▼令和2年 第5回定例会 勝山 信吾 一般質問 (令和2年9月8日)

○12番(勝山信吾)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表して、子ども・子育て支援について、社会福祉施設で新型コロナウイルス感染者が発生した場合の対応について、災害時の高齢者、障がい者の避難について、3問質問をいたします。

 はじめに、子ども・子育て支援について伺います。
 新型コロナウイルス感染症の流行は、結婚、妊娠、出産、子育ての当事者にも多大な影響を与えており、安心して子どもを生み育てられる環境を整えることの重要性を改めて浮き彫りにしました。妊産婦が抱える妊娠、出産、子育ての悩みに対して、孤立感や負担感を取り除き、安心して妊娠、出産できる支援を届けることが、今、自治体に求められています。
 まず、本市が行っている産後ケア事業の概要についてお聞かせください。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 産後ケア事業につきましては、産後間もない母親が安心して子育てができる支援体制を確保することを目的に、生後4か月未満の乳児とその母親を対象に、産科医療機関などにおいて、授乳や沐浴の指導、育児相談、母体の体調管理を行うもので、宿泊型のショートステイと日帰り型のデイケアがございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 産後ケアには、ショートステイとデイケアがあるようですが、利用者数、利用日数についてそれぞれお聞かせください。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 産後ケア事業の利用者数と利用日数につきまして、令和元年度の実績でお答えいたします。
 ショートステイについては、実利用者数が131組で延べ利用日数が413日、そのうち市民税課税世帯は、実利用者数が121組で延べ利用日数が374日、市民税非課税世帯と生活保護世帯は、実利用者数が10組で延べ利用日数が39日となっております。また、デイケアについては、実利用者数が395組で延べ利用日数が524日、そのうち市民税課税世帯は、実利用者数が383組で延べ利用日数が490日、市民税非課税世帯と生活保護世帯は、実利用者数が12組で延べ利用日数が34日となっております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 年間約1万4,000人の新生児が生まれていることを思うと、ショートステイが131組、デイケアが395組と、思っていたより利用者数が少ないと感じます。その理由と、利用者増に向けての取組をお聞かせください。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 産後ケア事業につきましては、平成28年度から開始した事業であり、年々利用者数は増加してきておりますが、今後とも、利用者増に向けてさらなる事業の周知に努めてまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 次に、ショートステイ、デイケアを利用する際の自己負担額をお示しください。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 産後ケア事業の1日当たりの自己負担額につきましては、市民税課税世帯は、ショートステイが6,000円、デイケアが4,000円、市民税非課税、生活保護世帯は、ショートステイが2,000円、デイケアが500円となっております。また、特に保健福祉センター所長が必要と認めた世帯については、自己負担なしとなっております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) ショートステイが6,000円、デイケアが4,000円の自己負担になるとのことですが、その自己負担額の決定理由と負担の要件にある市民税課税世帯とは、一般的に所得金額が幾ら以上の世帯なのか、教えてください。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 産後ケア事業の自己負担額の決定に当たりましては、先行都市を参考に、利用料の3割を自己負担額として設定しておりましたが、その後の他都市の実施状況等も踏まえまして、令和元年度からは、利用料の2割を自己負担額といたしております。また、市民税課税世帯については、例えば、夫が妻と子ども1人を扶養する場合、令和2年度では、夫の所得が126万円を超える世帯がこれに該当することになります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 令和元年度から、ショートステイ、デイケアの自己負担が3割負担から2割負担になったとのことですが、これを2割から1割にした場合、本市の負担額はどれくらい増えるのでしょうか、お示しください。

 ○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 産後ケア事業利用者の自己負担割合を現在の2割から1割にした場合における福岡市の負担額につきましては、令和元年度の利用実績を基に試算いたしますと、約210万円の増となります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 昨年度から自己負担が2割に下がったことは、家計の負担軽減につながり、利用者も喜ばれたことだと思います。
 しかしながら、市民税課税世帯も幅があり、所得が126万円以上の低所得世帯がショートステイを利用する際、負担が2割の6,000円だと、利用したいと思っても家計の負担を第一に考えてしまい、手を出しづらい金額だと感じます。このコロナ禍の経済不況で、勤めている会社から給料の減額や解雇、雇い止めに遭ったり、また、個人事業主は持続化給付金や本市の支援策への申請数からも分かるように、収入が激減している世帯がたくさんあります。本市が210万円を負担増するだけで、収入が激減したり、低所得の世帯など、産後の赤ちゃんを抱えながら懸命に育てている方々を助けることができます。そのためにも、さらなる負担割合の軽減が必要だと思いますが、本市の所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 産後ケア事業の自己負担額につきましては、市民税非課税世帯や生活保護世帯に対して減免を行っており、市民税課税世帯についても、令和元年度に自己負担の割合を引き下げたところでありますが、この制度の目的を踏まえつつ、その利用状況等も考慮しながら、今後の対応を検討してまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 次に、対象となるのは生後4か月未満の赤ちゃんとのことですが、その理由をお聞かせください。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 産後ケア事業の対象につきましては、出産から4か月頃までが、一般に母親の身体的回復と心理的な安定を促進し、育児に関する不安等に対する専門的な指導またはケアが必要な時期として、厚生労働省のガイドラインで目安とされていることなどを踏まえ、生後4か月未満で設定いたしております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 厚労省のガイドラインには、出産から4か月頃までと示されているとのことですが、実際の妊婦さんは核家族化が進み、実家に里帰りして出産する人も多く、赤ちゃんの首が据わった頃に、実家とは違う環境の自宅に戻り育児と向き合います。
 令和元年12月6日、産後の母親の孤立を防ぎ、妊産婦及び乳児に対する一体的な支援を行うことが重要との認識から、母子保健法の一部を改正する法律が公布され、産後ケア事業が法制化されました。この母子保健法では、対象については、出産後1年を経過しない女子、乳児となっています。先ほども述べたように、実家とは違う環境の自宅で育児を始める母親の心身の負担を考えると、対象者については、期間を延ばすことが実情に合った支援につながると思いますが、本市の所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 産後ケア事業の対象者の期間につきましては、令和3年4月1日施行予定の母子保健法の改正に関する厚生労働省からの通知において、出産後1年を通じたメンタルヘルスケアの重要性などを踏まえつつ、母子及びその家族の状況や社会資源の状況などから、産後ケア事業の対象者の期間を各自治体において判断するという考え方が示されたことを踏まえ、福岡市においても、産科医療機関などの実施施設における受入れ体制等も考慮した上で、今後検討してまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 利用者の負担軽減、対象期間について、前向きに検討をお願いいたします。

 次に、多胎児を育てる家庭について伺います。
 2018年1月、愛知県で三つ子の母親が生後11か月の次男を床にたたきつけ死亡させるという痛ましい事件が起こりました。命をあやめた行為は絶対に許せませんが、人ごととは思えない母親も一定数いたと言います。切実なSOSに応える支援があれば、救えた命だったかもしれません。多胎児を育てる家庭に対して、自治体の取組を着実に進めるとともに、その現状を知り、理解を深める必要が大いにあると思います。
 はじめに、過去3年の本市の出生数と、多胎児出生数と割合をお聞かせください。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 福岡市における出生数及び双子などの多胎児の出生数とその割合でございますが、厚生労働省の人口動態調査によりますと、平成28年は出生数が1万4,488人、そのうち多胎児が307人で出生数全体の2.1%、29年は出生数が1万4,382人、そのうち多胎児が326人で出生数全体の2.3%、30年は出生数が1万3,927人、そのうち多胎児が309人で出生数全体の2.2%でございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 多胎児の出生率は約2%、100名中2名が双子などの多胎児になり、多胎育児家庭は身近に存在しています。本市でも平成30年度から一般不妊治療費の助成事業が始まり、ここ2年間で約2倍の479件の申請がありました。不妊治療を受けて子どもを授かりたいと思っている人はたくさんいらっしゃいます。
 また、平成29年の全国のデータによると、体外受精や顕微授精などの不妊治療による妊娠のうち、多胎児出生率は3.1%で、全国の多胎児出生率から見ても1%多く、今後も不妊治療の普及、増加に伴い、多胎児は増えることが予測されます。
 そこで、特に多胎妊婦が抱える不安や問題についてどのようなことがあるか、伺います。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 多胎児を妊娠されている妊婦の方が抱える不安などにつきましては、平成30年度の厚生労働省の調査によりますと、出産後の生活に対する不安や御自身と子どもの健康に対する不安、多胎妊娠に対する周囲の理解不足などがございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 2019年、多胎育児のサポートを考える会が1,500人を対象に行ったアンケート調査において、多胎育児中につらいと感じた場面ではとの問いに対して、外出、移動が困難であると答えた人が89.1%、約9割で1位でした。その実際の声には、とにかく外出が大変、2人以上の子どもを抱えてベビーカーを折り畳んで乗ることは現実的ではない、2人が同時に泣くかもしれないと思うと不安で公共交通機関を利用できない、外出準備の段階からとにかく大変、1人の準備をしても、もう1人の準備をしている間に泣いたり、どこかへ行ったり、結果、ひきこもってしまうとの声がありました。
 多胎児を育てる家庭については、体力的、精神的な苦労が多く、外出も難しいため、母親は社会との交流も少なくなり、孤立しがちな傾向にあります。虐待死が起きる割合は、1人で生まれた単胎児を育てる家庭と比べ、2.5倍から4倍になると言われています。
 そこで、本市の多胎育児家庭に対する支援についてお伺いします。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 多胎児を育てている家庭への支援につきましては、福岡市では、各区の子育て世代包括支援センターの保健師等が、電話や訪問で相談に応じたり、関係機関につないだりするなど、必要な支援に取り組んでおります。特に多胎児を育てている家庭に対しましては、訪問回数を増やすなど、状況やニーズに応じた支援を行っております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 現在の支援制度は、単胎児に対する支援を想定してつくられた制度がほとんどですが、裏を返せば、多胎児家庭への支援を充実させることが、単胎児家庭への支援にも必ず生かされると思います。
 そういった多胎育児家庭の状況を踏まえ、厚生労働省は今年度から、多胎妊産婦や多胎育児家庭に特化した新規の支援事業を始めました。その支援事業はどのような事業なのか、お伺いいたします。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 厚生労働省が多胎児を育てる家庭への支援を目的に今年度開始した市町村向けの補助事業につきましては、多胎児の育児経験者による家族との交流会やアウトリーチでの相談支援を実施する多胎ピアサポート事業と、多胎妊産婦へサポーターを派遣し、外出時の補助や日常の育児に関する介助等を行う多胎妊産婦サポーター等事業の2つがございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) お答えいただいたように、厚生労働省は、訪問型支援を重視し、多胎児を育てた経験者による相談支援や交流会を新たなピアサポート事業として実施しています。また、外出時の補助や家事の支援を行う事業も新設しています。これらの事業は、いずれも実施主体は市区町村となっており、国が2分の1を補助します。
 岐阜県大垣市では、1歳未満の多胎児を養育する保護者に、1家庭当たり2万4,000円分のタクシーチケットを配付する、多胎家庭おでかけアシストタクシー事業を今年度から実施しています。また、東京都の荒川区では、都バスで双子用ベビーカーが使用できないことをきっかけに、多胎育児家庭の外出の不自由を緩和するため、2万円を上限にタクシー利用料の補助を行っています。お隣の佐賀県でも、多胎妊婦や多胎育児家庭に対して2万円分のタクシー利用券を交付しています。
 私も、この多胎家庭の声をお聞きしたとき、外出したいときに悩むことなく外出でき、何より、さきの愛知県で起こった事件が二度と起こらないよう、多胎家庭の孤立を防ぐ一助として、本市でもタクシー利用料の助成を行ってはどうかと考えますが、所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 多胎児を育てる家庭への支援につきましては、多胎児を含めた多くの子どもを育てる世帯に対して、産後ヘルパー派遣事業を活用した保護者同伴での病院受診など、外出時の付添いや保育料の減免などにより負担の軽減を図っております。今後とも、多胎家庭の孤立を防ぐため、必要な支援の在り方を検討してまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 次に、多胎育児経験者によるアウトリーチ型の相談支援、ピアサポート事業について所見をお伺いします。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 多胎児の育児を経験した方による相談支援につきましては、育児の専門家による相談支援とは異なり、多胎児を育てる家庭の悩みや不安に寄り添い、気軽に相談できるという観点から、意義があるものと認識いたしております。一方で、多胎育児の経験者の数が限られることから、相談支援への対応が可能な方の継続的な確保などの課題があると考えております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 答弁にあったように、多胎育児経験者が悩みや不安に寄り添うこの事業は、とても意義があることですが、課題はやはり経験者の確保であります。岐阜市では、平成31年度から岐阜市多胎児家庭サポート事業としてピアサポーターによる新システムを構築し、虐待防止につなげるため、多胎児家庭の支援団体であるぎふ多胎ネットへ事業委託をしています。多胎育児経験者の確保については、ぎふ多胎ネットに所属する育児経験者が、ピアサポーターとして訪問活動をされております。
 また、久留米市でも2017年から、新生児訪問の際、多胎育児経験者が保健師に同行する多胎妊産婦のための産前産後サポート事業を展開しておられます。自分と同じ多胎児の出産経験をしたピアサポーターが家庭訪問をし、同じ目線で相談を聞いてくれ、一つ一つ不安を取り除いてくれることは、多胎の妊産婦にとって何より心強いと思います。
 本市においても、まずは日本多胎支援協会や多胎家庭を支援する団体などから多胎育児経験者などの情報を収集し、連携を取りながら国が支援するピアサポート事業を前向きに検討いただきたいと思いますが、本市の所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 多胎ピアサポート事業につきましては、相談支援が可能な方を継続的に確保するなどの課題があることから、多胎児を育てる家庭や多胎児の育児経験者の状況把握に努め、その支援の在り方について検討してまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 現在、4月と比べても、コロナ感染者が急増する中、里帰り出産ができないなど様々制限され、出産される妊婦さんの心身に与える負担は非常に大きいと思われます。
 このコロナ禍で、国の特別定額給付金の基準日を過ぎて生まれた新生児に対して、地方創生臨時交付金を活用し、市独自の給付金など、支援を検討している自治体が増えております。
 兵庫県明石市では、市長が、10万円の給付だけでなく新生児を抱える家庭の悩みにも寄り添っていきたいと、市独自の給付金事業を継続する意向を示しています。仙台市では、2021年4月1日までに新生児が生まれた世帯に半額の5万円を支給することを7月の補正予算で決定しました。
 国の特別定額給付金事業が全国一律の制度であることは重々承知しておりますが、コロナの収束が見えず、第1波より感染が拡大している中、1日違いで給付金を受けられたり受けられなかったりということでよいのでしょうか。今こそ市独自の給付金を支給するなど、困っている妊産婦やお母さんが希望を持って出産や子育てできる支援をすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 新型コロナウイルス感染症の拡大における子育て支援につきましては、これまで、特別定額給付金や子育て世帯臨時特例給付金、ひとり親世帯臨時特別給付金などのほか、ひとり親の養育費確保支援事業、子ども食堂への食料の提供など、様々な支援に取り組むとともに、区の子育て世代包括支援センターにおいて支援を必要とする子育て家庭に寄り添いながら、保健師等が相談に応じ、支援につなげております。また、今回は、新型コロナウイルスの感染拡大で不安のある妊婦の方が安心して出産できるよう、妊婦の方へのPCR検査費用を助成するための補正予算案を提案させていただいております。
 今後とも、新型コロナウイルスの影響がある中においても安心して出産し、希望を持って子育てができるよう、必要な支援を行ってまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 今年の2月議会の議案質疑で、子育て世帯の国民健康保険料の緩和について質問させていただきました。国民健康保険料の均等割保険料は、子どもの数が多ければ多くなるほど保険料は高くなります。近年では、教育費などに係る家計の支出が増加し、経済的に生活にゆとりがないと感じている子育て世帯が半数以上あり、多子世帯に関してはなおさらのことだと思います。これらのことを考えると、特に子育て世帯に対してはできるだけ負担を少なくする配慮が必要だと思います。
 2月議会の答弁では、令和3年度からの実施に向け、具体的な内容を検討するとのことでしたが、実施に当たっては新たな多胎育児家庭の負担緩和の観点からも、第2子から軽減を図っていただきたいと考えます。
 そこで、現在の検討状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 国民健康保険における多子世帯の保険料の軽減につきましては、現在、制度内容を検討しているところでございますが、具体的には、所得制限を設けず、15歳以下を対象に、均等割保険料を第3子以降は全額、第2子は半額を軽減する方向で検討をいたしております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) よろしくお願いいたします。
 このテーマの最後に、多胎育児家庭も含めた子ども・子育て支援について、髙島市長の御所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 勝山議員御指摘のとおり、少子化対策は福岡市においても重要な課題であり、新型コロナウイルスの感染拡大においても、希望を持って出産や子育てができるよう、地域において安心して子どもを生み育てられる環境を整えることは大変重要であるというふうに考えています。
 福岡市では、子育て世帯に対し、これまで、妊産婦や乳幼児のいる家庭への保健訪問指導、多様な保育サービスの充実、多子世帯を対象とした第3子優遇事業をはじめ、様々な支援に取り組んでいます。今後とも、多胎児を育てている御家庭を含め、子育て家庭の皆様に対し、妊娠、出産、子育てへの不安や悩みに寄り添いながら、切れ目なく支援を届けられるよう、しっかりと取り組んでまいります。以上です。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 次に、社会福祉施設で新型コロナウイルス感染者が発生した場合の対応について伺います。
 福祉サービスは接触を伴うサービスであるという特性から、利用者もサービスを提供する事業者も、大きな負担を抱えます。また、感染者を差別する風潮は、差別を恐れて感染を隠すことにつながるため、大流行の温床になってしまいます。
 そこで、実際に障がい者施設などで利用者や職員に感染の疑いが生じたとき、どのような対処がされ、利用している障がい者にどのような情報が伝えられるのか、お尋ねいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい者施設などの利用者や従業者に感染の疑いが生じ、検査を受けることになった場合につきましては、当該施設から速やかに福岡市に連絡がなされることとなっております。福岡市では、連絡を受けた後、検査を受ける方の利用や出勤の状況、他の利用者や従業者との接触状況などの詳細を確認した上で個々の状況に応じ、本人及び濃厚な接触がある方の施設利用や出勤の停止のほか、施設の休業も含め感染を拡大させないことを最優先に、施設等と協議を行い、対応をしているところでございます。
 なお、濃厚接触者に該当しない一般の利用者に対しましては、個人情報保護の観点から、検査の結果が判明するまでは感染に関する情報はお伝えをしておりません。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 障がいのある人は、ショートステイやデイサービスなど、複数の事業所でサービスを受けています。1か所だけではありません。感染に対して、自分は接触者なのか、非接触者なのか、非接触者であっても、健康観察を自宅ですべきなのかを判断しなくてはなりません。もしかすると、自分は感染を広げているかもしれないという罪悪感すら感じてしまいます。
 先日、福岡県内の障がい者施設で感染者が発生しました。ここは福岡市内に住む障がい者も利用していましたが、当局はこの人たちにどのような情報を伝えたのか、お尋ねいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 感染者が発生した際の利用者への感染情報の周知につきましては、施設の休業や当面の通所利用の取扱いなどについて状況を最もよく把握しております施設等から直接周知を行っております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) リスク回避という事態から、感染情報を知らされない利用者は、通常どおり翌日からほかの複数のサービス事業所へ通います。福岡市内の施設や特定相談員さんにも感染情報が遅れて伝わったり、知らされていないケースもあり、感染リスクは低いという安全宣言のない状態で、その利用者を受け入れていました。

利用する障がい者にも、サービスを提供する事業所にも、感染拡大防止と差別を生まないという観点からの最低限の情報を提供するというガイドラインをつくるべきだと思いますが、所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 感染者が発生した場合につきましては、施設等の利用調整を行う計画相談支援事業所を中心に、関係する施設等が連携し、個人情報保護の配慮を行った上で必要な情報の共有を行い、感染拡大防止を図ることとなっております。一方、議員おただしのケースでは、一部の施設等に対し連絡が遅れるなど改善すべき点もありましたことから、今後速やかな情報の共有がなされるよう、感染者が発生した場合の対応について、施設等に改めて周知を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 厚労省の社会福祉事業所への通達にもあるように、県や保健所などと連携し、必要な情報はしっかり利用者、事業所へ伝え、共有できる体制を組んでいただくようお願いいたします。
 次に、障がい者の家族が感染、もしくは濃厚接触者となった場合、誰がどこで介護を行えばいいのか、どこの窓口が調整し費用はどうなるのか、お尋ねいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 在宅の障がい者を介護している家族が感染し、介護ができない状態となった場合につきましては、計画相談支援事業所が中心となってホームヘルプサービスなどの利用調整を行い、その方の在宅生活を支えることとなっております。また、サービスの提供に要した費用につきましては、通常どおり障がい福祉サービスの報酬により支払われることとなります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 先ほど述べたように、感染者の非接触者であっても、事業所はリスク回避のために施設を閉鎖するぐらいです。家族が感染すれば、障がい者自身が濃厚接触者となるため、受け入れてくれる事業所を探すのは至難の業です。現実に、感染疑いがあるというだけでサービスを受けられず、途方に暮れている利用者はたくさんおられます。計画相談支援事業所が障がい者の在宅支援を支えることがなされていないので、私は質問をしております。こうした事態への対応策を打ち出す自治体が出てきております。神戸市と堺市の事例を紹介します。
 神戸市では、家族などの介護者が新型コロナウイルス感染で入院し、在宅での生活が困難となった場合、障がい者を一時的に受け入れる拠点、保養センターひよどりを設置しています。最大で10人の受入れが可能で、期間は2週間、介護、看護の専門職が24時間体制で生活を支援し、費用は全て無償です。
 堺市は、家族などの介護者が感染すると、事業者からサービスは提供できないと断られる懸念があるため、新型コロナウイルス感染症在宅ケア継続支援事業を5月から開始しています。これまでの介護事業者に継続してサービスを提供してもらうのが目的ですが、在宅生活が困難と判断される場合には、市で借り上げた宿泊施設に移ってのサービスが始まります。このように、現実的な具体的な支援を皆さんは待っています。
 ここまで障がい者についてお聞きしてまいりましたが、介護の必要な高齢者についても、同様のことが言えます。
 そこで、障がい者や高齢者、その家族の不安が解消できる実効性のある支援策をぜひ検討すべきだと考えますが、御所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市におきましては、障がい者や高齢者、その御家族の不安を解消するため、濃厚接触者など、感染リスクが高くなった要介護者が継続してサービスを利用できるよう、介護する方が感染し入院した場合などにおいて、自宅に残された要介護者に対して支援を行った事業所の従業者に、要介護者1人当たり15万円を給付する事業を実施するなどの取組を行っているところでございます。
 引き続き、今後の感染状況を踏まえ、他都市の事例も参考に、障がい者や高齢者、そしてその御家族がこのコロナ禍においても安心して生活できるよう、必要な支援を検討してまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) また、介護をする側の職員には、PCR検査費用の助成が今回の補正予算案で上がっていますが、重症化リスクの高い利用者への検査も行う考えがないのか、所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 感染症対策を進める上で検査は非常に重要なものでありまして、国におきましても、医療機関、介護施設等に勤務する従業者、入院、入所者について幅広く検査することが可能とし、積極的な検査を推進するとともに、さらなる検査体制の確保、拡充に取り組んでいくとの方針が示されております。
 しかしながら、現在のところ我が国では検査、医療資源が、いわゆる全員検査に対応できる水準には達しておらず、限られた資源の適正配分の観点から、感染状況を踏まえながら、必要なところに効果的に資源を投入するような検査を行っていく必要があります。
 高齢者施設等での感染事例を見ますと、従業者から感染が広がる事例が多くなっていることから、まずはリスクの高い従業者を対象に検査費用の助成を行うこととしたものでございます。
 今後の検査の拡大につきましては、検査能力や医療資源の拡大を踏まえて、段階的、計画的に行っていくことが不可欠でありまして、感染拡大防止の観点から、必要な方への検査が確実かつ迅速に実施できるよう検査体制の充実に努めてまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 8月26日、公明党は、高齢、障がい者施設の職員と利用者にPCR検査を行うため、財政支援が確実に行き届くよう、国に対して十分な国費の措置を求めました。高齢者施設においてのクラスター発生状況を考えると、施設の職員だけではなく、同時に利用者にもPCR検査を行うことがクラスター発生防止により一層効果があると考えます。国の動向をしっかり見ながら、利用者へのPCR検査の拡充を要望いたします。
 この質問の最後に、社会福祉施設で新型コロナウイルス感染者が発生した場合の対応について、荒瀬副市長の御所見をお伺いします。

○議長(阿部真之助) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 福岡市におきましては、特に7月以降、介護施設やデイサービス事業所等において新型コロナウイルスの感染者が発生し、クラスターも複数の施設で確認されております。
 介護施設等では、従業者と入所者やサービス利用者が接する機会が多いこと、また、高齢者や基礎疾患のある方が多く、重症化するリスクが高いことから、施設等で感染者が発生した場合には、これまで重点的に対応してきたところでございます。
 最近では、介護施設等において感染者が発生した場合、濃厚接触者に限らず、無症状であっても、原則、関係者全員にPCR検査を行うとともに、感染拡大を防止するため、施設内の消毒、施設への立入りの制限、入所者の隔離、分離などの感染症対策の徹底を図っており、必要に応じて感染症対策の専門家を施設等に派遣し、支援を行っているところでございます。
 さらに、福岡市からマスクや防護服などの衛生資材の提供や、介護を行った従業員に対する15万円の福岡市独自の給付金の支給も行っております。
 新型コロナウイルス感染症を介護施設等で発生させないためには、ウイルスを持ち込まない、うつさせない、うつされないという基本が非常に重要であり、今回の補正予算案で提出しております介護施設等の従業員に対するPCR検査費用の助成をはじめ、引き続き危機感を持って必要な支援をしっかりとしてまいりたいと考えております。以上です。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 一昨日から過去最大級の台風10号が接近し、九州各地で多くの方が避難されました。被災された方、お亡くなりになられた方に心よりお見舞いとお悔やみを申し上げます。
 今から約2か月前の7月豪雨では、河川が氾濫し、熊本県球磨村の特別養護老人ホームの入所者が犠牲になられました。高齢者施設の被災は過去にも繰り返され、法改正などで度々、避難体制が見直されてまいりました。
 そこで、災害時の高齢者や障がい者の避難について質問いたします。
 平成29年6月19日、水防法の改正が行われましたが、その背景と理由、その内容についてお聞かせください。
 また、要配慮者利用施設とはどのような施設で、本市の浸水想定区域内にある要配慮者利用施設の内訳と、それぞれの施設数をお示しください。

○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 平成29年6月の水防法改正の背景及び理由につきましては、全国各地で洪水などの災害が頻発、激甚化し、住民の逃げ遅れや家屋の浸水により甚大な被害が発生していることから、洪水などからの逃げ遅れゼロと、社会経済の被害最小化を実現するためとされております。改正の主な内容は、市町村長による水害リスク情報の周知制度の創設、洪水のリスクが高い区域にある要配慮者利用施設の管理者等に対する避難確保計画の作成、避難訓練実施の義務化、国等の技術力を活用した中小河川の治水安全度の向上などでございます。
 また、要配慮者利用施設については、水防法において、社会福祉施設、学校、医療施設その他の主として防災上の配慮を要する者が利用する施設と規定されており、福岡市の浸水想定区域内には1,210か所ございます。内訳は、介護予防型通所サービス事業所などの社会福祉施設が980か所、小中学校などの学校が123か所、病院などの医療施設が107か所となっております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 保健福祉局では、水防法改正を受けて、要配慮者利用施設に対して避難確保計画の作成を指導されていると思いますが、これらの施設の直近の作成件数と作成率をお示しください。また、未作成の施設に対してはどのような指導を行ったのか、お聞かせください。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 避難確保計画につきましては、令和2年8月末現在で、対象となる高齢者や障がい者の要配慮者利用施設のうち332施設が作成しており、作成率は約46%となっております。また、未作成の施設に対しましては、これまで事業者説明会などの際に作成義務の周知に努めますとともに、施設での実地指導において作成指導を行ってきたところでございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 未作成の施設に対して、今まで作成指導を行ってきたとのことですが、現状は46%と半分も満たしておりません。一体今までどのような指導を行っていたのか、具体的にお示しください。また、なぜ計画作成が進まないのか、御所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 避難確保計画の作成につきましては、事業者説明会などの際に災害対策の説明時間を設けて制度の説明やマニュアルの案内を行い、作成義務の周知等に努めますとともに、施設での実地指導においては計画の提示を求め、作成していない場合は、改めて制度の趣旨説明やマニュアルの周知を行うなどの作成指導を行ってきたところでございます。
 計画の作成が進まない理由といたしましては、計画作成の重要性の周知が届いていないことやマニュアルだけでは個別の事情に応じた作成の方法が分からないことなどが考えられ、それぞれの施設の事情に応じた、きめ細やかな対応が必要になるものと考えております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) より細かな対応が必要とのことですが、実際に計画を作成することが命を守ることにつながります。未作成の施設には期限を定めて作成を求めるなど、市民局や保健福祉局など、各関係部局の連携を強化し、積極的に支援を行うことが重要だと思います。
 国は、令和3年度までに避難確保計画の策定を目指すとしていますが、本市の具体的な目標と、それに向けて今後どのように取り組まれるのか、伺います。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 避難確保計画につきましては、まだ作成ができていない対象施設に対しまして、引き続き事業者説明会などの際に重点項目であることを明示した上で周知を図りますとともに、それぞれの施設における未作成の事情を把握した上で、各施設での実地指導などにおいて参考となる事例を示し、きめ細やかな助言や指導を行うなど、令和3年度末までの作成を目指して、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 今までの取組と今後の取組の内容がほとんど変わっていません。確かに、避難計画は施設が作成するものですが、答弁をお聞きすると、施設任せになり過ぎているように思えてなりません。どうやったら施設が本気になって避難計画を作成してくれるのかという視点で本市の責任の下、作成率向上に努めていただきたいと思います。
 九州を襲った7月豪雨で、熊本県では死者の約8割が65歳以上の高齢者だったそうです。平成25年に改正された災害対策基本法では、避難行動要支援者名簿の作成が義務づけられていましたが、避難行動要支援者とはどういう人なのか、また、避難行動要支援者数と情報提供に同意した要支援者数、その割合をお示しください。

○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 避難行動要支援者につきましては、災害対策基本法において、災害が発生し、または災害が発生するおそれがある場合に自ら避難することが困難な者であって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要するものと規定されております。
 また、令和2年度における避難行動要支援者数は、本人の同意の有無にかかわらず、要支援者全員を登載した全体名簿登載者が3万5,843人、全体名簿に登載された方のうち、自治協議会や民生委員・児童委員などの避難支援等関係者へ名簿情報を提供することに同意いただいた方を登載した同意者名簿登載者が1万8,570人となっており、同意された方の割合は51.8%でございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 同意率が約5割とのことですが、同意が進んでいない理由についてお尋ねいたします。

○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 同意が進んでいない理由につきましては、本人への意向確認の結果、未回答の方が全体の約25%になっており、制度に対する理解が進んでいないなどの理由から、回答をいただけていないのではないかと考えております。また、地域への情報提供に同意しないと回答された方が全体の約24%となっており、主な理由としては、助けてもらえる家族がいる、自分で避難できるなどとなっております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 様々理由はありますが、同意率を上げることが、ひいては要支援者の命を守ることにつながります。名簿情報を地域に提供し、日頃から見守り活動などを通じて顔の見える関係づくりを進めてもらうことが重要です。
 そこで、より多くの名簿情報を提供するために、他都市の条例制定の事例などを参考にして、同意の取り方についても工夫して対応すべきだと考えますが、本市の所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 意向確認の工夫につきましては、文書を郵送する際に制度の説明資料やQ&Aを同封するほか、市政だよりや市ホームページへの解説記事の掲載、避難支援等関係者向けのハンドブックの作成、配布など、積極的な周知に努めるとともに、令和元年度には未回答者全員に対し、再度の意向確認を2回行っております。
 今後とも、他都市の条例制定の事例などを参考に、同意率の向上に向けた新たな手法について検討を進めるなど、地域への情報提供に同意された要支援者が増えるよう取り組んでまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 国は、名簿に登載されている要支援者への個別避難計画の作成も進めております。
 そこで、本市の個別避難計画の作成件数と作成率、その取組について伺います。

○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 個別避難計画の作成件数につきましては、令和元年度の集計で557件となっており、作成率は地域への情報提供に同意された要支援者の約4%となっております。また、個別避難計画作成に係る本市の支援については、避難行動要支援者支援に関するハンドブックを作成し地域に配布するとともに、出前講座において防災担当職員がハンドブックに基づき個別避難計画について説明しております。さらに、区役所においても個別避難計画作成についての地域からの相談に対応しております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 今までの本市の取組の結果、作成率は僅か4%です。同じような取組だとこの先の現状は変わらないと思いますが、作成が進まない理由と、今後の取組について所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 個別避難計画の作成が進んでいない理由につきましては、地域からは、特定の方を担当することに対する精神的負担や責任が大きいといった御意見があり、今後とも、個別避難計画の趣旨を丁寧に御説明するとともに、地域の負担感などの軽減に努めてまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 自治体がどれほど熱心に計画作成を促したかが大切で、そこに自治体の本気度が表れると思います。
 この8月、内閣府は市区町村に対し、専門知識がある福祉職が作成に関与すれば効果的と判断し、ケアマネジャーら福祉職と連携を強化し、個別計画の作成を促す方針を固めました。
 大分県の別府市では、この内閣府の方針に先行して、2016年度から福祉の専門職が利用者の個別避難計画を作成する事業を始め、着実に成果を上げているそうです。
 福祉職の負担増など課題もあると思いますが、本市としてもこの先行事例を参考にしながら、まずモデル地域を定め、モデル事業として取組を検討してはどうかと思いますが、御所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 個別避難計画の作成促進につきましては、国の動向や他自治体の事例なども踏まえ、地域でのモデル事業の実施も含め、今後とも、作成率の向上に向けた取組を検討してまいります。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 次に、災害時の高齢者や障がい者の避難場所と、障がい者の日常生活用具について伺います。
 先日、福岡市視覚障害者福祉協会より、緊急地震速報が聞けるラジオについて、日常生活用具に加えてほしいとの要望を受けました。公明党市議団としても、本市に対して予算編成の中で毎年要望をしています。他の政令市においても、日常生活用具として認めている都市も多くあります。このコロナ禍において地域の見守りも手薄になっており、視覚障がい者の方の不安はより大きいと思います。
これらの状況を考えると、今こそ日常生活用具として加えるべきだと考えますが、本市の所見をお伺いします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 緊急地震速報につきましては、一般に普及しておりますテレビ、ラジオ、携帯電話などで受信が可能でありまして、緊急地震速報が聞けるラジオにつきましては、日常生活の要件であります、日常生活品として一般に普及していないものには該当しないものと考えております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 地震速報が聞けるラジオと、一般に普及しているテレビや携帯電話の機能の違いなどをしっかり検証し、引き続き検討をしていただきたいと思います。
 次に、災害時、緊急時における障がい者への支援について伺います。
 障がいのある人たちは、災害時、幾つもの困難に直面し、災害により停電した場合には命の危険にも直面いたします。
 そこで、自宅で人工呼吸器を使用している場合、停電すると深刻な状況になると予想されますが、福岡市内には、難病の方も含め在宅での人工呼吸器使用者は何人おられるのか、また、名簿やマップの作成状況などどうなっているのか、お尋ねいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 在宅で24時間人工呼吸器を使用している方につきましては、令和2年7月末時点で63人でありまして、うち難病患者の方は27人となっております。また、使用者名簿につきましては、訪問看護ステーションから提供される情報に基づき作成し、毎月更新しておりますが、マップについては作成いたしておりません。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 在宅での人工呼吸器使用者の正確な把握は支援の根幹となり、停電時の電源確保や人工呼吸器の作動停止を想定した対応など、平時からの備えが必要です。
 災害時にどこの機関がどのように対応をしてくださるのか、支援内容をお尋ねいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 在宅で人工呼吸器を使用している方に対する災害時の支援につきましては、日頃から訪問看護ステーションを通じて、市が対象者を把握し、停電時の対応準備、緊急時の支援者の確認、移送手段や医療機関の確保を行うよう注意喚起を行いますとともに、災害発生時には速やかに安否確認などが行えるよう緊急連絡体制を整備いたしております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 予備バッテリーや発電機を持っている家庭は少ないと伺っており、機械破損の危険性から、避難することも難しいと聞いています。かかりつけ医が、災害時、一人一人の障がい者へ対応するのは大変に難しいとの声を防災協議会でドクター自身が述べられています。
 お答えいただいた本市の緊急連絡体制だけでは、支援内容の違う一人一人の命を救っていくのは難しく、個別の支援の充実が求められています。
 東京都では、東北の震災での教訓を生かし、在宅人工呼吸器使用者災害時支援指針を策定し、どの機関がどう動くのか、災害時の支援を強化しております。東京都23区では、人工呼吸器使用者の徹底した把握に取り組み、名簿やマップを基に、個別の支援計画を訪問看護ステーションなどに委託して策定しています。
 まずは、在宅人工呼吸器使用者の徹底した把握に取り組み、かかりつけ医も納得する個別の支援計画へつながる体制を検討すべきだと考えますが、御所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 在宅の人工呼吸器使用者につきましては、まずは難病患者について医療機関や訪問看護ステーションと連携しながら、対象者の現状把握に努めることといたしております。今後は、難病患者以外の在宅人工呼吸器使用者も含め、関係局で連携をしながら、災害時の個別の支援につながる検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) よろしくお願いいたします。
 次に、福祉避難所について伺います。
 福祉避難所の課題は、今日まで数多く議論されてきました。福祉避難所の数の少なさや施設名の非公開など、障がい者の方々は災害が起こった際、私たちは無事に避難できるのかと不安を抱えながら生活をしています。
 そこで、過去3年間の福祉避難所の箇所数と非公開の理由をお示しください。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福祉避難所の箇所数につきましては、それぞれ4月1日現在で、平成30年度が98施設、31年度が102施設、令和2年度が109施設となっております。
 また、非公開としている理由につきましては、福祉避難所は災害発生時に直ちに開設されるわけではなく、福祉避難所としての受入れ態勢を確認した後、必要に応じて公民館等の一時避難所から移っていただくこととしております。施設の被災などにより、福祉避難所として機能することが困難となる状況も想定されることや、直接、施設に避難された方がいた場合、混乱が生じるおそれもありますことから、事前にその場所を広く公開するような取扱いは行っていないところでございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 福祉避難所の非公開の理由を答弁されましたが、それでは、障がい者がデイサービスなどを利用中に災害が発生し、自宅に戻ることができない場合、どこに避難することになるのか、お尋ねいたします。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい者が日中のサービスを利用している際に災害が発生した場合、被災した施設において、その地域の災害状況を把握した上で、施設内の安全が確認された場所にとどまったり、施設の職員とともに最寄りの避難所に避難したりするなど、各施設における非常災害対策計画に沿って対応することとなっております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) デイサービス施設が所在する地域の一時避難所に本当に避難することができるのでしょうか。デイサービス利用者全員が避難しても、一時避難所として収容力に影響を与えないのか、地域の方々と接点のない利用者が受け入れてもらえるのか、心配は尽きません。
 福岡市の避難所運営に関するマニュアルにはどのように定めているのか、また、各校区の避難所運営マニュアルにはどのような記載がなされているのか、お尋ねいたします。

○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 避難所運営につきましては、福岡市避難対策マニュアルや避難所運営の手引きにおいて、避難所の受入れ対象者を避難勧告等により緊急避難の必要がある者等とし、避難された方は全てを受け入れるとともに、障がいがある方を含め、様々な方に配慮した避難所運営を行うことを明記しております。また、校区で作成している避難所運営マニュアルにおいては、要配慮者の受入れスペースを確保した避難所レイアウトなどを定めている事例もございます。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 避難された方は全てを受け入れると明記はされているとの答弁ですが、私が問いたいのは、実際に収容人数を超えたときの対応が、明確に、具体的に示されているのかということです。その地域の住民でもない利用者が心配するのは当然のことです。本市が積極的に施設と地域をつないでくれるだけで、利用者の不安は安心に変わります。
 4年前に発生した熊本地震は大きな被害をもたらし、避難所での混乱も起きました。熊本市は、地震災害を経て見えてきた課題と対策に徹底して取り組んできました。その一つが福祉避難所です。
 人口が福岡市の約半分の熊本市は、本市の約2倍に当たる192か所の福祉避難所を設置しています。震災以前は、熊本市も本市と同様に、福祉避難所が非公開だったそうです。実際に震災が起こったとき、福祉避難所の場所や役割が、障がい者や地域住民への周知不足のため、震災以前に作成されていた福祉避難所マニュアルが機能することはなく、避難所が大混乱したそうです。発災直後から派遣された福岡市の職員さんも、その実態を目の当たりにしているはずです。
 この災害を教訓として、熊本市は、協定団体及び福祉避難所等となる施設一覧を市のホームページに掲載し、平常時から広報活動や震災対処実動訓練などを通して、福祉避難所について地域住民に周知を図るとともに、その役割や利用方法など、理解と協力を求めています。
 福岡市も西方沖地震を経験しました。熊本市を例に、再度、福祉避難所の課題について精査し、福祉避難所の機能を高め、障がい者と同様の状況にあると思われる高齢者も含めて、福祉避難所に避難する方々の不安を払拭する取組をぜひ検討をしていただきたいと思いますが、所見を伺います。

○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福祉避難所につきましては、今年度、国の考え方や他都市の事例、有識者の見解等を整理するなど、福祉避難所の充実に向けた調査を行うこととしておりまして、この結果も踏まえて、福岡市における福祉避難所の在り方について検討をしてまいりたいと考えております。以上でございます。

○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 最後に、災害時における障がい者や高齢者の避難の課題についてどのようにお考えか、髙島市長の御所見を伺い、私の質問を終わります。

○議長(阿部真之助) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 近年、大規模な自然災害が頻発をしておりまして、防災・減災の対策を推進していく上で、勝山議員御指摘のとおり、障がい者や高齢者の避難など、災害時における要配慮者への取組は大変重要であるというふうに考えています。
 このため、要配慮者利用施設における避難体制の確保や避難行動要支援者名簿のさらなる活用、福祉避難所の充実などに取り組んでおります。
 今後とも、市民の貴い命と財産を守ることを第一に、災害に強いまちづくりを進め、防災先進都市福岡を目指してまいります。以上です。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
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