○18番(高木勝利)登壇 質問に入らせていただく前に、一言申し上げます。
ロシア軍によるウクライナ侵攻は、まさに侵略行為そのものであり、日本政府としてもロシアに対し、国際社会と結束し、即時攻撃停止と部隊撤収を強く要求するとともに、邦人保護や人道支援に万全を期すようお願いしたいと思います。
さらに、核による威嚇、牽制は断じて許されず、非核三原則を堅持してきた唯一の戦争被爆国である我が国はロシアの姿勢を厳しく非難し、強力な制裁措置を取りながら国民生活を守る対策を迅速に行うよう求めるものであります。
それでは、質問に入らせていただきます。
私は公明党福岡市議団を代表して、令和4年度市政運営方針、予算案、重要施策、条例案などについて質問させていただきます。
新型コロナウイルスの専門家組織は、2月上旬には第6波の感染のピークを越えたとはしているものの、高齢者への感染拡大や死者の増加など依然として高止まりが続き、現在も3月6日まで延長された福岡県へのまん延防止等重点措置のさなかであり、これで解除できるのか、再び延長されるのか、ぎりぎりの検討がなされているなど全く予断を許しません。
パンデミック宣言から4か月後、国連のグテーレス事務総長は、新型コロナは貧困層、高齢者、障がい者、持病がある人など社会的に最も弱い人々に最も大きなリスクを突きつけたと述べたように、パンデミックは社会的に弱い立場であった人々がより深刻な状態に陥り、そうでなかった人々も多くの困難に直面しました。病気になったとき、感染したときに支えてくれる人がいるか、感染防止の制限の中で仕事を続けることができるか、社会全体でお互いがお互いを支え合う福岡市の実現が必要です。
パンデミック宣言から丸2年、想像もしなかったこれほど長引く事態の繰り返しに私たちは戸惑い、ネガティブな考えになりがちですが、パンデミックという嵐にさらされている現状を踏まえ、ある哲学者は、世界を覆う暗雲を打ち破って希望の未来への地平を照らす力が人間には備わっていると指摘したように、この危機を乗り越えるためのポジティブな希望の光に変えていくことこそ大切であると思います。
福岡市令和4年度予算案では、ぬくもりと彩りというテーマを掲げ、子どもの貧困対策や困難な環境に置かれている子ども、障がい者、高齢者への支援を推進するとともに、Fukuoka Art NEXTやFukuoka Green NEXTなど多様な魅力が輝くまちを目指した施策が推進されます。新年度、これらを推進するための髙島市長の所信をお聞かせください。
新型コロナウイルスとの闘いが3年目に突入しました。これまで私たち公明党福岡市議団も11回にわたって新型コロナウイルスに関する緊急申入れを髙島市長に行ってまいりましたが、とりわけ今回第6波となったオミクロン株は感染力が非常に強いという特徴があり、発熱などの症状がある人や感染に不安を感じる人に使用する抗原検査キット、検査試薬の不足、経口薬の迅速な活用、パルスオキシメーターの不足、後遺症に悩む人への支援など多くの課題をもたらしました。
また、昼夜を分かたず、総がかりで懸命にコロナ対策に当たる医療従事者の皆様、福岡市職員の皆様方には本当に頭の下がる思いですが、陽性者や濃厚接触者などへの健康観察などに保健所の手が十分に回らなくなったことが各地で報告されており、保健所機能の強化も課題と考えます。
さらには、ワクチンの3回目接種における交互接種の安全性や、5歳から11歳の子どもへの接種についてなど、市民の不安解消を図り、これまで以上に分かりやすく丁寧な情報発信が求められています。
100年に一度とも言われる次のパンデミックがいつ起こるかを常に念頭に置いた長期的な対策も含めて、これら新型コロナウイルス感染症への諸課題に対して、今後、福岡市としてどのように取り組まれるのか、お聞きします。
次に、SDGsとウエルビーイングについて伺います。
SDGsは持続可能な開発のための国際目標で、2030年までの目標達成を目指しており、福岡市においても、これまでに目標達成に向け、様々な取組を行ってきました。残り8年となったSDGsの目標達成のために、行政、企業団体、何より市民一人一人の積極的な取組が大変重要であり、ここが大きな鍵になると考えています。また、近年注目されている市民の満足度、充実度などのウエルビーイングについても、同様のことが言えると思います。
福岡市においても、より具体的な行動について誰もが分かりやすい情報発信を行い、積極的に推進すべきだと思います。SDGs達成に向け取り組む企業等を応援するSDGs登録・認証等制度や、働く人の満足度や充実度を向上させるウエルビーイング向上への取組などどのように推進されるのか、お聞きします。
また、生活の質の向上と都市の成長の好循環をつくり出すと掲げた福岡市総合計画の策定から今年で10年目、基本計画を具体化する目標年度のときを迎えます。福岡市はどのように施策評価を行い、次の目標を定めていくのか、お伺いします。
次に、さらなるICT活用についてです。
デジタル社会の構築は、地域活性、行政リソースの最大化、住民福祉の向上などの課題を解決し、地域社会への新しい価値やサービスの提供を行い、安定的、持続的な経済成長をつくり出すための重要な取組です。国においても、行政手続の自動化やワンストップ化、データ活用で一人一人に合ったサービスの選択が可能になるデジタル社会を目指し、全ての国民や事業者が安心して利便性を享受できる社会が構築されることが重要であるとしています。
そこで福岡市は、DX、デジタルトランスフォーメーション社会の構築について、今後、具体的にどう取り組むのか、併せてデジタル社会を支える重要な基盤であるマイナンバーカードのさらなる普及促進についての所見をお聞かせください。
また、デジタル化が進展すると、高齢者やデジタルに不慣れな人、地域間など様々な格差が出ることが危惧されます。誰一人取り残さない細やかな支援を行うとともに、デジタルデバイド解消に向けての具体的な対応が必要ですが、どう取り組むのか、所見をお聞かせください。
次に、財政についてです。
令和4年度の予算規模は、過去最大であった令和3年度並みの1兆410億円の見込みです。市税についても、納税義務者の増加や企業収益の改善などにより、令和3年度を289億円上回る3,455億円の見込みとなっています。
日本全体の名目GDPはコロナ禍で大きく減少しているにもかかわらず、税収が増加していますが、背景として雇用調整助成金などの経済支援策により多くの企業が倒産を免れ、雇用を維持できたことが大きいとされています。将来にわたり持続可能な財政運営に向け、社会経済情勢の変化やコロナ禍を踏まえた新たな諸課題に新年度どう取り組まれるのか、伺います。
また、SDGs達成を見据えた社会構築のために資金の確保も重要です。SDGs債はグリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンドなど環境、社会課題解決に使途が特定されており、SDGsの実現に貢献する特性を持つことから投資家の力を借りた財源確保も重要です。福岡市の新年度の取組についてお聞きします。
さらに、ふくおか応援寄付を生かした財源確保について、返礼品として市内全店舗で利用できる電子ポイント、電子感謝券の導入など、地域経済の回復にも寄与できる仕組みづくりが必要だと思いますが、所見を伺います。
次に、地域コミュニティと災害対策についてです。
地域コミュニティの機能強化のためには、自治会活動を活性化させていくことが重要です。しかし、コロナ禍の影響で自治会活動の多くが中止を余儀なくされており、自治会運営のサポートとして、公民館を中心にデジタル技術を活用した具体的な提案が求められています。NPOや民間の協力、提案を受けるなど、自治会運営のサポートの強化を図る新年度の取組についてお示しください。
近年頻発する豪雨災害は、自治体の枠を超えた災害の研究や災害時の相互支援体制が求められます。防災力強化のための気象防災アドバイザーの活用や、受援、支援体制の取組について伺います。
また、感染症に対応した避難所体制の整備が引き続き求められており、大規模災害時の避難所ともなる学校体育館については、身体的距離の確保、空調整備が急務です。教育委員会とも協議を進め、どう避難者支援を強化するのか、お聞かせください。
国際的なスポーツ大会の開催は、国内外へのシティプロモーションやインバウンドによる観光関連事業への経済波及効果、さらには地域スポーツ振興、国際交流の促進など様々な観点から大きな効果が期待されます。世界水泳の開催後、新たな国際スポーツ大会の招致についてどのような取組をされるのか、伺います。
国際スポーツ大会や東京2020オリンピック効果もあり、昨今、スケートボードの愛好者が増加しています。しかし、愛好者の増加と受皿になる施設が追いついていないのが現状です。専門家の中には、スケートボードを活用したインバウンド対策やツーリズムにつなげるなど大きな可能性に期待する声も出ています。福岡市にも全日本規模や世界規模のスケートボードの大会が開催できるような施設整備が必要ではないか、民間事業者との協働も含め、所見をお聞かせください。
次に、選挙関係です。
本年は、夏に参議院議員選挙、秋には福岡市長選挙、明春には統一地方選挙が予定されています。18歳選挙権が導入されて以降、コロナの影響もあり、投票率の向上には様々な課題が残っています。特に過密状態が見受けられる各区の期日前投票所では、早急な対応が求められています。商業施設などを活用した期日前投票所の増設による投票環境の充実を求めますが、方針をお聞きします。
次に、子ども施策についてです。
コロナ禍の厳しい環境は、子どもたちの孤立を深刻化させ、支援が届きにくい状況を生んでおり、子どもを守る施策の推進が求められます。出産、育児については、コロナ禍で日常的な人との交流が途絶え、子どもの成長や希望を感じる機会を失った結果、孤独感を深めたり、意欲をなくしたりするなど、多くの母親や子育て世帯が精神的なダメージを受けています。育児や体調に不安がある人を対象にした福岡市の産後ケア、産後ヘルパー派遣事業では、出産世帯の何パーセントがこの支援を受けることができたのか、また、不安を取り除く十分な支援内容だったのか、利用者の声をお聞きします。
あわせて、支援を担う受入れ事業者の新たな目標数も含め、新年度の取組をお示しください。
家族の介護や世話などを日常的に行っている18歳未満の子ども、いわゆるヤングケアラーへの支援が急務となっています。ヤングケアラーの実態調査や、福祉、介護、教育などの職員向け研修をどのように実施するのか、併せて当事者の一人一人に支援の手が届くようヤングケアラーを福祉サービスにつなげるコーディネーターの配置や訪問支援員による家事、育児支援制度をどのように構築していくのか、お尋ねします。
また、児童虐待を防ぐ取組も重要です。厚生労働省によると、虐待件数は昨年度初めて20万件を超え、30年連続で増加しています。具体策として、食事の提供や学習支援を行う子ども食堂など民間団体への支援を広げることにより、地域での見守り体制を強化すべきと考えます。また、虐待の増加で業務が増えている児童相談所の負担軽減へ向けてICT活用を推進するとともに、要保護児童が転居した際に迅速に情報が共有できるシステムの導入を進めるべきです。御所見を伺います。
児童虐待等によって家族から離され、一時保護や里親委託などが行われる際、子どもの意見を踏まえた適切な判断や支援を行うことも大切です。支援が必要な子どもたち自身が本当の気持ちや意見を言えるよう子どもの意見表明権をサポートしていく必要があると考えますが、所見を伺います。
また、子どもの貧困対策も重要です。家庭の事情により子どもの将来の可能性が狭められるような貧困の連鎖を断ち切る取組を進めるべきです。御所見を伺います。
幼い子どもを育てながら仕事をする保護者にとって、希望に沿った保育所があることは必須要件です。多様な保育の受皿確保により待機児童数は年々減少しており、未入所児童数は前年度は約1,200人、今年度は約650人と大きく減少しています。一方で、国の調査によると、25歳から44歳までの女性の就業率は一昨年の減少から昨年は再び上昇し、保育所などの利用の申込みも再び増加する可能性があり、注視が必要であるとしています。
この保育ニーズを的確に把握し、需要の高いエリアにピンポイントで保育所の新設、増改築を進める手法が必要であると考えますが、所見を伺います。
コロナ禍において、生活に欠かせない職業に従事する多くのエッセンシャルワーカーの皆さんによって社会は支えられていることを私たちは再認識しました。保育士の皆さんは自分自身がエッセンシャルワーカーであるだけでなく、他のそうした皆さんが働ける環境を維持するための重要な役割を担っています。必要な保育人材の確保、処遇改善、潜在保育士の復帰しやすい環境づくりなど新年度の取組をお尋ねします。
たんの吸引や人工呼吸器の装着など医療的ケアが欠かせない子どもたちは、保育所や放課後等デイサービスなどへ預けるのが難しく、付添いを求められるなど、親が離職せざるを得ないケースもありました。昨年9月に施行した医療的ケア児支援法は、医療的ケア児や家族への適切な支援を国、自治体の責務と規定し、自治体に対し、ケアを担う人材確保や保育、教育体制の充実を求めています。保育所などでの医療的ケア児の受入れ体制充実について伺います。
また、若い世代が自身の力を発揮できる仕事や居場所をつくり出すことは大変重要です。コロナ禍で仕事をなくしたり、また、初めての仕事をリモートワークでスタートし、周囲に頼れる人がいないまま仕事を継続する若者が増えています。若者の生きがいのある就労や仕事を続けるための悩みを支援する専門相談窓口が福岡市に必要であると考えます。また、出会いの場の提供など婚活支援を望む声を多くいただきます。若者のニーズに即した形で提供するため、民間活用や自分の好みだけでは気づけない出会いを創出するAI、人工知能を活用する取組や、経済的理由により結婚に踏み切れない方への結婚新生活支援制度などの検討を進めるべきと考えます。新年度の若者支援をお示しください。
次に、教育行政についてです。
コロナ禍が長引く中で、ICTを活用した学習の推進や児童生徒の心のケア、また、各家庭との連携など、教育現場の先生方の奮闘に心からの感謝と敬意を表します。子どもにとっての教育環境を考える上で、教員自身が幸福度を高め、心身ともに健康で働き続けることが重要であると考えます。教員の業務負担の軽減や管理職の意識向上など、新年度の教員の働き方改革についてお示しください。
また、子どもの多様性に応じたきめ細かな指導ができるよう、35人以下学級を新年度も継続して取り組むとともに、5、6年生の専科教員の加配など強力なマンパワーの確保が必須であります。国への要望はもとより、非常勤講師を積極的に採用するなど福岡市独自の適正な教員加配についての取組をお尋ねします。
不登校児童生徒への支援強化として、個々に応じた計画的な学習支援や、安心して過ごせる学習環境の提供は最重要課題であると思います。現在配置されている不登校対応の専任教員の拡充、フリースクールやNPO団体との連携強化など、一人一人に確実に支援が行き届くため、どう取り組むのか、お示しください。
先ほども触れましたが、ヤングケアラー支援については、子ども自身がヤングケアラーであるという自覚がないケースも多いことから、どのようにアプローチして支援することが最適なのか、丁寧に把握する必要があります。特に教育現場でのスクールソーシャルワーカー、学校、家庭との情報共有や、関係機関と緊密に連携し、教職員への定期的な研修を含めた支援体制の構築にどのように取り組むのか、お示しください。
また、特別支援学級、通級指導教室の環境整備の予算確保やケース会議を充実させるなど、特別支援教育のニーズに応じた事業の在り方についてお尋ねします。
さらに、義務教育である小中学校に通っている児童生徒に対し、時間的、経済的負担を軽減するために遠距離通学費等助成制度を全児童生徒へ拡大し、全額補助するべきと考えますが、新年度の方針を伺います。
学校施設の改善については、重要課題であるトイレの洋式化や床面の乾式化整備をよりスピーディーに推進していくため、どのように取り組むのか、また、車椅子利用者のためのエレベーター設置についての整備プラン及び設置基準についてお示しください。
いよいよ待望の福岡市立夜間中学、福岡きぼう中学校が来月開校します。幅広い年齢層の生徒の様々な課題に対応できるよう専門機関との連携やメンタル的なサポートができる体制づくり、本市独自の就学援助制度や給食の提供など支援制度構築への取組について伺います。
次に、公衆衛生、医療施策についてです。
福岡市も2017年に高齢化率が21%を超え、超高齢社会に突入し、要介護認定者や認知症、障がい者など支援が必要な人が増加しています。また、社会環境の変化により個人や世帯の抱える課題が複雑化、複合化し、福祉ニーズは多様化してきています。そのような中、今年4月から保健福祉局が廃止され、新たに福祉局と保健医療局が新設されることになりました。そこで、新設理由についてお伺いいたします。
また、福祉局と保健医療局との連携の強化が非常に重要となりますが、懸念される課題や連携強化の具体的方法などどのようにお考えか、伺います。
福岡市がいち早く取り組んできた健康観察等フォローアップ事業について、保健所によっては自宅療養者への食料品等の配付時の説明に違いがあったり、同じ自宅療養者でも支援を受けられる人と受けられない人がいると聞いております。そこで、配付する要件や基準をお示しください。また、今後も必要な人に平等に配付するため、どう取り組むのか、伺います。
東京都は、中学校3年生までの医療費助成の対象を令和5年度から高校3年生まで拡充する方針を発表しました。福岡市は昨年7月から子ども医療費の通院の助成を中学校3年生まで広げましたが、子育て世帯の負担をさらに軽減するため、高校3年生まで助成を広げるよう国、県に対しても強く要望するとともに、福岡市も進めるべきと考えますが、所見をお聞きします。
コロナ禍の影響でがん検診の受診率が低くなっています。がんと生活習慣病の合併症などの重症化予防と早期発見、早期治療が重要です。費用的、効果的観点からピロリ菌の有無を調べる胃がんリスク検査を集団健診が可能な中学校3年生にするなど、対象年齢見直しの検討やがん検診受診率の向上にどのように取り組むのか、伺います。
また、我が会派が提案してきたがん患者の医療用ウィッグや補整具等の購入費用を助成するアピアランスケア推進事業が新年度から始まると聞いていますが、その事業概要と周知、広報にどう取り組むのか、お聞きします。
次に、高齢者施策についてです。
ポストコロナを見据え、全世代型社会保障の強化が重要です。今年から団塊の世代が順次、後期高齢者となり、医療、介護ニーズはますます高まります。福岡市における高齢化率は、団塊の世代が75歳以上となる2025年には24.8%、団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年には31.0%になると見込まれています。高齢者の単独世帯は今後も増加し、単独世帯の3分の1が高齢者世帯となる2040年を見据え、全ての人が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域医療構想の実現や地域包括ケアシステムの構築の必要性が一層求められます。さらに、高齢化に伴い要介護認定者数も増加し、要介護認定率は2040年度には25.9%、認知症高齢者数は約6万9,000人になるとの予測が示されました。新年度は地域包括ケアの推進、要支援、要介護高齢者等への支援体制の充実に関して、特に新規事業の要介護状態改善等評価事業、重度化防止啓発事業をどのように取り組まれるのか、お示しください。
コロナの影響が長引き、社会的孤立問題が顕在化、深刻化してきている中、公明党は昨年2月に社会的孤立防止対策本部を立ち上げ、誰も孤立させない、独りぼっちをつくらないための提言をまとめました。孤立対策は行政と地域住民、NPOなど民間団体が連携し、支え合うことが重要であり、地域における包括的支援体制の構築、多様で重層的なセーフティネットの強化を図ることを政府に提言しました。福岡市の高齢者の社会的孤立防止対策やフレイル予防施策について、新年度の展開をお聞きします。
急速な高齢化に伴う介護人材確保のため、多様な介護の魅力発信や介護ロボット、IoT導入等の促進を図っていかなければなりません。また、外国人介護人材の受入れ促進や定着につながるよう、例えば、介護職員初任者研修の資格取得に係る費用の助成を行うなど、処遇改善に向けた福岡市独自の支援について新年度の取組と所見を伺います。
次に、障がい者施策についてです。
福岡市は、令和4年度に取組を強化すべき施策として、ウエルビーイングの向上に資する取組の推進を掲げています。住み慣れた地域で、障がいの有無にかかわらず自立した生活ができる共生のまちづくりが大切です。まず、障がい者の生活支援の強化については、急増する複合的な相談や制度の複雑化に対応するため、障がい者基幹相談支援センターの人材の育成、確保、専門性の向上、処遇改善、対面とオンラインの相談事業の充実など支援者を孤立させない体制の強化を図る必要がありますが、新年度の取組を伺います。
また、強度行動障がい者支援の受入れ人数を拡大し、その後の地域移行への確立を進めるとともに、重度心身障がい者等の療養環境を整備し、当事者と家族の潜在化を防ぎ、障がい者のグループホームの開設促進や生活支援の拡充を図る必要がありますが、所見をお聞きします。
障がい児・者の欠くことのできない日常生活用具について、暗所視支援眼鏡、紙おむつなど、そのニーズを的確に把握し、日常生活用具の見直しと拡充を図る必要がありますが、どう進めるのか、お答えください。
ヘルプカードの普及啓発、障害者手帳のカード化、ノンステップバスやUDタクシーの増台、バス停周辺などへの上屋やベンチの設置など、公共交通のバリアフリー化などを着実に進め、誰もが安心して社会参加できるユニバーサルなまちづくりを推進する必要がありますが、新年度の取組をお示しください。
成年後見制度の利用促進も大切です。成年後見推進センターのオープンを契機に、低所得の高齢者や障がい者などの利用支援制度の対象を本人申立て、親族申立てを含めたものに拡大し、報酬を伴う相談支援体制を着実に構築してもらいたいと思いますが、所見を伺います。
高齢者、障がい者などの要配慮者が避難する福祉避難所は、あらかじめ受入れの対象を特定できるよう公開し、積極的に社会福祉施設との協定締結を進め、生活必需品の備蓄体制の強化も図るべきと考えますが、新年度の取組をお示しください。
次に、障がい者の就労支援の強化については、コロナ禍で解雇、雇い止めを受け、再就職を希望する障がい者等に対しての個別支援のほか、企業に対する啓発、就労移行支援事業所等へのリモート支援など、今まで以上に障がい者への就労支援を推し進める必要があります。障がいのある人を対象とする福岡市正規職員採用試験では、身体障がい者だけであった受験資格が令和2年度より精神、知的障がい者も受験可能となっていますが、さらなる受験機会の拡大、また、障害者優先調達推進法に基づく調達方針の徹底とともに、調達目標額を高めることや、物品、役務内容の拡大を全庁的に図り、ときめきプロジェクトなど障がい者の就労支援に関する市民の理解促進を図るべきです。そして、障がいのある人が社会生活を楽しく送れるよう最低賃金までの引上げを目指し、受注、発注コーディネート事業や工賃向上のための事業所への個別支援策強化など新年度の取組を伺います。
次に、障がい者と高齢者に共通する居住支援については、サービスつき高齢者向け住宅やセーフティネット住宅のあっせんなど、居住を安定確保するため、居住施策と福祉施策の一体的な取組を促進する必要があります。また、空き家の福祉的利活用促進に向け、住宅改修補助制度を早期に創設し、空き家の掘り起こしから利活用までの新たな拠点づくりを目指すべきです。これらの新年度の取組を伺います。
次に、市営住宅、居住関連施策についてです。
市営住宅のコミュニティ機能の強化の観点から、高齢化が顕著な住宅については所得要件緩和など、国に対して要望を行い、ファミリー世帯の入居を促進するとともに、大規模建て替え時には高齢者、障がい者施設等の機能導入を進め、地域課題の解決を図ることが重要と考えます。市営住宅の建て替え、改善事業を含む新年度の取組についてお伺いします。
保証人がいない、家賃や諸費用の滞納への懸念、孤独死リスク等により住まいを確保できない世帯のサポートを行う住まいサポートふくおかの新年度の取組をお聞きします。
また、子育てしやすい良好な住宅への住み替えや高齢者世帯の良好な住み替えを支援する住替え助成事業の新年度の取組についてお伺いいたします。
次に、生活交通施策についてです。
人口減少やコロナ禍の影響も重なり、地域公共交通を取り巻く環境は一層厳しさを増しており、高齢者や障がい者など交通弱者に対する移動、外出の手段確保を急ぐ必要があります。地域公共交通の維持、確保とともに、交通弱者に対する移動支援策の強化について見解をお示しください。
地域の生活交通を守ることも大変重要です。公共交通空白地、不便地などにおけるデマンド型交通の維持、導入促進や、地域において幹線と接続して支線の役割を持って運行される路線バスなどのフィーダー系統交通の充実の取組についての所見をお示しください。
次に、まちづくり施策についてです。
地区特性を生かした規制緩和、感染症対応シティ、脱炭素などの新たな付加価値により、天神ビッグバン、博多コネクティッドなど時代に適応したまちづくりを着実に行っていただきたいと思います。特に九大箱崎キャンパス跡地のまちづくりについては、基盤整備工事がURを主体とした南エリアに加え、いよいよ市の区画整理事業を主体とした北エリアでも本格的に進められます。道路、公園、公共施設など、まちづくりの進展のための的確なゾーニングを行ってもらいたいと思いますが、所見を伺います。
また、貴重な緑を保全する公園整備、公共空間の緑化など、新たな緑の創出を推進することが重要です。市民、企業、行政が力を合わせ、花や緑で彩られ、歩いて楽しい魅力的なまち並みを市全域に創出する取組も充実させていただきたいと思いますが、新年度の取組を伺います。
また、公園の整備については、木陰で憩えるような植樹、体を動かしたくなる仕掛けづくり、児童、健康、インクルーシブな遊具広場の整備とともに、草木の除草、剪定などの維持管理を定期的かつ着実に行うための新年度の取組をお示しください。
保存樹と街路樹の適正管理については、枝折れによる落下事故なども散見されており、保存樹の維持管理が適切になされるよう樹木診断や剪定費用などの支援を行い、根上がりや倒壊の危険性の高い街路樹について事故を未然に防ぐための計画的な対策も必要ですが、所見を伺います。
市街化調整区域の空き家の利活用への支援も重要です。能古校区、北崎校区、曲渕校区、志賀島地区等において、空き家や区域指定型制度の活用に向け、なお一層の情報提供を図り、地域の活性化を促進する必要があります。新年度の取組をお聞きします。
次に、道路、下水道についてです。
学校、保育施設、幼稚園等の周辺道路の交通安全対策の強化として交差点の巻き込み部、横断歩道部、未就学児が集団で移動する経路の危険箇所の早期整備を目指し、防護柵やゾーン30プラスの設置など、あらゆる対策を講じる必要があり、さらなる強化について伺います。
渡辺通りや空港周辺の慢性的な渋滞緩和に向け、天神ビッグバンと並行した天神通線整備や国道3号博多バイパス立体化など着実な整備を進めてもらいたいと考えますが、今後の方針を伺います。
災害に強いまちづくりに向け、橋梁や道路の計画的な整備や、台風被害で電柱の倒壊による大規模停電が発生している状況も踏まえ、福岡市無電柱化推進計画を強力に推進する必要があると考えますが、今後の取組方針をお聞きします。
誰もが外出しやすい環境づくりへ新たな手法として、デジタルサイネージなどの屋外広告設置を進めている民間事業者との連携を視野にバス停の上屋やベンチの設置を加速させるべきと考えますが、所見を伺います。
駅周辺などの自転車駐輪場での利用者実態調査を行い、新たな駐輪場整備や機械式駐輪場の設置拡充、自転車走行空間のさらなる整備も拡充をすべきと考えますが、今後の展開をお尋ねします。
近年の気候変動の影響による水害の激甚化、頻発化を踏まえ、下水道施設の浸水対策強化へ新たな大規模貯留管整備の検討や内水氾濫危険情報を市民や来街者にリアルタイムで発信する仕組みを検討すべきと考えますが、所見を伺います。
次に、環境施策についてです。
福岡市は、2040年度に温室効果ガス排出量実質ゼロへの全国に先駆けた取組を目標にしています。脱炭素社会実現へ、水素、カーボンリサイクル、グリーンボンドの積極活用、排出量取引制度の創設、CO2削減義務化など、低炭素から脱炭素への流れを加速させるグリーン戦略にどう取り組むのか、お示しください。
再生可能エネルギーの普及のため、市有施設などへのさらなる太陽光発電の導入、市有施設の電力の100%再エネ電力への切替え、市民の再エネ電力共同購入、EE電の積極的な推進、事業所の脱炭素などどのように拡充を図るのか、伺います。
家庭から排出される燃えるごみの約3割を占める食品廃棄物対策をはじめ、家庭ごみ全体の減量についての新たな取組が必要です。また、雑がみ回収袋の市内全戸配布を行い、地域や子どもに対する環境学習をさらに推進するなど、家庭ごみ全体の減量対策についての所見をお聞きします。
プラスチックごみを減らすことを事業者に求めるプラスチック資源循環促進法が来月、4月1日に施行され、使い捨てプラスチック製品のフォーク、スプーン、ストロー、歯ブラシ、ハンガーなどの12品目が対象となります。不要なプラスチック製品をできるだけ使わないリフューズ推進のための啓発強化、プラスチックごみの拠点回収、分別回収、使用済みペットボトルのボトルtoボトルリサイクルなど新年度にモデル事業として実施されると聞いていますが、今後のスケジュールをお示しください。
次に、観光・MICEの振興についてです。
福岡市は、経済、観光、文化を一体的に振興することで都市の成長を実現し、人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市福岡を目指しています。令和4年度に予定されている大規模学術会議や、1年延期となりましたが、令和5年7月に開催される世界水泳福岡大会など大型MICEの開催は福岡の魅力を発信する好機であり、集客拡大が期待できると考えますが、九州のゲートウェイ都市としての機能強化のため、どのように取り組まれるのか、お答えください。
福岡市には、福岡城、鴻臚館、元寇防塁、博多旧市街をはじめ、地域の至るところに貴重な歴史や伝統文化など魅力的な観光資源があふれています。コロナ禍のこの時代に改めて福岡の魅力を掘り起こし、磨き上げ、観光資源として活用していただきたいと思います。福岡の歴史や伝統文化を生かした観光振興について伺います。
また、アフターコロナに向け、体験型の観光コンテンツやユニークベニューの開発など福岡独自の観光資源の活用を図るとともに、コロナ禍で大打撃を受けている観光関連事業者への独自支援の検討を進めていただきたいと思いますが、所見を伺います。
夜を彩り、福岡市を象徴する文化である屋台の魅力を最大限生かすとともに、博多旧市街などで行われているライトアップやアート作品展示などのイベントをさらに拡大させるなど、福岡の夜を楽しむまちづくりにも取り組んでいただきたいと思います。御所見を伺います。
文化芸術は、人々の潤いのある生活に欠かせないものであり、都市の魅力、価値を向上させる大きな力を持っています。ポストコロナに向けて市民に勇気と希望を与え、福岡のまちににぎわいを取り戻していくため、アートの力が必要であると考えます。今後、アートを生かしたまちづくりにどのように取り組んでいくのか、伺います。
また、コロナ禍により市内の文化芸術活動者の現状は厳しい状況にあります。新年度に開設予定しているアーツカウンシルについては、市内の文化芸術活動者に寄り添い、さらなる活躍につながるよう実効性のあるものにしていただきたいと思います。アーツカウンシルの開設に向けた決意をお聞かせください。
次に、福岡空港と博多港についてです。
福岡空港は、令和2年1月に平行誘導路の二重化が完成し、航空機混雑の緩和や利便性の向上が図られています。現在、滑走路増設事業が進められており、福岡空港の国内外航空路線のネットワークの強化を着実に進めていく必要があると考えますが、決意をお聞かせください。
博多港は、九州・西日本の経済活動や市民生活を支えており、物流ITシステムをはじめ、効率性の高い物流機能の強化を図るなど戦略的な取組が求められています。そこで、D岸壁全体の早期完成を国に強く求めるべきと考えますが、今後の取組についてお答えください。
クルーズの受入れについては、感染症による影響やクルーズ市場の動向などクルーズを取り巻く状況を注視しながら、日本を代表するクルーズ船の寄港地として受入れ環境の整備に着実に取り組んでいく必要があります。今後の取組をお答えください。
小戸ヨットハーバーは、令和7年度からの民営化が予定されています。恵まれたロケーションを生かしたにぎわいづくりを行い、周辺施設との連携や回遊性を高めることで市民にとって貴重な財産となるよう期待しています。今後の取組をお答えください。
次に、農林水産業の振興についてです。
令和4年度は、第14次福岡市農林業総合計画、第11次福岡市水産業総合計画のスタートの年となっています。それぞれの目標と今後の取組についての決意をお聞かせください。
また、地産地消や食育など食に対する安全、安心への意識や、新鮮な食材を求めるニーズ、健康志向はますます高くなってきています。市内産農畜産物の6次産業化、唐泊恵比須かき等のブランド化の推進など、地産地消や市内産農水産物の付加価値向上、魅力アップにどう取り組まれるのか、お聞きします。
高齢者や新規就農者の減少など農家をめぐる課題の打開策として、農産物の生産にロボットやAI、ICTなどの先端技術を活用するスマート農業が期待を集めています。スマート農業の推進について伺います。
中央卸売市場の活性化については、鮮魚市場において長浜ブランドの構築、市場活力の維持を目指した活性化施設の整備、青果市場においては全国で初めて認証取得した市場JASを最大活用した青果物の安全、安心に取り組んでいただきたいと思いますが、所見をお聞きします。
地球温暖化防止や水源涵養、土砂災害防止など森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるため、森林資源の循環利用が必要です。このため、木質化や木材を活用した公共建築物の整備に地域産木材のさらなる利用促進を図るべきと考えますが、所見を伺います。
豪雨災害を踏まえ、農業用ため池の適切な管理を行うとともに、防災重点農業用ため池の安全性向上対策や緊急時の迅速な避難行動につなげる対策が必要であると考えます。どのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。
農福連携は、農業の担い手や労働力不足、福祉における障がい者等の就労確保という課題を同時に解決する可能性を秘めた取組として注目を集めています。双方にメリットがあるウィン・ウィンの取組になるようマッチングが必要です。今後どのように進めていかれるのか、お聞かせください。
次に、福岡市地下鉄についてです。
地下鉄の防犯対策の強化やバリアフリー化などのユニバーサルデザインに配慮した整備促進については、新車両導入や車両改造に合わせた車内防犯カメラや縦手すりの設置、駅施設案内サインのピクトグラム、絵文字の活用、昇降機の整備などどう推進するのか、伺います。
また、令和5年3月に開業を控える七隈線延伸事業では、開業に合わせた市民のわくわく感を醸成するため、どう取り組むのか、お聞きします。
さらに、地下鉄周辺のにぎわいづくりの推進、地下鉄駅構内営業については、駅ナカビジネスやにぎわいづくりの推進、国内外からの来訪者の利便性の向上と高齢者、障がい者などにも配慮した地下鉄環境づくりを進めるための取組について伺います。
次に、消防行政についてです。
救急車の適正利用のための♯7119や、聴覚や会話が不自由な方のNET119緊急通報システムの積極的な推進、新年度は通報者に現場映像を送ってもらう映像通報システムが導入されるとのことですが、その概要をお示しください。
消防情報メールについては、市民への火災情報などの精度を向上させるため、LINEを活用した発信が開始されましたが、市民への情報発信強化にどう取り組まれるのか、所見をお聞きします。
コロナ禍で急増する救急出動件数や救急業務の高度化、災害、建築物の大規模化、複雑化など人命救助に的確に対応するため、さらなる救急隊の増隊、警防、予防、救急、救助、広域的な消防体制の強化を図るべきと考えますが、所見を伺います。
開校から43年目となり、老朽化した福岡市消防学校は、災害対応能力強化や最新の教育訓練施設の充実など本格的な機能強化のため、学校施設建て替えの検討に着手すべきと考えますが、今後の方針をお示しください。
最後に、水道行政についてです。
水道の直結給水化を着実に推進するとともに、民間小規模貯水槽の水質管理不備や未改善な貯水槽設置者への指導をより強化し、安全でおいしい水の供給に努めていただきたいと考えますが、所見を伺います。
市民の健康に不可欠な安全、安心な水道水を将来にわたり安定供給するため、水道施設の維持管理の効率化、高度化などIoT技術の積極的活用などによる経営の安定と効率化を一層推進するべきと考えますが、所見をお聞きします。
災害時の飲料水や生活用水の確保のため、浄水場などの耐震化や水道施設の停電対策としての非常用発電装置の設置及び避難所などの給水ルートを確保する耐震ネットワーク工事完了に向け、どう取り組まれるのか、伺います。
以上、市政全般にわたる福岡市令和4年度予算に関して質問をさせていただきました。
コロナ禍で傷んだ福岡市経済の立て直しや市民生活の不安解消は大きな課題です。髙島市長が掲げてこられた都市の成長と生活の質の向上を実現するため、脱炭素化、デジタル化、防災、減災対策などを強力に推進するとともに、子育て、教育支援、女性、高齢者、障がい者支援などの全世代型社会保障の強化に真正面から立ち向かい、成長と持続可能性を高める必要があります。
令和4年度を迎えるに当たり、反転攻勢のV字回復を成し遂げるため、私たち公明党福岡市議団は一人の声を大切に、これら様々な課題解決へのかじ取りに挑む髙島市政をしっかりと支え、全ての方が活躍できる社会を目指し、希望あふれる福岡市を実現するため、総力を挙げる決意を申し上げ、代表質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。
○副議長(山口剛司) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎)登壇 ただいま公明党福岡市議団を代表して高木議員より御質問をいただきましたので、まず私のほうから御答弁させていただきます。
最初に、令和4年度の予算案と、それから、施策についての御質問にお答えをいたします。
新型コロナウイルス感染症の長期化によって市民生活に様々な影響が広がる中、困難な環境に置かれている子どもたちや障がい者、高齢者などがぬくもりを感じられるように支援をしてまいります。また、天神ビッグバンなどによってまちが大きく生まれ変わる中、まちに彩りを加えるため、市民がアートや豊かな自然を身近に感じられる取組などをしっかりと進めてまいります。
次に、新型コロナウイルス感染症への対応については、自宅療養者への支援として、パルスオキシメーターの貸与や、毎日の健康観察、専用相談ダイヤルの設置による療養支援、往診などの診療体制の整備に取り組んでまいりました。
また、検査については、民間検査機関への委託や医療機関での対象の拡大などに取り組むとともに、抗原簡易キットや検査試薬の安定した供給について国へ要望するなど、必要な方が検査を受けられる体制の整備を進めてまいります。
また、経口薬の迅速な活用のため、県や市医師会と連携をして活用方法の周知などに努めるとともに、後遺症に悩む人への支援として県の後遺症診療相談窓口を案内するなど適切に対応してまいります。
保健所機能の強化については、職員や外部専門職の増員、業務の効率化、委託化、感染拡大時における全庁的な応援、業務の重点化などに取り組んでおりまして、今後とも、感染動向に応じて機動的に対応できる体制づくりに取り組んでまいります。
また、ワクチン接種については、引き続き有効性や安全性など正しい情報の周知を図りながら迅速に進めてまいります。
次に、SDGsとウエルビーイングについては、新たに働く人のウエルビーイングの向上とSDGsの達成に向けて取り組む企業を応援する登録制度の創設などを行ってまいります。
基本計画については、これまでの施策評価の結果や社会経済情勢の変化、新たな課題などについて整理するとともに、国勢調査の結果などを踏まえ、将来人口の推計などを行ってまいります。
次に、デジタル社会の構築については、デジタル臨時行政調査会など国の取組とも連携をして、行政手続のオンライン化などを進めるとともに、データ連携基盤を構築し、プッシュ型の情報提供などを行ってまいります。今後とも、DXを進め、市民の利便性の向上と業務の効率化を推進してまいります。
また、マイナンバーカードの普及促進については、申請サポートを強化するとともに、令和4年度は地域の団体などへの出前サポートの拡大や若年層への取得促進キャンペーンの実施などに積極的に取り組んでまいります。
デジタルデバイドの解消については、市民に使いやすく、分かりやすいユーザーインターフェースの導入や公民館スマホ塾の実施など、誰もがデジタル技術を活用できる環境づくりに取り組んでまいります。
次に、財政運営についてのお尋ねでありますけれども、財政運営プランに基づき、生活の質の向上と都市の成長のために必要な施策事業の推進による税源の涵養を図りつつ、超高齢社会に対応する仕組みづくりやアセットマネジメントの推進、市債残高の縮減に向けた取組などによって将来にわたり持続可能な財政運営を推進してまいります。
SDGsの達成を見据えた資金確保については、令和3年度に福岡市では初めてグリーンボンドを発行いたしました。グリーンボンドは、専門の認証機関から評価された環境への取組や環境改善などの効果を国内外にPRできる有効な仕組みであり、今後とも、引き続き活用してまいります。
ふくおか応援寄付については、返礼品として導入している電子ポイントが利用可能な市内店舗の拡大を図るとともに、市内産品のさらなる充実を進めるなど、地域経済の回復にも寄与する取組によって財源の確保を図ってまいります。
次に、地域コミュニティと災害対策に関する御質問にお答えをいたします。
まず、地域コミュニティについては、条例による自治協議会や自治会、町内会の位置づけの明確化を図るとともに、支援体制の強化や自治協議会共創補助金の使途の柔軟化、自治会、町内会への新たな補助を行うなど共創の地域づくりを推進してまいります。
また、コロナ下での活動事例の共有や公民館における地域のデジタル化支援、企業やNPOなどと地域をつなぐ取組を進めてまいります。
次に、防災力の強化については、気象台や自衛隊など関係機関との連携の強化を図るとともに、九州が一体となった防災先進地域の実現に向けて取り組んでまいります。
災害時に避難所となる学校体育館については、民間事業者との災害協定に基づき、移動式エアコンなどを設置することとしており、今後とも、国のガイドラインなどに基づく環境整備に取り組んでまいります。
また、感染症対応マニュアルや避難所運営の手引を地域と共有するとともに、連携強化に向けた訓練などを実施してまいります。
学校体育館への空調整備に関する御質問については、後ほど教育委員会から御答弁をいたします。
次に、国際スポーツ大会については、市民スポーツの振興や都市ブランド力の向上、地域経済の活性化などに寄与するものであり、引き続き誘致に取り組んでまいります。
スケートボード施設については、雁の巣レクリエーションセンターにおいて専用エリアを拡張するとともに、市民ニーズなどを踏まえながら、民間の活用なども含め検討を行ってまいります。
投票環境に関する御質問については、後ほど選挙管理委員会から御答弁をいたします。
次に、子ども施策に関する御質問にお答えをいたします。
まず、産後ケア、産後ヘルパー派遣事業については、令和2年度は出産された世帯の約7%が利用し、利用者からは、相談に乗ってもらえてよかったなどの声をいただいております。今後とも、受託事業者の拡充に努めるとともに、新たに訪問による産後ケア事業を実施するなど支援を充実してまいります。
ヤングケアラーについては、市内の児童生徒を対象とした実態調査に加え、令和4年度は専用相談窓口を拡充するとともに、新たにSNSへの相談受付や育児支援ヘルパーの派遣、関係機関への研修などを実施してまいります。
児童虐待の防止については、地域での子どもの見守りとして、子ども食堂への支援の拡充や必要な家庭への訪問型の食事提供などに取り組んでまいります。
また、国のシステムによって要保護児童が転居した場合も速やかに情報の共有を図るほか、小中学校で1人1台配付しているタブレット端末やSNSを活用した相談を新たに実施するなど、児童相談所におけるICTの活用を推進してまいります。
支援が必要な子どもによる意見表明をサポートする仕組みについては、新たに専門的な第三者が児童養護施設などに訪問して子どもの声を聞き、支援に生かす子どもの権利サポート事業を推進してまいります。
子どもの貧困対策については、子ども食堂への運営支援や生活保護世帯などを対象とした保育所等の教材費の助成、ひとり親家庭の自立支援などに取り組んでおります。
令和4年度は、子どもが家庭の経済的な環境に左右されることなく個性や能力を伸ばし、自己肯定感を育むことで、将来の目標や希望を持つことができるよう習い事の費用助成に取り組んでまいります。
保育の受皿確保については、地域の保育ニーズを踏まえ、増改築など既存ストックの活用を中心に取り組んでまいります。
保育士の労働環境については、潜在保育士への就職準備金などの貸付けや保育士への勤続手当の支給、家賃や奨学金返済の支援に取り組むとともに、保育の補助等を行う職員の配置費用を助成しております。
また、新たに保育士などの収入引上げのための助成を行うこととしております。
医療的ケア児への支援については、受け入れる保育所への看護師配置費用の助成や訪問支援など、引き続き充実に努めてまいります。
若者の就職や定着の支援については、各区の就労相談窓口において個別相談などを行うほか、国や県の相談窓口とも連携をして支援に取り組んでまいります。
婚活支援については、県や民間企業が実施する300を超える出会いイベントについて、福岡市でも広報を充実するほか、県と共同で婚活セミナーを開催しており、引き続き支援に取り組んでまいります。
新婚世帯や子育て世帯の経済的負担の軽減については、市営住宅の別枠募集、子育て世帯住替え助成と併せて、保育所を利用する低所得世帯への助成などに取り組んでまいります。
教育行政に関する御質問については、後ほど教育委員会から御答弁いたします。
次に、公衆衛生と医療施策に関する御質問にお答えをいたします。
まず、福祉局と保健医療局については、少子・高齢化などに伴う様々な課題と感染症対策に機動的に対応するため新設するものです。今後とも、福祉、保健、医療の連携は不可欠であり、両局において課題を共有しながら取組を進めてまいります。
自宅療養者への食料品などの生活支援物資については、調達が困難で希望される方に配付をしており、引き続き必要な方々に届くよう分かりやすい周知に取り組んでまいります。
子ども医療費助成制度については、子どもたちが安心して医療を受けられるよう令和3年7月に大幅な制度拡充を行っております。さらなる拡大については、国や県に対する要望と併せて子ども施策全体の中で総合的に検討する必要があると考えております。
がん検診については、胃がんリスク検査のより効果的な実施を検討するとともに、ワンストップでの各種健診の実施や未受診者へのダイレクトメールの送付などによって受診率の向上を図ってまいります。
アピアランスケア推進事業については、がん患者の社会参加の促進を目的として、医療用ウィッグや補整具などの購入費用を助成するもので、市政だよりやホームページのほか、関係機関への周知に努めてまいります。
次に、高齢者、障がい者施策に関する御質問にお答えをいたします。
まず、要支援、要介護高齢者などへの支援については、新たに要介護状態の改善などに取り組む介護事業所などへのインセンティブを導入するとともに、自立支援や重度化防止に関する講演会などの啓発に取り組んでまいります。
高齢者の社会的孤立防止対策については、地域の見守り活動への支援や相談体制の充実、社会参加の促進など重層的な取組を進めてまいります。
また、フレイル予防については、新たにストップフレイルプロジェクトを実施するなど取組を強化してまいります。
介護人材の確保については、介護ロボットのトライアル貸出しやICT導入による事務効率化の支援、介護事業所に対する処遇改善加算の取得促進など労働環境や処遇の改善、外国人留学生の介護施設への就労支援などに取り組んでまいります。
障がい者基幹相談支援センターについては、相談件数の増加や相談内容の複雑化に対応するため、コーディネーターを23人増員し、体制の充実強化を図ってまいります。
強度行動障がい者支援などについては、支援拠点施設において受入れ人数を拡大し、地域移行の促進に取り組むとともに、重度障がい者を受け入れるグループホームに対する福岡市独自の補助の拡充を行ってまいります。
日常生活用具の見直しと拡充については、当事者や検討委員会の意見、障がい者施策全体の中での優先度、他都市の状況などを踏まえ、総合的に判断していく必要があると考えております。
ユニバーサルなまちづくりについては、ヘルプカードなどの普及啓発に努めるとともに、条例及びバリアフリー基本計画に基づき、ノンステップバス、ユニバーサルデザインタクシーの導入支援やベンチプロジェクトの推進などに取り組んでまいります。
また、障害者手帳のカード化については、行政手続の電子化や利便性向上の観点などを踏まえ、総合的に検討してまいります。
成年後見制度の利用促進については、後見人への報酬助成の対象を拡大するとともに、成年後見推進センターを中核とした相談支援体制の構築を図ってまいります。
福祉避難所については、社会福祉施設に対して引き続き協定の締結を働きかけるとともに、施設名の公表に向けて検討してまいります。また、簡易ベッドや流動食などの物資を配付するなど運営体制の強化を図ってまいります。
障がい者への就労支援については、障がい者就労支援センターにおいて就労相談や就労先の開拓から定着までの支援に取り組むとともに、発達障がい者支援センターとの一体的な整備を着実に進めるほか、就労移行支援事業所などにおけるリモートワークの推進に努めてまいります。
また、障がい者を対象とする正規職員採用試験については、令和4年度から年齢要件の上限を引き上げ、さらなる受験機会の拡大を図ってまいります。
さらに、企業から業務を受注する支援窓口の設置や優先調達の推進など受注の拡大に努め、障がい者の工賃向上に取り組んでまいります。
次に、障がい者や高齢者の居住支援については、民間賃貸住宅への入居支援のほか、セーフティネット住宅への改修費補助や要支援世帯に対する入居者負担の低減などの経済的な支援策を設けており、住宅施策と福祉施策の一体的な取組を進めてまいります。
また、空き家の福祉的利活用については、ニーズの把握や社会貢献型空家バンクへの支援を行うとともに、国の支援制度の活用を検討してまいります。
次に、居住関連施策に関する御質問にお答えをいたします。
まず、市営住宅については、収入基準の緩和や募集枠の確保などファミリー世帯の入居促進に引き続き努め、必要な制度改正については国に要望してまいります。
また、計画的な建て替えや改善、維持補修、適正管理などに取り組み、建て替えによって創出される将来活用地においては、地域課題の解決に資する施設の立地を誘導してまいります。
住まいサポートふくおかについては、民間賃貸住宅への入居支援や見守りなどの生活支援サービスによって、引き続き高齢者などの居住の安定確保に努めてまいります。
また、子育て世帯や高齢者世帯の住み替えについては、引き続き初期費用の一部を支援してまいります。
生活交通施策については、引き続き地域や交通事業者と連携をして公共交通の維持、確保に努めるとともに、移動に制約がある方への支援に取り組んでまいります。
生活交通の充実については、条例に基づき休廃止対策などに取り組むとともに、地域や交通事業者と連携をしてオンデマンド交通の社会実験を実施するなど、持続可能な仕組みづくりに取り組んでまいります。
また、主要な鉄道駅における折り返し系統バスの導入などに、関係者と連携をしながら取り組んでまいります。
次に、まちづくり施策に関する御質問にお答えをいたします。
まず、九州大学箱崎キャンパス跡地については、地域と共につくり上げたグランドデザインに基づき着実な都市基盤の整備や多様な都市機能の誘導を図るとともに、最先端技術による快適で質の高いライフスタイルと都市空間の創出に向け、Fukuoka Smart Eastの取組を進めてまいります。
次に、緑の取組については、公園や街路樹など公共空間の緑化を推進するとともに、一人一花運動の輪を広げ、彩りと潤いにあふれた魅力的なまちづくりを進めてまいります。
公園の整備については、身近な生活に潤いをもたらす緑化や体を動かしたくなる仕掛けづくりを進めるとともに、障がいの有無などにかかわらず、誰もが遊べるインクルーシブな遊具広場づくりなどに取り組んでまいります。
また、定期的な剪定や除草などの維持管理や公園愛護会活動への支援を行ってまいります。
保存樹については、所有者に対して樹木診断や剪定費用の補助などを行ってまいります。
街路樹については、樹木医による診断などを計画的に実施してまいります。
市街化調整区域における空き家の利活用については、区域指定型制度の対象拡大や空き家の改修費用に対する補助制度の創設など、地域と一体となって活性化に取り組んでまいります。
次に、道路、下水道に関する御質問にお答えをいたします。
まず、学校等の周辺道路における交通安全対策の強化については、路側帯のカラー化や防護柵の設置など交通安全施策の整備に引き続き取り組んでまいります。
天神通線については、用地買収を進めており、引き続き沿道のまちづくりと一体的に事業を推進してまいります。
また、国道3号博多バイパスについては、早期事業化に向けて国への働きかけを行ってまいります。
無電柱化については、新たな計画に基づき、防災等の観点から積極的に推進してまいります。
バス停のベンチについては、設置可能な全てのバス停に設置を進めるとともに、上屋についてはバス事業者による設置を基本としつつ、福岡市もバリアフリー重点整備地区内などへの設置を行ってまいります。
駅周辺などの駐輪場については、公共によるほか、附置義務駐輪場の整備の促進などによって確保に努めてまいります。
自転車通行空間については、安全で快適な通行環境づくりに向けて積極的に整備してまいります。
浸水対策の強化については、将来的な降雨量増加に対応するため、貯留施設の整備などによって浸水安全度の向上に取り組んでまいります。
また、内水氾濫危険情報については、防災メールに加え、新たにホームページによる発信を行うなど充実に努めてまいります。
替わって、環境施策に関する御質問にお答えをいたします。
まず、脱炭素社会に向けた取組については、国内外の動向を踏まえながら新たなイノベーションを積極的に取り入れ、民間事業者と連携をした水素エネルギーの活用、次世代自動車の普及などに取り組むとともに、脱炭素型のライフスタイルやビジネススタイルに向けた啓発などを進めてまいります。
再生可能エネルギーについては、市有施設での自家消費を目的とした太陽光発電の導入拡大や、再生可能エネルギー由来電力への切替えを進めるとともに、家庭や事業所向け共同購入の対象拡大や住宅用エネルギーシステムの導入支援などによって普及に取り組んでまいります。
家庭ごみの減量対策については、循環のまち・ふくおか推進プランに基づき、市民や事業者と連携をして発生抑制と再使用に重点を置いた取組を推進してまいります。
また、食品廃棄物の削減については、食品ロス削減推進モニターを活用した啓発を行うなど発生抑制の取組を推進してまいります。
雑がみの回収については、回収促進袋を全戸配布する校区の拡大を図るとともに、出前講座や環境学習において配布するなど、周知、啓発を進めてまいります。
プラスチックごみについては、事業者と連携をして啓発を行うなど、リフューズによる発生抑制を推進してまいります。
また、区役所などにおいてプラスチック回収モデル事業を実施するとともに、福岡市で回収したペットボトルの一部を対象としてボトルtoボトルリサイクルを試行的に実施し、効果的な回収、リサイクル体制の構築に向けた課題を検証してまいります。
次に、観光・MICEに関する御質問にお答えをします。
まず、九州のゲートウェイ都市機能の強化については、コンベンションゾーンにおける環境整備に取り組むとともに、魅力ある観光コンテンツを有する九州の自治体等と連携をした福岡市発着の広域周遊観光の推進などに取り組んでまいります。
福岡の歴史や伝統文化については、ポストコロナを見据え、鴻臚館、福岡城などの史跡を生かしたにぎわい創出のほか、生の松原元寇防塁の受入れ環境の整備、博多旧市街プロジェクトの推進など観光資源として磨き上げてまいります。
福岡市独自の観光資源の活用については、海辺などの自然を生かした体験型コンテンツ等の拡充や、サステナブルツーリズムを推進するとともに、史跡や美術館、博物館などをユニークベニューとして活用してまいります。
また、観光関連事業者への独自支援については、周遊観光や多様な宿泊、滞在ニーズに対応する取組を支援するなど観光産業の活性化を図ってまいります。
福岡の夜を楽しむまちづくりについては、屋台の営業者公募や魅力発信を行うとともに、新型コロナウイルス感染症の状況を注視しながら、博多旧市街におけるライトアップなどのイベントの拡充や福岡城、鴻臚館エリアにおける新たなナイトスポットの創出などに取り組んでまいります。
次に、アートを生かしたまちづくりについてのお尋ねですが、コロナ下において、アートは人々に感動や生きる喜びをもたらすとともに、活力に満ちた社会を実現する上で大きな原動力となるものです。市民が身近にアートに触れる機会を創出するとともに、国際的なアートフェアの開催やアーティストの創造活動と成長支援を行うアーティストカフェの開設など、産学官が連携をしてアート分野におけるスタートアップ推進に取り組み、彩りにあふれたアートのまちを目指して、Fukuoka Art NEXTを推進してまいります。
アーツカウンシルについては、令和4年度に文化芸術振興財団に設置して、コロナ下における文化芸術活動者へのきめ細かな支援を行ってまいります。
次に、福岡空港と博多港に関する御質問にお答えをいたします。
まず、福岡空港については、九州・西日本地域の経済発展や交流を支える重要な交通基盤であり、航空ネットワークの充実強化を図ることは重要であると考えております。引き続き運営会社などと連携をして、国内外航空路線の維持、拡充や利用の促進に取り組んでまいります。
港湾機能の強化については、アイランドシティ岸壁延伸工事が完成し、岸壁背後のヤードと併せて令和3年9月に供用を開始しており、引き続き残るヤード整備を進めるとともに、D岸壁全体の早期完成に向け、国に対して提言を行ってまいります。
クルーズ船の受入れ環境の整備については、新型コロナウイルス感染症の影響によるクルーズ市場の動向などを踏まえ、適切に対応してまいります。
ヨットハーバーについては、令和7年度からの民営化に向けて、ヨット環境を維持、強化するとともに、民間のノウハウを活用しながら、恵まれたロケーションを生かした新たなにぎわいを創出するなど、市民にとって貴重な財産となるよう取り組んでまいります。
替わって、農林水産業に関する御質問にお答えをいたします。
まず、農林業総合計画については、農業の長期的な目標として、食べ物がおいしいまちを支え、農と共にある豊かな暮らしをつくることを掲げ、意欲ある担い手への支援、育成などに取り組むとともに、林業については、みんなで守り、楽しみ、生かす都市、ふくおかの森づくりを掲げ、森林の有する多面的機能の発揮などに取り組んでまいります。
水産業総合計画については、世界に誇る魚がおいしいまち福岡を掲げ、水産業の成長産業化に向けて、漁場環境の改善や漁業者の経営基盤の強化に取り組んでまいります。
地産地消の取組については、市内産農水産物の学校給食への活用のほか、ブランド化や6次産業化を推進するとともに、ふくおかさん家のうまかもん条例に基づき、市内産農水産物の利用促進に向けた新たな情報発信に向けて取り組んでまいります。
スマート農業の推進については、AI、IoTなどを活用した先端技術の導入支援や生産現場の負担軽減などに資する新技術の実証に取り組んでまいります。
中央卸売市場の活性化については、鮮魚市場において魚食の普及に寄与する活性化施設の整備に向けて、市場関係者と連携をして進めてまいります。
青果市場においては、JASに基づく高度な品質管理を徹底するなど、青果物の安全、安心に取り組んでまいります。
地域産木材の利用促進については、公共建築物の木造、木質化を推進するとともに、生産者などと連携をして流通の仕組みづくりに取り組んでまいります。
農業用ため池については、適切な管理を行うとともに、防災重点農業用ため池については、安全性向上のための工事や、緊急時の迅速な避難行動につなげるためのハザードマップの作成に着手してまいります。
農福連携については、障がい福祉事業所の職員への研修などを実施するとともに、新たに耕作放棄地を活用した取組への支援を行ってまいります。
交通事業に関する御質問については、後ほど交通事業管理者から御答弁をいたします。
消防行政に関する御質問にお答えをいたします。
まず、♯7119及びNET119緊急通報システムについては、引き続き積極的な広報に努めてまいります。
映像通報システムについては、消防隊が到着する前に現場の状況を把握することで迅速な活動につながるシステムであり、令和4年秋を目途に導入を進めてまいります。
消防情報の発信については、消防情報メール、消防局ホームページなどに加えて、LINE公式アカウントからの配信を開始しており、引き続き情報発信の強化に努めてまいります。
消防体制の強化については、人命救助に的確に対応するため、救急隊を一隊増隊するとともに、平尾出張所の移転整備や消防ヘリコプターの更新などに取り組んでまいります。
最後に、消防学校については、消防職員及び消防団員並びに市民の教育訓練施設として、実践的かつ効果的な教育内容や訓練設備等の充実に取り組んでまいります。
水道に関する御質問については、後ほど水道事業管理者から御答弁をいたします。
以上、市政各般にわたり御答弁いたしましたが、承りました御意見、御提言に留意し、市民の代表である議会との対話を真摯に進めてまいります。今後とも、経済的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスが取れたコンパクトで持続可能な都市として、九州全体の発展に貢献し、アジアの中で存在感のある都市づくりを進め、人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市の実現を目指して全力で市政運営に取り組んでまいります。よろしく御協力をお願いします。
○副議長(山口剛司) 坂本水道事業管理者。
○水道事業管理者(坂本秀和) 水道に関する御質問にお答えいたします。
直結式給水については、ホームページや広報紙による広報活動をはじめ、相談窓口の設置や水道加入金の負担軽減など普及促進に取り組んでおります。また、小規模貯水槽については、啓発資料の送付や個別訪問による改善指導などにより、良好に管理されている施設の割合が9割を超えるまでに改善しております。今後とも、関係局と連携するとともに、関係団体の協力を得ながら、安全でおいしい水道水の供給に向け取り組んでまいります。
次に、IoTなどの新技術の活用については、維持管理の効率化や高度化を推進するため、これまでにIoTセンサーを活用したポンプ設備の点検や漏水調査の実証実験を実施しております。令和4年度には、有効性が確認されたポンプ設備の点検システムを高宮浄水場に導入することとしております。将来にわたり安全で良質な水道水を安定的に供給していくため、引き続き漏水調査をはじめ、AIを活用した管路劣化予測など新技術の積極的な活用により業務の効率性や生産性の向上を図り、安定経営の持続に取り組んでまいります。
最後に、水道施設の耐震化については、浄水場をはじめとする重要な土木構造物は全て完了するとともに、耐震ネットワーク工事については、令和6年度末の工事完了に向け、優先的に取り組んでまいります。
また、停電対策については、ポンプ場などへの非常用発電装置の整備を既に完了し、令和4年度には水道局本庁舎の電気設備の機能が水害時にも維持できるよう止水板を設置するなど耐水化工事を実施いたします。今後とも、施設の新設や更新などの際に適宜防災対策を推進してまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 地下鉄に関する御質問にお答えいたします。
まず、地下鉄の防犯対策やユニバーサルデザインに配慮した整備促進については、車両への計画的な防犯カメラの搭載を進めるとともに、新造車両導入時や車両の大規模改修時に縦手すりの設置や車内案内表示器の4か国語対応、ドア開閉予告灯、チャイムなどの整備に取り組むほか、駅施設においては、ピクトグラムを活用したより分かりやすい案内サインへの改良や、博多駅筑紫口におけるエレベーターの増設に取り組んでまいります。
次に、七隈線延伸事業については、市民の開業機運の醸成を図るため、新駅やトンネルの見学会、延伸区間の試乗会、一番列車出発式などのイベントを開催するほか、地下鉄の魅力を発信する多様な広報、情報発信にも積極的に取り組んでまいります。
最後に、地下鉄駅のにぎわいづくりについては、駅周辺の観光資源や集客施設などと連携した副駅名の活用や駅の魅力づくり事業に取り組むとともに、各駅構内への店舗など利便施設の誘致に積極的に取り組んでまいります。
また、来街者の利便性の向上については、博多駅に駅コンシェルジュを配置するほか、駅施設や車内、交通局ホームページでの多言語による分かりやすい案内表示や情報発信など地下鉄利用における多言語サービスの充実を図ってまいります。
さらに、高齢者や障がいのあるお客様の環境づくりについては、駅務員のサービス介助士の資格取得を促進するなど質の高い駅務サービスの提供に努めるほか、障がい児が地下鉄を利用する際の負担軽減を図るため、新たに普通小児料金と割引小児料金との差額をポイントで還元する障がい児はやかけんポイントを新設いたします。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育に関する御質問に対しまして、教育委員会からお答えをいたします。
まず、学校体育館の空調整備については、空調を想定した断熱構造になっていないことなど多くの課題があるため、今後の検討課題であると考えております。
次に、教員の業務負担の軽減については、部活動指導員やスクール・サポート・スタッフなどの専門スタッフの拡充や業務の効率化を図るシステムの導入などに取り組むとともに、管理職に対して引き続き働き方改革に係る研修を実施するなど意識の向上に努めてまいります。
次に、小中学校の学級編制については、35人以下学級の検証の結果、その効果が認められたことなどから、令和4年度以降、本格的に実施するとともに、学校体制の充実を図るため、国による教員定数の増と併せて福岡市独自に30人の非常勤講師を追加配置いたします。また、教職員定数の充実について、今後とも、国に要望してまいります。
次に、不登校児童生徒への支援強化については、スクールソーシャルワーカーを8名増員し、教育相談コーディネーターやスクールカウンセラーなどとともに、チーム学校として不登校児童生徒を組織的に支援してまいります。また、年に2回、フリースクールと教育委員会との意見交換を行っており、今後も児童生徒一人一人の状況に応じた支援に向け、関係団体などと連携を進めてまいります。
次に、教育現場におけるヤングケアラーの支援については、実態を把握するため、全ての学校で教育相談アンケートを毎月実施しており、今後とも、スクールソーシャルワーカーや関係機関と連携して支援を行ってまいります。また、教職員に対する研修の充実を図り、今後もヤングケアラーへの理解を深めてまいります。
次に、特別支援教育のニーズに応じた事業については、令和4年度には自閉症・情緒障がい特別支援学級を5校で新設、5校で増級し、通級指導教室を3校で新設、1校で増級することとしております。また、各学校の校内支援委員会においてケース会議を実施しており、校長を中心に担任と特別支援教育コーディネーターが密に連携し、児童生徒に応じた支援の充実を図っております。
次に、遠距離通学費等助成については、対象校の現状や他都市の状況について調査し、課題の整理を行う必要があり、今後、適切な支援の在り方について検討してまいります。
次に、学校トイレの洋式化、乾式化については、できるだけ早期の整備に努めてまいります。
公立学校におけるエレベーターの設置については、国において、円滑な移動などに配慮が必要な児童生徒や教職員などが在籍する全ての学校に5年間で整備するという目標が示されております。そのため、対象となる児童等の実態を踏まえ、令和4年度に小学校2校、中学校1校で設置に向けた設計を行っております。
最後に、公立夜間中学については、関係機関との情報交換を進めるとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置、支援が必要な世帯に就学援助を行うなど、様々な背景を持つ生徒が安心して学べる環境を整備してまいります。
また、給食の提供については、開校後の生徒の状況を踏まえ、検討してまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 投票環境の充実に関する御質問にお答えいたします。
期日前投票所の増設については、有権者の利便性向上や投票所内の密を避けるという観点から有効な取組であると考えております。これまでも市役所1階のほか、東区、博多区、南区などで実施しており、安定的に設置できる場所の確保や選挙事務に精通した職員の配置などの課題を踏まえ、公共施設に限らず、民間施設も含め調査、確認を進め、投票環境の充実に向けて引き続き検討してまいります。以上でございます。