▼令和5年 第4回定例会 堤 健太郎 一般質問 (令和5年6月20日)

○議長(打越基安)堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎)登壇 公明党の堤健太郎です。本日、議会初質問をさせていただきます。市民の皆様から頂戴した声を市政に届けるため、元気いっぱい頑張ってまいります。よろしくお願いいたします。
 私は公明党福岡市議団を代表して、未就園児の子育て支援について、婚活支援について質問をいたします。
 初めに、未就園児の子育て支援についてです。
 先日、厚生労働省が発表した2022年の子どもの出生数は初めて80万人を割り込み、77万747人となりました。国は2030年までを少子化対策のラストチャンスと位置づけて、来年度からの3年間を集中的な取組として、経済的支援の強化や若い世代の所得向上、保育サービスの拡充、働き方改革などの加速化プランに取り組むとしています。私は4月の選挙の公約として、こどもの笑顔あふれる子育てに安心の西区と掲げ、多くの子育て世代の方々から切実なお声をお聞きしました。私自身、5歳と3歳の子どもを持つ親として、本市としても若者が結婚や子育てに希望が持てるよう、髙島市長の強いリーダーシップとスピード感で支援をより充実していくべきとの思いに至り、質問いたします。
 先日、ニュースサイトねとらぼが発表した2023年社会人が選ぶ子育てしやすそうな政令指定都市ランキングで第1位に福岡市が選ばれていますが、本市としてはどのように認識されているのか、伺います。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市では、子育て家庭の不安や負担を軽減し、安心して生み育てられる環境づくりなど、これまでも様々な支援策を実施してまいりました。さらに、今年度からは多子世帯への支援やサポートを必要とする子どもへの支援など、子育て支援を大幅に拡充しておりまして、こうした取組が評価されたものと認識しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 今年度は特に子育て支援策に力を入れていくとのことですね。長引くコロナ禍の影響などで子育てを取り巻く状況は厳しさを増している今だからこそ、子育てしやすそうな政令指定都市第1位にふさわしい、さらなる子育て支援の実施を求めたいと思います。
 一方で、夫婦が望む理想の子どもの数は2021年の調査で2.25人と望みながら、一人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は2022年で1.26人と過去最低を記録し、現実との大きな開きがあります。
 そこで、理想とする子どもの数を持てない理由を本市はどのように認識しているのか、伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) お尋ねの件につきましては、2018年度に福岡市が乳幼児の保護者を対象に実施したニーズ調査によりますと、欲しいと思っている子どもの数よりも実際に予定する子どもの数が少ない理由として回答が多かった順でございますが、子どもを育てるのにお金がかかるから、年齢的な理由で無理だから、育児の身体的な負担が大きいから、育児の精神的な負担が大きいからなどとなっておりまして、こうした理由から希望どおりに子どもを持つことをちゅうちょする状況があると認識しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 2010年に内閣府が公表したインターネットによる子育て費用に関する調査でも、第1子で未就園児の年間子育て費用が平均約84万円との調査結果が示すように、子育てには経済的負担が大きいのが現状です。特に平均年収より低い20代や多子世帯にとっては子育て費用の負担感はさらに重くなります。
 そこでお尋ねいたしますが、本市として多子世帯への支援について、2022年度までどのような支援をされてきたのでしょうか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 従前からの多子世帯への支援といたしましては、第3子優遇事業により保育園等の副食費助成や第3子手当の支給を行うほか、ひとり親家庭への高等職業訓練促進給付金について、児童を3人以上扶養している世帯への加算を行っております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) では、第3子優遇事業について伺いたいと思いますが、本事業の開始時期についてお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 第3子優遇事業につきましては、2005年度より開始しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) こちらを御覧ください。(パネル表示)2005年に始まった第3子優遇事業の開始前と開始後の本市の全体出生数をグラフにしてみました。2005年から本事業がスタートして、全体の出生数は増えてきています。と同時に、第3子の出生数はどうかといいますと、同じように2005年以降に着実に増えているということが分かります。この第3子優遇事業が出生数増加の全ての要因ではないことは理解していますが、本市の少子化の流れから一定の成果が出ておりますし、このような支援策が事実の上で有効であるということを表しているのではないでしょうか。
 そこで、現状認識やこれまでの取組を踏まえ、今年度は本市として多子世帯にどのような支援を行うのか、伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市におきましては、これまでも様々な取組により安心して生み育てられる環境づくりに努めてきたところでございますが、2023年度は子育て応援予算として、2人以上子どもがいる多子世帯への支援を拡充したところであり、第2子以降について保育料無償化のほか、産後ヘルパー派遣の利用回数の倍増や子育て世帯住替え助成事業における上限額の引上げを新たに実施しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 御答弁いただいた多子世帯への支援については、第2子以降から受けられることが分かりました。特に、本年4月より政令市初の取組として第2子以降の保育料無償化がスタートしています。保護者にとってはとてもありがたい取組であります。多子世帯への支援はもっと強化していくべきだと思います。
 そこで、今年度から本市が独自に行う政令市初の第2子以降の保育料無償化の目的と狙い、概要について伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 第2子以降の保育料の無償化につきましては、子育て世帯における多子世帯の負担軽減のために、子ども・子育て支援法等に基づき実施されている事業の中で、国の幼児教育、保育の無償化の対象となっていなかったゼロ歳児から2歳児の課税世帯を対象に、所得やきょうだい児の年齢にかかわらず、第2子以降の保育料を無償としたものです。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) これまでの国の制度から一歩踏み込んで、保護者の収入に関係なく、きょうだいの年齢制限も設けず、全ての第2子以降の保育料無償化としたことに本市の意気込みを感じずにはいられません。
 そこでお尋ねしますが、本市におけるゼロ歳から2歳児の児童数と本事業の対象者数を伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市におけるゼロ歳から2歳の児童数につきましては約3万8,000人で、そのうち本事業の対象となる保育所等を利用している第2子以降の児童は約8,000人と見込んでおります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 約8,000人の子どもたちの多くの世帯で負担軽減が実感できるわけであります。多子世帯の保育料の負担額が大幅に軽減されるに当たり、将来、第2子、第3子と子どもを持ちたいと思う方が今後増えてくるのではないでしょうか。少子化の流れに歯止めがかかることを期待したいと思います。
 将来、2023年度から子育て支援が大きく前進したと言われるためにも、本事業が単年度で終わることなく、複数年にわたる長期的な視点に立って支援の実施をお願いしたいと思いますが、御見解を伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 安心して生み育てられる環境づくりの推進のために、引き続き本事業を含め、子育て支援策にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 一方で、保育園や幼稚園に通っていない未就園児は、厚生労働省によると2019年度でゼロ歳から5歳児の未就園児は全国で推計約182万人に上り、その大半がゼロ歳から2歳児です。また、ゼロ歳から2歳児全体の約6割が未就園児であると言われています。
 そこでお尋ねしますが、本市におけるゼロ歳から2歳児の児童約3万8,000人のうち、未就園児の人数と全体に占める割合をお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ゼロ歳から2歳の児童数から保育所等の利用児童数を除いた家庭内養育と推定される児童数につきましては約1万8,000人で、ゼロ歳から2歳の全児童数に占める割合については約47%となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 核家族化が進み、地域のつながりが希薄化する中、頼るべき人が身近にいないなどの孤立した育児によって虐待などのリスクが高まる懸念もあります。特に産後1年から2年は最も大変で、子どもと話も通じない、イヤイヤ期、そして女性のホルモンバランスの変化も重なって、一人になって一息つくこともできない、どこに相談したらいいか分からない、そんな初めての子育てへの不安や多子世帯の育児負担など悩みは多岐にわたります。保護者の育児負担を減らし、育児の孤立化を防ぐためにも、今こそ子育てへの不安に寄り添った行政の支援が求められます。そのため、本市では保育所や幼稚園に通っていない未就園児の家庭でも子どもを一時的に預かる一時預かり事業や一時保育事業など、様々な保育サービスがありますが、そこでお尋ねします。
 本市における一時預かり事業、一時保育事業の概要と過去3年間の実利用者数と、そのうちゼロ歳から2歳のいわゆる3歳未満児の実利用者数についてお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 一時預かり事業及び一時保育事業につきましては、保護者が冠婚葬祭や通院、リフレッシュなどが必要なときに保育所や認可外保育施設で乳幼児を一時的に預かる事業でございます。過去3年間の実利用者数については、各施設における月ごとの実利用者数の合計となりますけれども、2020年度は約6,500人、2021年度は約7,300人、2022年度は約8,700人で、そのうち、年齢ごとの集計を行っている一時預かり事業の3歳未満児の実利用者数は、2020年度は約4,800人、2021年度は約5,100人、2022年度は約6,400人となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 実利用者数は年々増えており、特にゼロ歳から2歳児の子育て世帯の利用ニーズが高いことが分かりました。しかしながら、ゼロ歳から2歳の未就園児全体から見ると、全体約1万8,000人の3分の1程度の利用にとどまっている状況については、決して多いようには思いません。
 そこで、この一時預かり、一時保育の利用状況について、現状と課題をどのように認識されているのか、伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 一時預かり事業及び一時保育事業につきましては、利用者数は増加してきておりますけれども、利用者を上回る受入れ体制を確保しているところでございます。また、3歳未満児の利用についても増加してきており、当該事業が子育て中の保護者の支援につながっていると認識しております。一方で、利用者からは実施施設数の充実を望む声があり、また、施設のほうからは長時間利用の際は児童が集団生活に慣れるための期間が必要であるため、突発的な利用ニーズに対し、すぐに対応することが難しいとの声を聞いております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 本事業の実施箇所数の充実については、今後整備をすべきだと思いますが、どのように進めていくのか、伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 一時預かり事業、一時保育事業につきましては、引き続き受入れ体制の確保を図っていく必要があると考えておりまして、施設の運営事業者としっかり協議をしながら、受入れ体制の充実に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 一時預かり事業、一時保育事業は保護者の息抜きや休息、いわゆるレスパイトの観点から大事な事業だと感じますし、これからもニーズは高まっていくと思います。今後、施設のさらなる充実に取り組んでいただきたいと思います。
また、緊急なときにも安心して利用できるよう、どこで預かれるかといった情報を分かりやすく発信していくことも大事かと思いますが、本市では一時預かり、一時保育の情報も含めて、子育て支援に関する情報発信にどのように取り組んでいるのか、お尋ねします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 子育て支援に関する情報につきましては、子育て情報ガイドの配布をはじめ、福岡市のホームページやSNS、市政だより、公民館だよりなど、様々な媒体を活用いたしまして、利用者に分かりやすい情報発信となるよう効果的な広報に取り組んでいるところでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) どうか利用者目線で分かりやすい情報発信をしていただくようお願いいたします。
 一方で、先ほどの答弁にもありましたが、一時預かり事業においては、突発的な預かりの難しさについては現場の保育士の先生方の声も大いに理解でき、重要なことです。保護者のレスパイトの観点と同様に、預けられる子どもたちの精神的な安定を大切にしていく観点は大事にされなければなりません。そのような中、先日、市の定例会見でも報道がなされていましたが、本年度から本市で取り組む国のモデル事業である保育所の空き定員等を活用した未就園児の定期的な預かりモデル事業について、この事業は大いに注目すべき内容だと感じています。
 そこでお尋ねします。本年度から取り組む保育所の空き定員等を活用した未就園児の定期的な預かりモデル事業の目的と概要について伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) お尋ねのモデル事業の目的につきましては、他の児童とともに過ごし、遊ぶ経験を通じ、子どもたちの発達を促すことや、育児疲れなど負担を抱える保護者への継続的な支援も行うものでございます。事業の概要については、未就園児を対象に、保育所等の空き定員や余裕スペースを活用して週に1回から2回程度、定期的に預かるもので、国がその実施方法や効果を検証するものでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 答弁いただいたように、私も大きく共感したのは、保護者の負担軽減にもなるだけでなく、他の児童とともに過ごし、遊ぶ経験を通じ、子どもたちの発達を促すことができることです。保育の質の向上にもつながり、預ける保護者にとっても大きな安心になります。
 今の答弁は国について伺いましたが、では今回、本市がこのモデル事業に参加する目的、制度の概要、制度開始時期、周知の方法、そして現時点の応募数、他の政令指定都市の状況を伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市といたしましても、未就園児がいる家庭への支援を含む全ての子育て家庭の支援に積極的に取り組んでいく必要があると考え、国のモデル事業に参加しております。なお、この制度は保護者の仕事の有無に関係なく、どなたでも申込みができます。制度の開始時期については、博多区、中央区、城南区の3つの保育所で8月1日から開始する予定としております。周知につきましては、市長による会見を実施したほか、福岡市のホームページ、SNSや市政だより、関係機関へのチラシ配布などを行っております。その後、多数のメディアの取材もあり、6月16日時点の応募数は3施設合計で約130人になっており、事前見学の申込みやお問合せも多数いただいております。福岡市以外の政令指定都市では、仙台市、横浜市、川崎市、名古屋市において実施予定と聞いております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 私も保護者の方、保育士の方からも賛同と期待の声をいただきました。6月16日時点での応募数が約130件でありますので、潜在的なニーズも含めて、非常に関心が高いのではと思います。この制度はレスパイト機能と子どもたちの成長に応じた良質な保育を提供できるとても画期的な事業になり得るのではと期待が持てます。今回はモデル事業ということで、小さな規模ではありますが、必要な方に情報が届くよう周知いただきたいことをお願いします。
 このモデル事業を経て、国が発表したこども誰でも通園制度に発展していくと思いますが、ぜひ本市としても目標として、働いている、いないにかかわらず、本市の希望する全ての保護者が週1回から週2回、子どもを預けられ、自分の時間を持ち、リフレッシュして、また楽しく子育てに向き合えるようにしていただきたいと思いますが、所見を伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) モデル事業は、国ではこども誰でも通園制度の本格実施を見据えて拡大すると発表されたところでございます。今後、福岡市をはじめ、各自治体におけるモデル事業の検証を踏まえて、国において次年度以降の具体的方向性が示されていくものと考えております。国の動向を踏まえながら、まずは今年度3か所のモデル事業にしっかり取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 昨今、今の若い世代は行政の子育て支援のサービスが充実しているかどうかも居住地を選択する一つの判断基準になっている面もありますので、ぜひ他都市をリードするような取組を実施していただきたいと思います。
 冒頭申し上げたように、2030年までが少子化対策のラストチャンスであります。
 この質問の最後に、誰もが安心して子育てできる福岡市へ向けての髙島市長の御所見をお伺いします。
 
○議長(打越基安) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 子どもは一人一人が未来をつくるかけがえのない存在でありまして、子ども、子育て施策の充実は重点的に取り組むべきものと考え、令和5年度予算では第2子以降の保育料の無償化やおむつと安心定期便など新たな取組も加えながら、多子世帯への支援、サポートを必要とする子どもへの支援、全ての子育て家庭への支援という3つの柱で支援策を大幅に拡充し、子育て家庭をしっかり支えていくこととしております。今後とも、市民の皆さんが安心して生み育て、子どもが健やかに成長していけるよう、切れ目のない支援にしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 続いて、婚活支援についての質問をいたします。
 地域を回る中で、多くの若者の男女の方から結婚についての出会いの相談をいただきます。コロナ禍の影響によって出会いの機会が少なくなったという要因もあるかと思いますが、少子化の原因は若者の未婚化、晩婚化であると国も論じています。
 そこでお尋ねしますが、2020年に政府が閣議決定した第4次の少子化社会対策大綱で基本的な考えとして最初に掲げられている項目とその重点課題について伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 2020年の少子化社会対策大綱におきましては、結婚、子育て世代が将来にわたる展望を描ける環境をつくることが基本的な考え方の最初の項目として掲げられております。その重点課題につきましては、若い世代が将来に展望を持てる雇用環境等の整備、結婚を希望する者への支援、男女共に仕事と子育てを両立できる環境の整備などが挙げられております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 御答弁のとおり、1番目に結婚、子育て世代が将来にわたる展望を描ける環境をつくることが掲げられています。真の少子化対策とは、まさに若者が希望を持てるようにすることであり、その具体策が婚活支援であると思います。国立社会保障・人口問題研究所の2021年第16回出生動向基本調査では、結婚に対する意識の変化はあるものの、いずれは結婚したいとの意思は男女ともに8割を超えており、高い水準でありました。
 では、本市において未婚者が結婚していない理由を上位3つお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 結婚していない理由につきましては、2018年度に福岡市が実施した青少年の意識と行動調査によりますと、回答が多かった順に、適当な相手に巡り会わない、収入が少ない、自由や気楽さを失いたくないとなっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 出会いについてですが、新型コロナウイルス禍の影響で変化が見られています。第16回出生動向基本調査によると、SNSやアプリなどで知り合った夫婦の割合が2015年からコロナ禍前では約6%でしたが、2018年からコロナ禍にかけては約13%と約2倍に増えました。反対に、職場や仕事での結婚が約28%から約21%に下がり、有料のマッチングアプリを使っての出会いを求める若者が増えてきています。マッチングアプリなどは気軽に相手を探せる、出会えるという便利さがあり、結婚や出会いを希望する当事者のニーズに合う反面、トラブルに遭う危険性もはらんでいます。
 そこでお尋ねしますが、本市におけるマッチングアプリなどでのトラブルに関して、市民からの相談件数の過去3年間の推移をお示しください。
 
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 福岡市消費生活センターが受けた消費生活相談のうち、出会い系サイト、アプリ及び結婚相手紹介サービスの分類に該当する相談件数につきましては、令和2年度が212件、3年度が210件、4年度が184件となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 本市においても毎年一定数の相談が寄せられていることが分かりました。2021年に三菱UFJリサーチ&コンサルティングがマッチングアプリの動向整理で調査した内容では、課金をさせる目的でのサクラがいた、年齢などのプロフィールの詐称、交際や婚姻の状況を詐称されたといったトラブルに遭ったとの回答が比較的多いようです。私も利用した方から、何かあったときは自分で自分の身を守らないといけない、そういう不安な状況下にあるとの声を聞かせていただきました。そのため、行政が婚活支援をすることでの安心感など多くの期待の声もあり、近年、各自治体も国の交付金などを活用して婚活支援を行っています。
 そこで、婚活支援事業を実施している政令指定都市はどこか、また、本市ではどのような支援をしているのか、伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 婚活支援事業を実施している政令指定都市につきましては、福岡市以外に横浜市、静岡市、京都市、岡山市、北九州市、熊本市が取組を実施しております。福岡市の実施内容につきましては、民間企業の出会いイベント情報の広報に協力するとともに、県と共催で婚活の始め方やコミュニケーションの取り方、自己紹介のつくり方など、婚活に役立つセミナーを開催しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 本市のほか、横浜市や京都市などの大都市も婚活支援に取り組んでいるとのことです。また、本市は県と連携し婚活支援を行っているものの、国の交付金を活用した市独自の出会いイベントの開催までは行っていないようであります。
 では、福岡県の出会い・結婚応援事業における出会いイベントのこれまでの取組や実績、福岡県、本市における本年度の予算額を伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡県の出会い・結婚応援事業における出会いイベントの実績につきましては、2021年度は福岡都市圏を中心とするエリアで253回のイベントが開催され、延べ3,114名が参加しております。また、本事業の今年度の予算額は約6,530万円でございます。なお、福岡市におきましては、県と共催し婚活に役立つセミナーなどを開催しておりますが、全額県の予算を活用しており、市は広報や申込みの受付などを行っております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) もちろん県で行っていることはすばらしいことだと思いますが、本市としてもホームページ等を活用するなど、福岡県の出会い・結婚応援事業のさらなる周知、情報発信をすべきだと思いますが、所見を伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 情報発信につきましては、引き続き県と連携し、市のホームページやSNSなども活用しながらしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 市民の方からも本市のホームページなどでの情報発信を希望する声がありましたので、先ほどの答弁をお聞きし、安心しました。
 今回の質問に当たり、他の自治体に婚活支援の取組を伺ってきました。愛媛県では2008年から出会いの場を提供するイベントを開催し、2015年からそれまで蓄積したビッグデータを活用し、AIを使った男女のマッチングを行っており、成婚数はこれまでに約1,400件を超えたそうです。成功の要因を伺ったところ、男女の引き合わせや交際へのフォローなどを行ってくれるボランティアの方がいることで、利用者も安心して、何かあれば相談できるため、大きなトラブルや事故は発生していないとのことです。
 また、こちらを御覧ください。(パネル表示)山口県の美祢市、萩市、長門市では、昨年度よりGO-ENプロジェクトと称し、この3つの自治体が共同で連携し、出会いから結婚に至るまでの段階的なサポートを実施しています。このGO-ENという字には、人のつながりを意味する御縁と応援の2つの意味があり、良縁を3市で応援するという願いを込めたものだそうです。3市が連携して結婚支援事業に取り組むことで、参加者の増加と多様なニーズに応じた婚活イベントやスキルアップセミナーの開催、また、相談員が利用者の希望に合った方を紹介する伴走型相談支援など、きめ細やかなサービスを行っています。視察したそれぞれに共通していることは、人口減少が進んでいる現実と向き合い、婚活支援を少子化対策の重要な取組として位置づけていることです。現在、人口が増え続けている本市においても、2035年頃をピークに人口が減り始めると予測されています。また、婚活支援は県という大きな単位ではなく、より身近な福岡市という単位で行ってほしいとの声もいただいております。
 本市としても出会いの場の提供や相談体制の構築など、子育て支援と同じように同時進行で婚活支援に力を入れていくべきだと思いますが、所見を伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 婚活支援につきましては、都市により人口規模や人口構成、民間企業による出会いイベントの開催状況などが異なる中で、各都市が地域の実情に応じた取組を行っているものと認識しております。福岡市におきましては、これまでも様々な支援策により妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を実施してまいりました。今後とも、多様な価値観を尊重しながら、子どもを望む人が安心して出産し、子育てができる環境づくりに取り組むとともに、県と連携し、婚活支援に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 公明党は昨年11月に発表した子育て応援トータルプランで、結婚を希望する若者への支援拡充を訴えてきました。婚活支援は出会い、結婚することがゴールではなく、結婚をスタートして、その先の妊娠、出産、子育てへとライフステージに応じた切れ目のないサポートができる環境づくりが必要であり、そのためにも、国、地方自治体や民間とが連携し、社会全体で支援する仕組みが必要不可欠と考えます。先ほどの御答弁はあくまでも県と連携して婚活支援に取り組んでいくとのことでしたが、結婚する、しないは本人の自由であることが大前提であり、結婚したいと思っているけど、不安を感じていたり、苦手としている人たちに出会いの場を提供していく、希望する人が結婚を実現できる環境をつくっていくことが行政の役割ではないでしょうか。
 最後に、若者に限らず、死別、離別を経験したシングルの方やLGBTQの方などからも安心できる人生のパートナーを望む声をお聞きします。人々の価値観や生き方は多様化しており、誰一人取り残さないというSDGsの理念を踏まえ、持続可能で包摂性のある社会の実現に向けて全庁的に取り組んでいただきたいと思いますが、髙島市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) ただいま御指摘いただきましたとおり、近年、人々の価値観や生き方がますます多様化する中、年齢や性別、国籍などにかかわらず、誰もが安心して自分らしく生活できる社会をつくることは重要であり、SDGsの理念を踏まえ、関係機関や民間事業者とも連携をして必要な支援を行うとともに、新たなテクノロジーを活用しながら、孤独感や孤立感を感じることなく、全ての人が安心して生活できるまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
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