▼令和4年 第1回定例会 勝山 信吾 賛成討論 (令和5年3月16日)

◯議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。

◯13番(勝山信吾)登壇 私は公明党福岡市議団を代表いたしまして、本条例予算特別委員会に付託をされました令和5年度一般会計、特別会計並びに企業会計の予算議案、条例議案、関係諸議案につきまして賛成の意を表し、討論を行います。
 ロシアによるウクライナへの侵攻から1年以上が経過し、原油価格や物価の高騰など、日本経済にも大きな影響が出ております。本市の財政状況については、法人市民税における企業収益の改善、固定資産税における新増築家屋の影響による税収の向上が見込まれております。しかし、物価の高騰や少子・高齢化の進展による社会保障費の増大など、本市を取り巻く環境は依然として厳しいものがあり、決して楽観できる状況ではございません。
 そこで、将来にわたり持続可能な財政運営に向けての賢明な取組を強く要望いたします。
 DX社会の構築については、行政手続の自動化やワンストップ化、データ連携基盤を活用し、一人一人に合ったサービスの選択が可能になるデジタル社会を目指し、全ての市民や事業所、来街者が安心してDXの利便性を享受できることが重要です。また、デジタル化が進展すると、特に高齢者やデジタルに不慣れな人など、格差が生じることが懸念をされます。
 そこで、デジタル活用支援員などを有効に活用し、デジタルデバイド解消の取組を強く求めます。
 母と子の健康づくりについては、出生届出後、全員に届くおむつと安心定期便が、2回目以降は母親自らの登録などが必要となりますが、体力、気力の低下により申込みができず、取り残される母子が懸念されます。真に支援が必要な母と子への支援となるよう求めておきます。
 産前産後サポート事業の利用料軽減や利用期間の拡充は大変ありがたく、評価をしておりますが、そのサービスを担う民間事業所の数の不足は明らかです。受入れ事業所の拡大に早急に取り組まれるよう、要望をしておきます。
 子どもの貧困対策として、子ども食堂を行う民間団体に対する補助金の拡充は必要不可欠です。今後も活動内容に見合った補助年限となるよう求めるとともに、新規事業となる開設場所等に係る情報提供も団体の希望に沿った内容となるよう要望をしておきます。
 児童が個々に抱える問題への対応など、新年度も35人以下学級を実施されますが、小学校高学年に配置されていた専科教員、少人数指導教員など、以前どおりの配置となるよう取り組むべきです。市独自の適正配置となるよう強く求めておきます。
 自閉症・情緒障がいの特別支援学級を30新設、増級されることは評価をいたします。ただし、専門性を持つ教員の配置には懸念が残り、今後必ず必要となる人材育成を含めた特別支援教育推進の具体的な計画を求めておきます。
 ICTを活用した不登校児童生徒への支援事業においては、児童生徒が何を求めているのか、プログラムのスイッチを当人が入れてくれなければ意味がありません。アンケート調査実施においても、不登校児童生徒の親の会やサポート団体としっかり連携し、効果あるものとなるよう要望をしておきます。
 学校、保育施設、幼稚園等の周辺道路の交通安全対策の強化として、交差点の巻き込み部、横断歩道部、未就学児が集団で移動する経路の危険箇所の早期整備を目指すとともに、路側帯のカラー化や防護柵設置、ゾーン30プラスの設置など、あらゆる対策を講じるよう求めます。また、渋滞が著しい天神通線や国道3号博多バイパス、南区ガンセンター入口交差点など、渋滞解消に向け、国や関係部署がしっかり連携した予算確保と一刻も早い整備を要望いたします。
 福岡空港は、平行誘導路の二重化が完成し、航空機混雑の緩和や利便性の向上が図られています。現在、滑走路増設事業が進められており、将来の航空需要に適切に対応するため、福岡空港の国内外航空路線のネットワークの強化を着実に進めていくことを求めておきます。
 博多港では、3月30日にもイギリスからのクルーズ船が寄港し、およそ3年2か月ぶりに国際クルーズ船の受入れが再開する見通しとなりました。博多港は九州・西日本の経済活動や市民生活を支えており、物流ITシステムのさらなる利便性向上を図り、コンテナ取扱個数増加に対応するため、アイランドシティ地区のバンプール、コンテナ置場の着実な整備や機能強化など、戦略的な取組を求めます。あわせて、Dターミナルの供用後のさらなる利便性向上のため、D岸壁の早期整備を国に強く求めるよう要望をいたします。
 令和5年7月に開催される世界水泳選手権は、インバウンドの本格的な回復に向けて福岡の魅力を発信する機会であり、おもてなしの観点から、福岡市営地下鉄の各駅などで大会関連グッズや博多織、博多人形、福岡の土産物などを販売する特設ブースを設けることや、利用者の利便性の向上に向けたクレジットカードによる乗車などキャッシュレス化を図り、九州のゲートウェイ都市としてさらなる機能強化やMICE誘致の強化を求めておきます。
 文化芸術は人々の潤いある生活に欠かせないものであり、都市の魅力、価値を向上させる大きな力を持っております。彩りにあふれたアートのまちを目指して令和4年度から開始したFukuoka Art NEXTの取組の強化を図るとともに、福岡市文化芸術振興財団のアーツカウンシル機能が市内の文化芸術活動者に寄り添い、さらなる活躍につながるよう実効性のあるものにしていただきたいと要望をいたします。
 農家の高齢化や新規就農者の減少など農業をめぐる課題の打開策として、農産物の生産にロボットやAI、IoTなどの先端技術を活用する画期的な試みであるスマート農業の力強い推進を求めておきます。
 漁村地域において人口減少や高齢化などで活力が低下していますが、漁港を中心とする地域の活性化と地元水産業の振興に向けて、海業の取組を力強く推進していくことを求めておきます。
 地球温暖化防止や水源涵養、土砂災害防止など、森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるため、森林資源の循環利用が必要です。また、公共建築物への地域産木材の活用を進めてきておりますが、さらなる活用に向けた取組を要望いたします。
 福岡市の2040年度脱炭素社会へのチャレンジとして、再生可能エネルギー由来の電力への切替えやCO2排出量取引制度の創設など、積極的な推進を要望いたします。
 循環型社会のさらなる推進へ、家庭用ごみ袋のより小さなサイズの導入、プラスチックごみの分別回収の検討など、ごみ減量・リサイクルの推進をお願いいたします。
 世界で最も低い漏水率を維持していくための人工衛星画像を活用した水道管の漏水調査、脱炭素社会実現への水道局の負担が発生しない官民連携によるマイクロ水力発電導入、水道スマートメーターの本格的導入の検討など、水道局の次の100年に向けた積極的なチャレンジを求めておきます。
 子ども医療費助成制度につきましては、令和6年1月から助成対象が高校生世代まで拡大となり、切れ目なく、安心して医療を受けられるとの喜びの声とともに、なるべく早く開始してほしいとの声もお聞きします。円滑な事業開始に取り組まれるよう強く要望をいたします。
 子宮頸がん予防の促進については、2価、4価のワクチンに加え、より有効性の高い9価ワクチンが追加されます。対象者への漏れのない通知に取り組み、さらなる子宮頸がん予防の周知を求めておきます。
 健康づくりの推進については、生活習慣病や健康増進に関する知識普及のため、きめ細やかな支援を推進し、オーラルケアをはじめ、フレイル予防や生活習慣病の重症化予防など、保健事業と介護予防を一体的に推進されるよう求めておきます。
 生涯現役社会づくりについては、高齢者乗車券交付事業では、高齢者の社会参加を促進するため、物価高騰に対応したタクシー利用券の活用方法などの検討や、地域の老人クラブに対し、補助金申請などに係る事務負担軽減の支援を実施し、健康で生き生きした豊かなシニアライフを実現する取組を推進するよう求めておきます。
 また、高齢者の活躍をバックアップし、学び直し、多様な働き方の支援を開始するシニア活躍応援プロジェクトについては、働きたい高齢者の就業支援、企業の雇用促進に向けた着実な事業の推進をお願いいたします。
 福祉人材確保事業については、働きやすさや魅力を高め、介護に携わる充実感が図られるよう、介護業界全体のウエルビーイング向上に取り組み、福祉人材の確保をより一層推進されるよう求めておきます。
 障がいのある人が必要な支援を受けながら、地域や家庭で生き生きと生活できるよう、障がい児の福祉サービス事業については、必要な人が適切にサービスを受けることができるよう事業の周知徹底を要望いたします。
 生活交通の支援については、公共交通空白地となる地域の代替交通を確保するとともに、オンデマンド交通の社会実験を進め、必要な地域に適切に配置できる持続可能な仕組みづくりとなるよう要望をいたします。
 緑豊かなまちづくりについては、美しく安全で快適な都市環境の形成を図るため、緑地の保全、緑化の推進に取り組み、公園や街路樹等の整備や管理に努め、彩りや潤いにあふれたまちづくりを進めていただくよう求めておきます。
 動物の愛護、適正飼育については、犬の登録手続のオンライン化と業務の効率化や、飼い主のいない猫等の不妊去勢手術の推進モデル事業に取り組むとともに、適切な譲渡の推進と殺処分のさらなる削減を進められるよう求めておきます。
 誰もが住みやすい環境づくりについては、市営住宅の効率的かつ的確な機能更新と維持補修等を実施し、高齢者や障がい者、子育て世帯等の住宅困難者や、世代間バランスの確保によるコミュニティの維持、活性化に配慮した適正な管理、運営に努められるよう要望いたします。
 子育て世帯の支援として、子育てしやすい居住環境づくりのため、住み替えによる費用の助成事業拡充については、対象者への的確な情報発信や周知に取り組まれるよう求めておきます。
 人命救助や今後の新たな感染症に対応するため、救急需要への対応強化策として、最新の資機材を備えた高規格救急車の導入など、さらなる救命力強化を求めます。あわせて、福岡市消防学校の機能強化や施設建て替え整備に本格着手するよう要望いたします。
 これまで多岐にわたり要望してまいりました。高島市長におかれましては、我が会派の代表質疑をはじめ、総会質疑、分科会などで申し述べた事項につきましても十分御配慮をいただき、対応されるようお願いをいたします。
 私たち公明党議員は、諸先輩方が築いてくださった歴史や福岡市に対する熱い思いを受け継ぎ、さらなる福岡市発展のために尽力してまいります。そして、どこまでも市民の皆様に寄り沿い、活力ある福岡市の未来を開くため全力を尽くすことを決意し、公明党福岡市議団を代表しての討論を終わります。ありがとうございました。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
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