○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美)登壇 私は公明党福岡市議団を代表いたしまして、魅力と特色ある学校づくりについて、HPV、ヒトパピローマウイルスワクチンについて、糖尿病性腎症重症化予防事業とフレイル対策についての3点について質問させていただきます。
初めに、魅力と特色ある学校づくりについてです。
子どもたちの成長の大きさや未来の姿は無限の可能性にあふれています。スポーツに限らず、様々な分野や領域で大きな力を発揮する子どもたちもたくさんいます。その一方で、学校をはじめとする教育の場は、今日、コロナ禍による社会的な環境の変化などで様々な影響を受けており、それに対応するような内容、方法による教育を行うことの必要性が求められています。
文部科学省の調査によると、全国の小中学校で令和3年度に不登校だった児童生徒は24万4,940人となり、過去最多9年連続で増加、しかも、前年度に比べ25%もの増加率は過去に例がありません。文部科学省は、コロナ禍によって生活のリズムが乱れやすく、交友関係を築くことが難しくなり、登校意欲が湧きにくい状況にあったと分析をしています。
不登校の子どもたちの学びを支え、誰一人取り残さない教育環境の整備が重要と考えますが、福岡市で令和3年度の不登校の児童生徒は何人いるのか、お聞きをいたします。
これで1問目の質問を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和3年度は3,535人でございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) では、本市での不登校児童生徒の支援はどのように取り組んでおられるのか、お尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 不登校を未然に防止し、早期に対応していくため、学校における児童生徒の状況を把握するQ-Uアンケートを実施しているほか、不登校児童生徒やその保護者の心理的、福祉的な支援を実施していくためにスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを全小中学校に配置しております。また、他の政令指定都市に先駆けて全中学校に校内適応指導教室を設置するとともに、不登校対応専任の教員である教育相談コーディネーターを配置し、教室に通うことができない生徒の居場所づくりに取り組んでおります。さらに、学校に来ることが困難な児童生徒が通う校外適応指導教室を設置し、幅広く学びの場の確保に取り組んでおります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 広島県教育委員会を訪問し、不登校等児童生徒への支援について伺ってまいりました。不登校に限らず、学校になじめない児童生徒を対象とした、オンラインと来室を併用して個々の時間割で学べるSCHOOL“S”を教育センター内に開設されておりました。東大などとも連携をして、多様な教育プログラムを準備し、悩む子どもたちの学びの選択肢の一つとして機能を強化した支援です。
分かりやすくパネルにさせていただきました。(パネル表示)これはSCHOOL“S”という愛称で取り組まれているんですけれども、スチューデント、児童生徒が自分で選んだセレクト、シークレット、秘密基地のようにわくわくする特別な、スペシャルな場所、スペースというこの取組で、愛称をSCHOOL“S”というふうに取り組まれています。この下にあるのがロゴマークです。ロゴマークも大変に興味があって楽しいものだなという、本当に子どもたちの興味をそそる取組をされているようでございます。
さらに、今年度は県内の小中学校33校に不登校SSR、スペシャルサポートルーム推進校を増設。SSRは、安心、安全な居場所であるとともに、成長できる場であり、生きる力を育むことを目指しています。不登校児童生徒は学校に対するネガティブなイメージを持っている子が多くいるため、学校らしく見えない空間づくりを心がけ、環境整備に力を入れておられました。オンライン学びプログラム、オンラインクラブ活動、オンライン修学旅行を実施され、学習支援の拡充強化に取り組まれておりました。
また、本年3月、条例予算特別委員会におきまして、我が会派の川上多恵議員が不登校支援についての質疑を行い、ICTを活用してオンライン学習を支援する熊本市での取組を紹介した際に、仕組みづくりについて検討していきたいとの御答弁をいただいておりました。
このように様々な形で不登校支援の取組が行われる中で、不登校の子どもの状況に合わせた柔軟な授業カリキュラムを組むことができる不登校特例校が本年4月時点で、全国10都道府県で21校開設をされ、その取組が注目されておりますが、福岡市における現段階の取組についてお伺いをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 現在、国の動向や他都市の状況について情報収集を行っているところでございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 平成28年には教育機会確保法に基づく基本指針で、国は自治体に対して不登校特例校の設置を促しております。また、政府は本年6月に策定した経済財政運営と改革の基本方針、骨太方針の中に不登校特例校の全都道府県などでの設置や指導の充実の促進を初めて明記されております。
そこで、福岡市においても不登校特例校の設置が急務であると考えますが、今後どのような取組をなされるのか、御見解をお示しください。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 不登校児童生徒の状況は一人一人で異なり、多様であるため、まず、現状をしっかり把握、分析していきたいと考えております。その上で、不登校特例校も含め、どのような支援が適切なのか、幅広く検討していきたいと考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 不登校の問題に限らず、学校が抱える様々な課題に対応していく教育環境の整備として、魅力ある学校や特色ある学校をつくることが重要ではないかと考えます。
そこで、魅力ある学校、特色ある学校とはどのような学校なのか、お尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 魅力ある学校は、全ての子どもたちが安心して楽しく学校に通えるために多様な児童生徒の状況に対応した支援や指導体制が確立されている学校であり、特色ある学校は、児童生徒の人間としての調和の取れた育成を目指し、一人一人の個性を生かし、その能力を十分伸ばすために、児童生徒や地域の実態等を踏まえ、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開している学校であると考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 名古屋市教育委員会では、子ども一人一人の興味、関心や能力、進度に応じた個別最適化された学びを推進するナゴヤ・スクール・イノベーション事業を令和3年度に取り組まれておりました。この事業化の経緯についてお尋ねをしたところ、名古屋市は子どもの自殺が多く発生しており、子どもたちが多くの時間を費やしている学校が変われば子どもたちが救えるのではないか、一人も名古屋っ子を死なせない、名古屋の教育を変えなければとの強い思いからの事業展開となっているとの説明には大変衝撃を受けました。
福岡市では、教育の目標となる目指す子ども像にやさしさとたくましさをもち、ともに学び未来を創り出す子ども」を掲げて、福岡スタイルとして本市の教育行政の推進を図っておられます。
福岡スタイルについてお伺いをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和元年6月に策定いたしました第2次福岡市教育振興基本計画の中で、全ての福岡市立学校において特に重視するものとして示した福岡スタイルは、9年間を見通した小中連携教育、子ども、家庭への支援、ICTを活用した教育活動の充実の3つの教育方法でございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) お答えいただきました小中連携教育について、小中連携教育と小中一貫教育とはどのように違うのでしょうか。定義と目的についてお尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 文部科学省が平成28年12月に作成しました小中一貫した教育課程の編成・実施に関する手引によりますと、小中連携教育とは、小学校と中学校が情報交換、交流することを通じ、小学校教育から中学校教育への円滑な接続を目指す様々な教育であり、小中一貫教育とは、小中学校が9年間を通じた教育課程を編成し、それに基づく系統的な教育とされております。小中連携教育と小中一貫教育の共通の目的は、9年間の系統性を確保し、教育基本法、学校教育法に新たに規定された義務教育の目的、目標に掲げる資質、能力、態度等をよりよく養うこととされております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 福岡市での小中連携教育校と小中一貫教育校の特徴的な取組について、また、具体的な学校名も含めてお伺いをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 福岡市では、全ての中学校ブロックにおいて小学校と中学校の円滑な接続を目指す小中連携教育を行っておりまして、小学校6年生が中学校生活を体験する活動などを行っております。そのうち、照葉小、照葉北小、照葉中学校、舞鶴小中学校、住吉小中学校を施設一体型小中連携教育校として位置づけておりまして、様々な行事を小中合同で実施するなどの取組を行っております。また、能古小中学校を小中一貫教育校として、9か年を通して能古の自然を大切にした教育や英語教育などに取り組んでおります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 福岡市で初となる小中一貫教育に関しましては、併設型能古島小中学校での取組成果が大変に期待をされるところでございます。さらに西区の西都地区新設小学校は、西都北小学校と学校名も決まり、来年4月開校が待ち望まれております。また、元岡地区新設中学校の整備も進められており、福岡市の未来を開く子どもたちの新たな学びやでの成長が大変に楽しみでございます。
令和元年度から福岡市でスタートした能古島小中学校の特色ある教育活動についてお尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 能古小中学校の特色ある教育活動としましては、ふるさと科を設け、能古の自然や人に学ぶ学習の実施、英語で発信する力を重視した9年間の英語教育の実施、充実したICT環境を生かした学習の実施、中学校の教員による小学校高学年の授業などでございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 以前、他都市でお聞きした、姫路市では、小中一貫教育で開く子どもの未来という理念の下、平成23年度より市内全35ブロック、中学校区で、地域の特性、特色は様々ですので、35通りの小中一貫教育を展開されておりました。
能古島小中学校の児童生徒の募集について、募集人数、応募条件、決定方法についてお伺いをいたします。あわせて、令和4年度現在の児童生徒を島内、島外でお示しください。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) まず、小学校新1年生の人数が最大20人になるように募集人数を設定しておりまして、応募条件につきましては、福岡市に居住していること、児童が公共交通機関を利用し、一人で通学できること、自宅から姪浜旅客待合所までの通学時間が60分以内であること、オープンスクール及び体験登校に参加することとしております。決定に当たりましては、書類審査と面接を行い、入学候補者が募集人数を上回った場合には抽せんを行って決定しております。なお、令和4年12月現在の児童生徒数は、島内が53人、島外が116人でございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 私も開校前に施設見学をさせていただきました。能古島の自然に恵まれたすばらしい環境の中で、特色ある教育活動を通して豊かな人間性が育まれていることと考えます。
小中一貫教育の成果として、特に中1ジャンプについて、一般的には中1ギャップと言われておりますが、福岡市教育委員会ではポジティブなイメージで中1ジャンプと呼んでおられます。どのような対応が行われていますでしょうか、お尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 能古小中学校における小中一貫教育の成果としましては、運動会や清掃活動などの教育活動を全学年で共に行うことで、中学生が小学生にとってのよきモデルとなり、中学生の存在を身近に感じた小学生が中学校生活のイメージを膨らませることによって、中1ジャンプとしての小学校から中学校への円滑な接続が図られております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 御答弁にありましたように円滑な接続が図られているとのことですが、今後の課題や取組について御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和3年度に実施いたしました児童生徒アンケートによりますと「能古島でしかできない体験や学習ができている」と感じている児童生徒が96.7%、「英語の力がついてきた」と感じている児童生徒が92.8%となっております。また、令和3年度に英検IBAで3級相当以上と評定された割合が87.1%と、福岡市の平均を上回り、着実に成果が上がってきております。今後はコロナ禍の、ふるさと科の学習において、地域の方と連携して行う活動をICTを活用して充実させるとともに、英語を使って発信する力を重視した英語教育をさらに充実させてまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 先日、高知市北部の中山間地域に位置する土佐山学舎についてお聞きしてまいりました。土佐山学舎は平成27年に開校し、令和4年度で8年を迎えています。開校前は57名であった児童生徒数は、令和4年度は138名、応募多数のために毎年抽せんが行われており、わざわざ通わせたくなる学校との評判となっております。社学一体の理念で土佐山学を学び、単なるふるさと学習ではなく、地域を教材に学習する中で、将来のキャリア形成に生かせる資質、能力を身につけることを目標として、特にコミュニケーション能力の育成を行っておられます。英語教育においても、実践的な場面で使える英語力を身につけること、英語検定2級合格が最終ゴールとなっており、子どもたちが8、9年生になる頃には誰もが日本語でも英語でも土佐山のことを熱く語れるようになり、地域を広くPRし続けることにより地域の活性化にもつながっているとのお話でした。
文部科学省が推進するGIGAスクール構想は、新型コロナウイルス感染症による臨時休校でオンライン授業の有用性が注目されたこともあり、それまで5年間計画で行う予定だったものがほぼ1年の前倒しで実現が図られました。
西区に所属する離島の玄界島と小呂島にある中学校と連携校である北崎中学校をオンラインでつないだ合同授業を行うジョイントクラス事業を実施されておりますが、事業目的と効果について、生徒の感想や反応も含め、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) ジョイントクラス事業は、ICTを活用して離れた学校の教室をオンラインでつなぎ、協働的な活動を行うことで、少人数ではできない学びの広がりや深まりを生み出し、教育活動をさらに充実させることを目的といたしております。生徒への聞き取りで、友達の意見をたくさん聞くことができ、改めて自分の意見を考え、お互いに高め合う活動ができたなど学習への肯定的な意見が見られ、今までできなかった協働的な学習に結びついております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) GIGAスクール構想によって、小中高校の生徒が自分の理解度と学習履歴に応じて自在に学び直しや先取り学習ができたり、あるいは学校内外の人とアイデアを交換しながら新たな付加価値を発信していく、そんな学習の形が広がることが大変に期待をされています。
次に、高知市教育委員会が主催する(パネル表示)こうち志議会を紹介させていただきます。これは、こうちこころざしぎかいと読みます。
子どもたちに政治の仕組みについて関心を持ってもらうことを目標として、中高生が議員役となり、まちづくりや身近なテーマについて質問を行い、市長や教育長などが答弁をされるとのことです。議長役の高校生が、こうち志議会宣言の中で、「高知市への想いを行動に移すためには、18歳を迎えた時、自分の意思を持って選挙に行き、1票を投じることが重要だと気付きました。高知市民の一員として、高知市がさらに輝く未来の担い手として、これからも高知や日本、そして世界について学び、行動することをここに宣言します。」と議会の最後を締めくくっておられました。大変にすばらしい取組を学ばせていただきました。
福岡市においても、高知市での子ども議会のような取組を実施するなど、特色ある取組が必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教育においても、これからの社会を担う子どもたちに政治的教養に関する教育の充実を図っていくことが重要であると考えております。今後も選挙管理委員会と連携した出前授業や期日前投票事務補助など主権者教育の充実を図るとともに、御紹介いただいた高知市や先進自治体の事例についての調査などに取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 教育は国家百年の大計と言われます。福岡市の教育目標、未来を創り出す子どもを育んでいかれる福岡市の特色ある学校、教育や魅力ある学校づくりのさらなる推進について、今後の福岡市の教育について石橋教育長の御所見をお伺いして、この質問を終わります。
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) これまで福岡市教育委員会では、令和元年6月に第2次福岡市教育振興基本計画を策定し、各学校において、学校、家庭、地域、企業等が一体となって施策に取り組む共育や、子どもたちの育ちを小学校から中学校へつなぐことをキーワードとした小中連携の実践、さらに、最先端のICTを活用した教育活動の充実や社会の変化に対応する教育の推進などに取り組んでまいりました。今後とも、子どもたちが社会を生き抜くために必要な資質、能力を身につけるよう、子どもたちの可能性を引き出す魅力ある教育に努めてまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) ぜひよろしくお願いいたします。
次に、HPV、ヒトパピローマウイルスワクチンについて質問してまいります。
私は令和2年9月議会において、HPVワクチン、子宮頸がん予防ワクチン接種について、国が積極的勧奨を中断しているとはいえ、対象者が最良の選択をするため、正しい情報を得られるよう個別通知の必要性について質疑をさせていただきました。その後、令和2年10月9日、国から対象者への個別通知による情報提供についての通知が発出されております。
まず初めに、国から通知を受けた後の令和2年度における福岡市の対応についてお尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 令和2年度におきましては、令和2年11月に当時高校1年生相当の対象者に対して、また、令和3年3月には当時の小学6年生から中学3年生に対して厚生労働省のリーフレットを個別に送付しまして、ヒトパピローマウイルスワクチンが公費によって接種できることや、接種について検討、判断するためのワクチンの有効性や安全性に関する情報等をお知らせいたしております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) HPVワクチンは、令和3年11月26日付の国の通知を受け、福岡市では国より先んじて本年3月より定期接種対象者への積極的勧奨を約9年ぶりに再開していただきました。
福岡市での積極的勧奨が再開されることによる定期接種対象者への周知がどのようになされたのか、お伺いをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 定期接種対象者への周知につきましては、令和4年度中に13歳から16歳になる女子に対して、令和4年3月に接種に必要な予診票と適切な情報提供のための厚生労働省のリーフレットを個別に送付いたしております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 積極的な勧奨を差し控えたことで接種機会を逃した平成9年度生まれから平成17年度生まれの女性に対しては、救済処置として改めて3年間の公費による接種機会が得られるキャッチアップ接種が導入されることになりました。
福岡市におけるキャッチアップ接種の対象者への周知はどのようになされているのか、お尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) キャッチアップ接種対象者への周知につきましては、令和4年度中に17歳から25歳になる女性に対して、令和4年4月に接種に必要な予診票と適切な情報提供のための厚生労働省のリーフレットを個別に送付いたしております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) では、従来からの定期接種とキャッチアップ接種について、令和2年度から直近の接種件数についてお示しください。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 従来からの定期接種の接種件数につきましては、令和2年度が2,873件、3年度が8,848件、4年度は9月までの速報値で3,818件、キャッチアップ接種につきましては、令和4年4月から9月までの速報値で4,497件となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) コロナ禍での様々な対応で大変忙しい中、積極的勧奨再開に当たり、全ての対象者に個別通知を実施していただき、迅速な対応に感謝申し上げます。また、子宮頸がん予防ワクチン接種のホームページにおきましても詳細に分かりやすく情報発信をいただいており、接種件数が増加していることを確認させていただきました。
現在、小学6年生から高校1年生に相当する年齢となる12歳から16歳を対象に定期接種できるのは2価と4価ワクチンとなっております。これらのワクチンよりも高い感染予防効果があるとされる9価ワクチンについて、厚生労働省は令和5年4月1日から定期接種する方針であることを示しております。定期接種として新しいワクチンも選択できるようになることは、対象者にとって接種を検討するための重要な情報だと考えます。
そこで、9価ワクチンと定期接種化の対応についてお伺いをいたします。9価ワクチンの効果や安全性についてお示しください。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 9価ワクチンの効果につきましては、国の審議会資料によりますと、子宮頸がんの発生に関連するヒトパピローマウイルスのうち、現在、定期接種で使用されている2価ワクチンや4価ワクチンよりも多くの遺伝子型を標的としており、子宮頸がん及びその前がん病変の罹患率の減少や子宮頸がんの死亡率の減少が期待できるとされております。また、安全性につきましては、4価ワクチンと比較し、痛みや腫れなどの接種部位の症状の発現は多いが、頭痛や発熱などの全身症状は同程度であるとされております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 9価ワクチンの定期接種化の方向性が示されたことにより、接種を検討する人や保護者の方から、今、接種を受けるのがよいのか、来年4月まで待ったほうがよいのか悩んでいるとの御相談をお受けいたしました。まだ接種を決めかねている人もかなりいらっしゃるかと思います。
そうした方たちにとって、ワクチンの効果の違いや情報などについて判断基準となる確実な周知をする必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 議員御指摘のとおり、対象者が接種について適切に検討、判断できるよう、ワクチンの有効性や安全性などについて丁寧な情報提供が必要であると考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 情報が届かなかったために接種の判断が遅れてしまったり、接種機会を逃すといったことがないように、接種対象者が有効性や安全性などの情報を理解して接種を判断するべきだと考えます。
ワクチンを接種するかどうかは個人の自由です。単に接種件数を高めることだけではなく、対象者がワクチンに対して正しく理解できるよう十分な説明を加えた個別通知を行っていただきたいと思いますが、9価ワクチンの定期接種化に伴う福岡市の対応について、併せて対象者への周知方法について、荒瀬副市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 子宮頸がんは女性のがん罹患数の中で5番目に多いがんであり、毎年1万人強の女性が新たに罹患し、約3,000人の方が亡くなっておられます。しかし、今では子宮頸がんはワクチンで罹患数を減少させることができるとともに、定期的ながん検診で生存率を高めることができるがんとなっております。
子宮頸がんワクチンであるヒトパピローマウイルスワクチンの定期接種につきましては、しばらくの間、勧奨を差し控えておりましたが、国においてワクチンの有効性や安全性に関する知見が示され、今では接種対象者に対する積極的な勧奨を再開し、適切な情報提供に取り組んでいるところでございます。さらにワクチンの開発も進んでおり、来年4月からはより有効性の高い9価ワクチンの定期接種が対象となる予定でございます。新型コロナワクチン接種を推進していく上で培った情報提供などの手法を生かし、必要な方々に対して速やかに適切な情報の周知が図れるよう準備を進め、女性特有の子宮頸がんの予防に全力で取り組んでまいります。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) ぜひよろしくお願いいたします。
最後に、糖尿病性腎症重症化予防事業とフレイル対策についてです。
コロナ禍で私たちの生活スタイルは大きく変わり、仕事や学校、食事など、ありとあらゆる場面で生活の在り方を調整する必要が生じています。その中でも特に影響が深刻なのが、基礎疾患を有する方や高齢者ではないでしょうか。
私は、平成30年予算総会質疑において保険者努力支援制度に触れ、生活習慣病の予防についてお尋ねをいたしました。平成30年度からは、新たに重症化するリスクが高い糖尿病の治療中断者を対象に保健指導や医療機関への受診勧奨を行う事業を開始予定との御答弁をいただいておりましたので、まず、この事業がどのように推進をされているのか、質問させていただきます。
まず初めに、糖尿病性腎症重症化予防事業の目的についてお尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 糖尿病性腎症重症化予防事業につきましては、糖尿病の重症化リスクが高い治療中断者を適切な治療行動につなげることで糖尿病性腎症の進行を予防し、被保険者の生活の質の向上とともに、国民健康保険の医療費の適正化を図ることを目的としております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 新型コロナウイルスに感染した際に基礎疾患を有する方の重症化のリスクが明らかになり、その中でも糖尿病を有する方の重症化リスクが懸念をされております。糖尿病は症状が進行すると失明や人工透析といった合併症も引き起こされ、患者のQOL、生活の質が著しく低下をいたします。合併症を防ぐために必要なのは、糖尿病を早期発見、適切な治療を継続することです。
そこでお尋ねをいたしますが、本市の国民健康保険の糖尿病患者数及び人工透析の新規患者数の過去3年間の推移についてお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 糖尿病の患者数につきましては、令和元年度が2万7,319人、2年度が2万4,433人、3年度が2万7,572人で、人工透析の新規患者数につきましては、令和元年度が99人、2年度が115人、3年度が135人となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 御答弁いただきましたように、福岡市においても糖尿病患者数と人工透析新規患者数は増加傾向となっております。人工透析になると1日四、五時間程度の治療が週3日必要となります。吐き気など治療の副作用や、旅行や食事を制限されることもあり、生活の質が低下します。仕事の継続を諦めざるを得ない患者さんも多くいらっしゃいます。
また、厚生労働省が平成29年度に取りまとめた報告によると、糖尿病の日本の医療費は約1.2兆円であり、医科診療医療費全体の4.4%を占め、さらに人工透析には1人月額40万円、年間約1.57兆円を要するなど、医療費全体から見ても大きな課題であるとの見解が示されております。患者さんのQOLとともに、医療費の適正化の観点からも、人工透析になる前にその最大の原因である糖尿病性腎症を抑制することは喫緊の課題ではないでしょうか。
福岡市の国民健康保険の被保険者で、透析治療を受けている患者数の過去3年間の推移についてお尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 人工透析患者数につきましては、令和元年度が521人、2年度が519人、3年度が491人となっております。以上です。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 日本透析医学会によりますと、国内には人工透析を受けている患者さんが令和元年度の時点で34万人余りいらっしゃいます。厚生労働省の報告においても、令和10年までに年間新規透析導入患者を3万5,000人以下に減少させるという数値目標を掲げ、慢性腎臓病に対する取組を推進することにより新規の人工透析導入患者数の減少を目指すとしています。
福岡市国民健康保険のデータヘルス計画では、平成27年度から3年間の第1期を経て、平成30年度から令和5年度までの第2期において、令和2年度に中間評価及び計画の見直しを行い、計画の後半期に入っております。
そこで、データヘルス計画の内容を踏まえて、本市の国民健康保険の実績についてお尋ねをいたします。このデータヘルス計画の事業目的と中間評価の概要についてお伺いをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) データヘルス計画につきましては、保険者が被保険者の健康の保持増進に資するため、健康、医療情報の分析に基づき、PDCAサイクルに沿った効果的かつ効率的な保健事業の実施を図ることを目的とした計画でございます。中間評価の結果、課題として、保健事業の中核をなす特定健診の受診率や特定保健指導の実施率が伸び悩んでいたこと、また、新規人工透析患者割合が減少傾向ではあるものの、糖尿病の検査値が受診勧奨基準値を超えている人が増加していたことなどがございます。そのため、計画の後半期間である令和3年度から5年度においては、特定健診、特定保健指導のより一層の受診率、実施率の向上に取り組むとともに、生活習慣病の重症化予防等にも重点的に取り組むことといたしております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) それでは、福岡市の国民健康保険の医療状況について、1人当たり医療費の現状と生活習慣病に係る主な疾病別医療費の過去3年間の推移についてお示しください。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 国民健康保険の1人当たりの医療費につきましては、令和元年度が34万5,045円、2年度が33万148円、3年度が35万9,169円となっており、生活習慣病に係る主な疾病別医療費につきましては、がん等の新生物が令和元年度は約153億円、2年度が約149億円、3年度が約159億円、脳血管疾患、心疾患、高血圧等の循環器系疾患が令和元年度は約127億円、2年度が約118億円、3年度が約127億円、糖尿病等の内分泌系疾患が令和元年度が約86億円、2年度が約83億円、3年度が約86億円となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 基礎疾患が重症化することで医療費が高くなります。人工透析になった方のお話をお伺いすると、10年前に治療を勧められたが、自覚症状がなかったため病院に行かなかった。気がついたときには相当悪化しており、人工透析になってしまい、生活は不自由になり、医療費が高く、家計を圧迫している。要注意と言われた段階で早く通院を始めるべきだったと、悔やんでも悔やみ切れないとおっしゃっておりました。
治療につなげていくために、治療を中断されている方の抽出方法はどのようになっていますでしょうか、併せて受診勧奨の取組状況についてお伺いをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 治療中断者につきましては、レセプトデータから過去に糖尿病の服薬歴があった人のうち、一定期間レセプトが発生していない人を抽出し、受診勧奨通知を送付するとともに、保健師等が訪問または電話により医療機関への受診勧奨や保健指導を実施しております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 今御答弁いただきました受診勧奨のはがきがこれ、現物でございます。(資料表示)毎年大きくなって、本年度からこの大きさで郵送されております。これをちょっと拡大してみました。(パネル表示)中を開きますと、あなたの糖尿病の現段階がどうなっていますよということが中に書かれており、また、治療がどれだけ取れていないか、治療中断期間もそれぞれの個人に合わせてこういうふうに明記をされてあります。しっかりと受診勧奨に取り組んでいただいていることが分かりました。
では、受診勧奨実施者数と治療再開者数の過去3年間の推移も含めてお示しください。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 受診勧奨の実施者につきましては、令和元年度が392人、2年度が336人、3年度が367人、このうち治療を再開した人は令和元年度が103人、2年度が92人、3年度が95人となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 治療中断者の重症化予防事業について、事業の効果、成果についてお尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 治療中断者への受診勧奨や保健指導を行ったことで、令和4年4月末までに受診勧奨者の約3割が治療を再開しておりまして、重症化予防につながったものと考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) この事業とは別に未治療者対策を令和2年12月から実施されておりますが、どのように取り組まれているのでしょうか、お伺いをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 糖尿病性腎症重症化予防事業の取組を強化するため、令和2年12月から特定健診の結果、糖尿病に該当し、腎機能が低下している人のうち未治療者に対して、病気の進行ステージに応じて各区保健福祉センターの保健師が電話や家庭訪問を行い、医療機関への受診勧奨や保健指導を実施しております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 糖尿病の多くは日頃の生活習慣と大きく関わっており、誰もがかかる可能性があります。そのため、病気を未然に防ぐこと、いわゆる未病への対策が必要であるかと考えます。
神奈川県では、糖尿病や合併症と診断される前から予防に取り組むかながわ糖尿病未病改善プログラムを推進されております。未病をアルファベットでME-BYOと表記されて、お薬情報や健康指導などをパソコンやスマートフォンを通じて管理できるアプリ、マイME-BYOカルテを配信して、ビッグデータの利活用も進められています。福岡県でもふくおか健康ポイントアプリの配信など、ふくおか健康づくり県民運動を推進されておりますが、今後も県と市が連携を取りながら、しっかりと市民の健康づくりに取り組んでいただくよう要望とさせていただきます。
糖尿病等生活習慣病の重症化予防と同時に、コロナ禍において高齢者のフレイル予防も重要になってきます。これまでどおりの介護やリハビリを受けられず、要介護者の状態の悪化や家族の負担なども懸念されており、コロナフレイルという言葉も生まれています。
そこで、コロナ禍における高齢者のフレイルについてお尋ねをいたします。フレイルとは高齢者の虚弱を意味しますが、フレイルとはどのような状態なのか、お尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) フレイルとは、厚生労働省によりますと、年を取って体や心の働き、社会的なつながりが弱くなった状態を指し、そのまま放置しますと要介護状態になる可能性があるものとされております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 75歳から急に増えるとも言われており、フレイルは筋力が低下したり、外出しなくなったり、食欲が落ちたりすることなどで進行すると言われ、一人で過ごす日が増えて気分が沈みがちになることも要因と考えられておりますが、フレイルと判断する基準はどのようなものがあるのか、お尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) フレイルの判断基準につきましては、国立長寿医療研究センターが作成した改定日本版フレイル基準が多く用いられており、体重減少、筋力低下、疲労感、歩行速度、身体活動の5項目のうち、3項目以上に該当すればフレイル、1から2項目に該当すればプレフレイル、いずれも該当しなければ健常とされております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) (資料表示)このパンフレットは本市で出していただいているフレイル予防のパンフレットでございます。この中にチェック項目があり、中にもフレイルの状態がどういうものかという、皆様方にしっかりと情報発信をしていただいていることが分かります。
福岡市では、コロナ禍における高齢者の現状をどのように把握されていますでしょうか、お尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) 高齢者の現状につきましては、外出自粛等の制限がない現在も外出を控える高齢者が一定数おり、活動量の低下や人との交流の減少などが生じていると認識いたしております。また、地域包括支援センターにおいて、健康管理や健康づくり、介護予防などに関する相談が増えている状況がございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) コロナ禍の影響で他者とのコミュニケーションの機会が減ったことで、高齢者にとって認知症の発症や進行のリスクが高まっています。私の周囲でも、感染の不安からデイサービスに行かなくなり、そこから歩行が困難となり、認知機能が低下したと話されていました。新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすいと言われている高齢者にとっては、感染症予防を重視するとフレイルが顕在化するというジレンマが生じます。高齢者の体力維持や外出の機会、社会的つながりをどのように設けていくかが重要となってきます。
福岡市では、高齢者のフレイル予防事業は具体的にどのように取り組まれていますでしょうか、事業概要についてお尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) 高齢者のフレイル予防につきましては、よかトレ実践ステーションや介護予防教室、運動から始める認知症予防教室などのほか、SNSを活用したコミュニケーションの支援、促進にも取り組んでおります。さらに令和4年度からはストップフレイルプロジェクトといたしまして、医療、健診、介護データから抽出したフレイルリスクが高い方への保健師によるアウトリーチ支援に加え、薬局でフレイルチェックを行い、必要な方をフォローする事業を福岡市医師会、福岡市薬剤師会と共同で実施をいたしております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 令和元年度の健康保険法の改正により、介護保険や国民健康保険の保険者である市町村が中心となって高齢者の保健事業と介護予防事業を一体的に実施することとされました。
高知市では、介護予防と買物支援を同時に可能にし、高齢者が健康維持することで重症化防止と地域活性化につなげることを目的に買いもってリハを取り組まれておりました。買いもってとは、土佐弁で買物しながらという意味だそうです。介護事業者と地域にあるスーパーとの連携により、スーパーのイートインコーナーを活用して、体温、血圧測定、体操した後に買物をすることで店内を歩き、商品を選ぶ、お金を払うなど生活に密着したフレイル予防が行われておりました。
高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施について福岡市ではどのように取り組まれているのか、お尋ねをいたします。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) お尋ねの取組につきましては、令和3年度からモデル事業を開始しており、令和4年度は各区1か所のモデル校区におきまして、ふれあいサロン等での健康教育やフレイルチェックを行うとともに、痩せの傾向が見られる方へ栄養士等が訪問を行ういきいき食生活事業を実施いたしております。今後は、モデル事業の結果を踏まえ、全市的に事業を実施することを目指し、効果的な内容や実施方法について検討することといたしております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 大坪真由美議員。
○16番(大坪真由美) 全国の健康寿命は令和元年時点で男性が72.68歳、女性が75.38歳となっています。平均寿命との間には男性で約9年、女性で約12年の差があり、厚生労働省は令和元年5月に健康寿命延伸プランを策定して、健康な状態で長生きする人を増やすために2040年までに健康寿命を男女ともに3歳以上延ばし、75歳以上にする目標を掲げています。高齢者の健康診断を拡充して異常を早期に発見し、介護が必要になる一歩手前の段階とされるフレイルの予防などに力を入れる方針です。
秋田市における「エイジフレンドリーシティ、高齢者にやさしい都市」の実現に向けた取組について他都市調査に伺ってまいりました。エイジフレンドリーシティとは、人口減少、少子・高齢化が急速に進行する中、新たな視点で高齢化への対応としてWHO、世界保健機構が提唱した高齢者に優しい都市の実現に向けた多岐にわたる取組です。令和4年11月現在、世界で1,439都市、地域が参加し、国内では24の自治体が登録をされ、より実効性のある取組を推進されておりますが、秋田市では平成23年に日本の自治体第1号として参加をされており、秋田市の行動計画の中には超高齢社会を見据えて生涯にわたる健康づくりを推進することが盛り込まれておりました。
人生100年時代となった今、福岡市においても高齢者に優しい都市を目指すためには全世代の健康づくりが必要であると考えますが、福岡市民の命を守る健康施策について、4期目のリーダーシップを取られる髙島市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○議長(伊藤嘉人) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 健康は誰もが意欲や生きがいを持ちながら生活していくための基盤でありまして、まさにウエルビーイングの礎となるものでございます。大坪議員御指摘のとおり、超高齢社会が進展する中、健康寿命の延伸に向けて、高齢期を迎える前からの全ての世代にわたる健康づくりの取組は大変重要であると認識をしております。そのため、誰もが健康で自分らしく暮らせる持続可能なまちを目指すプロジェクト、福岡100を産学官民オール福岡で推進しており、その一環として、子どもから大人までライフステージに応じた市民の健康づくりを支援、促進するとともに、歩きやすい道路づくりや公園への健康遊具の設置など、健康づくりにも取り組みやすい環境づくりを進めております。今後とも、市民一人一人が生きる喜びを感じながら生き生きと暮らせるまちづくりを目指し、人生100時代を見据えた健康づくり施策にしっかりと取り組んでまいります。以上です。