべく、市民の皆様お一人お一人の声に寄り添い、市政に届けられますよう精いっぱい努めてまいります。いただいたお声の中から、不妊治療の助成について、ファミリー・サポート・センター事業について、公明党福岡市議団を代表して質問いたします。
 初めに、不妊治療助成についてです。
 不妊治療の保険適用から1年がたち、経済的負担が減って助かるといった声が多く寄せられています。令和2年に不妊治療の体外受精によって生まれた子どもは6万381人に上り、この年の出生数全体の約14人に1人に当たります。経済的負担を減らし、妊娠、出産を諦めることがないよう、昨年4月、不妊治療の保険適用を拡大し、これまでの原因検査などに加え、1回数十万円かかる体外受精や顕微授精などが保険で新たにカバーされることになりました。患者の自己負担は原則3割に抑えられ、1か月の自己負担額に上限を定める高額療養費制度も使えます。一方で、今までの助成制度に比べ経済的負担が大きくなったとの声や、また、40歳を境に保険適用回数が減ることへの要望なども聞かれます。結婚をしない、子どもを持たない生き方を選択する方ももちろんいらっしゃいますが、結婚したくとも相手に巡り会えず結婚の機会が遅くなったという方が結婚後、今度は子どもを授かることができるのかと大きな不安を抱えています。
 そこで、不妊治療の現状及び本市の不妊治療に関する取組についてお尋ねいたします。
 現在、不妊治療にはどのような種類があり、どのように治療を進められているのか、お尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問を行います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 不妊治療につきましては、対象者の状況に応じた治療法が選択されるため、治療の進め方は様々であると認識をしております。主な治療法としましては、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精などがございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 年齢や状況により様々な治療があります。女性だけの問題ではなく、男性も共に治療を受け、夫婦で不妊治療に取り組む重要性が訴えられています。また、本市では、早い段階から妊娠、出産の知識を持ち、自分の体への健康意識を高めるプレコンセプションケアの取組を実施されております。30歳になる女性へクーポン券を送付し、自己負担額500円で卵巣内の卵子の数の目安が分かる検査や、健康管理に役立つアドバイスを受けることもできます。人生設計の中で妊娠時期を考える機会となる取組で、不妊治療に挑戦するきっかけにもなると考えます。ぜひ継続的な取組、周知をいただければと思います。
 では、令和4年度に不妊治療の保険適用が拡充されましたが、保険適用前の令和3年度における不妊治療の助成実績をお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 令和3年度の助成件数は4,339件、助成金額は8億4,094万円余でございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 本市の令和3年度における不妊治療費助成において、40歳以上の方への助成件数及び不妊治療費助成全体に占める割合をお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 令和3年度の40歳以上の方への不妊治療費助成件数は1,062件でございまして、不妊治療費助成件数全体の28.8%となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 40歳以上の申込件数が全体の3割弱と、保険適用前から40歳以上の不妊治療の需要の高さがうかがえます。
 そのような中、保険適用に年齢制限がありますが、なぜ43歳未満となっているのか、教えてください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保険適用の年齢制限につきましては、国の不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会において、年齢別の妊娠、出産に伴う様々なリスクなどの分析、評価の結果、妊娠の可能性と母体のリスクを考慮し、43歳未満とされております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 御答弁いただきましたとおり、不妊治療の保険適用年齢は43歳未満とされていますが、視察で伺った東京都の稲城市では45歳未満の方を対象とした不妊治療の助成を実施しております。市の担当者に保険適用よりも適用年齢を引き上げた背景についてお聞きしたところ、市長が真の少子化対策は産みたいと思っている人に対して最大の支援をするものでなくてはならない、43歳になったから、保険適用の3回目の治療が終わったからと諦める人を一人でも救いたいとリーダーシップを取り、助成制度が実現されました。対象年齢を選定した理由として、女性が変調期を迎える年齢が一般的に45歳からであることを鑑み、区切りとしたとのことでした。市民の皆様からも諦めずに不妊治療に挑戦したいという声や、病院からも多くの問合せがあり、患者さんに勧めているなど大変好評であるとのことでした。
 本市でも令和3年度不妊治療の助成制度を申し込んだ3割弱が40代以上であったことを鑑みると、保険適用年齢を超えても妊娠を望む方が多いと考えます。
 本市でも43歳という保険適用年齢を超えての独自助成に取り組むべきと思いますが、御見解をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市独自の助成についてのお尋ねでございますが、妊娠の可能性や母体のリスクなど、医学的知見を踏まえて設定された年齢を超えて助成することについては慎重な判断が必要と考えており、国の検討会においては、妊娠の年齢が上がると妊娠高血圧症候群等の産科合併症の発症が増加するなど、女性や子どもの健康を害するリスクが高くなる傾向があると示されております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 次に、6月から福岡県でも不妊治療助成事業の受付が始まったと伺いましたが、内容についてお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡県が実施する福岡県不妊に悩む方への先進医療支援事業は、保険診療による体外受精などの不妊治療と併せて行われる先進医療に係る費用について助成するものでございます。助成対象は、治療開始日の妻の年齢が43歳未満の夫婦となっておりまして、助成回数は初回助成時における治療開始日の妻の年齢が40歳未満の場合は6回まで、40歳以上43歳未満の場合は3回まで、助成金額は先進医療にかかった自己負担額の7割または5万円のどちらか低いほうの金額となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 県の不妊治療助成は先進医療を対象としたものであり、現在の保険適用回数や年齢についての助成はありません。
 京都府では、40歳未満の方は保険適用を超えてプラス4回を助成、また、40歳以上43歳未満の方はプラス7回を助成する事業を実施、それぞれ10回まで不妊治療の助成を行っています。なぜそこまでの助成を行ったのか、京都府知事は助成の目的をこのようにお話しされています。「不妊治療を受けることにより生まれてくるお子さんが一定数いる。一方で、不妊治療はお金もかかるが、時間もかかる。二の足を踏んでおられる方も非常にいらっしゃる。せめて経済的負担をできる限り軽減したい。少子化のときに不妊治療を受けられている方は、子どもを生み育てたいと思っている。その望みを実現したいという強い思いで特に支援を強化した。保険適用にかからない分については独自の支援を行う」とお話しされておりました。
 本市でも保険適用に加え、1回でも多く助成を行うことができないか、御見解をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保険適用外の治療に対する助成につきましては、国の検討会において、妊娠の可能性や母体のリスクに加え、長期間の治療による身体面や精神面への負担にも配慮することが必要であると示されており、助成を行うことについては慎重に判断をする必要があると考えております。今後も、国や県の動向を注視するとともに、相談支援などを通して不妊治療に関する声の把握に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 先日、保険適用3回目の不妊治療を終えたばかりの女性にお話を伺いました。不妊治療には大きな壁として、環境、ストレス、金銭面の3つの壁があるとお話しされました。
 1つ目は環境です。不妊治療を行う女性の多くは仕事をしながら治療を実施します。月経開始の5日目から飲まなくてはならない薬があるなど、不妊治療には予期できぬ来院も多くあり、そのたび職場を早退したり、お休みをしたりしなくてはなりません。理解のある職場であったり、協力いただける環境であれば不妊治療も可能ですが、難しい職場もまだまだ多いと考えます。
 本市で不妊治療を行っている女性が仕事をしながら治療の実施を諦めた人数や割合など教えてください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 令和4年度に市民局において実施しました健康課題等と仕事の両立に関する事業所等実態調査によりますと、不妊治療経験があると回答した方のうち、仕事と治療を両立しているが69.3%、治療をやめたが10.2%、仕事を辞めたが7.2%となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 仕事と両立できなかったために子どもを授かる可能性があった方が治療を断念した現状も改善が必要です。
 2つ目は精神的ストレスです。「保険適用2回目も実らなかった」、「職場に休みをもらえるものの、周りの目が厳しい」など、不妊治療を続ける上で精神的に疲れてしまうことも多いなどストレスが絶えません。
 このような場合、本市では不妊治療の相談ができる窓口はありますか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 不妊治療の相談ができる窓口につきましては、平成29年度に福岡市役所本庁舎地下に不妊・不育専門相談センターを開設し、不妊カウンセラーや医師が不妊に悩む方に寄り添ったカウンセリングや、妊娠、出産に関する正しい知識の普及啓発を行っております。開設時間につきまして、月曜日、火曜日、木曜日は午前10時から午後5時まで、水曜日と第2、第4土曜日は昼の12時から午後7時までとなっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 心強い支援です。相談を受けた方は御存じなかったため、ぜひ広く周知いただけると大きな支えになると考えます。
 最後の3つ目は金銭面です。不妊治療は保険適用となったとはいえ、高額な治療です。
 保険適用を行った場合、不妊治療の費用はどの程度かかるのか、お示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保険適用を行った場合の不妊治療の費用につきましては、対象者の状況に応じて治療の進め方や組合せが異なっていることから費用は様々でございますが、国の調査によりますと、体外受精に係る費用は保険適用前の金額で平均約50万円となっており、保険適用後の自己負担はその3割で高額療養費制度の対象にもなるものでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 保険適用を行った上でも費用が高額であり、保険適用外で治療を進める場合は大変な負担になると想像ができます。保険適用内で妊娠が実らなかった場合、金銭面を理由に諦めざるを得ないというのが現状です。金銭面をサポートすることで、働かなくてはならない1つ目の壁、環境面を変えたり、それに伴って起きる2つ目の精神的ストレスも緩和される場合も大いにあると考えます。また、保険適用になったことで金銭面での負担が大きくなった方もいらっしゃると伺いました。
 令和4年度に不妊治療の保険適用が拡充されましたが、患者の負担が増えるケースはありますか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 不妊治療につきましては、体外受精などの基本的な治療が助成制度から保険適用に変わったことで、多くの方は基本的には経済的負担が軽減されているものと考えておりますが、治療内容によっては負担が増える場合もあると認識しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) お示しのとおり、治療内容によっては負担増となる例もあります。香川県高松市では、現在の保険適用より以前の特定不妊治療助成制度のほうが負担軽減される場合、助成を行っております。
 本市でも負担が増えた方への助成を検討いただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保険適用後に経済的負担が増えた方への助成につきましては、国による保険適用の拡充や県による先進医療の助成が行われているところでございまして、引き続き国や他都市の動向を注視してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 少子化が深刻化している今、子どもが欲しいと願う夫婦が子どもを授かる手だてとして実施する不妊治療が高額であるという問題は解決しなくてはならない課題と認識します。年齢を重ねての出産は母体へのリスクがあることや、生まれてくる子どもの安全性の観点から一定の線引きは必要でありますが、40歳以上の方の助成制度の利用の割合も多かった本市では、年齢制限、回数制限、以前の助成に比べ高額になった方への支援にぜひ取り組んでいただきたいと要望いたします。
 さきにお話しした相談者は、不妊治療に悩み、苦しんでいることを議会で取り上げてくださるのなら不妊治療をした意味があると語られ、最後の治療と心に決めた彼女の言葉に胸のつかれる思いでした。
 安心して不妊治療を受け、出産できる環境をつくっていくために、助成の拡充にぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、髙島市長の御所見をお伺いし、この質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 不妊治療につきましては、保険適用の拡充に伴い、安心して治療を受けることができる基盤が整備されたところであり、追加支援につきましては、妊娠、出産に伴う様々なリスク等も併せて考慮する必要があると考えております。福岡市では、ライフプランを考えるきっかけとなるプレコンセプションケアに関する助成や、また、不妊に悩む方々の気持ちに寄り添った相談支援、不妊治療の理解を促進する社会的機運の醸成など、引き続き、様々な施策を通して、安心して生み育てられる環境づくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 次に、ファミリー・サポート・センター事業についてお尋ねいたします。
 身近に育児を頼る人がいない夫婦にとって、地域における子育て支援事業ファミリー・サポート・センターは大変ありがたい存在です。
 初めに、本市のファミリー・サポート・センター事業の概要をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ファミリー・サポート・センター事業につきましては、子育ての支援を受けたい方と子育てを支援できる方がそれぞれ依頼会員、提供会員として登録し、地域の中で育児の相互援助活動を行う事業でございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 現在の、子育てを支援してほしい依頼会員、子育てを援助する提供会員、子育てを支援、援助どちらも行う両方会員の人数をお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 本事業の会員数でございますが、令和4年度末現在で依頼会員が4,286人、提供会員が1,035人、両方会員が498人でございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 本市でも子育て世帯を地域で支えていただいております。
 ファミリー・サポート・センター事業を利用して子どもをお預けするときの料金については、令和元年10月1日にスタートした幼児教育・保育の無償化の対象となるかを教えてください。また、その旨が記載されている資料などあるか、お伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 本事業につきましても、保育の必要性等の認定を受けている場合には国の幼児教育・保育の無償化の対象となっており、市ホームページの幼児教育・保育の無償化制度等を紹介するページのほか、本事業の会員の手引にも掲載をしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 会員の手引は会員になってから配付されるものだと思います。会員になる前の周知が必要と考えますが、先月、市のホームページを確認したところ、本市のファミリー・サポート・センター事業の紹介ページには無償化に関する記載がありませんでした。他都市のホームページでは、ファミリー・サポート・センターの紹介ページに幼児教育・保育の無償化のリンク先が掲載されております。無償化の問合せは多いとお話がありました。
 本市でもファミリー・サポート・センター事業を紹介するホームページへの記載を行うことで保護者へ情報が届きやすくなると考えますが、現時点ではどのようになっていますか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市ホームページのファミリー・サポート・センター事業を紹介するページにおきましても、保育の必要性等の認定を受けている場合には本事業が国の幼児教育・保育の無償化及び福岡市が行う第2子以降の無償化の対象であることを掲載したところでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 早急な対応ありがとうございます。皆様にも会員になる前から情報が届くことと思います。
 また、本市できょうだいが同時利用する際、利用料金の割引を行っています。非常にありがたい制度です。仙台市、さいたま市、千葉市など他政令市では、ひとり親家庭のお預かりに対し、半額を助成する制度を実施しています。ひとり親家庭にとって子育ての手を地域で借りることができるだけではなく、費用の助成も行うことは大きな支援につながると考えます。ひとり親家庭の預かりでは、視察で伺った千葉県市川市のファミリー・サポート・センターでは、急な出張などで預け先がない方のために宿泊でのサポートも行っているとのことでした。
 本市では、ファミリー・サポート・センターを利用するひとり親家庭への助成はないのでしょうか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市のファミリー・サポート・センター事業におきましては、ひとり親家庭であることを要件とした助成は行っておりませんが、本事業の会員登録時などにひとり親家庭等を対象に保育サービスや家事援助を支援するひとり親家庭等日常生活支援事業を必要に応じて御紹介しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) ひとり親家庭等日常生活支援事業は負担費用も抑えられており、家事支援なども行っているため、非常に活用しやすいと考えます。利用は1年に20回が限度となっておりますので、毎週送迎やお預かりをお願いする場合は回数が足りず、また、地域の方を頼りたい場合にはファミリー・サポート・センターを利用することとなります。ぜひファミリー・サポート・センター利用時の助成についても要望いたします。
 次に、ファミリー・サポート・センターでお預かりできる子どもの月齢をお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ファミリー・サポート・センター事業におきましては、原則、生後3か月から小学校6年生までの子どもを預かりの対象としております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 3か月に満たない乳児の預け先はありますか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市では産休明けサポート事業として、生後8週間から保育所へ入所ができる生後3か月までの間、産休明けからの保育が必要な方を対象にベビーシッター派遣費用の一部を助成しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 産休明けサポート事業の利用条件、利用手続についてお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 産休明けサポート事業の利用条件につきましては、生後8週間から生後3か月までの子どもの保護者で、就労等により保育が必要と福岡市が認定する方を対象としております。利用手続については、区役所で生後3か月以降の保育所等の利用申込みをしていただいた上で、原則、利用希望日の2週間前までにベビーシッター派遣事業者と直接契約を結んでいただくこととしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 産休明けサポート事業は、産休中、保育所の利用申込みが条件となっており、14日前に手続が必要です。
 3か月未満の乳児を預けたい方を全てカバーできるわけではないと認識しますが、いかがでしょうか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ファミリー・サポート・センター事業におきましては、福岡市の保育施設等の入所要件を勘案しまして、生後3か月未満の乳児は預かりの対象としておりません。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 市民相談で、3か月未満の乳児を預けられる先がないことに非常に苦労したとのお話を伺いました。3か月未満の乳児を預かる環境が整っていない現状、地域の提供会員が安全を確保し、預かりが可能であれば、預け先に苦労する保護者の大きな助けになると考えます。
 市川市では2か月以上の乳児を預かっています。事業スタート時は生後6か月から小学校3年生までの預かりとしていましたが、多子世帯のお母さんが生まれて間もない下の子どもの預け先に困っている、何とかしてあげたいなど預かる側から積極的な声が上がり、拡充に踏み切ったとのことでした。政令市でも、仙台市、堺市では生後2か月以上、豊島区、世田谷区では43日以降など本市より月齢の低い乳児の預かりを実施しています。
本市でも預け先に困る御家庭を援助できるよう預かりの月齢を拡充すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市の保育施設等における保育は、国の中央児童審議会の意見具申に基づき生後3か月以上としており、ファミリー・サポート・センター事業はその取扱いに準じたものといたしております。本事業における子どもの預かりを生後3か月未満の乳児に拡大することは、依頼会員と提供会員の双方が安全、安心に育児の相互援助活動を行う上で課題があると認識をしているところでございます。今後、その課題に対する他都市の対応策について調査してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 預けられる月齢が広がることで保護者の負担の軽減につながると考えますので、双方安心の預かりが実現できますよう、ぜひよろしくお願いいたします。
 一方で、会員同士の事前打合せも重要であると考えます。視察で伺った埼玉県新座市では、ファミリー・サポート・センターに勤務するアドバイザーが事前打合せにも同行し、提供会員の人となりや御自宅も拝見しマッチングしているため、双方安心の預かりができているとのことでした。
 本市の子どもを預ける際の依頼会員、提供会員の事前打合せはどのように行われていますか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 依頼会員と提供会員の事前打合せにつきましては、原則として提供会員の御自宅で依頼会員と提供会員の2者間で行うこととなっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 市川市では、市を8分割し、それぞれの地区にボランティアで地区リーダーを設置し、会員同士が初対面となる打合せにも必ず同席しております。依頼会員が提供会員の人柄に安心し、事前になかった追加依頼を突然伝えることもあるそうですが、断りづらい提供会員に代わって円滑な打合せに貢献しているとのことでした。また、提供会員の自宅に直接リーダーが伺うことで危険箇所も会員とともにチェックし、事故のない預かりにつなげているとのことでした。
 会員だけの事前打合せで起こり得る課題にはどのように対処されていらっしゃいますか、また、実際にお困り事などはありますか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 依頼会員、提供会員ともに、会員登録の前に受けていただく講習の際に、本事業において対応できること、対応できないことについて説明を行い、御理解、御納得をいただいた上で会員登録をしていただいております。事前打合せの際などに何か困り事がございましたら、ファミリー・サポート・センター支部のアドバイザーが相談に応じ、必要に応じて仲介するなどの対応をしているところでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 御相談を伺う中で、身近に預け先がない方がファミリー・サポート・センターの存在を知り、会員登録後、事前の打合せに臨みましたが、預け先の提供会員のお宅で行う原則だったものが近隣の公園での打合せに変更となり、預け先を確認できないままだったため、お預けを断念されたとのことでした。子どもを預けることができず、歯医者さんでお子様を胸に抱いたまま治療を受けられたそうです。赤ちゃんが動いて機械などに当たってしまわないか、大きな不安を抱えたまま治療を受けられたとのことでした。
 新座市、市川市どちらも第三者が事前打合せにも参加され、会員にとっても心強く、預かる会員の自宅を拝見できるなど、運営側にとってもマッチングしやすくなるとのことでした。
 本市でも事前打合せの前に注意事項を徹底いただき、お困り事があればアドバイザーに相談できるよう工夫いただいておりますが、実際に当事者同士の打合せで順調に進むよう何か工夫されていることはありますか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 会員間の事前打合せが円滑に進むように、依頼会員の登録の際にファミリー・サポート・センター支部のアドバイザーが当該会員の家庭や子どもの状況、依頼したい内容などを丁寧にお伺いし、マッチング時にその情報を提供会員に十分にお伝えすることとしております。事前打合せが順調に進まなかった場合でございますが、会員からの相談に応じてアドバイザーが再度の日程調整の御提案や別の提供会員を御紹介するなどしております。引き続き、安心して子どもを預けていただけるような対応に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 調整やヒアリングを行うアドバイザーの方も、依頼会員の心情に寄り添い、お困り事に対し、細やかに対応してくださっていることと存じます。そのような中で、今後も双方安心してお預かりができますよう御対応をよろしくお願いいたします。
 次に、預かりの日程調整についてお伺いいたします。
 依頼会員と提供会員との預かりの日程調整が難しい場合はあるのか、また、難しい場合はどのように対処されているのか、お伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 御紹介している提供会員と依頼会員の希望の日程が合わない場合もございます。そのような場合は、依頼会員からの御希望に応じて別の提供会員を御紹介しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) このような事態を回避するためにも、どの地域でも苦労していると思いますが、提供会員の増加や充実を図る必要があるかと思います。
 では、提供会員になるための要件をお尋ねします。また、提供会員を増やす上での課題とその対応はどのようにされているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 提供会員になるための要件につきましては、市内在住で心身ともに健康、自宅で安全に子どもを預かれる方としており、会員登録に当たっては講習会を受講していただく必要がございます。また、提供会員を増やす上での課題としては、講習会の受講を負担に感じることが理由の一つであると考えております。そのため、国が参考として示す24時間の講習カリキュラムのうち、登録前の講習においては安全、安心に預かるために必要な項目に絞り、登録後のフォローアップ研修を充実させるなど工夫することにより、負担の軽減を図っているところでございます。また、地域における子育て支援の担い手の育成を目的に県などが実施しております子育て支援員研修の修了状況を踏まえまして、講習会の一部を免除することとしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 本市では受講時間なども工夫していただきながら、提供会員増加の取組をいただきありがとうございます。
 広報については、市政だよりや公民館だよりなどで行っていただいていると思いますが、より広い範囲で市民の皆さんの目に留まるよう広範な周知を行うべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 本事業は会員同士の相互援助活動という性質であることから、ボランティアや子育てに関心のある層への広報が効果的であると考えております。事務局の社会福祉協議会等と協議しながら、市民の皆様に広く周知できるよう取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 市川市では、クリスマス会や定期的な懇親会に加え、提供会員継続5年時にファミリー・サポート・センターから表彰を、継続10年で市長表彰を実施するなど、提供会員の継続にも力を入れているとのことでした。登録中の提供会員のモチベーション向上にもつながっているとのことです。
 提供会員を増やすためには、さらなる取組が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 提供会員数の増加に向けて、今後とも、地域ボランティアに関心のある方が集まる場など効果的と考えられる場での継続的な周知、広報にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) さきに紹介したお子様を預けらなかった保護者も、行政が取り組む子育て支援事業は安心感があるからこそ、ぜひ今後も利用しやすい環境づくりをお願いしたいとおっしゃり、また、御自身の子育てが一段落した際は提供会員としても地域子育てに貢献したいとのことでした。今子育てに奮闘している方々を地域で支える本事業をさらに充実させ、様々な事情でお子さんを預ける環境がない方の預け先を確保する苦労が少しでも改善されますよう働きかけをよろしくお願いいたします。
 本年度からも様々な子育て支援を打ち出し、環境が整う中、地域子育ての充実を図ることで健やかな子どもの成長につながると考えますが、髙島市長の御所見をお伺いし、質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 子どもは、一人一人が未来をつくるかけがえのない存在であり、子ども・子育て施策の充実は重点的に取り組むべきものと考え、令和5年度予算では子育て応援予算として、多子世帯への支援、サポートを必要とする子どもへの支援、全ての子育て世帯への支援という3つの柱で支援策を大幅に拡充して、子育て家庭をしっかりと支えていくこととしております。今後とも、市民の皆さんが安心して生み育て、子どもが健やかに成長していけるように、身近な地域での子育て支援の充実にしっかりと取り組んでまいります。以上です。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
PAGE TOP