○17番(古川清文)登壇 公明党の古川清文でございます。質問に入る前に、一言申し上げます。2月6日にトルコ南部のシリア国境近くで発生したマグニチュード7.8の大地震は、死者が両国合わせ5万人を超え、過去最悪の被害となりました。被災し、お亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、一刻も早い復旧、復興を願います。
また、国際消防救助隊として福岡市消防局から3名の隊員が現地へ派遣され、人命救助のために活動してくださいましたこと、市民を代表して御礼申し上げます。現地で経験し、感じたことを市の防災関係者と共有され、生かしていかれますことを望みます。今回の大地震を遠い国の話と他人事と捉えるのではなく、自然災害は予告なく、いつでも起こり得るものと捉え、改めて災害対策を考えるべきだと強く感じます。
それでは、質問に入ります。
私は公明党福岡市議団を代表して、令和5年度市政運営方針、予算案、重要施策条例案などについて質問をさせていただきます。
初めに、本市の財政状況についてお尋ねいたします。
市税については、個人市民税における納税義務者数の増加や法人市民税における企業収益の改善、固定資産税における新増築家屋の影響等により令和4年度当初予算を上回る見込みのようであります。また、市税収入の増加等に伴い、地方交付税は減少する見込みであるものの、一般財源の総額は令和4年度当初予算を上回り、令和5年度の一般会計の予算規模も前年度当初を上回る見込みです。そのような予算状況下ですが、新型コロナウイルス感染症、物価の高騰、少子・高齢化の進展による社会保障費の増大など、本市を取り巻く環境は楽観できる状況にないと思います。
そういった中で、将来にわたり持続可能な財政運営に向けてどのように取り組んでいかれるのか、伺います。
また、新年度予算については、どのような考え方、方針を基にして予算編成に臨まれたのか、伺います。
次に、これから公共施設等の老朽化による施設の改修、修繕経費の増加も見込まれています。当面の期間、決して安心できない財政状況が続くことになりますが、アセットマネジメントの推進、歳入の積極的な確保、そして将来負担の軽減など、今後に向けて具体的にどのように取り組まれるのか、伺います。
さらに、ふくおか応援寄付を生かした財源確保について、返礼品として福岡市内全域で利用できる電子ポイントの導入など、地域経済の回復にも寄与できる仕組みづくりが必要だと思いますが、所見を伺います。
生活の質の向上と都市の成長の好循環をつくり出すと掲げた福岡市総合計画の策定から10年が経過。現行の基本計画を2年延長して、次期計画の策定に取り組んでいくことが発表されていますが、福岡市はどのような指針、策定スケジュールで次の目標を定めていくのか、伺います。
次に、SDGsとウエルビーイングについて伺います。
SDGsは持続可能な開発のための国際目標で、2030年までの目標達成を目指しており、福岡市においてもこれまで目標達成に向け、様々な取組を行ってきました。残り7年となったSDGsの目標の達成のために、行政、企業団体、何より市民一人一人の積極的な取組が大変重要です。また、近年注目されている市民の満足度、充実度などのウエルビーイングについても、同様のことが言えます。
SDGs達成に向け取り組む企業等を応援するSDGs登録・認証制度や働く人の満足度や充実度を向上させる取組など、SDGs達成とウエルビーイングの向上に向けてどのように推進されるのか、令和5年度の取組を伺います。
次に、さらなるICT活用についてです。
国はデジタル技術の活用により地域活性化を目指すデジタル田園都市国家構想の推進に向け、大型の予算編成を構築する見込みでありますが、地域活性、行政リソースの最大化、住民福祉の向上などの課題を解決し、地域社会への新しい価値やサービスの提供を行い、安定的、持続的な経済成長をつくり出すための重要な取組です。国において、行政手続の自動化やワンストップ化、データ活用で一人一人に合ったサービスの選択が可能になるデジタル社会を目指し、全ての国民や事業者が安心して利便性を享受できる社会が構築されることが重要であるとしています。
令和5年度は、福岡市はデジタルトランスフォーメーション社会の構築について具体的にどう取り組むのか、併せて、デジタル社会を支える重要な基盤であるマイナンバーカードのさらなる普及促進についての所見を伺います。
また、デジタル化が進展すると、特に高齢者やデジタルに不慣れな人、地域間など様々な格差が出ることが危惧されます。誰一人取り残されない細かな支援を行うとともに、デジタル活用支援員などによるデジタルデバイド解消に向けての具体的な対応が必要ですが、どう取り組むのか、所見を伺います。
次に、地域コミュニティと防災活動についてです。
長く続くコロナ禍からの復活を目指すため、地域コミュニティの機能強化のためには自治会活動を活性化させていくことが重要です。しかし、コロナ禍の影響で自治会活動の多くが中止を余儀なくされており、自治会運営のサポートと公民館を中心にデジタル技術を活用した具体的な提案が求められます。
まずは防災活動などの自治会活動のサポート強化を図るべきと思いますが、コミュニティの活動支援の新年度の取組について伺います。
近年頻発する豪雨災害は、自治体の枠を超えた災害の研究や災害時の相互支援体制が求められます。また、防災技術力強化のための気象防災アドバイザーや最新のAI技術の活用などによる防災先進都市福岡を目指した災害対応の取組強化について伺います。
次に、スポーツ施策についてです。
世界水泳が2度の延期を経験し、本年7月にはようやく開催の見通しとなりました。再度、大会開催の意義を確認するとともに、大会成功に向けた本市の意気込みを伺います。
国際スポーツ大会や東京オリンピック2020効果もあり、昨今、スケートボードの愛好者が増加しています。しかし、愛好者の増加と受皿になる施設が追いついていないのが現状です。専門家の中にはスケートボードを活用したインバウンド対策やツーリズムにつなげるなど、大きな可能性に期待する声も出ています。福岡市にも全日本規模や世界規模のスケートボードの大会が開催できるような施設整備が必要ではないかと考えます。
我が会派の議員が提案したスケートボード等ができるボートレース場のパーク化構想について所見を伺います。
次に、子ども施策についてです。
市長は第2子以降の保育料無償化を打ち出されました。その施策について、認可や認可外に通う子ども全てが対象なのか、家庭内保育の家庭には支援がないのかなど、施策の詳細、実施時期も併せて伺います。
また、保育所において保育士の成り手不足が続いています。令和4年度より処遇改善に努力していただいていますが、新年度はどのような施策を講じられるのか、伺います。
厚生労働省は先頃、保育所での紙おむつを園で処分するために保管ごみ箱の設置補助の通知を出しました。保育士も園児ごとに仕分けしなくて済むし、保護者も荷物にならないなど、誰もが喜ぶ施策です。
このような国の補助が設けられた中で、福岡市は保育所での紙おむつ処分についてどのように対応していくのか、伺います。
子ども、子育てへの支援策が高まろうとしている今、保育所に子どもを預けることができるのは共働き家庭などであり、専業主婦の家庭はその恩恵にあずかることができずにいます。
ゼロ歳から2歳児の家庭内保育家庭への支援をどう進めるのか、お伺いいたします。
少子化対策で父親の育児休暇の促進について、昨年10月に政府において産後パパ育休を取得促進するように制度が始まりました。本市男性職員の育休取得人数等の状況を伺います。
また、子ども医療費助成制度の高校生世代までの拡大は早急に実施してほしいと望む声が多くなっており、一刻も早く実施すべきです。いつからスタートさせるのか、本人負担はどうするのか、伺います。
次に、教育行政についてです。
新型コロナウイルス感染拡大や学校業務などの負担増加により、依然として教育現場は厳しい状況であり、特に子どもたちに大きな影響が出ています。令和2年の小中高生の自殺者数は過去最多、令和3年も過去2番目と高止まりをしています。不登校の小中学生は令和3年にこれも過去最多を更新し、子どもたちの悲痛な声への対応は急務であります。また、教員採用試験倍率の低下傾向や危機的な教員不足にも早急な対策が求められます。
まず、新年度に取り組むICTを活用した不登校児童生徒への支援事業の内容と規模、効果の想定を伺います。
また、教員不足が深刻であることを踏まえ、学校における働き方改革を確実に進めなければなりません。そして、教職の魅力向上の取組も重要であります。新年度の取組を伺います。
児童が個々に抱える問題への対応など、多様化に合わせた教育環境の整備を図るため新年度も35人以下学級を実施されますが、小学校高学年に配置されていた専科教員、少人数指導教員など、以前どおりの配置となるように取り組むべきです。市独自の加配計画を伺います。
さらに、教育現場の負担軽減に期待されている学習指導員派遣事業の内容と規模、効果の想定を伺います。
教員採用試験では、新卒だけでなく多様な年齢層の教員を採用するなど、バランスの取れた年齢構成にするよう、子どもの立場に立って確保に努めるべきです。
また、臨時教員である講師の確保に粘り強く取り組むとともに、正規教員を目指す講師への支援策の強化も必要と考えます。御所見を伺います。
特別支援教育を受ける子どもが年々増加しており、本市における教室不足や担当教員の不足は喫緊の課題です。特に一人一人に応じた教育を進めるための専門性を持つ教員の育成は急がねばなりません。情緒障がい児などのための施設整備や人材育成の短中期的な計画は必要不可欠であると訴えてまいりましたが、新年度の取組を伺います。
学校トイレの洋式化は災害対策としても重要です。指定避難所となる小学校の和式トイレは高齢者にも障がい者にも大きな負担になります。また、新型コロナウイルスをはじめとする感染症対策が重要となる中、洋式化は衛生面でもメリットが高いと科学的に証明されています。
トイレ洋式化の推進はもちろんのこと、障がいのある子や性的マイノリティの子など、多様性に配慮したトイレづくりが学校には求められています。新年度の計画を伺います。
次に、若者への施策についてです。
次の時代の主役である若者たちの夢や希望を支援するため、行政による応援プロジェクトが現時点で少な過ぎると感じます。私たち公明党は、次代を担う若者世代の活躍できる場として天神ビッグバンや国際金融都市へのアップデートを支援してきました。
今の若者の悩みである仕事、給料アップ、人生のパートナー探しなど、暮らしの将来設計づくりを自治体がバックアップすることによって、不安が安心感につながり、希望に変わります。若者への施策を思い切って進めるべきだと思いますが、御所見を伺います。
次に、医療、介護、障がい福祉サービスの充実についてです。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけについては、現在の新型インフルエンザ等感染症から季節性インフルエンザと同じ5類への移行が正式決定となりました。
市民の不安解消を図るため、今後、医療提供体制の確保がどうなるのかなど、平時へ移行する道筋を懇切丁寧に説明すべきだと思いますが、市民への情報発信と周知をどのように進めていかれるのか、所見を伺います。
帯状疱疹は成人の9割が原因となるウイルスを保有し、80歳までに3人に1人が罹患するとされています。帯状疱疹を予防する方法についてはワクチン接種が有効な予防方法となりますが、東京都は帯状疱疹ワクチンの接種費を助成する補助事業を来年度から実施することを明らかにしました。
本市の帯状疱疹ワクチンの接種費用に対する助成についての所見を伺います。
全世代型社会保障の構築に向け、現役世代を先頭に、高齢者をはじめ、全ての世代が恩恵を受ける仕組みづくりが求められています。特に、誰もが健康で安心して暮らし続けるためには、がんと生活習慣病の合併症を含む重症化予防の推進への発想の転換がポイントであり、個人においては健康と生活の質を守り、社会においては医療費の軽減及びその後の介護や障がい施策の負担を減らすことにつながります。
検診と医療の接続を進め、生活習慣を改善する幅広い健康づくり施策など、新年度の取組について伺います。
介護予防や高齢者の健康づくりのため、地域活性化にもつながる健康づくりボランティアや老人クラブ活動の支援など、新年度の事業の展開を伺います。
高齢者を孤独、孤立から守るため、ICTを活用したコミュニケーションツールの導入を進めることが必要です。
高齢者がDXの恩恵を感じられる支援を積極的に行うべきでありますが、所見を伺います。
高齢社会の進展により、ますます高齢者福祉サービスに対する需要が見込まれ、サービス提供の根幹である福祉人材の養成、確保が極めて重要になります。
介護人材の不足は介護サービスの質の低下につながりかねず、介護人材の確保と定着を促すため、介護職員初任者研修の受講料助成など、介護人材への処遇改善を推し進めるべきだと考えますが、所見を伺います。
障がい者の重症化や高齢化など、親なき後も見据え、個々のニーズに応じた福祉サービスの提供体制を確保することが極めて重要となっておりますが、所見を伺います。
就労を希望する障がい者に対して、仕事や通勤などにおいて個別支援の充実や就労移行支援事業所などのリモート支援の強化などが求められておりますが、企業に対する啓発活動や支援など、新年度の取組を伺います。
障がい児・者の日常生活を送る上で欠くことのできない日常生活用具については、その実態を踏まえ、暗所視支援眼鏡やストーマ装具など、そのニーズを的確に把握し、日常生活用具の見直しと拡充を図るべきと考えますが、新年度の取組を伺います。
次に、住宅施策についてです。
年齢層や属性などのニーズの実態を踏まえながら、家賃助成とともに、住まいと暮らしの安心を提供する生活支援付住宅など、選択できる多元的な住まいの保障が求められておりますが、新年度どのように取り組まれるのか、所見を伺います。
セーフティネット住宅として必要性がますます高まる市営住宅については、共用部の段差の解消やLED照明の導入、浴室の換気扇の取替えなど、良好な住環境を確保することが重要だと考えますが、所見を伺います。
また、単身世帯が増加する中、入居率を見据えながら、今後は市営住宅の単身入居について要件を緩和し、空室の解消につなげる取組が重要と考えますが、所見を伺います。
市営住宅のコミュニティ機能強化の観点から、高齢化が顕著な住宅については、所得要件緩和など国に対して要望を行い、ファミリー世帯の入居を促進するとともに、大規模建て替え時には高齢者、障がい者施設などの機能導入を進め、地域課題の解決を図ることが重要です。
市営住宅の建て替え、改善事業を含む新年度の取組について伺います。
次に、生活交通施策についてです。
人口減少やコロナ禍の影響も重なり、地域公共交通を取り巻く経営環境は一層厳しさを増しており、高齢者や障がい者など交通弱者に対する移動、外出の手段確保を急ぐ必要があります。
地域公共交通の維持、確保とともに、交通弱者に対する移動支援策の強化について見解を伺います。
地域の生活交通を守ることも大変重要です。
公共交通空白地、不便地などにおける生活交通の維持確保、地域において幹線と接続して支線の役割を持って運行される路線バスなどのフィーダー系統交通の充実の取組について新年度の所見を伺います。
次に、緑のまちづくりについてです。
貴重な緑を保全する植物園や公園、公共空間の緑化など、新たな緑の創出を推進することが重要です。
市民、企業、行政が力を合わせ、花や緑で彩られ、歩いて楽しい魅力的なまち並みを市全域に創出する取組も充実させていただきたいと考えますが、新年度はどのように推進されるのか、伺います。
また、公園の整備については、インクルーシブな子ども広場の整備とともに、草木の除草、剪定など、維持管理を定期的かつ着実に行うための新年度の取組を伺います。
次に、道路、下水道についてです。
学校、保育施設、幼稚園等の周辺道路の交通安全対策の強化として、交差点の巻き込み部、横断歩道部、未就学児が集団で移動する経路の危険箇所の早期整備を目指すとともに、路側帯のカラー化や防護柵の設置、ゾーン30プラスの設置など、あらゆる対策を講じる必要がありますが、さらなる強化について所見を伺います。
渡辺通りの慢性的な渋滞緩和に向け、天神ビッグバンと並行し、国体道路より南側工区の着手も含め、天神通線の着実な整備を進めるため、国や関係機関としっかり協議を行い、予算確保に努めてもらいたいと考えますが、今後の方針を伺います。
災害に強いまちづくりに向け、橋梁や道路の計画的な整備を着実に進め、福岡市無電柱化推進計画については防災の観点と併せ、歩行者や交通の妨げとなっている電柱などを把握、改善するなど、強力に推進する必要があると考えますが、今後の取組方針を伺います。
誰もが気軽に外出しやすいまちづくりの実現のため、新たな手法として屋外広告などの設置を進めている民間事業者や地域団体等と連携しながら、バス停の上屋やベンチの設置を加速させるべきと考えますが、所見を伺います。
駅周辺などの自転車駐輪場の利用者実態調査を行った上で、新たな駐輪場整備や機械式駐輪場を拡充するとともに、自転車走行空間もさらなる整備をすべきと考えますが、今後の展開を伺います。
近年の気候変動の影響による水害の激甚化、頻発化を踏まえ、下水道施設の浸水対策強化のための新たな大規模貯留管整備の検討や内水氾濫危険情報については、博多駅地区に加え、天神地区においても市民や来街者にリアルタイムで発信する仕組みを検討すべきと考えますが、所見を伺います。
次に、環境施策についてです。
福岡市はゼロカーボンチャレンジとして2040年度に温室効果ガス排出量実質ゼロへの全国に先駆けた取組を目標にしています。
脱炭素社会実現へ、水素、カーボンリサイクル、グリーンボンドの積極活用、排出量取引制度の創設、条例によるCO2削減義務化など、低炭素から脱炭素への流れを加速させるためのグリーン戦略にどう取り組むのか、伺います。
再生可能エネルギーの普及について、市有施設などへのさらなる太陽光発電の導入、市有施設の電力の100%再エネ電力への切替え、家庭や事業所の脱炭素化支援など、どのように拡充を図るのか、伺います。
家庭からの燃えるごみの約3割と言われる生ごみ対策をはじめ、家庭ごみ全体の減量についての新たな取組が必要です。
また、雑がみについては雑がみ回収袋の市内全戸配布や家庭用ごみ袋のより小さなサイズの導入など、家庭ごみ全体の減量対策について所見を伺います。
不要なプラスチック製品をできるだけ使わないリフューズ推進のための啓発強化、プラスチックごみ拠点回収モデル事業の成果も踏まえた分別回収の検討、使用済みペットボトルのボトルtoボトルリサイクルは福岡市回収分の全量に拡大すると聞いていますが、今後のスケジュールを伺います。
次に、観光・MICEの振興についてです。
福岡市は、経済、観光、文化を一体的に振興することで都市の成長を実現し、人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市福岡を目指しています。観光においては、観光客獲得に向けた都市間競争が既に始まっており、地域経済の回復を図るためには新たな市場開拓などにも取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。
また、本年7月に開催される世界水泳選手権は、インバウンドの本格的な回復に向けて、福岡の魅力を発信するチャンスであり、集客拡大が期待できると考えますが、九州のゲートウェイ都市としての機能強化やMICEの誘致強化のためどのように取り組まれるのか、伺います。
福岡市には福岡城、鴻臚館、元寇防塁、博多旧市街をはじめとする歴史資源や農山漁村地域の豊かな自然環境、夜を彩り福岡を象徴する文化である屋台をはじめとする食の魅力など、独自の地域資源があります。
観光振興による地域経済の活性化に向け、観光を取り巻く状況やニーズの変容を踏まえて、改めて福岡の魅力を掘り起こし磨き上げ、観光資源として活用していただきたいと思いますが、所見を伺います。
最近では、市内でも外国人観光客を多く見かけるようになり、全国旅行支援等により国内観光客もコロナ前に戻りつつあるのではないかと感じております。その一方で、一部の観光関連事業者においては急激な回復に対応し切れていないという話も伺っておりますし、観光客の満足度を高めることにより、豊かな市民生活にもつなげていくことが必要と考えます。
アフターコロナに向け、持続可能な観光振興にどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
文化芸術は人々の潤いのある生活に欠かせないものであり、都市の魅力、価値を向上させる大きな力を持っています。彩りにあふれたアートのまちを目指して、令和4年度から開始したFukuoka Art NEXTの取組の強化を図るとともに、福岡市文化芸術振興財団のアーツカウンシル機能が市内の文化芸術活動者に寄り添い、さらなる活躍につながるよう実効性のあるものにしていただきたいと思います。
今後、Fukuoka Art NEXTの取組やアーツカウンシル機能の充実にどのように取り組んでいくのか、伺います。
次に、福岡空港と博多港についてです。
福岡空港は令和2年1月に平行誘導路の二重化が完成し、航空機混雑の緩和や利便性の向上が図られています。
現在、滑走路増設事業が進められており、福岡空港の国内外航空路線のネットワークの強化を着実に進めていく必要があると考えますが、決意を伺います。
博多港は九州・西日本の経済活動や市民生活を支えており、物流ITシステムをはじめ、効率性の高い物流機能の強化を図るなど、戦略的な取組が求められています。
そこで、D岸壁の早期整備を国に強く求めるべきだと考えますが、今後の取組について伺います。
アイランドシティはばたき公園は、160万都市の都心近くにありながら、シギ、チドリ類や絶滅危惧種であるクロツラヘラサギなどの渡り鳥が飛来するエコパークゾーンの中心に位置しております。
その豊かな自然環境を市民が身近に実感できる環境学習の拠点として着実に整備を進めていく必要があると考えますが、今後の取組について伺います。
次に、農林水産業の振興についてです。
地産地消や食育など食に対する安全、安心への意識や新鮮な食材を求めるニーズ、健康志向はますます高くなってきています。
唐泊恵比須かき等のブランド化の推進など、地産地消や市内産農水産物の付加価値向上、魅力アップにどう取り組まれるのか、伺います。
高齢化や新規就農者の減少など、農家をめぐる課題の打開策として、農産物の生産にロボットやAI、IoTなどの先端技術を活用するスマート農業が期待を集めています。スマート農業の推進について伺います。
地球温暖化防止や水源涵養、土砂災害防止など、森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるため、森林資源の循環利用が必要です。
本市では、これまでも公共建築物への地域産木材の活用を進めてきておりますが、さらなる活用に向けた取組について伺います。
豪雨災害を踏まえ、農業用ため池の適切な管理を行うとともに、防災重点農業用ため池の安全性向上対策や緊急時の迅速な避難行動につなげる対策が必要であると考えます。どのように取り組んでいかれるのか、伺います。
漁村地域において人口減少や高齢化など活力が低下している中、国においては海や漁村に関する地域資源を活用して所得機会の増大を図る海業を推進するための法改正が予定されています。漁港を中心とする地域の活性化と地元水産業の振興に向けて、海業の取組をどう推進していくのか、伺います。
次に、福岡市地下鉄についてです。
地下鉄の防犯対策の強化やバリアフリー化など、ユニバーサルデザインに配慮した整備促進については、新車両導入や車両改造に合わせた車内防犯カメラの設置や女性専用車両の導入、また、誰もが分かりやすい駅施設案内、昇降機の整備など、どう推進するのか、伺います。
本年3月27日に七隈線延伸開業を控えており、コロナ禍で打撃を受けた地下鉄運営のⅤ字回復を目指すとともに、市民や来街者のわくわく感を醸成するためどう取り組むのか、伺います。
地下鉄周辺のにぎわいづくりの推進と併せて、地下鉄駅構内営業については駅ナカビジネスやにぎわいづくりの推進、国内外からの来訪者の利便性の向上と、高齢者、障がい者などにも配慮した地下鉄環境づくりを進めるための取組について伺います。
次に、消防行政についてです。
救急車の適正利用のため、救急医療電話相談#7119や、聴覚や会話が不自由な方のNET119緊急通報システムの積極的な推進を図るとともに、通報者に現場映像を送ってもらうLive119映像通報システムが導入されましたが、その効果について伺います。
開校から45年目となり老朽化した福岡市消防学校は、災害対応能力強化や最新の教育訓練施設の充実など、本格的な機能強化のため学校施設建て替えに着手すべきと考えますが、今後の方針を伺います。
次に、水道行政についてです。
小中学校の直結給水化を着実に推進するとともに、水質管理未改善施設の小規模貯水槽設置者への指導強化を図り、安全でおいしい水の供給に努めていただきたいと考えますが、御所見を伺います。
次の時代を見据えた水道水の安定供給のため、IoTセンサーを活用したポンプ設備の管理、点検、さらに、AIや人工衛星画像を活用した漏水調査、水道スマートメーターやマイクロ水力発電導入の検討を進めていただきたいと考えますが、所見を伺います。
災害時の飲料水や生活用水の確保のため、浄水場などの耐震化や水道施設の停電対策としての非常用発電装置の設置については、今後とも、常に必要性を把握するとともに、避難所などの給水ルートを確保する耐震ネットワーク工事完了に向けてどう取り組むのか、伺います。
最後に、投票率の向上について伺います。
本年4月は統一地方選挙が予定されています。18歳選挙権が導入されて以降も、コロナの影響もあり、投票率の向上には様々な課題が残っています。
昨年の福岡市長選において、各区の商業施設などを活用した期日前投票所の増設による投票環境の充実は投票率向上に一定の効果があったと思います。本市としての分析と今後の取組を伺います。
以上、市政全般にわたる福岡市令和5年度予算案に関して質問させていただきました。全ての人が輝き活躍できる社会を目指し、希望あふれる福岡市の実現のため、様々な課題解決へのかじ取りに挑む髙島市政をしっかり支え、我が会派も総力を挙げるとの決意を申し上げ、公明党福岡市議団の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○副議長(山口剛司) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎)登壇 ただいま公明党福岡市議団を代表して古川議員より御質問をいただきましたので、まず私から御答弁をさせていただきます。
最初に、持続可能な財政運営と予算編成に関する御質問にお答えをいたします。
福岡市では、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを基本戦略として掲げ、まちづくりを進めております。これまでの取組の結果、人口は163万人を超え、企業の立地や創業が進み、市税収入は令和元年度まで7年連続で過去最高を更新し、その後も高水準で推移をしております。この成長の果実を生かして、子ども医療費の助成を拡充するふくおか安心ワンコインの実施や、小中学校の教室への空調整備をはじめ、子育てしやすい環境づくりや教育環境の充実、安全、安心なまちづくりなど、市民の生活の質の向上に積極的に取り組んでおります。今後とも、この好循環がさらに力強いものとなるようにしっかりと取り組んでまいります。
また、この元気で住みやすいまちをさらに発展させ、将来に引き継いでいくため、次代を担う子どもたちや若者の意見も取り入れながら新たな基本計画の策定を進め、人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市の実現を目指してまいります。
持続可能な財政運営については、行政運営プラン及び財政運営プランに基づき、投資の選択と集中を図りつつ、歳入の積極的な確保や行政運営の効率化、既存事業の見直しなど、不断の改善を進めるとともに、市債残高の縮減に取り組んでまいります。
令和5年度予算案については、福岡市を次のステージへと飛躍させるためのチャレンジを果断に進めることを基本的な方針として、「次代を担う子ども、グローバル人材の育成」、「見守り、支え合う共創の地域づくり」、「都市活力を生み出す観光・MICE、都心部機能強化の推進」、「新しい価値の創造にチャレンジするスタートアップ都市づくり」という4つの分野に力を入れることとしており、特に子どもを望む人が安心して出産、子育てができるよう子育て支援をさらに充実したところであります。
次に、アセットマネジメントの推進などについては、基本方針に基づき、財政負担の軽減、平準化を図りつつ、施設の長寿命化や用途廃止、統廃合なども含めた有効活用を図るとともに、歳入の積極的な確保や市債発行の抑制による将来負担の軽減などに取り組んでまいります。
ふくおか応援寄付については、市内で利用できる電子ポイントに対応した店舗の拡大を図るとともに、市内産返礼品のさらなる充実を進めるなど、地域経済の回復にも寄与する取組を行ってまいります。
次に、基本計画についてのお尋ねですが、次期計画の策定に当たっては、次代を担う子どもたちや若者の声を聞きながら、社会の変化や新たな価値観をしなやかに取り入れていくことが重要であると考えております。令和5年度は多くの市民の皆様から御意見をいただきながら素案をまとめ、令和6年度に総合計画審議会に諮るとともに、議会の議決を得て策定をしてまいります。
SDGsとウエルビーイングについては、令和4年度に創設した登録制度の登録事業者が着実に増加しているところであり、SDGsの達成と働く人のウエルビーイングの向上に向けて制度のさらなる充実を図ってまいります。
次に、DX社会の構築については、福岡市DX戦略を策定し、デジタル臨時行政調査会など国の取組とも連携をして行政手続のオンライン化などを進めるとともに、データ連携基盤を活用したプッシュ型の情報提供を充実してまいります。今後とも、DXを進め、市民の利便性の向上と業務の効率化を推進してまいります。
また、マイナンバーカードの普及促進については、地域の団体などへの出前サポートの強化や若年層などへの普及キャンペーンの拡大などに積極的に取り組んでまいります。
デジタルデバイドの解消については、市民に使いやすく分かりやすいユーザーインターフェースの導入や公民館スマホ塾の実施など、誰もがデジタル技術を活用できる環境づくりに取り組んでまいります。
次に、地域コミュニティと防災活動に関する御質問にお答えをいたします。
まず、地域コミュニティについては、自治協議会や自治会、町内会への補助、公民館における地域のデジタル化支援などを行ってまいります。また、コロナ下での活動事例の共有や地域防災にも役立つ活動メニューの提供など、地域の実情に応じたきめ細かな支援を行い、共創の地域づくりを推進してまいります。
災害対応の取組については、気象台や自衛隊など関係機関との連携強化を図るとともに、防災DXに取り組み、防災先進都市福岡を目指してまいります。
次に、スポーツ施策に関する御質問にお答えをします。
まず、世界水泳選手権については、国や県などと連携を図りながら万全の受入れ環境を整備し、都市ブランド力の向上や地域経済の活性化に大きく寄与する大会を目指してまいります。また、世界のトップスイマーの活躍によって市民の夢や希望を育むとともに、大会後にはそのレガシーを生かし、市民スポーツの振興に取り組んでまいります。さらに、世界水泳選手権の成果などを踏まえながら、様々な開催効果が期待できる国際スポーツ大会の誘致にも引き続き取り組んでまいります。
ボートレース福岡のパーク化については、他都市の事例も参考に地域課題に対応し、多くの方々に楽しんでいただける施設の整備を引き続き検討してまいります。また、スケートボード施設については、都心部など利便性の高い場所への設置を検討してまいります。
子ども施策に関する御質問にお答えをいたします。
まず、第2子以降の保育料については、多子世帯への支援として令和5年4月から認可外を含む全ての保育所や幼稚園を対象に、所得制限などの要件を設けず無償化します。
次に、保育士の処遇の改善については、勤続手当の支給、家賃や奨学金返済の支援、保育の補助等を行う職員の配置費用の助成などを行っております。また、新たに専門家による保育所の働き方改革の支援を実施します。
保育所における使用済みおむつの処分については、各園の状況などを踏まえ、適切に対応してまいります。
3歳未満の家庭内保育への支援については、子どもプラザや子育て交流サロンなどの身近な地域における親子の交流の場づくりに加え、新たに保育所の空き定員などを活用し、保育所や幼稚園などに通っていない未就園児の定期的な預かりを実施してまいります。
また、全ての子育て家庭への支援として、定期的に見守りながらおむつなどの子育て用品を届けるおむつと安心定期便を開始するとともに、産後ヘルパーの利用期間の拡大や利用者負担の軽減に取り組むなど、サポートを充実してまいります。
男性職員の育児休業については、令和3年度において164人が取得し、取得率は34.7%となっております。また、令和4年度に男性育休100%宣言を行ったところであり、育児休業を取得できる環境づくりに努めてまいります。
子ども医療費については、必要なシステム改修などを行い、入院は無料、通院は自己負担を一律500円までとするふくおか安心ワンコインを令和6年1月から高校生世代まで拡大してまいります。
教育行政に関する御質問については、後ほど教育委員会から御答弁をいたします。
次に、若者への支援については、各区の就労相談窓口においてきめ細やかな個別相談を行うほか、国や県とも連携をして就労支援に取り組んでまいります。また、県や民間企業が実施する出会いイベントの広報や県との共働による婚活セミナーの開催など、引き続き出会いの支援に取り組んでまいります。
次に、医療、介護、障がい福祉サービスに関する御質問にお答えをいたします。
まず、新型コロナウイルス感染症については、法的位置づけの変更に伴う段階的な措置の見直しを踏まえ、必要な感染対策を進めるとともに、受診できる医療機関や相談窓口などについて積極的な情報発信に努めてまいります。
帯状疱疹ワクチンについては、国において科学的根拠に基づき有効性や安全性、費用対効果などについて議論がなされており、国の動向を注視してまいります。
健康づくり施策については、誰もが健康で自分らしく活躍できる持続可能な社会の実現を目指すプロジェクト、福岡100を推進しており、その一環としてライフステージに応じた市民の健康づくりを支援するとともに、生活習慣病重症化予防の仕組みづくりを進めるなど、人生100年時代の到来を見据えた健康づくりに取り組んでまいります。
また、高齢者の健康づくりの支援については、よかトレ実践ステーションの支援などを行うボランティアの養成や、老人クラブ活動への助成などに引き続き取り組んでまいります。
高齢者へのICTを活用したコミュニケーションの支援については、SNSに関する講座やオンラインでの交流プログラムなどに引き続き取り組んでまいります。
介護人材の確保については、介護ロボットのトライアル貸出しやICT導入による事務効率化の支援など、労働環境や処遇の改善を図るとともに、初任者研修の無料開催などによる就労支援や介護職員の資質の向上などに取り組んでまいります。
障がい福祉サービスの提供体制については、親なき後を見据え、グループホームにおける重度障がい者の受入れを促進するなど、個々の障がいの特性などに応じた福祉サービスの充実に取り組んでまいります。
障がい者の就労支援については、重度障がい者などに対する通勤や就業中の支援を自営業者に拡大するとともに、就労移行支援事業所などにおけるリモートワークの推進に努めてまいります。また、発達障がい者支援センターと障がい者就労支援センターを一体的に整備する施設を令和5年7月に開設し、就労支援や企業への啓発、助言などに取り組んでまいります。
日常生活用具の見直しと拡充については、当事者や検討委員会の意見、障がい者施策全体の中での優先度、他都市の状況などを踏まえ、総合的に判断していく必要があると考えております。
次に、住宅施策に関する御質問にお答えをいたします。
まず、多元的な住宅施策については、計画に基づき重層的な住宅セーフティネット機能の強化を図るため、関係団体との連携の下、賃貸住宅市場全体で取り組んでまいります。
次に、市営住宅の居住環境については、計画に基づきユニバーサルデザインを基本仕様とした効率的、計画的な機能更新、維持保全に引き続き努めてまいります。
市営住宅の単身世帯の入居要件については、募集倍率の動向や入居状況などを踏まえつつ、他都市の事例などを調査してまいります。また、一定期間応募がなかった住宅については随時募集の対象とするなど、引き続き空き家の解消に努めてまいります。
ファミリー世帯の入居促進については、引き続き収入基準の緩和や募集枠の確保などに努めるとともに、必要な制度改正について国に要望してまいります。また、計画的な建て替えや改善、維持補修、また適正管理などに取り組み、建て替えによって創出される将来活用地においては、地域課題の解決に資する施設の立地を誘導してまいります。
次に、生活交通施策については、引き続き地域や交通事業者と連携をして公共交通の維持、確保に努めるとともに、移動に制約がある方への支援に取り組んでまいります。
生活交通の充実については、条例に基づき休廃止対策などに取り組むとともに、地域や交通事業者と連携をしてオンデマンド交通の社会実験を着実に進め、持続可能な仕組みづくりに取り組んでまいります。また、主要な鉄道駅における折り返し系統バスの導入などに関係者と連携して取り組んでまいります。
次に、緑の取組につきましては、都心の森1万本プロジェクトなどによって公園や街路樹をはじめとした公共空間や民有地の緑化を推進するとともに、一人一花運動の輪を広げ、彩りと潤いにあふれた魅力的なまちづくりを進めてまいります。
公園の整備については、障がいの有無などにかかわらず、誰もが自分らしく遊べるインクルーシブな子ども広場づくりなどに取り組んでまいります。また、定期的な剪定や除草などの維持管理や公園愛護会活動への支援を拡充してまいります。
次に、道路下水道に関する御質問にお答えをします。
まず、学校等の周辺道路における交通安全対策については、防護柵など交通安全施設の整備やゾーン30プラスの推進などに取り組んでまいります。
天神通線については、沿道のまちづくりと一体的に北側工区の整備を進めるとともに、南側工区に着手することにしており、着実に事業を推進してまいります。
無電柱化については、計画に基づき防災や安全、円滑な交通確保などの観点から積極的に推進してまいります。
バス停の上屋については、バス事業者による設置を基本としつつ、福岡市もバリアフリー重点整備地区内などへの設置を引き続き行ってまいります。また、ベンチについては、官民連携をして設置を進めてまいります。
駅周辺などの駐輪場については、公共によるほか、附置義務駐輪場の整備促進などによって確保に努めてまいります。
自転者通行空間について、安全で快適な通行環境づくりに向けて積極的に整備をしてまいります。
浸水対策の強化については、将来的な降雨量増加に対応するため、貯留施設の整備などによって浸水安全度の向上に取り組んでまいります。また、内水氾濫危険情報については、天神地区についても、早期発信に向けて取り組んでまいります。
次に、環境施策に関する御質問にお答えをいたします。
まず、脱炭素社会の実現に向けて、国内外の動向を踏まえながら新たなイノベーションを積極的に取り入れ、水素エネルギーの活用、建築物や設備の脱炭素化、次世代自動車の普及などに市民、事業者と一体となって取り組んでまいります。
再生可能エネルギーについては、市有施設における太陽光発電の導入や再生可能エネルギー由来電力の利用を拡大するとともに、住宅用エネルギーシステムの導入支援や、新たにPPAによる事業所への太陽光発電の導入に対して助成を行うなど、普及を進めてまいります。
家庭ごみの減量対策については、プランに基づき市民や事業者と連携をして発生抑制と再使用に重点を置いた取組を推進してまいります。また、新たに生ごみ堆肥化容器の購入補助を行うとともに、大学などと連携をした雑がみ回収促進袋の配布による周知、啓発を行うほか、家庭用ごみ袋の在り方についても、検討を行ってまいります。
プラスチックごみについては、事業者や地域と連携をした啓発を行うなど、リフューズによる発生抑制を推進してまいります。また、分別収集の導入に向けて新たに戸別収集モデル事業の実施や収集後のリサイクル体制の構築に取り組んでまいります。
ボトルtoボトルリサイクルについては、福岡市で回収したペットボトルの全量を対象とした試行を実施し、引き続き効果的な回収、リサイクル体制の構築に向けた課題を検証してまいります。
次に、観光・MICEについての御質問にお答えをいたします。
まず、九州のゲートウェイ都市機能の強化などについては、世界水泳選手権に合わせ、九州の自治体と連携をした広域周遊観光を推進するほか、付加価値の高い体験コンテンツ造成などによる新たな市場の開拓に取り組み、幅広い集客促進を図ってまいります。
また、福岡市の強みであるMICEにおいては、ビジネス機会の創出につながる展示会など、都市のプレゼンスの向上に取り組んでまいります。
次に、観光資源の活用については、鴻臚館、福岡城などの史跡整備や博多旧市街をはじめとする歴史、文化の魅力発信のほか、海辺などの自然を生かしたサステナブルツーリズムを進めてまいります。また、世界でも評価が高い福岡の食をグローバルに発信するなど、地域資源を磨き上げ、集客や回遊促進に取り組んでまいります。
持続可能な観光振興については、ポストコロナに向け、宿泊事業者などの生産性向上の取組を支援するなど、観光産業の本格的な回復を図るとともに、観光による地域の活性化や受入れ環境の充実による利便性の向上など、地域や市民生活と調和をした観光振興を推進してまいります。
次に、アートに関するお尋ねでありますが、Fukuoka Art NEXTについては、Artist Cafe Fukuokaの施設の拡充や相談体制の強化によりアーティストの成長支援に取り組むとともに、ファンウィークの開催などによりアートのある暮らしの充実を図ります。
また、令和4年度に設置をしたアーツカウンシルについては、きめ細やかな相談体制や活動助成などの支援を充実してまいります。
次に、福岡空港と博多港に関する御質問にお答えをします。
まず、福岡空港については、九州・西日本地域の発展を支える主要地域拠点空港であり、航空ネットワークの充実強化を図ることは重要であると考えております。増設滑走路の供用開始を見据え、引き続き運営会社などと連携をして国内外航空路線の維持、拡充や利用の促進に取り組んでまいります。
博多港の機能強化については、アイランドシティにおいて拡張したコンテナヤードを令和5年3月に供用開始したところであり、引き続きD岸壁の早期整備に向け、国に対して提言を行ってまいります。
アイランドシティはばたき公園については、野鳥が飛来する湿地を中心とした自然の成長を学ぶゾーンの令和6年度供用開始を目指して、令和5年度は野鳥観察施設の整備などに取り組んでまいります。
次に、農林水産業に関する御質問にお答えをいたします。
まず、地産地消の取組については、市内産農水産物の学校給食への活用を推進するとともに、ふくおかさん家のうまかもん認定店と連携をしたフェアなどを実施してまいります。また、付加価値向上などについては、ストーリーを生かしたブランド化を推進するとともに、唐泊恵比須かきの国際認証取得の支援に取り組んでまいります。
スマート農業については、生産工程を管理するシステムや農業用ドローンの活用など、生産現場の課題解決に資する新技術の導入支援や、生産者や大学などと連携をして新技術の実証を行うなど、さらなる推進に向けて取り組んでまいります。
地域産木材の利用については、公共建築物の木造、木質化をさらに促進するため、森林組合と連携をして市営林などの木材を安定的に供給する取組を進めてまいります。
農業用ため池については、適切な管理を行うとともに、防災重点農業用ため池については安全性向上のための工事や緊急時の避難行動につなげるハザードマップの作成を進めてまいります。
海業の推進については、規制緩和の状況を踏まえ、新たな雇用創出や漁業者の所得向上に向け、関係者と連携して地域の特性を生かした漁港の活用に取り組んでまいります。
交通事業に関する御質問については、後ほど交通事業管理者から御答弁いたします。
次に、消防行政に関する御質問にお答えをします。
まず、#7119及びNET119緊急通報システムについては、引き続き積極的な広報に努めてまいります。Live119映像通報システムについては、映像を確認しながら通報者に応急手当ての方法を伝えることができるなど、的確な消防救急活動につながっております。
最後に、消防学校については、実践的かつ効果的な訓練施設などの充実に向けた計画の策定を行うなど、機能強化の検討に取り組んでまいります。
水道事業に関する御質問については、後ほど水道事業管理者から御答弁いたします。
また、投票率に関する御質問については、後ほど選挙管理委員会から御答弁をいたします。
以上、市政各般にわたり御答弁いたしましたが、承りました御意見、御提言に留意し、市民の代表である議会との対話を真摯に進めてまいります。今後とも、人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市の実現を目指して全力で市政運営に取り組んでまいります。よろしく御協力をお願いします。
○副議長(山口剛司) 坂本水道事業管理者。
○水道事業管理者(坂本秀和) 水道に関する御質問にお答えいたします。
安全でおいしい水の供給については、子どもたちに安全、安心でおいしい水を届けるため、今後とも、小中学校の大規模改造などの機会を捉えて、教育委員会と連携し、直結給水化を推進してまいります。
また、小規模貯水槽の適正管理については、啓発パンフレットの送付や個別訪問による改善指導などにより、良好に管理されている施設の割合が9割を超えるまでに改善しております。今後とも、保健医療局と連携するとともに、関係団体の協力も得ながら適正管理のより一層の推進に向け、取り組んでまいります。
次に、IoTやAIなどの新技術の活用については、維持管理の効率化や高度化を推進するため、令和4年度にIoTセンサーを活用したポンプ設備の点検システムを高宮浄水場に導入し、令和5年度には人工衛星画像やAIなどを活用した漏水調査の実証実験に取り組んでまいります。
また、水道スマートメーターについては、新たな社会的価値の創出や導入に向けた課題の解決に向け、必要な実証実験を行うなど、さらなる検討を進めてまいります。
さらに、マイクロ水力発電については、官民連携スキームを活用し、令和5年度には導水施設に設置することとしております。将来にわたり安全で良質な水道水を安定的に供給していくため、引き続き新技術の積極的な活用により業務の効率化や生産性の向上を図り、安定経営の持続に取り組んでまいります。
最後に、水道施設の耐震化については、浄水場をはじめとする重要な土木構造物は全て完了するとともに、耐震ネットワーク工事については令和6年度末の工事完了に向け、最優先に取り組んでまいります。
また、停電対策については、ポンプ場などへの非常用発電装置の整備を既に完了するとともに、電気設備の機能が水害時にも維持できるよう重要施設の耐水化を進めております。今後とも、施設の新設や更新などの際に適宜防災対策を推進してまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 地下鉄に関する御質問にお答えいたします。
まず、ユニバーサルデザインに配慮した整備促進については、車両の新造や大規模改修時に車内案内表示器の4か国語対応などの整備に取り組むほか、駅施設においては、より分かりやすい案内サインへの改良や昇降機の増設に向けた検討に取り組んでまいります。
防犯対策の強化については、見せる警備を基本とし、新たに七隈線へ導入した車両について既に車内防犯カメラを設置しており、その他の車両についても、令和5年度より計画的に設置を進めてまいります。なお、女性専用車両の導入については、諸課題もあることから、引き続きお客様のニーズ調査を行うなど、検討を進めてまいります。
次に、地下鉄七隈線延伸については、コロナ禍で打撃を受けた地下鉄経営のⅤ字回復に向け、延伸開業需要を捉えた時間短縮効果を生かしたプロモーションを展開し、利用者の早期定着を図るほか、延伸による都心回遊性の向上を生かした駅周辺散策コースやテーマ別の地下鉄周遊コースの開発、沿線の集客施設や商店街などと連携した地下鉄周遊イベントを実施するなど、市民や来街者へ沿線の魅力を発信しながら、需要創出、利用促進に取り組んでまいります。
最後に、地下鉄駅のにぎわいづくりについては、駅周辺の観光資源や集客施設などと連携した駅の魅力づくり事業に取り組むとともに、各駅構内への店舗など利便施設の誘致に積極的に取り組んでまいります。
また、来街者の利便性の向上については、駅コンシェルジュを世界水泳選手権開催期間中には博多駅に加えて福岡空港駅に配置するほか、車内での多言語による分かりやすい案内表示など、地下鉄利用における多言語サービスの充実を図ってまいります。
さらに、高齢者や障がいのあるお客様の環境づくりについては、駅務員のサービス介助士の資格取得を推進するなど、質の高い駅務サービスの提供に努めてまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教育に関する御質問にお答えをいたします。
まず、ICTを活用した不登校支援につきましては、新たに、ひきこもり傾向にある児童生徒が交流するオンラインルームの開設や、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによるICTを活用したアウトリーチ支援などに取り組むこととしており、一人一人の多様な課題に対応した切れ目のない支援を推進することにより、不登校児童生徒の社会的自立を促進してまいります。
次に、学校における働き方改革については、令和5年度も学習指導員の新設や部活動指導員、スクール・サポート・スタッフなどの拡充のほか、業務の効率化を図る機器やシステムの導入など、教員の業務負担の軽減に取り組むこととしており、教員が子どもたちと深く関わり、指導に専念できる環境づくりを推進することで教職の魅力向上につなげてまいります。
次に、教員については、国の定数改善による増員と併せて、新たに年度途中からの産休、育休取得見込み者に対して年度当初からの講師を配置する福岡市独自の取組を行ってまいります。学習指導員派遣についても、新たに221人を学校規模に応じて配置することとしており、チームティーチングなどの学びのサポートにより児童生徒の学習内容の定着と教員の負担軽減を図ってまいります。
次に、教員採用については、一般選考での模擬授業実施や教職経験による優遇措置などにより実践力の高い優秀な人材の確保に引き続き取り組んでまいります。
講師については、働きやすい職場環境づくりの推進などにより人材確保に努めるとともに、令和4年度から新たな採用制度として、講師を対象に勤務実績を踏まえた特別選考を行っており、引き続き実施してまいります。
次に、情緒障がい児等のための取組については、まず、自閉症・情緒障がい特別支援学級について令和5年度に30学級の大幅な増設を行うとともに、通級指導教室についても7教室を増設することとしており、対象となる児童生徒の状況や居住地等の実態を踏まえ、計画的な増設に努めてまいります。また、特別支援学校採用枠による教員はもとより、小中学校に採用された教員にも早期に特別支援教育に関わる経験を積ませるとともに、経験年数に応じた教員研修の拡充や校内研修向けのコンテンツの作成、活用などにより、引き続き計画的な人材育成に取り組んでまいります。
最後に、学校トイレの洋式化については、今後も可能な限り早期に完了するよう取り組むとともに、多様性に配慮した使いやすいトイレの整備にも努めてまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 選挙に関する御質問にお答えいたします。
令和4年の市長選挙におきましては、4か所の大型商業施設に期日前投票所を設置し、投票環境の充実などに取り組んだ結果、期日前投票者数が大幅に増加しており、前回の市長選を上回る投票率となった要因の一つと考えております。令和5年4月の統一地方選挙では、これらの商業施設に加え、天神の大型商業施設に7区集合型の期日前投票所を市役所1階から変更して設置することとしており、引き続き投票率向上に向け取り組んでまいります。以上でございます。