○24番(松野 隆)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、新型コロナウイルス感染症に関連し、一般質問を行います。
新型コロナウイルス感染症の発症、緊急事態宣言発出から解除と、この間の医療、介護従事者の皆様、エッセンシャルワーカーの皆様、そして、市民に安心感を与えた髙島市長の素早い決断と市職員各位の御尽力に心から感謝と敬意を表し上げます。誰も想像しなかった長期にわたる仕事の在り方や生活様式の変化を私たちは経験し、この間、私もずっと気になっていたのが、地域の高齢者やひとり親世帯の子どもさんがどのような生活を送っているのかということでした。
集うこと、触れ合うこと、外出したり人と話すことが制限される中、ひとり親や貧困家庭の子どもたちに食と居場所をどう提供していくのか、独り暮らしの高齢者の日常生活や健康を支え、災害時の要支援者避難はどうするのか、ようやく地域活動も少しずつ再開し、これまでとは違う新しい日常の中で、どういう形で地域福祉活動を進めていくべきか、今問われております。
そこで、今回は特に子どもと高齢者のセーフティネットの再構築について質問してまいります。
初めに、子どもについてです。
学校等の休業や外出自粛が続く中、子どもの見守り機会が減少し、虐待のリスクが高まっているとして、4月10日付で新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言等を踏まえた支援対象児童等への対応について、厚生労働省から子どもの生活環境の変化に伴う状況把握と支援に関する事務連絡が発出され、さらに今般、要保護児童対策地域協議会が中核となり、様々な地域のネットワークを総動員し、支援ニーズの高い子ども等を早期に発見する体制を強化しながら、定期的な見守りを確保する子どもの見守り強化アクションプランの実施が4月27日に公表されました。
まず、支援対象児童等について、本市が把握している対象の児童等は何人いるのか、お答えください。
以上で1問目を終わり、以降は自席にて質問いたします。
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 福岡市が把握している支援対象児童等の人数についてお答えいたします。
児童福祉法に規定する要保護児童対策地域協議会、福岡市における要保護児童支援地域協議会において把握しております支援対象児童等は、令和2年3月末現在で1,016人となっております。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) また、児童等とあるように、その対象者の詳細についてお示しください。
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 支援対象児童等の詳細につきましては、就学児童、保育所、幼稚園等の児童、特定妊婦、未就園児等となっております。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) では、支援対象児童等についてどのような対応を求めているのか、就学児童、保育所、幼稚園等の児童、特定妊婦、未就園児別にお答えください。
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 支援対象児童等へ求められている対応についてでございますが、まず、就学児童につきましては、学級担任やスクールソーシャルワーカー等が電話などで、おおむね1週間に1回など定期的に児童生徒の状況を把握し、関係機関と緊密に連携して必要な支援を行うこととされております。次に、保育所、幼稚園等の児童につきましては、保育所、幼稚園等において、おおむね1週間に1回など定期的に状況を把握し、関係機関との連携を密に取ることとされております。次に、特定妊婦につきましては、子育て世代包括支援センター、母子保健事業における保健指導や相談支援、養育支援訪問事業などを有効に活用するなどにより、定期的な状況の把握を行うこととされております。未就園児等につきましては、要保護児童支援地域協議会において主たる支援機関を決定し、定期的に状況を把握することとされております。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 次に、定期的な状況把握の実態についてお聞きします。
地域のネットワークの中核となる要保護児童支援地域協議会について御説明ください。
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 要保護児童支援地域協議会につきましては、児童福祉法に基づき、支援が必要な児童に対し適切な支援を行うことを目的に、地方公共団体が設置、運営する組織であり、福岡市では区の保健福祉センターが調整機関となっております。要保護児童支援地域協議会を構成する関係機関が支援を必要とする子どもやその家庭への支援内容について協議を行い、連携しながら適切に支援を実施いたしております。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 緊急事態宣言継続中のこの協議会の活動実態と、支援対象児童等の状況把握をどのように行ったのか、また、子どもを見守るNPOや地域ネットワークにはどのようなものがあり、連携や役割分担はどうなっているのか、お尋ねします。
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 緊急事態宣言継続期間中の要保護児童支援地域協議会の活動についてでございますが、国の子どもの見守り強化アクションプランの内容を踏まえ、主たる機関において定期的な状況把握を緊密に行うとともに、調整機関である区の保健福祉センターにおいて情報を集約し、支援が必要と判断した児童等については、子育て支援サービスにつないだり、児童相談所へ支援を依頼したりするなど、適切に対応を行っております。
また、子どもを見守るNPOや地域ネットワークにつきましては、警察、学校、保育所、幼稚園、児童相談所、医療機関、弁護士会、民生委員児童委員協議会、児童虐待防止に取り組む民間のNPOなどが地域の虐待防止のネットワークである要保護児童支援地域協議会の構成メンバーとなっております。次に、連携や役割分担につきましては、協議会においてあらかじめ対象児童等の状況に応じて支援の内容や役割分担を決め、情報共有を図りながら連携して支援を行っております。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 今回の第2次補正予算には、子どもの見守り体制強化の経費を支援する事業が盛り込まれておりますが、事業概要についてお答えください。
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 国の第2次補正予算における子どもの見守り体制強化の経費を支援する事業の事業概要についてでございますが、子どもの見守り強化アクションプランの取組を一層推進するため、子ども食堂を運営する民間団体等が要保護児童支援地域協議会の支援対象である子どもの現状を確認するなど、子どもの見守り体制の強化を支援するものとなっております。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) この事業の実施主体は市町村であり、まずは地域の実態を把握することから始めなければなりません。1民間団体当たり約800万円を上限として、全額国費で、人件費や感染症対策に充てられるなど使い勝手はよく、4月に遡及することもできます。しかし、一番の課題は、民間団体と要保護児童支援地域協議会の連携が不十分であるということです。先月、子どもの見守り強化アクションプランが出された後も、要保護児童支援地域協議会から何ら働きかけがないと全国的に声が上がっているようです。
これを機に、要保護児童支援地域協議会と民間団体が連携できる仕組みを構築し、虐待などから子どもを守り、安心できる生活支援や食事の提供が進むよう取り組むべきだと思いますが、今後の取組について御所見を求めます。
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 今後の取組についてでございますが、福岡市といたしましても、地域全体で子どもと家庭を見守る取組は重要であると考えており、松野議員御指摘の国の補助事業を活用するなど、子ども食堂の運営団体と要保護児童支援地域協議会との連携を図りながら、子どもの見守り体制をさらに強化してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 子ども食堂などにも行けないような子どもさんにいかに光を当てて支援体制をつくるのかが、この事業の狙いであります。さらなる取組の強化をお願いしておきます。
さて、去る6月1日に公明党福岡市議団は髙島市長宛てに、第2次補正予算と連動し、様々な対策を行っていただくよう、22項目にわたる第4回目の緊急申入れを行いました。その中で、保育所の副食費や市立の小中学校の給食費を当面無償化するよう求めました。
保育園の副食費や市立の小中特別支援学校の給食費無償化を今年度行った場合の必要額についてお示しください。
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 保育所等の1か月の副食費の額につきましては各施設において決定しているところでございますが、国が示している目安は4,500円となっております。3歳から5歳児で副食費免除制度の対象となっていない児童数は約1万4,000人であり、無償化を行った場合は1か月当たり約6,000万円が必要となります。仮に今後7月から来年3月まで9か月間の無償化を行った場合には約5億6,000万円が必要となります。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校給食費無償化の必要額につきましては、小学校、特別支援学校小学部の1か月の給食費4,200円、中学校、特別支援学校中等部、高等部5,000円に全児童生徒数約12万人を掛けて試算いたしますと、1か月の必要額は約5億4,000万円になります。仮に7月から来年3月までの9か月間で試算いたしますと、必要額は約48億6,000万円となります。以上です。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 今年度、仮に9か月間の無償化を行えば、必要合計額は約54億円とかなりの事業費になります。しかし、ある民間アンケート調査によりますと、緊急事態宣言地域居住の家庭の収入の40%以上が減ったと回答、一方、フリーランスとして働く人で収入に影響が出ていると答えた人は6割超、さらに、住宅ローン返済中の男女対象のアンケートでは、住宅ローンの返済が既に苦しい世帯は40%、今後苦しくなると予想する世帯も合わせると70%に達したなどの調査結果が出ており、新型コロナウイルスによる家計への影響は、ひとり親家庭や就学援助対象世帯はもちろん、それ以外の多くの子育て世帯をも直撃しております。今回の一連の支援は、事業所や生産者向けの多彩な支援メニューの充実に対し、いわゆる生活者向けの支援は一度限りの特別定額給付金が中心となっており、残業減や子どもの休校による休暇取得によって今後の生活に不安を拭えない家計と心を温めるには、より柔軟で、さらなる支援の拡充が必要ではないかと感じております。
全ての子育て世代の負担軽減のための当面の給食費の無償化について明確な答弁を求めます。
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 保育所等の副食費の助成につきましては、市独自の第3子優遇事業などにより経済的な理由から援助が必要な世帯に対して支援を行っております。
副食費の無償化につきましては多額の費用を要することから、国に対して財政的な支援を強く要望していくとともに、今後、福岡市といたしましても、新型コロナウイルス感染症の影響による経済的支援が必要な世帯の状況把握に努め、支援の方策について検討してまいります。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校給食費につきましては、法令により保護者負担とされているもののうち、食材料費相当額のみを負担していただいておりますが、経済的な理由から援助が必要な世帯に対しましては生活保護や就学援助の制度により支援を行っております。新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に経済的な支援が必要となっている世帯に対しましても、就学援助制度等をしっかり御案内し、適切な支援を行ってまいります。
給食費の無償化につきましては多額の費用を要することから、国に対して財政措置を強く要望するとともに、今後、市としても新型コロナウイルスの感染状況や他都市の状況なども見ながら支援の方策について検討してまいります。以上です。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 何とぞ御検討をよろしくお願いいたします。
次に、高齢者についてですが、冒頭に申し上げましたように、民生委員や地域ボランティアの活動も自粛となり、安否確認の訪問や声かけの頻度も減り、独り暮らしの高齢者や障がい者の健康状態が心配されます。報道でもありましたが、東京都内の独り暮らしの高齢男性の孤立死が発見され、検査の結果、新型コロナウイルス感染が認められたということでした。
本市において、独り暮らし高齢者が、訪問の結果、亡くなっていたケースの有無をお答えください。
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 地域にお住まいの方などが孤立死の疑いに気づいたときの連絡先となります福岡市見守りダイヤルでは、令和2年4月、5月に計36件の通報があり、そのうち7件で死亡が確認されております。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) ふれあいサロンやよかトレ実践ステーション、公民館活動も休止され、家から一歩も出ない、会話もしない日が続くことで、高齢者の心身にどのような影響が考えられるのか、お尋ねします。
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 一般社団法人日本老年医学会によりますと、動かないことにより歩くことや身の回りのことなど生活動作が行いにくくなったり疲れやすくなったりし、こうした心身の活力が低下した状態が長く続くと要介護状態や寝たきりとなるリスクが高くなるとされております。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 抵抗力が落ち、より身体的なリスクが高まるのではないでしょうか。
緊急事態宣言は解除されたものの、地域の見守りや声かけが本格的に再開していない現状において、もしも大きな災害が起きた場合、持病がある高齢者や障がい者で避難行動要支援者名簿への登録には同意したものの、誰が助けてくれるのかとの声にどう応えるのか、答弁を求めます。
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 避難行動要支援者に対する支援につきましては、名簿を提供している校区自治協議会などを中心として、平常時から顔の見える関係づくりや地域の実情に応じた防災訓練の実施などを進めていただくとともに、災害発生時には自らの身の安全を確保した上で、安否確認や避難支援などを行っていただきたいと考えております。また、現下の情勢において活動を行う際は、マスクを着用するなどの新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で活動していただきたいと考えております。福岡市としましても、地域による災害時の避難支援の取組が進むよう、避難行動要支援者支援ハンドブックを作成するとともに、個別計画の策定に向けた出前講座などを行っており、今後とも、これらの取組を推進してまいります。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) いまだ続く新型コロナ感染の恐怖に対し、不要不急の外出を控える生活が続く高齢者にとって、毎年9月から各区役所で交付される高齢者乗車券の受け取りは感染リスクが非常に高く、配付方法を検討する必要があると思われます。
毎年、何人の高齢者に交付しているのか、また、最も多い時期に区役所では1日何人の方に交付しているのか、お答えください。
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者乗車券の交付者数につきましては、平成30年度の実績で14万7,344人となっております。例年9月の交付開始直後に申請が集中しておりまして、最も多い区役所では1日当たり最大約1,200人に交付いたしております。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 答弁では、新しい日常とは言えない密状態です。高齢者をコロナ感染リスクから守るため、高齢者乗車券の交付方法について検討すべきと考えますが、答弁を求めます。
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者乗車券につきましては、区役所窓口での交付に伴う混雑が発生しておりまして、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点からも、より適切な方法で交付を行っていく必要があるものと考えております。そのため、令和2年度から区役所窓口で交付を行う従来の方法を見直し、郵送などにより申請の受付と交付を行う方法に変更してまいります。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) ありがとうございます。
さて、忘れてはならないのが高齢者、障がい者の権利擁護です。成年後見センターの設置については、公明党福岡市議団は20年来要望してまいりました。本市でも認知症施策推進大綱において、令和3年度中に設置予定となりました。目前の2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、課題を抱えた高齢者が間違いなく急増します。地域には独り暮らしの高齢者や障がい者、また、低所得者など、素人では解決できないたくさんの課題や複雑な家庭の事情を抱えた方たちの生活実態の事例がたくさんあります。そのような高齢者や障がい者の権利を守り、地域で安心して普通に暮らせる道筋をつけるため、成年後見支援のための中核機関の設置、相談体制の充実は欠かせません。
中核機関の最大の役割は受任調整にあります。地域包括支援センターなどから上がってくる虐待や成年後見の相談を適切に受ける専門性の担保が極めて重要ですが、中核機関の設置について御所見を求めます。
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 中核機関の設置につきましては、令和2年4月に福岡市社会福祉協議会内に中核機関開設のための準備室を設け、後見業務を担っている専門職の団体などと協議、調整を行っているところでございます。今後、11月から適切な後見人の選任について協議をします受任調整会議を開催するなど、令和3年度中の開設に向けて準備を進めていくことといたしております。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 着実に準備を進めていただきたいと要望いたします。
今後ますます成年後見のニーズは高まってくると思われますが、もう1つの課題として、成年後見のための費用負担能力のない人、低所得の高齢者が全国的に増加しており、負担能力がない人のために成年後見利用支援事業がありますが、本市では市長申立てに限っております。市長申立ての全政令市を比較すると、福岡市は極端に少なくなっております。本来は市長申立て以外にも本人申立て、親族申立ても支援対象としていますが、本市は限定的であります。その結果、費用助成を受けられる人も非常に少なく、無報酬案件が増加しているため、受任先である弁護士会、司法書士会、社会福祉士会等から、必要な人が適切に制度の利用が可能となるよう支援対象の拡大と中核機関の関わりを求める声を何度もお聞きしました。
無報酬案件のまま受任者が見つからない事態を回避するため、利用支援制度の対象拡大を行うべきですが、明確な答弁を求めます。
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 利用支援制度につきましては、本市においては、後見等の申立てを行う親族がいない場合は市長申立てを行っており、そのうち生活保護を受給されている方または後見人等の報酬を負担することで生活保護の基準を下回る方については、後見人の報酬等を助成いたしております。成年後見のニーズが高まる中で、利用支援制度の対象拡大については重要な課題と認識しておりまして、今後、中核機関設置に向けての関係団体との協議等を踏まえて検討を行ってまいります。以上でございます。
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 今、前向きな答弁を頂きました。何とぞよろしくお願いいたします。
高齢者が認知症になっても安心して住み慣れた地域で生活できるよう、成年後見センターは専門性を備え、質、量ともに十分なものとし、制度利用対象を本人、親族まで広げ、後見のみではなく、保佐、補助までも対象とし、誰もが成年後見制度を利用できるものとするよう強く要望いたしておきます。
今後、新型コロナによる収入減や失業で家賃が払えなくなったり、生活が成り立たないといった生活困窮者が増加することも考えられます。本市では、オンライン診療、オンライン薬局など、ICTを活用した新しい仕組みも始まっていると聞きますが、独り暮らしの高齢者はそれが利用できる環境になく、通院も自粛しておられます。先日、国会でスーパーシティ法が成立しました。2040年には日本は高齢化のピークを迎え、85歳以上人口で車の運転ができない、足腰が弱って自力で病院に行けない、買物や公民館にさえ行けない、こういう世の中の課題をスーパーシティは解決してくれる大きな可能性を秘めております。誰もが人間の尊厳を持って自分らしく生きていくためには、独り暮らしでも、おじいちゃんでも、おばあちゃんでも、ICTの利活用で簡単にサービスにアクセスできる社会にすることは有意義な事業ではないでしょうか。今回、多くの市民が外出自粛を余儀なくされ、電子申請さえできずに途方に暮れた事実がそのことを物語っております。社会的弱者と言われる高齢者や障がい者が新しい日常を迎えたくても迎えられずに地域に潜在化することのないよう、行政の支援はもちろんのこと、地域住民や企業が困窮者を排除せずに地域の一員として必要な支援が行き届き、全ての住民の暮らしが顕在化するよう、受け入れる環境をつくることも行政の責任ではないでしょうか。
厚労省が新型コロナに対応し、設置した生活を守るプロジェクトチームによる第3回会議での有識者の声を紹介します。感染防止が求められる今、人と人とが対面したつながりの構築は難しい、孤立化を防止するため、新しいつながり方を提案するのが必要、その際には、事態が収束した後の顔を合わせたつながりの構築まで見据えた支援が必要、また、今回の新型コロナウイルス感染症対策が、これまでの縦割りを見直し、地域づくりの視点が加わった地域共生の本格的な取組につながるよう政策展開を進めてほしいなどの声が出ております。
高齢者や子ども、障がい者も困窮者も全ての人が住み慣れた地域の中で孤立化せず、安心して自分らしく生きていける地域共生社会実現のために、これから福岡市は地域福祉にどう取り組むのか、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえて髙島市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
○議長(阿部真之助) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 松野議員御指摘のとおり、子ども、高齢者、そして障がい者など、全ての人々が住み慣れた地域で孤立することなく、安心して自分らしく生きていける地域共生社会の実現を図ることは大変重要であるというふうに考えています。福岡市ではこれまで人生100年時代を見据えた持続可能な社会の実現を目指す福岡100の推進や、見守り、支え合う、共創の地域づくりを通して相談体制の充実を図るとともに、多様な地域活動の普及促進を図ってまいりました。こうした取組の積み重ねに加えまして、さらなるICTの活用を図るなど、感染症拡大防止のために対面活動が制約される場合であっても、地域住民や多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることができる関係を構築することで、全ての人々が安心して住み続けられる地域共生社会の実現を目指してまいります。以上です。