▼令和2年 第6回定例会 古川 清文 一般質問 (令和2年12月11日)

○17番(古川清文)登壇 公明党の古川でございます。私は公明党福岡市議団を代表して、誰もが恩恵を受け使いやすいデジタル社会の構築について、自殺対策について、以上2点質問いたします。

 初めに、誰もが恩恵を受け使いやすいデジタル社会の構築についてです。
 本年10月26日、菅首相は、首相就任後、初の所信表明演説を衆参両院本会議で行いました。新型コロナウイルス対策の次に取り上げた新政権の政策課題がデジタル社会の実現と表明。首相はデジタル化をはじめ、大胆な規制改革を実現し、ウィズコロナ、ポストコロナの新しい社会をつくると宣言されました。デジタル化の具体的な取組として、1、役所に行かずともあらゆる手続ができる、2、地方に暮らしていてもテレワークで都会と同じ仕事ができる、3、また、都会と同様の医療や教育が受けられるという3つの目標を掲げられました。この1番目の役所に行かずともあらゆる手続ができるということを中心に、あえて、デジタルが苦手な方々の立場に立って、誰もが恩恵を受けられるように、そして、使いやすいデジタル手続となるように質問をさせていただきます。
 改めて伺いますが、行政分野におけるデジタル化は何のために進めようとしているのか、国の方針並びに本市の考えを伺います。
 以上で1回目を終わり、2回目以降は自席にて行います。

○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。

○総務企画局長(龍 靖則) 行政分野におけるデジタル化についてのお尋ねですが、国において、行政のデジタル化の目的は国民の利便性向上と行政事務の効率化とされております。福岡市におきましても国と同様の考え方であり、また、コロナ禍において3密を避ける観点から、行政のデジタル化の重要性はより高まっており、取組をさらに強化しているところでございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 役所に行かずとも手続ができるということは、文字どおり市民が市役所や区役所に行かずとも行政事務が何らかの手法で用いたデジタル方式によって、市民は自宅にいながら手続及び用件が完了できるというイメージでよいのか、市の所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。

○総務企画局長(龍 靖則) 議員御指摘のとおり、役所に行かずとも手続ができるとは、市民が区役所等に来庁せずに、自宅や身近な場所で行政手続が可能となるという趣旨であると理解しております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 今年のコロナ禍において、私たちは国民1人10万円が給付された特別定額給付金の申請手続を経験しました。マイナンバーカードを既に持っている人は電子申請で、マイナンバーカードを持っていない人は自宅に送られてくる申請書に従い記入、また、必要書類をそろえ返信用の封筒にて郵送することによって、役所に行かずとも手続が完了しました。言わばこのような役所に行かない手続方法をよりスムーズに日常化するためにも、行政のデジタル化に進んでいるものと理解しています。
 そこで、そもそも市役所や区役所では年間どのくらいの件数の申請手続を処理しているのか、また、どのくらいの手続をデジタル対応に移行しようと考えているのか、お伺いいたします。

○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。

○総務企画局長(龍 靖則) 市で受け付けている年間の申請手続の処理件数につきましては、令和元年度は約870万件となっております。これまでも行政手続のオンライン化に取り組んできたところでございますが、引き続き市民の利便性向上と行政の効率化の観点から、法令等によりオンライン化できない手続等を除き、可能な限りオンライン化を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 年間870万件もの多くの手続が存在します。これら一般の手続が役所に足を運ばず完了するならば、大きな改革です。私の勝手な想像で、近い将来のデジタル行政の手続を想像してみました。1、自宅など好きな場所から手持ちのスマートフォンやタブレットで市役所の申請手続サイトのアプリやQRコードなどからアクセスする、2、申請したい手続の項目を選択しタッチする、3、必要な項目や枚数などを設定し確認ボタンをタッチする、4、本人確認は運転免許証などの顔写真入り身分証明書とスマートフォンで撮影した自分の顔写真を照合、認証するeKYCで、あるいはマイナンバーカードをスマートフォンでスキャンし個人情報と照合する、5、手数料等の支払いはスマートフォンによる電子決済、キャッシュレスで終了、6、電子証明化された書類がスマートフォンに届き、印刷せずともその電子証明書を提出先に送信して終了、簡単に言えばこういう流れでしょうか。慣れてしまえば5分程度で可能かもしれません。また、全ての作業を自宅や職場などから座ったままで手続が可能な気がします。
 そこで、伺いますが、このようなデジタル行政の時代になるには、行政側のデジタル化への更新とともに、利用する市民側もそれに対応できるスマートフォンなどのデジタル機器とインターネット環境の確保が必要になること、また、個人情報など住民基本台帳と照合できるマイナンバーカードの所有が必要になると思いますが、本市の所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。

○総務企画局長(龍 靖則) オンラインによる申請につきましては、インターネットを利用して行うため、パソコンやスマートフォン等、インターネットに接続可能な機器及びインターネット環境が必要になります。また、オンライン申請におけるマイナンバーカードの利用につきましては、公共施設の予約やイベントの申込みなどにはマイナンバーカードは不要でございますが、厳格な本人確認が必要な手続につきましてはマイナンバーカードが必要と考えております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) スマートフォンなどのデジタル機器やインターネット環境をそろえることが必要とのことですが、将来的には本市は市民に対し、デジタル申請等に必要な機器の貸出し等、何らかの支援をする考えはあるのか、お伺いいたします。

○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。

○総務企画局長(龍 靖則) 申請等に必要な機器の貸出し等につきましては、令和元年度市政アンケート調査の結果報告書によりますと、常日頃からインターネットを利用している市民は約8割となっており、申請に必要となる機器の一定の普及が見込まれること、また、利用の多い住民票等の証明書交付はコンビニエンスストアでも受けられることなどから、現在、機器の貸出し等の検討は行っておりませんが、引き続き状況を注視してまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) さて、これまでも行政デジタル化やICT化の基盤となるものはマイナンバーカードの普及と言われてまいりました。マイナンバーカードの普及については伸び悩んでいる状況で、本市においても全国の自治体同様に20%台の普及率です。マイナンバーカードの普及がこれまで進まなかったことは、市民側にメリットが感じられないことだったのではないでしょうか。しかし、今年9月からスタートした最大5,000円分相当のポイントが付与されるマイナポイント事業をきっかけに申請数も増えております。各自治体もマイナンバーカードの普及に力を入れており、この事業に加え、自治体独自の商品券やポイント付与などの施策によってマイナンバーカードの申請を後押しする取組を行う自治体も多いようであります。私は普及促進のためにはそれも必要かとは思いますが、お得だというメリットだけではなく、マイナンバーカードがあればこんなことができて便利になるのだ、また、個人資産などの情報が漏れることが怖いといった市民の不安の声に安心感を与える説明をちゃんとすることが必要だと思います。また、そもそもマイナンバーカードを使って何ができるかもやはり重要でございます。
 そこで、伺いますが、マイナンバーカードがあれば、具体的にどのような行政サービスを受けることができるのか、現在の状況と今後の見込みについてお示しください。

○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。

○総務企画局長(龍 靖則) マイナンバーカードにより受けることができる具体的な行政サービスにつきましては、コンビニエンスストアで住民票等の証明書交付を受けられるとともに、税の申告や児童手当の現況届の提出など、インターネットを通じた各種手続の利用が可能となっております。
 なお、令和3年3月から健康保険証としてマイナンバーカードを利用することが可能となっており、今後も様々な場面での活用が期待されているところでございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) まだまだ使う場面が少ないようであります。私はこの質問に当たり、新潟県三条市を訪問し、担当者から市独自のマイナンバーカード活用のお話を伺ってまいりました。結論から先に申し上げますと、マイナンバーカード内の空き領域、つまりICチップの空き容量に地域住民向け領域のアプリや拡張利用領域を創生し、その中に利用機関の任意カードアプリを搭載すれば自治体独自の市民サービスが可能になり、三条市では自治体独自の活用を行っているというものであります。
 本市も独自のサービスを搭載するなど、マイナンバーカードの利用価値を高めていくことを期待したいと思いますが、御所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。

○総務企画局長(龍 靖則) マイナンバーカードの活用につきましては、マイナンバーカードに内蔵されたICチップに搭載された電子証明書の機能を活用し、令和3年3月から健康保険証としての利用が開始されるほか、国において運転免許証との一体化などが検討されているところでございます。これらの動きも踏まえ、総務企画局としましても、関係局等と連携し、議員御指摘のICチップの空き容量の活用を含め、マイナンバーカードの活用による市民サービスの利便性向上に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 三条市ではマイナンバーカードを活用し、1、証明書のコンビニ交付、これ以外にも、2、窓口支援、マイナンバーカードがあれば窓口での証明書発行が申請書、パスワード不要で手数料も割引されます。ワンストップで約300種類の申請手続が完了し、自動出力できます。3、図書の貸出受付、4、避難所の入退所受付、5、選挙の投票入場受付、6、職員の出退勤管理、7、期日前投票の宣誓書記載の省略、8、学校等の出退勤管理、9、民間優遇サービスの提供、10、児童手当などの現況届をいつでもどこからでも可能なぴったりサービスに電子窓口を一元化し、申請の簡素化を実現など、市独自のサービスが既に充実しております。本市においても、デジタル社会の展望を見据え、マイナンバーカードを活用し、行政のオンライン手続が全ての人にとって使いやすく利用しやすいものになるよう期待をいたします。
 今年は特別定額給付金のオンライン申請のツールとして注目され、また、現在はマイナポイント事業が着目され、現在、マイナンバーカードの申請が例年になく殺到している状況と伺っております。ところが、11月中旬の報道によりますと、マイナンバーカード発行を申請したのに受け取れないままの人が500万人超に膨れ上がっており、自治体の交付作業が追いついていないという記事が目に留まりました。取材によると、カードを受け取るまでに申請から受け取りまで3か月くらいかかった人もいるとのこと。総務省によると、昨年夏頃までの申請は月間20万件程度だったものが、今春以降は150万件を超えている月も珍しくないとの記事でございました。
 そこで、現在の本市のマイナンバーカードの申請数、また、申請していながら受け取り待ちの状態にある件数をお答えください。また、実際に区役所で今年度マイナンバーカード引取り待ちになっている件数は全体で何件残っているのか、最新の状況をお示しください。

○議長(阿部真之助) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) 福岡市のマイナンバーカードの申請数につきましては、地方公共団体情報システム機構から、申請の取消しや不備による再申請の件数等も含め、令和2年10月末時点で概数として46万5,989件と公表されております。また、受け取り待ち件数につきましては把握していないと聞いております。
 次に、区役所で引取り待ちになっている件数は、令和2年10月末時点で内容確認中により交付通知書を送付していない件数が1万3,596件、交付通知書を送付済みで受け取りに来られていない件数が2万3,905件、合わせて3万7,501件でございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 約3万7,500件のマイナンバーカードが区役所に取りに来られるのを待っている状況とのことであります。現在の制度では、マイナンバーカードを受け取るためには区役所の窓口に取りに行かなければならないことが一つのネックになっています。平日の区役所の開庁時間に都合がつかない人もいます。コロナ禍の今、わざわざ密になりがちな区役所窓口に行きたくないとの声もあります。
 そこで、伺いますが、マイナンバーカードを一般のキャッシュカードやクレジットカードの送付のように書留郵便によって送付することができない理由は何か、伺います。

○議長(阿部真之助) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) マイナンバーカードにつきましては、原則郵送またはオンラインで申請することとなっており、なりすましを防ぐため、交付時に必ず区役所職員による対面での本人確認を行う制度となっております。
 なお、現在、各公民館において行っているマイナンバーカード申請出張サポートでは、申請時に区役所職員による本人確認を行った場合、本人限定郵便で送付しているところでございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 現在、どうしても対面での本人確認が必要とのことであります。答弁で公民館の申請出張サポートについて御紹介いただきました。身近な地域の公民館に職員が出向いて申請を受け付け、カードも郵送で送られてくるので便利なのですが、いつでも実施されているわけではありません。公民館で1回実施され、ようやく二回り目が始まった状況と伺っております。事前予約も必要となっており、都合のいいときにさっと申請に行けるものではありません。
 各公民館で実施されているマイナンバーカード申請出張サポートは、出来上がったマイナンバーカードが自宅に郵送で届けられるとのことですが、申請や郵送に係る個人負担額、また、申請から手元に届くまでのおよその日数など、詳細を伺います。

○議長(阿部真之助) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) マイナンバーカード出張申請サポートにつきましては、申請される方の費用負担はございません。また、現在のところ申請から2か月程度でお届けしております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 申請を受け付ける側が地域に出向いて、高齢者や障害者等も含め、申請が苦手な方にも対面で詳しく説明しながら手続をサポートする方式は大変重要であり、評価したいと思います。このような手続が常時できないかと思い、地域に根差した郵便局に着目してみました。郵便局は民営化したものの、高齢者等にとてもなじみがあり、準公的な機関として認知されています。行政の窓口よりもはるかに多い、市内に約170局の拠点ネットワークを有しております。また、ゆうちょなどの金融商品の取扱いもあり、本人確認などの業務は日常からこなしております。住民にとって、自宅近所の郵便局が開いている時間の好きな時間に対面で申請できれば大変便利です。また、本市の一部の郵便局では行政の証明書等が発行できるなど、自治体と郵便局の連携体制も整っております。
 ここで連携によるメリットをパネルに作ってまいりました。(パネル表示)時間がないので、さっと言いますが、市民、自治体、国、郵便局、日本郵便、これは行政サービスが郵便局でもできるとなると、それぞれにメリットがありますというのを見ていただきたいと思います。以上です。
 より身近な郵便局は対面で本人確認できる窓口として存在し、申請出張サポートのように郵便で届けていただくことが可能です。郵便局窓口でのマイナンバーカードの申請や受け取りができるように郵便局側と協議を行うべきだと思いますが、所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) 郵便局が取り扱える事務につきましては、地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律で定められており、現在のところマイナンバーカードに関する事務は対象となっていないことから、郵便局が本人確認を行うことはできません。
 なお、郵便局におけるマイナンバーカードに関する事務の取扱いについては、現在、国において法改正も含め検討されていると伺っております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 郵便局でマイナンバーカードの申請や受け取りを可能にするためには、法改正が必要とのことでありました。国の今後の動きに期待したいと思います。
 さて、忘れてはならないのが、どうしてもデジタル化になじめない、ついていけない方々がいるということです。そういう方々が、たとえスマートフォンやデジタルツール、また、マイナンバーカードを持っていなくても、情報弱者になることだけは避けなければなりませんし、可能な限りデジタル化になじんでいただく取組も求められます。政府においても、10月から全国でデジタル活用支援員の実証実験を始めました。地元IT企業やシルバー人材センターなどが担い手となり、高齢者を中心にスマートフォンをはじめとする電子機器の使い方を分かりやすく伝授する取組とのことであります。
 国が実証実験を行っているデジタル活用支援員の実証実験について、その目的、概要をお伺いいたします。

○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。

○総務企画局長(龍 靖則) 国のデジタル活用支援員の実証実験につきましては、ICTになじみのない高齢者等がデジタル活用の利便性を享受できることを目的に、高齢者等がICT機器、サービスの利用方法に関し、身近な場所で身近な人に気軽に相談できるデジタル活用支援員を配置する実証実験を令和2年度に全国12か所で行っているところでございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 携帯ショップなどで教えてもらう簡単なスマホ操作だけではなく、このデジタル活用支援員の役割は、行政のオンライン手続のやり方など、民間では光が当たらない公共分野の操作支援が受けられると好評のようであります。先ほどの答弁で、常日頃からインターネットを使って生活している市民が8割いるとの調査結果があったことをいただきましたけれども、逆に言えばインターネットを使えない市民が2割いるということは判明しておりますので、この方々の支援が求められます。
 そこで、本市においてもデジタル支援体制は必要であり、いわゆるデジタルが苦手な人に対して支援する体制づくりをすべきだと思いますが、御所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。

○総務企画局長(龍 靖則) 福岡市における支援体制につきましては、例えば、市民局において主に高齢者を対象としたスマートフォンの活用講座、公民館スマホ塾が実施されておりますが、今後とも、よりきめ細かな支援策を検討してまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 従来の窓口業務をできるだけオンライン化し、混雑を減らし、窓口業務も簡素化、スピード化することによって生まれた時間を、デジタルに対応することがどうしても困難な来庁者に対し丁寧な対面フォローを行っていくべきだと思いますが、御所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。

○総務企画局長(龍 靖則) 窓口業務についてのお尋ねでございますが、行政手続や市民サービスのデジタル化、オンライン化を推進することで、業務の効率化、生産性を高めることにより、相談業務など人にしかできない業務に人員を再配置するとともに、デジタル化への対応が困難な来庁者に対しても丁寧に対応してまいります。今後とも、デジタル技術の活用を図りながら、これからの時代にふさわしい全ての人が安心し、利用しやすい窓口になるよう取組を進めてまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) ICTは今や社会のインフラそのものです。水や電気、交通と同じように、私たちは常に情報を使いながら生活しています。そして、日本は世界一の高齢国家でもあり、成人人口の半数が既に50歳を過ぎております。視覚や認識に何らかの困難、障がいを抱える人々がICTを必要とする時代に入りました。例えば、災害時やコロナ禍で高齢者や障がい者にこそ正確な情報が伝わることが重要なのに、情報へアクセスするデジタル機器が扱えず、せっかくの情報が正しく伝わらない現状は早急に克服すべき課題であります。
 菅政権誕生で再びデジタル化のスタートラインに立った日本ですが、誰もが恩恵を受け、使いやすいデジタル社会をこの福岡市でもつくるための決意を髙島市長にお伺いし、この質問を終わります。

○議長(阿部真之助) 髙島市長。

○市長(髙島宗一郎) 福岡市におけます行政のデジタル化につきましては、まずは令和2年の9月末までに法令等によって押印が義務づけられている書類以外は全て押印を廃止する、いわゆるハンコレスの取組を完了しています。現在は行政手続や市民サービスのデジタル化、オンライン化など、いわゆるデジタルトランスフォーメーション、DXの取組を積極的に進めているところでございます。現在、国においては社会全体のデジタル化をリードするデジタル庁の発足に向けた検討が進められておりまして、福岡市においても、令和2年の11月に新たにDX戦略課を立ち上げますとともに、民間専門人材のDXデザイナーの募集も開始をしております。DXを全庁的に進めていくための体制づくり、また、使いやすく分かりやすいユーザーインターフェースの導入など、利用する市民の目線に立ったDXの推進によって、市民の利便性の向上や業務の効率化、また、生産性の向上を図ってまいります。
 また、これらのデジタル化等の取組の推進によりまして、業務の効率化により生じる人的な資源を福祉などの人のぬくもりが必要な分野へ再配置をするなど、これからの時代にふさわしい行政サービスの提供を積極的に進めてまいります。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 次に、切実な課題である自殺対策について伺います。
 今年に入り、芸能人や著名人の自殺と見られる悲報が相次ぎました。有名、無名にかかわらず、貴い命が自殺という形でなくなっていくことは本当に残念なことであります。日本は主要先進7か国の中でも自殺死亡率が最も高いことで知られておりますが、本市における自殺の状況について伺ってまいります。
 自殺の原因としては、一般的にどのようなことが挙げられるのか、本市と全国のデータから御所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。

○保健福祉局長(舟越伸一) 自殺につきましては、一般的に多様で複合的な要因と背景があり、また、様々な要因が連鎖する中で発生すると言われております。警察庁がまとめた全国の自殺統計によりますと、自殺の動機、原因は、多いものから健康問題、経済・生活問題、家庭問題、勤務問題の順になっており、この傾向は福岡市でも同様となっております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 多様な要因が幾つか連鎖する中で発生するとの答弁で理解しました。
 それでは、過去3年間の本市の自殺者数をお伺いいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。

○保健福祉局長(舟越伸一) 本市の自殺者数につきましては、厚生労働省の人口動態統計によりますと、平成29年が249人、30年が247人、令和元年が220人となっております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 統計がある昭和33年から昨年までの自殺者数の推移を折れ線グラフにして、パネルにしてまいりました。(パネル表示)上が全国の自殺者数で、下が福岡市の自殺者数の推移であります。自殺者数の桁こそ違いますが、同じような推移であるということが分かります。昭和50年代後半から一時期、自殺者数が増えて、平成9年頃にまた増加。また、近年は右肩下がりで減少しているのが分かります。ちなみに、平成9年頃の山は山一証券廃業や日本長期信用銀行破綻の後で、金融危機破綻が社会問題化して、日本経済が危機を迎えた時期であります。失業者の増加等、雇用・経済環境の悪化がありました。昭和50年代後半の山はサラ金問題の頃で、借金の取立てが厳しく、夜逃げや一家心中する事件が多かった頃です。この辺ですね。この頃に貸金業規制法、いわゆるサラ金規制法などができて、取立て時間や金利の上限が規制されることによって自殺者数に歯止めがかかったと言われております。
 なお、完全失業率の高さを示す数値を折れ線グラフにしますと、この自殺者数の折れ線グラフに類似することも知られており、失業という金銭的な経済・生活問題を中心に幾つかの要因も絡み合って、自殺者数が増える傾向にあると言われております。
 本市と全国の自殺者数を比較すれば同じような推移になっておりますが、全国が増えれば本市も増える、全国が減れば本市も減る傾向であると捉えてよいのか、本市の見解を伺います。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。

○保健福祉局長(舟越伸一) 自殺者数の推移につきましては、福岡市と全国を比較いたしますと、年によって多少の相違はありますが、全体といたしましては同様の傾向を示しております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) ここ数年間、本市の自殺者数は減少傾向にありました。これまでどのような計画に基づき、どのような施策で自殺者を減少させることができたのか、これまでの取組を伺います。また、自殺未遂者や自死遺族へどのような支援を行ってきたのか、お伺いいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。

○保健福祉局長(舟越伸一) 自殺対策につきましては、福岡市自殺対策総合計画に基づき、様々な分野におけるゲートキーパーの養成、自殺未遂者支援、自死遺族支援の強化、若年層、児童生徒への自殺予防教育の推進、この3つを重点施策として事業を推進しております。特に自殺未遂者に対しましては、救急病院や救急隊と連携して、相談先を記載した自殺予防カードを配付し、電話や面接による相談支援につなげております。また、自死遺族の方々への支援といたしましては、自殺予防相談や弁護士と臨床心理士による自死遺族法律相談のほか、自死遺族の会であるリメンバー福岡の活動支援を行っております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 今年、2020年においては、国の速報値で、本年7月以降、自殺者数が急激に増えているとの情報でありました。本市の状況としては2020年の自殺者数はどうなると予想されているのか、本市の考えを伺います。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。

○保健福祉局長(舟越伸一) 令和2年の全国の自殺者数の状況につきましては、2月から6月までは前年を下回っておりましたが、7月から上昇に転じ、10月は2,000人を超え、前年同月の4割増となっております。福岡市におきましても、これまで全国と同様の傾向を示してきたことから、自殺リスクが高まっていることが危惧されるものと考えております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 2019年までに取り組んできた自殺対策の支援や研修は、外出自粛や感染拡大防止など、新しい生活様式等の徹底となっていた、このコロナ禍の本年も同様に実施することができているのか、お伺いいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。

○保健福祉局長(舟越伸一) 自殺対策事業につきましては、令和2年度当初、外出自粛等により集合研修は実施できておりませんが、7月から感染拡大防止に十分配慮しながら、例年より人数を縮小してゲートキーパー養成研修を開始したところでございます。また、9月の自殺予防週間には、生きづらさを抱えている人に気づき、より多くの人が相談につながっていけるよう支援者向けの研修会を実施いたしております。相談支援に関しましては、自殺予防相談を従来どおり実施するとともに、新型コロナウイルス感染症に関連して不安を抱える方のために心のケア相談窓口を新設し、相談機能の充実を図っているところでございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) コロナ禍における今年、令和2年特有の自殺者の傾向や特徴があればお示しください。また、コロナ特有の影響と思われる自殺を防ぐためにはどのようなことが課題と認識されているのか、また、今後どのような対策が必要と認識されているのか、お伺いいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。

○保健福祉局長(舟越伸一) 全国の自殺者数の傾向につきましては、例年であれば3月から5月が多く、その後、徐々に下降していたものが、本年の場合は4月、5月は大きく減少し、7月から増加に転じております。また、男女別では従来と変わらず男性のほうが多いものの、様々な年代において女性の自殺が増加傾向にあることが特徴となっております。さらに、コロナ禍における自殺の背景につきましては、失業、生活困窮、DV、孤立などの社会的要因が強まっていると考えられております。福岡市におきましては、全国と同様の傾向を示してきたことから、今後の状況が危惧されるところでありまして、これら自殺の背景にある様々な問題に対応する相談窓口と連携し、相談者の状況に応じた適切な支援を行うことが重要であると考えております。今後とも、生きづらさを抱えている方が相談や様々な支援につながるよう、相談ダイヤルの周知やあらゆる分野におけるゲートキーパーの養成にさらに取り組んでまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) コロナ禍における今年の特徴として、全国的にも自殺者数が本年7月以降、昨年同時期と比べて5か月連続で増加している状況です。様々な年代の女性の自殺者が増えており、看過できない状況、また、新型コロナショックでは男性より女性の雇用が悪化していると言われております。感染症対策で人の移動や接触を伴うビジネス、つまり宿泊や飲食業、観光業などが壊滅的なダメージを受けました。医療や福祉、小売業など、感染リスクにさらされる産業の雇用者が女性に偏っていることもあり、これらの職種に従事する女性たちに相当な心理的負担が生じているのは確実であります。男性を失業に追い込んだ過去の不況とは異なり、コロナショックは女性の雇用を直撃しており、国際労働機関、ILOも世界中で新型コロナによる雇用者数の減少は男性よりも女性の間で大きいと指摘しています。また、外出自粛によるリモートによる授業を余儀なくされ、アルバイトもできずに所持金もなく、友人とも会えず、ひきこもり生活の大学生等の若者の実態把握も必要です。また、学校の休校が実施され、ステイホームとなった結果、虐待やネグレクトなどの問題を抱える家庭の子どもにとっても、生きづらさを抱える要因があるはずです。さらに、コロナ感染症の拡大によって経営不振に陥った飲食店などの小規模事業者やフリーランスの方々に、感染症対策緊急支援として返済期間猶予、無利子の貸付け支援が行われました。この支援策で一時的に助かった方がたくさんいらっしゃることは事実ですが、貸付けである以上、いずれ返済しなければなりません。そして、その返済据置期間が終わり、返済を開始するとき、事業や商売が順調に回復し、返済が確実にできるという希望はまだありません。経済的な問題として、苦しむ方々がこの先出ることは容易に予想されます。

ここ数年はコロナ禍によって生じた経済的、生活的な要因と様々な要素が絡み合う可能性が十分あり、注意しなければならないと感じるのであります。先ほど本市は生きづらさを抱えている方々が相談や支援につながるよう、相談ダイヤルの周知やあらゆる分野におけるゲートキーパーの養成に取り組んでいくとの答弁がありました。

 この2つの取組について、相談ダイヤルはどういう人がどこに相談すればよいのか、また、どのように周知しておられるのか、さらに、ゲートキーパーとは、具体的な役割や活動について詳細をお答えください。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。

○保健福祉局長(舟越伸一) 相談ダイヤルにつきましては、先の見えない不安や生きづらさを感じている人に対する自殺予防相談として、精神保健福祉センターにおいて行っております。その周知につきましては、市政だよりやホームページのほか、地下鉄掲示板等へのポスターの掲示、西鉄駅構内への相談カードの配架、さらには新型コロナ関連の事業者向け窓口といった様々な相談窓口にもチラシを置くなどの取組を行っております。
 次に、ゲートキーパーにつきましては、養成研修を修了して、地域や職場などで自殺予防に取り組む方でありまして、身の回りで悩んでいる人の自殺の危険を示すサインに気づき、声をかけ、話を聞いて相談窓口につなげ、見守っていくなどの活動に取り組んでいただいております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 私はこの質問に当たり宮城県庁を訪問し、東日本大震災で多くの苦しみを負った方々のための震災後約10年間の自殺対策や遺族支援の取組を伺ってまいりました。忘れもしない2011年3月11日、これまで経験したことのない大地震と津波被害により多くの方々が家族や大切な人を失い、家を流され、仕事を失い、生きる希望を失った。大切な家族や恋人と離れ離れになり、あのときこうしていればという過去の悔やみ、生活再建へのめどが立たない将来への不安、長く続く不安な避難所、仮設住宅生活を強いられ、環境が変わるたびに人間関係にも障害が生まれるなど、時が経過しても被災者としての苦しみは今も続いています。苦しみや悲しみを自分一人で抱え込み、表に出せない苦しみから多量飲酒や薬に頼る生活に溺れ、アルコール依存や薬物依存になり、健康にも影響を及ぼすことにつながっているということを伺ってまいりました。このことを通し、生き残った方々、自殺未遂者、また、身内を自殺で亡くしてしまった遺族の悩みも多いことを感じております。
 先ほど自殺未遂者の支援や自死遺族の支援について伺いましたが、今後も自殺対策を行っていく上で、自殺未遂の再発を防ぐためのフォローが大切であります。自殺に至った要因や心情など、自殺未遂者のデリケートな意見を参考にするなど、心のケアを中心に自殺未遂者支援、遺族支援を強化すべきだと思いますが、御所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。

○保健福祉局長(舟越伸一) 自殺未遂の再発を防ぐため、精神保健福祉センターでは、救急病院や警察から連絡を受けた方々に対して相談支援を行うほか、精神科医療が必要でかかりつけ医がいない未遂者については、救急病院から精神科医へつなぐ体制づくりに取り組んでおります。また、自死遺族支援につきましては、コロナ禍におきましても、自死遺族の集いや法律相談を感染予防に十分配慮しながら開催しており、引き続き支援を行ってまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) 引き続きよろしくお願いいたします。
 心のケアの取組としては、これまでにも鬱病に関する普及啓発として、こころの健康チェックなどから相談につなぐ取組や、自殺の原因となり得る現況下のストレスへの対応など、心の健康保持を目指す取組などが行われてきたことは理解しております。そのような中、心の健康づくりを目指すマインドフルネスという言葉を知りました。
 本市は福岡100の取組として、総務企画局の公民連携窓口であるmirai@の取組でマインドフルネスという民間提案を採用したそうですが、マインドフルネスを活用したこのプロジェクトはどのような取組なのか、お伺いいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。

○保健福祉局長(舟越伸一) マインドフルネスを用いた心の健康づくり、いまここ・ふくおかプロジェクトにつきましては、健康日本21福岡市計画のこころの健康づくりに掲げる、ストレスのために体調を崩す人の減少という目標達成に向けて、民間事業者から効果が期待できる事業アイデアを広く募集し、実施をいたしております。マインドフルネスは瞑想による注意力トレーニングや書くことによる思考、感情の整理などのプログラムの実践により、今、この瞬間の自分の気持ち、体の状況に気づく自己認識力、自分の心身を望ましい状態に保つ自己管理力などを身につけていくものでございます。今回のプロジェクトでは、今年10月からの約半年間、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、最前線で対応に当たり、心身ともに強い負荷がかかった状態となっておられる医療・福祉関係者などのエッセンシャルワーカーを中心とした約300名を対象に、マインドフルネスを実践できる8週間のオンラインプログラムを提供するものでございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) この事業はコロナ禍での心の健康づくりに効果が期待できるのか、お伺いいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。

○保健福祉局長(舟越伸一) 新型コロナウイルスの感染拡大により、誰もが少なからずストレスや心の不調を感じ得る状況となっております。これらのストレスの要因は様々でございますが、要因の一つとして、過去に行ったことをいつまでも考えてしまうことや、まだ起こっていない未来のことに対して不安や心配を抱いてしまうことが考えられます。マインドフルネスプログラムは、今、この瞬間の状況に注意を向けることで、コロナ禍の暮らしの中でのストレスの対処法、ストレスの対処能力を高める一助となるものと考えております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) マインドフルネスという言葉から、瞑想ですから、瞑想的な宗教のイメージを想像しますが、特定の思想や宗教に偏ることはないのか、お伺いいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。

○保健福祉局長(舟越伸一) マインドフルネスは心の健康を保つセルフケアを推進するための行動科学の手法の一つとして、国内外の多くの企業が取り入れ実践しているものでございまして、宗教とは切り離されたものでございます。また、国連が国連職員に対して、心身の健康のためにマインドフルネスを推奨するなど、国際的にも認知が広がっております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) マインドフルネスは、グーグル社やインテル、ナイキなどの世界的に有名な企業が社員研修に取り入れるなど、まずアメリカで注目を集め、後に国内でもヤフー、メルカリ等の企業にも広がり、最近は新型コロナによる在宅勤務などのストレス緩和策として関心が高まっていると伺いました。
 マインドフルネス事業においてどのような効果が期待できるのか、そして、どのように今後に生かしていけるのか、お伺いいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。

○保健福祉局長(舟越伸一) マインドフルネスは学術的な研究において、ストレスを緩和する、鬱を予防する、不安や心の不調を抑えるなどの心の健康の維持に対し、その効果が実証されておりまして、参加者が自分自身のストレスに気づき、対処することができるようになることを期待いたしております。また、今回のプログラムの実施においても、ストレスや幸福感などについて、大学の協力の下、効果検証を行うこととしておりまして、これらの結果を確認しながら、今後の心の健康づくりの取組に生かしてまいりたいと考えております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) このマインドフルネスは、今のところ限られた人しか受講できません。最近は誰もが手軽に自分のストレス度をチェックできるようなアプリも開発されております。例えば、厚生労働省が取り組んでいる5分でできる職場のストレスチェックや、北九州市をはじめ、多くの自治体でも取り入れているこころの体温計はメンタルヘルスチェックが自分で簡単にできます。例えば、これらのリンクバナーを福岡市のホームページに張りつけたり、市政だよりにQRコードを掲載し、市民が気軽にアクセスし、自分自身のストレスやメンタルの状態を確認することができることなど、そういう取組が可能になっております。
 本市としても、このように誰もが手軽に自分自身でストレスチェックをできるよう取組を進めてみてはどうかと思いますが、御所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。

○保健福祉局長(舟越伸一) ストレスチェックにつきましては、精神保健福祉センターのホームページにおいて、福岡市医師会と共同で作成しました「こころの健康をチェック!」を掲載し、厚生労働省のストレスチェックにリンクをさせるとともに、新型コロナ関連の心のケア相談のチラシにストレスチェックの項目を掲載するなど、手軽に自己チェックができるような取組を行っております。議員御提案のとおり、QRコードの活用などによりまして手軽にできるストレスチェックについて、さらに周知を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 古川清文議員。

○17番(古川清文) ありがとうございます。ぜひお願いいたします。

 人は家族や仲間と楽しくわいわいやっているときは突発的な自殺はしません。必ずと言っていいほど、一人になった時間に自殺という行為に至るのであります。大切な人を孤立させない、一人で悩みを抱え込ませないという周りの取組も大切です。これまで以上に医療や福祉、民間団体や地域、そして、職場や家族との協力を理想とし、一人一人に寄り添う心のケアの推進を要望いたします。
 断じて福岡から自殺者を出さない、そんな決意も込めた今後の自殺対策、また、自殺未遂者や自死遺族の支援について髙島市長の所見を伺い、私の質問を終わります。

○議長(阿部真之助) 髙島市長。

○市長(髙島宗一郎) 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、多くの方が不安やストレスを感じて、また、経済的な困窮や孤立に悩む方も増えております。このように生きづらさを抱えている人が増え、自殺のリスクが高まることが危惧されるため、自殺対策は喫緊の課題であるというふうに認識をしております。新型コロナウイルスでこれまで亡くなった方というのは2,000人以上いらっしゃるわけですが、10月の1か月だけで自殺をされた方も2,000人以上いらっしゃるということですから、これは非常に大きな課題だというふうに認識をしております。
 福岡市では、自殺対策総合計画に基づきまして、ゲートキーパー養成、自殺未遂者や自死遺族支援、また、児童生徒への自殺予防教育等の施策を中心としまして、様々な世代やリスク要因に対応した自殺対策を実施しておりますが、特に自殺のリスクが高いとされています自殺未遂者や自死遺族の方々に対しましては、心のケアなどを重点的に行う必要があるというふうに考えています。今後とも、自殺対策は生きることの包括的な支援という考え方に立ちまして、保健、福祉、医療、教育、労働などの関係機関や関係団体と連携をし、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して自殺対策を強力に推進をしてまいります。以上です。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
PAGE TOP