▼令和4年 第3回定例会 勝山 信吾 一般質問 (令和4年6月15日)

○13番(勝山信吾)登壇 皆さんおはようございます。私は公明党福岡市議団を代表いたしまして、スポーツを通した共生社会の実現について、乳幼児健康診査とその後の支援について質問をいたします。
 初めに、スポーツを通した共生社会の実現について質問いたします。
 昨年、我が国で57年ぶりに開催された東京2020パラリンピックでは、多様性と調和をテーマに、162か国、地域と難民選手団のアスリート約4,400人による熱戦が繰り広げられ、世界中に大きな感動と勇気を与えました。中でも日本勢の活躍は目覚ましく、史上2番目に多い51個のメダルを獲得、本市にゆかりのあるパラアスリートもメダルを獲得するなど、障がい者スポーツへの関心がますます高まっています。
 2026年には、日本、愛知県で障がい者スポーツの総合競技大会であるアジアパラ競技大会の開催が検討されていることから、こうした機運の高まりを逃さず、さらに障がい者スポーツの振興を図っていく必要があると考えます。また、東京2020パラリンピックが掲げた多様性と調和をレガシーとして引き継ぎ、ここ日本、福岡市においても、障がいの有無にかかわらず、スポーツを通した共生社会の実現を目指していかなければなりません。
 そこで、本市の障がい者スポーツ振興における主な取組についてお伺いいたします。
 以上で1問目を終え、2問目以降は発言者席で行います。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) 体育館やプール、視覚障がい者用卓球室等を備え、バリアフリーに配慮した福岡市立障がい者スポーツセンターを中心に、障がい者のスポーツへの参加を促進するとともに、健康の維持及び増進を図っております。また、福岡市障がい者スポーツ協会と連携した全市的な障がい者スポーツ大会の開催や種目別のスポーツ大会、スポーツ教室を実施するとともに、これらの取組を市政だよりやホームページ等で広く周知することにより、障がい者スポーツの理解促進や普及啓発を図っております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 障がい者がスポーツを通して社会参画できるよう、障がい者スポーツの環境を整備するとともに、スポーツを実施していない非実施層に対する関心を高めることや、障がい者スポーツの体験等によるスポーツの理解、啓発に取り組むことで人々の意識が変わり、共生社会の実現につながります。
 国においても、第2期スポーツ基本計画の中で障がい者スポーツの振興を重点的に盛り込んでおり、その実施人口の拡大を図るため、個人では購入が容易ではないスポーツ車椅子や義足等の障がい者スポーツ用具について、過大な金銭的負担を負うことなく、スポーツを始めることができる環境を整備するため、障害者スポーツ推進プロジェクトの一環として、用具のレンタル等を実施する障害者スポーツ用具活用促進事業が実施されているところであります。
 そこで、障がいのある方が運動やスポーツを始めるきっかけとなるよう、パラアスリートや障がい者スポーツ選手と触れ合う機会を設けるなど、スポーツを通した共生社会の実現に向けて、国の制度を活用しながら、スポーツ用車椅子等の競技用補装具の一時貸出しの実施、障がい者スポーツ体験会やパラアスリートによる講演会を開催してはと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) 障がい者スポーツセンター等において、競技用のスポーツ用具の貸出しを行っております。今後は、福岡にゆかりのあるパラアスリートによる講演会の開催など、障がい者スポーツの裾野を広げる取組を検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 障がい者スポーツの理解促進の入り口として、新たにパラアスリート本人の講演会を開催していただけることに、参加者もとても喜ばれると思います。障がい者スポーツの裾野を広げることにつながる取組に期待をしています。よろしくお願いいたします。
 令和3年度スポーツ庁による調査、障害者のスポーツ参加促進に関する調査研究によりますと、成人の障がいのある方の運動、スポーツの実施率は、週1日以上では31%と前年度より6.1ポイント増加しています。年に1回以上スポーツ等を実施した成人の割合は58.7%で前年度から12.3ポイント増加し、大きく上昇しています。スポーツ等を実施する上で何が障壁になっているのかとの調査においては、体力がないが25.2%のほか、金銭的な余裕がないが12.2%との結果が出ており、障がいのある方にとって経済的理由がスポーツを行うことの障壁の一つになっております。
 障がい者スポーツにおいては、種目によっては高額な競技用補装具が必要となる場合もあります。一般的に身体障がい者においては、補装具に対する費用が支給される制度はあるものの、スポーツをする際に必要となる競技用補装具については制度の対象外となり、医療保険の適用外となっていることもあり、全額自己負担となってしまうことから、経済的理由が障壁の一つとなっているのが事実であります。
 こうした、障がい者がスポーツに親しむ上で障壁の一つとなっている経済的理由を少しでも和らげ、障がいのある方の運動機能の向上、また、最も大切な生きがいにつながるよう、競技用補装具等の購入に対する助成や競技用のスポーツ用具のさらなる貸出しの充実をしていただけないか、お尋ねをいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) 障がい者が広くスポーツに親しみ、参加しやすいよう、車椅子バスケットボールなどの競技用車椅子やボッチャ競技などのスポーツ用具を貸し出しております。
 競技用補装具等の支援につきましては、まずは誰もが利用できる競技用の貸出用具を充実することにより、障がい者スポーツの裾野を広げてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 競技用スポーツ用具の貸出しについては、さらに充実していただけるとのことです。貸出台数の増加と併せて種目の対象も広げることなど、貸出しの充実に期待をしています。
 先日、視察に行った名古屋市では、スポーツ用車椅子や義足など競技用補装具等の購入費に10分の9、上限25万円の助成を今年度から開始しております。茨城県水戸市では、競技用補装具の購入に要した費用の10分の9、上限10万円を補助しており、例えば、車椅子サッカー用のバンパーや車椅子バスケットボール用の車椅子、自転車競技用三輪自転車なども支給対象にされております。また、埼玉県深谷市では、障がい者スポーツを行う障がい児に対して競技用補装具等の購入費や用具、消耗品等の購入費用も助成をしており、競技用補装具については、購入に要した費用の10分の9、年額50万円を上限に、用具や消耗品については年額1万円を上限に補助しているところであります。
 制度の利用者からは、競技用補装具は日常の補装具と比べ高額なものが多く、大変にありがたい、今までは借り物でやっていたが、自身の競技用補装具を持つことでスポーツに積極的に取り組めるようになったなど、喜びの声が上がっているそうです。東京パラリンピックの日本開催の機運の高まりが反映されたこともあり、2022年度の都道府県の障がい者スポーツ関連予算もここ5年間で最高の総額60億円となることが共同通信の全国調査でも公表されております。
 競技用補装具購入に対する助成についても、他都市の取組を参考にして、今後しっかりと検討していただくよう要望いたします。
 また、障がい者スポーツの普及や啓発は、市民の身近なところから始めることが肝心であります。
 そこで、環境整備の一環として、市体育館において障がいのある方が身近な施設でスポーツに親しむ機会の充実を図れるよう、障がい者スポーツの体験会などに取り組んでみてはと思いますが、いかがでしょうか。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市体育館における障がい者を対象としたスポーツ体験教室等につきましては、これまで総合体育館や市民体育館において、ボッチャ、ゴールボールなどのパラスポーツ体験会等を実施しております。今後とも、関係団体等と連携しながら、身近な体育館での体験会などを実施してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 御答弁いただいたように、市体育館においても障がい者スポーツの体験会等を行っていただいているとのことですが、今後、関係団体等と連携を深め、障がい者スポーツの振興につながる取組をさらに進めていただきたいと思います。
 アジアパラ競技大会の開催が検討されているこのときに、障がいの有無や性別、年齢、経済事情等にかかわらず、誰もがスポーツに親しむことのできる、スポーツを通したインクルーシブな社会の実現を目指していくことは最重要の取組であると考えます。障がいのある方もない方も一緒に親しめるようなスポーツの普及に取り組むことが必要であると考えます。
 そこで、インクルーシブ教育にもつながるように、障がい者スポーツの指導員や選手が障がい者スポーツを体験できるような出前授業を小中学校で実施してはと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村福祉局長。
○福祉局長(中村卓也) 小中学校からの要請により、障がい者スポーツセンターから運動指導員を派遣し、特別支援学級と通常の学級の児童が一緒に参加する障がい者スポーツの体験教室を実施いたしております。なお、現在、コロナ禍にありますが、今後の感染状況を見ながら、インクルーシブ教育につながる取組を推進してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) コロナの感染状況にもよりますが、今後さらに重要視されるインクルーシブ教育につながるように障がい者スポーツ体験教室の回数を増やしていただき、より多くの子どもたちが体験できる機会をつくっていただきたいと思います。
 競い合うよりもみんなで一緒に楽しむことに主眼を置いたニュースポーツというものがあります。グラウンドゴルフや卓球バレー、ドッヂビー、ボッチャ、モルックなど実に多くの種類がありますが、共通して言えるのは、子どもから高齢者まで、障がいのある方もない方も一緒に楽しめるということです。この一緒にという視点が、お互いの理解を深める上で大変重要だと思います。
 そこで、理解の輪をさらに広げるために、ニュースポーツなどの誰もが一緒に楽しむことのできるスポーツの普及促進にも取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) ニュースポーツにつきましては、性別や年齢、障がいの有無にかかわらず楽しむことのできるスポーツであり、誰もが生涯にわたってスポーツに親しむことができる環境づくりを進めていく上で、その普及は重要だと考えております。今後とも、スポーツイベントなどにおいて、障がい者スポーツやニュースポーツの体験コーナーを設けるなど普及に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) ニュースポーツにつきましても、しっかり進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 また、名古屋市では、でらスポ名古屋と題して、サッカーやハンドボールなど地元のトップスポーツチームと連携したイベント等を開催し、市民の皆様の障がい者スポーツへの理解促進に努めておられました。
 そこで、本市におきましても、障がい者スポーツの理解促進につながるように地元トップスポーツチームと連携している事例があるのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) トップスポーツチームとの連携事業につきましては、障がい者スポーツの理解促進や青少年の健全育成を図るため、アビスパ福岡による小学生を対象としたブラインドサッカー教室を継続的に実施しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) アビスパ福岡によるブラインドサッカー教室は、子どもたちが障がい者スポーツに触れる貴重な経験の場でもあり、今後とも、継続していただきたいと思います。
 本市には、アビスパ福岡以外にも野球やバスケットボール、ラグビーなどのトップスポーツチームがあり、子どものスポーツ体験イベントなどで連携を図っていると思いますが、トップスポーツチームは注目度や発信力もあることから、今後とも、連携を推進していくべきだと考えます。
 そこで、本市が持つトップスポーツチームとのネットワークを生かし、障がい者スポーツの振興や理解促進につながるような取組を推進できないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) トップスポーツチームとの連携につきましては、市民スポーツの普及、振興を図っていく上で重要であると考えており、これまでも本市に活動拠点を置くトップスポーツチームと連携した子どものスポーツ体験イベントなどを実施しているところでございます。今後とも、障がい者スポーツの理解促進に向けた取組を含め、さらなる連携について働きかけを行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) ここまで、障がい者スポーツを推進するための支援の充実や機会の創出、障がい者スポーツに対する理解を促進するための取組、そして、障がいのある方もない方も一緒に楽しめるニュースポーツの普及やトップスポーツチームとの連携についてお尋ねをしてまいりました。
 スポーツは心身の健やかな成長に寄与するものであり、楽しさや喜び、また、夢や希望、大きな感動を与えてくれるものでもあります。そして、スポーツは体力のある方だけのものではなく、年齢や性別、障がいの有無などにかかわらず、誰もが生涯にわたって楽しめるものでもございます。
 そこで、スポーツを通した共生社会の実現に向けて、様々な主体と連携を図りながら力強く施策を推進していく必要があると考えますが、この質問の最後に髙島市長の御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) スポーツは楽しみや達成感をもたらすほか、夢や希望、大きな感動を与えるものであり、心身の健康や生きがいに満ちた生き方の実現につながるものであります。勝山議員御指摘のとおり、障がいの有無などにかかわらず、誰もが一緒にスポーツを楽しむことができる環境づくりを進め、インクルーシブな社会を目指していくことは重要であると考えておりまして、トップスポーツチームをはじめとして、民間や大学、地域、関係団体など多様な主体と連携を図りながら、障がい者スポーツの振興やニュースポーツの普及などの取組を推進してまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 次に、乳幼児健康診査とその後の支援についてお伺いをしてまいります。
 初めに、乳幼児健康診査――以下、健康診査を健診と呼ぶ――の概要及び検査内容、受診率についてお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市の乳幼児健康診査につきましては、法定の1歳6か月児健診、3歳児健診に加え、4か月児健診及び10か月児健診を実施しております。また、検査内容につきましては、診察や身体計測を行い、問診を通して乳幼児の発育状況、栄養状態、疾病や異常の有無、生活環境などを確認しております。
 令和2年度の受診率でございますが、4か月児健診は93.4%、10か月児健診は92.5%、1歳6か月児健診は90.7%、3歳児健診は97.5%でございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 3歳児健診では、受診率が97.5%と保護者の意識の高いことが分かります。
 そこで、乳幼児健診の実施の目的、重要性について本市の認識をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 乳幼児健診の実施につきましては、乳幼児の健康や発育の状態を確認し、必要に応じて専門医療機関の受診を促すほか、保護者の育児不安などに対して助言を行うとともに、その後の支援が必要な家庭を把握する重要な機会と認識しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 本市は、保護者がスマートフォンなどで問診項目の入力ができるなど乳幼児健診のデジタル化に取り組むため、今年度中にシステムを構築し、23年度に導入を予定しております。
 そこで、現在の乳幼児健診の受診から受診結果までの流れについてお伺いをいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市の乳幼児健診は、保健福祉センター等で行う集団健診と医療機関で行う個別健診がございますが、いずれの場合も受診に当たっては保護者に事前に健診票の問診項目を記入していただいております。
 受診の結果につきましては、集団健診では、健診会場において医師等が健診票及び母子健康手帳に結果を記入し、健診票をその場で回収しております。個別健診では、医療機関において医師等が健診票及び母子健康手帳に結果を記入し、健診票は月ごとにまとめて翌月に医療機関から市に提出されております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) では、デジタル化をするに当たり、どのような機能を持たせるのか、また、その効果についてお伺いをいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 乳幼児健診におけるデジタル化の機能につきましては、保護者が事前にスマートフォンやパソコンで問診項目などを入力し、健診を受診していただき、医療機関がシステムに健診結果を入力いたしますと、保護者はスマートフォン等で閲覧することができるような仕組みを考えております。これにより市民の利便性が向上するとともに、個別健診においては、市に健診結果が届くまでに1、2か月を要しておりますけれども、結果入力後、即時に把握することが可能となり、より早期の支援につながるものと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) デジタル化することにより、保護者はスマートフォン等で閲覧することができ、市も結果を即時に把握できるようになるとのことです。未受診や健康状態に異常のある乳幼児を早期に発見し、早期支援につなげていくことが期待されますが、一方で、未受診の子どもの情報を迅速に共有し、市が虐待などの危険信号を早く察知できることなども可能になると思います。
 そこで、その機能を効果的に利用し、近年、社会問題にもなっている虐待の未然防止につながるような仕組みづくりもしっかりと進めるべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 乳幼児健診におけるデジタル化に取り組むことにより、支援を必要とする家庭や健診を受けていない家庭を早期に把握し、必要な支援につなげるなど、子育て家庭の不安軽減や虐待の未然防止にしっかり取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) デジタル化することにより迅速に情報を得られるというメリットを最大限に生かし、その他の必要な支援にもつながりますようよろしくお願いいたします。
 次に、聴覚検査についてお伺いいたします。
 両側難聴は、およそ1,000人の赤ちゃんに対して1人の割合で見つかり、最近では、本市でも実施している新生児聴覚スクリーニングにより難聴が発見される乳児が増加しています。
 本市では、聞こえにくさがあっても、早期に発見され、早い時期から療育等の支援を受け、たくさんの言葉を習得することができるように新生児聴覚検査の助成事業を行っていますが、対象となる検査の内容とその違い、受検率をお答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 新生児聴覚検査事業につきましては、音に対する脳幹の反応を確認する機器である自動ABR、または音に対する内耳の反応を確認する機器であるOAEのいずれかを用いた新生児の聴覚スクリーニング検査に対して助成を行っております。また、令和2年度の受検率は97%でございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 御説明のとおり、本市では自動ABR検査とOAE検査を行っていますが、助成を受けられるのはいずれか1回とのことです。
 そこで、自動ABR検査とOAE検査を希望した場合は、両方の検査を可能な限り受検できるよう検討すべきだと考えますが、本市の見解をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 新生児聴覚検査につきましては、先天性難聴の早期発見のため、全ての新生児が検査を受けられるように、初回の検査費用について、平成31年4月から公費で負担することとしたものでございます。また、新生児聴覚検査については、国の通知で自動ABRでの検査実施が望ましいとされていることから、原則、自動ABRでの検査を助成対象としております。なお、出生した産科医療機関に自動ABRの機器がない場合は、OAEでの検査も助成対象としているものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 国の通知では自動ABRでの検査が望ましいとされているようですが、脳幹からの電気的反応を示す自動ABR検査と内耳からの反響音を示すOAE検査ではアプローチの方法が違います。それぞれ一方が要再検査と判定された場合、もう一方の検査を受ける場合において異なる結果にならないとも限りません。自動ABR検査で反応が出ない例などに対しては、低音域の聴力の精査に有用なASSR検査を導入するなど、難聴を見逃さない幅広い検査方法を今後検討してもらうように要望しておきます。
 難聴は、保護者をはじめ、子どもに関わる周囲の人にとって分かりにくい障がいと言えます。3歳児の頃は社会性や言葉の発達が目覚ましい時期となり、日常生活の中心が家庭内から集団保育の場へと移行する時期でもあります。この時期に難聴があると言葉を習得することが困難になります。3歳児健診は就学前に行われる最後の健康診査であり、聞こえについての確認がとても重要になります。
 そこで、本市の3歳児健診における聴覚検査の流れと内容についてお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 3歳児健診の聴覚検査につきましては、事前に家庭で絵カードを使用して、ささやき声による検査を行い、その結果を踏まえて医師が診察をするとともに、保護者に対して子どもの耳に関する問診を実施しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 3歳児健診での聴覚の異常で治療が必要とされた子どもの割合と数、また、異常が疑われた場合の本市の対応についてお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 聴覚検査に関する結果につきましては、令和2年度は受診者1万4,190人のうち精密検査が必要と判定されたのは174人で、その場合は耳鼻科医療機関での精密検査を紹介しております。なお、精密検査の結果、治療が必要と診断された子どもは受診者全体の0.1%に当たる19人となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 精密検査が必要と判定された数は174人、要治療と判断された数は19人と、決して少ない数ではありません。
 子どもが難聴かもしれないと言われたときの不安を抱える保護者への情報提供や支援、また、親子で療育を受ける必要がある乳幼児期においての病院、療育施設、保育園、家庭の連携について、本市の取組をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 新生児聴覚検査や精密検査の結果、療育が必要と診断された場合は、精密検査実施医療機関からあいあいセンターの聴覚言語障がい児部門の療育につないでおります。また、あいあいセンターでは、難聴児の保護者を支援するペアレントプログラムを実施しているほか、難聴児が通う児童発達支援センターや保育園への訪問による支援などを実施しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 本市では、保護者向けの講習等を行うペアレントプログラム、難聴児が通う幼稚園や保育園、発達支援センター等の施設を支援するために園への訪問支援や職員研修等を実施してくださっているとのことですが、支える側の人材不足、人材育成という課題も解決しなければなりません。これからさらに聴覚検査の精度や受診率が上がれば、早期療育が必要な難聴児が増え、施設の充実はもとより、言語聴覚士の拡充がますます求められます。
 そこで、言語聴覚士とは難聴児にとってどのような役割を果たしているのか、また、体制強化のためにどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 言語聴覚士は、難聴児やその保護者に対して補聴器の調整や装用の指導、人工内耳への助言、児童の発達に合わせた言語コミュニケーション指導などを行っております。
 なお、あいあいセンターでは、令和元年度に難聴児の増加を踏まえまして言語聴覚士を1名増員し、体制を強化しており、今後も適切な支援体制の整備に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 早期療育が必要な難聴児が増えた場合など、その人数に合わせた適切な支援体制がしけるようによろしくお願いいたします。
 多くの難聴者は、成人になると支援を受ける場を失い、最新の治療や技術の情報からも遠ざかってしまいます。成育基本法の理念にのっとり、学齢期、青年期、成人期までを含んだ切れ目のない支援体制の確立も必要だと思いますが、本市の御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 難聴児への支援については、乳幼児期からの早期療育をはじめ、将来を見据え、保健、医療、福祉及び教育などの関係機関が成長に合わせた支援を提供しており、今後とも、しっかり連携していくことが重要であると考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) よろしくお願いいたします。
 次に、視覚検査についてお伺いいたします。
 厚生労働省は平成29年4月、全国の自治体に対し、3歳児健健診査における視力検査の実施についてを発出し、保護者に対する留意事項や適切な実施に向けた自治体の助言等の支援について通知をしています。また、近視、遠視、乱視などの屈折異常や眼球周辺の筋肉の異常による斜視などを改善するには、適切な治療やトレーニングを早期に開始することが重要としております。
 そこで、本市の3歳児健診における視覚検査の流れと内容についてお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 3歳児健診の視覚検査につきましては、事前に家庭で絵カードを使用した視力検査を行い、その結果を踏まえて医師が診察をするとともに、保護者に対して子どもの目に関する問診を実施しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 3歳児健診で弱視や、ほかの目の異常で治療が必要とされた子どもの割合と数、また、異常が疑われた場合の対応についてお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 視覚検査に関する結果につきましては、令和2年度は受診者1万4,190人のうち精密検査が必要と判定されたのは648人で、その場合は眼科医療機関での精密検査を紹介しております。なお、精密検査の結果、治療が必要と診断された子どもは受診者全体の0.5%に当たる73人となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) また、3歳児健診で要精密検査と判定された子どものうち、眼科を受診した割合をお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 令和2年度の健診で精密検査を紹介された子どものうち、2年度中に精密検査を受診したのは61.3%となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) それぞれ今まで答弁いただいたように、精密検査が必要と判定された数は648人、要治療と診断されたのが73人、また、精密検査が必要と判定された子どものうち精密検査を受診したのは61.3%と、4割近くの子どもは精密検査未受診というのが本市の視覚検査に関する現状でございます。
 先日、ある方からお話を伺いました。子どもが小学校入学前に受けた視力検査で弱視であることが分かり、すぐに治療用眼鏡をかけさせましたが、視力はあまり上がっていない状況です。眼科医の先生からは、もっと早い段階で気づき、治療を開始できていたならば、視力が上がる可能性は違ってくると言われたそうです。弱視の子を持つお母さんの中には、なぜもっと早く気づいてあげられなかったのかと自分自身を責める方もお見えになるとのことでした。
 日本眼科医会によると、人の目の機能は3歳頃までに急速に発達し、6歳から8歳頃までにほぼ完成するそうです。しかし、この時期に視力の発達を妨げる要因、例えば、強い遠視や強い乱視などがあると視力の発達が停止し、眼鏡をかけても視力が出ないなど、一生涯視力不良の状態となってしまい、弱視はおよそ50人に1人いるとのことです。
 そこで、重要な機会となるのが3歳児健診における視覚検査です。現行の視覚検査では、1次検査が各家庭において行われているため、3歳児では応答が正確にできないなどの理由により、健診受診率が高いにもかかわらず、多くの弱視が見逃されてきたと指摘されております。加えて、弱視の子どもは生まれつき見えにくい状況が当たり前として育っているため、見えないとか見にくいと訴えることがほとんどないそうです。また、片目だけ弱視である場合も、もう一方の目がよく見えているため、日常生活ではほとんど気づかれることがないと言われております。
 こうした中、弱視を早期に発見し、適切な治療につなげるため、3歳児健診において屈折検査機器を導入し、屈折検査を実施する自治体が増えてきております。この屈折検査機器とは、弱視の主な原因である遠視、近視、乱視の程度を短時間で簡単に測定することができる検査機器のことで、大きなインスタントカメラで撮影するように子どもの目元を映し出して、目に触れることなく、非接触で行える検査です。大体10秒程度で判定でき、資格なども特に必要ございません。また、母親の膝に乗ったままでも検査が可能で、受診者の負担が少なく、異常を発見するスクリーニングの成功率に至っては99%から100%と、まさに課題となっている弱視の見逃しを防ぎ、早期発見、早期治療につながる大変有用な検査機器と言えます。
 そこで、専門でもある日本眼科医会は3歳児健診における屈折検査機器の導入についてどのような考えを持っているのか、お示しください。また、その理由についても、お伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 3歳児健診における視覚検査につきましては、日本眼科医会からは、弱視の早期発見の観点から視力検査に加え、屈折検査の導入が重要であるとの認識が示されております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 令和3年の日本眼科医会の屈折検査導入の調査によりますと、群馬県、富山県、高知県内は100%導入済み、お隣の大分県内は50%導入、福岡県内では16.7%の自治体が必要性を認め、既に屈折検査機器による屈折検査が実施されておりますが、残念ながら福岡市ではまだ実施されておりません。
 そこで、先行した屈折検査導入による要治療児発見率というのがございます。(パネル表示)これは屈折検査機器の導入前と導入後の要治療児発見率を示したものでございますが、群馬県では導入前が0.1%、導入後が2.3%に上がっております。松江市では導入前が0.6%ですが、導入後は3.6%。静岡市では導入前0.3%に対しまして屈折検査機器を導入した後は2.3%ということで、非常に有用であるという報告が各自治体から上がっていると聞いております。
 厚生労働省は、弱視を予防するために屈折検査を3歳児健診に導入するよう全国の市町村に促す方針を固め、屈折検査機器等の購入費の2分の1を補助する制度を令和4年度予算で新たに補助対象として、屈折検査機器の整備が明示されたところでございます。本市で考えると、例えば、屈折検査機器は1台約120万円、保健福祉センター等の集団検診会場が10か所ですので、単純に1,200万円かかることになりますが、国庫補助を活用すれば2分の1の600万円の負担で購入ができ、子どもたちの目と将来を守ることができます。
 先ほどから示しているように、先行導入した自治体の要治療児発見率向上の成果、また、日本眼科医会の屈折検査導入に対する重要性の認識、かつ国の補助制度があることを考えますと、本市においても導入する環境は整ったと言えるのではないでしょうか。子どもたちの弱視を早期に発見し、適切な治療につなげるため、3歳児健診の視覚検査において、本市も屈折検査機器を早期に導入し、実施すべきであると考えます。
 そこで、屈折検査機器の有用性に関する本市の認識と早期導入、実現に向けた御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 屈折検査機器により屈折、眼位等の検査を行うことで遠視、乱視等の屈折異常を発見できる有用な検査であると認識しており、屈折検査機器の導入については、引き続き他都市の状況把握や健診会場で必要となる実施体制等の課題も含め、検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 勝山信吾議員。
○13番(勝山信吾) 屈折検査機器の導入や実施する体制を検討していただけるとのことです。よろしくお願いいたします。
 子どもたちの将来のためにも屈折検査機器の早期導入、そして、眼科医会等と連携したフォローアップ体制の構築にもしっかりと取り組んでいただきますよう重ねてお願い申し上げます。
 子どもの弱視を早期に発見し、治療していくことが子どもの可能性、人生を大きく開くことにつながります。こども家庭庁設置法案も本日成立する見通しです。子どもの未来を守り、広げることこそ、私たちの大きな使命だと強く感じます。
 最後に、乳幼児健診における早期発見と早期治療の重要性と、全ての子どもが自分らしく輝き、健やかに成長できる社会の構築について髙島市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 乳幼児の健やかな成長のためには、疾病や障がいなどを早期に発見し、早期に治療や療育を行うことが重要であり、乳幼児健診はそのための大切な機会となっております。また、健診をきっかけとして支援が必要な子どもや家庭を早期に把握し、様々な支援につなぐことで、子育て家庭の不安軽減や虐待の未然防止等にも資すると考えており、今年度、乳幼児健診情報のデジタル化に着手し、健診結果のより一層の早期把握や、また、保護者の利便性の向上に取り組んでいるところでございます。今後とも、子どもや子育て家庭をしっかりと支援し、子どもが自分らしく生き生きと輝き、心身ともに健やかな成長をしていけるまちづくりをしっかりと進めてまいります。以上です。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
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