◯18番(高木勝利)登壇 皆さんおはようございます。私は公明党福岡市議団を代表し、尾花康広議員の代表質疑を補足して、ペーパーレスの推進、障がい者の福岡市職員採用、就職氷河期世代の支援の3項目について質疑をさせていただきます。
まずは冒頭、新型コロナウイルス感染症は日本国内でも日に日に感染者数が増加している現状です。私たち議員の元にも、市民の皆様方からは様々な御要望や御相談が寄せられております。現場で懸命に奮闘されている福岡市職員の皆様や、関係者の方々と共に、小さな声にも耳を傾け、一日も早い終息に向け、力を尽くす所存でございます。
それでは質疑に入ります。
まずは、ペーパーレスの推進についてです。
ペーパーレス化については、全国の議会においてもタブレット端末の導入などの動きが広がっており、福岡市議会としてもぜひ推進すべきと考えておりますが、現在設置されている議会改革調査特別委員会の議論に委ねるとし、今回は福岡市行政側のペーパーレス化について質問いたします。
福岡市では、新循環のまち・ふくおか基本計画に基づき、元気が持続する循環のまち・ふくおかをテーマに、環境保全と都市の発展を踏まえた福岡式循環型社会システムの構築を推進するため、市民、事業者の自主的、自発的な取組を支援する様々な施策が実施されています。令和2年度予算案においても、脱炭素社会の実現に向けて全国に先駆けて、2040年度温室効果ガス排出量実質ゼロを目指したチャレンジを掲げるなど、全国をリードする取組に期待したいと思います。その実現に向けた一環で、新年度には事業系古紙の分別収集による資源化を推進し、紙の原料である木材使用を抑制することで、CO2排出量の削減を図る事業系古紙の資源化推進事業が新規施策として開始されます。まずは、この事業の目的と概要について説明を求めます。
また、平成28年度の家庭からの燃えるごみの中には、4万2,000トンものリサイクル可能な燃えるごみが入っており、これら雑がみについては、同年の市民アンケートで約5割が燃えるごみとして捨てられているという現状が分かり、新聞紙、段ボールの集団回収などと併せ、雑がみ回収袋を作成するなど雑がみ回収にも力を入れています。
そこで、この5年間の家庭からの古紙の回収の現状及び雑がみの回収の実績についてお聞きします。
事業系古紙の分別収集による資源化の推進や、家庭からの古紙回収の現状をお尋ねしましたが、5年間の福岡市の市庁舎内の古紙回収の現状及び本庁舎内の古紙回収の実績をお示しください。
次に、障がい者の福岡市職員採用についてです。
令和2年度関係議案として提出された福岡市職員定数条例の一部を改正する条例案は、組織編成を行い職員の定数を定めるものであり、現行の1万6,847人から1万6,957人に110人増員するものです。まずは職員定数について、福岡市の人口1万人当たりの職員数は何人か、政令市で比較するとどうなのか、お示しください。
福岡市は人口が増加し続けているにもかかわらず、職員は少ない状況で対応しているのが現状であるとお聞きしており、必要な部局に必要な人員確保をしてもらいたいと考えます。今回の職員定数に関する一部改正条例案の概要について伺います。
また、福岡市における障がい者の雇用率はどうなっていますか。また、福岡市及び教育委員会で働いている障がいのある職員の正規職員と嘱託員の人数の内訳について伺います。
厚労省は、2019年6月時点での民間企業で働く障がい者が56万608人と16年連続で過去最多を更新したと発表しました。しかしながら一方で、国と自治体は2.5%、企業は2.2%という法定雇用率に対し、特に企業の約半数が達成しておらず、障がい者を一人も雇っていない企業は約3割にも上ります。4月に施行される改正障害者雇用促進法には、働きやすい環境づくりに取り組む優良な企業の認定制度の創出も盛り込まれています。ここで忘れてはならないのは、法定雇用率の達成が本来の目的ではなく、障がい者が能力を最大限に発揮し、適性に応じて働ける環境の整備であります。これらの点も踏まえ、福岡市としても優良企業の認定を行うなど地元民間企業に対し障がい者雇用の促進や重要性をしっかりとアピールする必要があると考えますが、所見をお聞きします。
次に、就職氷河期世代の支援についてです。
就職氷河期世代の方からの相談を受けました。現在40歳ですが、大学4年時に経済的理由で中退し、当時はバブル崩壊後の不況の真っただ中で、職を選べるような状況ではなく、アルバイトやフリーターを転々として約15年間働きました。幸いなことに、現在はやっと数年前に企業で正社員として採用されましたが、大学時代に借りた奨学金はフリーター時代には返済できない時期もあったため、元金のほかに延滞利息が発生しており、今も毎月2万5,000円近くの返済を続けられています。まだまだ完済のめども立たず、せめて奨学金の利息分だけでも考慮いただければ本当にありがたいですという大変切実な内容であり、国の問題でもあるため、早速、我が党の国会議員とも認識共有したところです。まずは就職氷河期世代の定義と背景について御説明ください。
総務省労働力調査では、いわゆる就職氷河期世代と言われる35歳から44歳の方は1,689万人で、そのうちフリーターなどの非正規雇用で働いている人が371万人、さらにそのうち正規雇用を希望しているものの不本意非正規として働いている人が50万人おられ、40万人は無業の状態だそうです。
福岡市には、この就職氷河期世代と言われる方が何人くらいいるのか、そのうち非正規雇用で働いている人は何人か、さらにそのうちで不本意非正規として働いている人は何人ぐらいいらっしゃるのか、お示しください。
以上で1回目の質問を終わり、以降の質問は自席で行います。
◯議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
◯環境局長(坂本秀和) ペーパーレスの推進についての御質問にお答えいたします。
まず、事業系古紙の資源化推進事業の目的でございますが、事業所から排出される可燃ごみには約3割、重量にして約7万トンの資源化可能な古紙が含まれていることから、環境審議会における議論などを踏まえ、さらなる資源化の推進を図るため、令和2年10月1日から事業系ごみを現行の燃えるごみ、燃えないごみの2分別から、古紙を追加した3分別へと変更することとしております。
事業内容については、3分別の要請のため、これまで行ってきた排出事業者や地場大手企業への戸別訪問のさらなる強化に加え、全ての事業者への啓発リーフレットの送付をはじめ、各種業界団体への説明会や出前講座等により制度の周知を図るとともに、業者の相談窓口を設置することとしております。また、古紙の追加に伴い、分別ボックスや古紙保管場所の設置、既存保管場所の改修等が必要となる事業者に対し、整備に係る経費の支援を新たに行うなど、分別ルールの円滑な導入に向けた取組を推進するものでございます。
次に、過去5年間の家庭からの古紙回収実績につきましては、平成26年度が3万8,095トン、27年度が3万6,537トン、28年度が3万5,372トン、29年度が3万2,516トン、30年度が3万517トンとなっております。情報の電子化による新聞等、紙類の発生量の減少などの影響により、古紙全体は減少傾向となっております。そのうち雑がみの回収実績は、平成26年度が8,350トン、27年度が8,068トン、28年度が7,526トン、29年度が6,931トン、30年度が6,525トンとなっておりますが、雑がみの認知度向上に向けた啓発を行った結果、古紙全体の回収量が減少傾向にある中、令和元年度の雑がみの回収量は前年度と同量の見込みでございます。
次に、市庁舎内の古紙回収量の推移につきましては、平成26年度が1,562トン、27年度が1,585トン、28年度が1,523トン、29年度が1,447トン、30年度が1,605トンとなっております。そのうち本庁舎からの回収量は、平成26年度及び27年度がそれぞれ333トン、28年度が343トン、29年度が334トン、30年度が314トンでございます。平成30年度から、各職場から排出されるごみ袋の展開検査や古紙が混入した袋の再分別指導を実施するとともに、令和元年度には職員研修をはじめ、職場の巡回指導を徹底した結果、令和元年度の市庁舎内古紙回収量は前年度より約62トン増加する見込みでございます。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
◯総務企画局長(小野田勝則) 障がい者の職員採用についてお答えいたします。
まず、人口当たりの職員数につきましては、各都市の特性や実施事業などが異なりますので、一概には比較できませんが、令和元年度の条例定数における福岡市の人口1万人当たりの職員数は107人で、政令指定都市の中で最少の人数となっております。
次に、職員定数条例の一部を改正する条例案の概要につきましては、職員の配置は毎年度各局の人員要求に基づき協議を行った上で、強化すべき部門には職員を増員するなど、業務の質と量に応じた適切な人員体制の整備に努めております。令和2年度につきましては、児童生徒数の増加等に伴う教職員の増員のほか、児童虐待の未然防止等のためのこども総合相談センターの体制強化や都心部における救急需要の増加に対応するための救急隊の増隊など、子どもの健全育成や市民の安全確保などに必要な組織体制を整備するため、職員定数を1万6,957人といたしまして、昨年度より110人増員するものでございます。
次に、福岡市の令和元年度の障がい者雇用率につきましては、基準日の6月1日現在で法定雇用率の2.5%を上回る2.63%となっております。また、障がいのある職員の人数につきましては、正規職員が174人、嘱託員が124人となっており、そのうち教育委員会につきましては、正規職員が48人、嘱託員が55人となっております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
◯保健福祉局長(舟越伸一) 障がい者の職員採用についての御質問にお答えをいたします。
福岡市では社会貢献優良企業の優遇制度におきまして、障がい者雇用率が法定の2倍に当たる4.4%を達成している企業に対して、市の契約発注で優先指名をするなど障がい者雇用を促進しているほか、障がい者就労支援センターが実施する企業セミナーや企業訪問を通して、障がい者雇用の理解促進に努めております。今後とも、障がい者雇用の重要性について、様々な機会を捉え啓発を行ってまいります。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 今村経済観光文化局総務・中小企業部長。
◯経済観光文化局総務・中小企業部長(今村 寛) 就職氷河期世代への支援についてお答えいたします。
いわゆる就職氷河期世代の定義でございますが、このたび国が取りまとめた就職氷河期世代支援プログラムにおいては、現在30代半ばから40代半ばに至る世代を指すもので、バブル崩壊後の雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代とされております。このような世代が生まれた背景としては、卒業時に希望する就職ができず、新卒一括採用をはじめとした流動性に乏しい雇用慣行が続いてきたことで、現在も不本意ながら不安定な仕事に就いている、または無業の状態にある、社会参加に向けた支援を必要としているなど、様々な課題に直面している方がいるものと認識しております。
次に、就職氷河期世代の方の人数につきましては、平成29年度に国が実施した就業構造基本調査によりますと、福岡市の35歳から44歳までの人口は23万5,200人となっており、そのうち非正規雇用労働者は5万5,900人となっております。また、このうち、正規雇用を望みながら非正規雇用の職に就いている、いわゆる不本意非正規雇用労働者は7,200人となっております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 高木勝利議員。
◯18番(高木勝利) まずはペーパーレスの推進についてです。
答弁によりますと、情報の電子化等により、家庭からの古紙はここ数年減少していますが、庁舎内古紙回収は増加傾向であります。全国の自治体ではペーパーレスの取組が加速していることから、大変重要な取組であると考えていましたので、我が会派議員とともに、一昨年に福島市、本年1月に東京都を訪問し、話を聞いてきました。
福島市では2018年6月から12月の7か月間で、紙削減の取組を全庁に広げるため、市役所全体で使用する紙を前年度比10%削減という目標を掲げ、ペーパーレス大作戦と銘打って実施。前年同期比からすると、結果的には7.3%削減、達成率は71%と100%はできなかったものの、コスト削減への職員の意識改革や業務の効率化につながったため、2019年度には4月から3月の通年で2017年度比10%、紙の使用量380万枚を削減することで、720万円のコスト削減を目標に掲げ取り組みました。3か月ごとの結果を職員にフィードバックし、市役所全体の目標達成状況を確認し、その都度、取組の評価と改善方法などを確認しています。その達成のため、ほぼ全ての職員にタブレット端末を配付し、各部課長会議でのペーパーレス会議を推進したところ、内部打合せで80%、庁内会議で53%、外部打合せでも13%がペーパーレス会議で実施されたとのことです。
また、東京都は都知事の都政改革ビジョンで、業務の効率化や都庁のワーク・ライフ・バランスを進める仕事改革という観点からペーパーレスを推進。コピー用紙の使用量について、2018年度は2016年度比の10%削減という目標に対し、11%削減し達成。2019年度は15%削減、さらに2020年度は20%削減目標としていたものを順調に削減が進んだことから30%削減に上方修正したにもかかわらず、達成の見込みとのことでした。このことによる効果は絶大であり、コピー用紙では、2016年度の2億205万枚が2020年度見込みでは1億4,144万枚に減少することになり、東京都の試算によれば2016年度のコピー用紙代1億3,000万円が2020年度には約9,000万円に減少、複写サービス料も2016年度の約1億6,000万円が2020年度には1億1,000万円に減少の見込みです。これは、毎年経費が削減されることになりますので、2016年度に対し17年度には980万円、18年度は3,100万円、19年度は4,300万円、20年度は8,600万円の経費削減効果が出ています。
また、ペーパーレス会議実施率では、2018年度は48%、2019年度は60%、2020年度は90%実施という目標を掲げましたが、これも達成の見込みとのことでした。
この取組には当然ICT環境の整備が必要ですが、東京都では薄型、軽量、無線LANに対応し、持ち運びに適した新TAIMSという端末に順次更新しており、今年度中には本庁舎の全職員1万人に配備できると聞きました。
さらに東京都では、2019年からペーパーレス会議実施率の目標達成のため、局長から部長までの約180人の幹部説明についてモニターやプロジェクターを活用した原則ペーパーレス化を決め、取組状況の共有や公表をすることで職員全体の意識改革を図っています。
そこで、福岡市では1年間で何枚のコピー用紙が使用されているのか、過去5年間の状況をお聞きします。
そのコピー用紙代は幾らかかったのか、5年間の推移はどうか、お聞きします。
また、コピー機や印刷機などの機器はどのくらい設置されているのか、伺います。
福岡市ではコピー機等を一括導入していると聞いていますが、年間の経費は幾らかかっているのか、お聞きします。
そして、福岡市ではコピー用紙枚数削減のためにこれまでどのような取組を実施してきたのか、伺います。
また、ペーパーレス会議を実施するに当たってのICT化の環境整備には何が必要となるのか、経費の見込額は幾らか、そのためにどのような具体的検討がされているのか、お聞きします。
環境整備には経費と時間がかかると思いますが、福岡市でもペーパーレス会議の推進に取り組む必要があると思います。まずは幹部説明から実施してはどうかと考えますが、所見を伺います。
次に、障がい者の福岡市職員採用についてです。
答弁によりますと、福岡市の障がい者雇用率は2.6%と基準を満たしていることや、障がい者雇用率が4.4%を達成している企業に対し、優遇措置も含め、社会貢献優良企業として認定する取組を実施していることも確認できました。
2018年12月、厚労省から自治体に対し、特定の障がいの種別の人に応募を限るのは障害者雇用促進法の趣旨に反するとの内容で改善を求めたこともあり、多くの政令市、都道府県、一般市町村においては、障がい者の正規職員採用は身体障がい者だけに限っていたものを、精神障がい者、知的障がい者の採用についても拡大する動きが広がっています。
先日、平成29年度採用から身体、精神、知的の3障がいの方を対象に正規職員採用を行っている静岡市を訪問し、話を聞いてきました。平成28年度採用までは身体障がい者だけに限っていましたが、障害者雇用促進法の改正を受け、障がい者への合理的配慮の観点から、精神、知的障がい者にも拡大するとともに、優秀な人材確保の観点もあり、令和元年度採用からは18歳から30歳としていた受験資格年齢を18歳から35歳までに拡大しました。あわせて、障がい者の嘱託職員採用でも毎年1回の採用選考、翌年度当初採用としていたものを、令和元年からは随時募集、年度途中採用に切り替えています。障がい者の方などから募集していますかとの問合せは多いものの、年に1回であれば、障がい者の方が応募したいというタイミングと合わず、これにより人材の損失につながってしまうからという観点でした。さらに、会計年度任用職員として、専門的な見地を持つジョブコーチ経験者などを障がい者業務支援員として採用することにより、職員として働く障がい者や配属所属先からの相談に応じるなど、障がい者の特性に合わせた支援を行うこととしています。
他の政令市では、受験資格のうち、介護者なしに職務の遂行が可能な人という要件を撤廃したり、自力により通勤や自力により職務遂行が可能な人などの要件を撤廃する動きが広がっていますが、福岡市の現状はどうなっているのか、お聞きします。
さらに、採用された障がい者からの相談や所属先からの相談に応じるためどのような配慮を行っているのか、お聞きします。
次に、就職氷河期世代の支援についてです。
先ほどの答弁で、福岡市民の就職氷河期世代の23万5,200人のうち、非正規の方が5万5,900人、そのうち7,200人の方が不本意非正規として雇用されていることが分かりました。この世代の方は非正規雇用が多く、収入が少なく、結婚や子どもを持つことも難しく、年金額にも影響するとされています。
ちょっとパネルを準備いたしました。(パネル表示)これは日本総研の資料から引用したものでございます。一番右側なんですけれども、2020年、今年の春、3月に卒業した大学生、大学院生の求人倍率というのは1.83、リーマンショック後の求人倍率が大幅に低下した2012年、1.23と比較して高水準をまだ維持しているというふうに言えます。しかしながら、ちょうどこの矢印があるところ、就職氷河期世代と言われているところ、1991年に2.86倍でありました求人倍率は、いわゆる就職氷河期世代ではバブル崩壊による不景気で急落し、2000年には0.99倍となるなど就職難となり、この時代の多くがフリーターや無職となるなど非正規雇用が増えたと言われております。
もう一枚パネルがあります。(パネル表示)連合総研の年齢層別の大学、大学院卒の月額の現金給与額の資料を引用したもので、2010年と2015年の比較でございます。就職氷河期世代の方はこの赤いところなんですけれども、その後の世代、若い世代は、2010年に25歳から29歳だった人と比べて、2015年に25歳から29歳だった人はプラス8,700円、給料がちょっと上がっています。同様に、30歳から34歳ではプラス6,400円となっています。また、就職氷河期の前の世代ですね。こちらの下のほうにあります。2010年に45歳から49歳だった人と比べ、2015年に45歳から49歳だった人はプラス2,200円、同様に、50歳から54歳ではプラス2万1,100円と、就職氷河期世代の前後の世代の方の給与は増額しています。
一方、ちょうどこの赤い部分の、まさに就職氷河期世代なんですが、2010年に35歳から39歳だった人と比べ、2015年に35歳から39歳だった人はマイナス4,300円、特にここですね、2010年に40歳から44歳だった人と比べ、2015年に40歳から44歳だった人は2万3,300円も安い給料だったということを示しております。この世代は、リーマンショック後の影響もあり、非正規雇用者も多く、昇給もなかったと指摘されているように、前後の世代と比べ、それだけ安い給料しかもらえなかったという大変厳しい現状がうかがえます。
今年1月24日、参議院代表質問での公明党山口代表は、就職氷河期世代の方への支援強化について「こうした方々は長期間厳しい現実に直面しながら奮闘されてきたことを重く受け止め、これまでの経験や能力を生かして活躍できるよう、人生100年時代を展望したキャリアアップ支援をさらに進めるべきである。本年4月からは、大企業における正社員と非正規雇用の不合理な待遇差が禁止される。この世代だけでなく、不本意非正規雇用の待遇改善を進めるべきである」と訴えました。
昨年末、政府は、就職氷河期世代に対象を絞った事業として、2022年度当初予算までの3年間で650億円を上回る財源を確保することで、この世代の正規雇用を30万人増やすと発表しています。自治体の先進的な取組を後押しする新たな交付金の創設、全国の主要なハローワークに専用窓口を設置、正社員就職に向けた短期資格等習得コースの創設、自立相談支援機関のアウトリーチの強化、職業訓練に参加する際の交通費の支給や地域活性化に資する奨学金の返済支援を可能にすることなどです。
国は新たな交付金を創設し、自治体の積極的、先進的な取組を支援するとのことですが、福岡市としての支援はどういうことが考えられるのか、お聞きします。
また、ハローワークへの専用窓口、短期資格等習得コースの創設など十分な周知が大切と考えますが、どう取り組まれるのか、お聞きします。
さらに、自立相談支援機関のアウトリーチによる個別支援は、福岡市がしっかりと取り組まなければならないと考えますが、どう取り組むのか、お示しください。
あわせて、就職氷河期世代を含めた中高年層のひきこもり対策のさらなる充実に取り組んでいただきたいと考えますが、所見を伺います。
以上で2問目を終わります。
◯議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
◯環境局長(坂本秀和) ペーパーレスの推進に関する御質問にお答えいたします。
まず、コピー用紙の使用状況の推移につきましては、購入量での把握となりますが、平成26年度が約3億1,100万枚、27年度が約3億2,100万枚、28年度が約3億2,800万枚、29年度が約3億2,400万枚、30年度が約3億3,900万枚となっております。
次に、コピー用紙の購入代金の推移につきましては、平成26年度が約1億5,900万円、27年度が約1億6,600万円、28年度が約1億5,100万円、29年度が約1億5,200万円、30年度が約1億7,200万円でございます。
最後に、コピー用紙使用量の削減に係る取組につきましては、地球温暖化対策実行計画に基づき、両面コピーや裏紙利用はもとより、印刷前の原稿確認やコピー機使用後のリセットボタンを使用したデータ削除の徹底によるミスコピーの防止をはじめ、内部文書や資料作成の簡素化、全庁OAや情報ネットワークの活用によるデータ共有の推進などに取り組んでおります。また、環境調整会議等において、毎年度、全庁のコピー用紙使用状況の進行管理を行うとともに、各局等の模範となる取組事例の共有を図っております。さらに令和元年度からは、各局、区、室のごみ減量等推進者を対象とした実務研修も新たに開始し、コピー用紙使用量の削減に向けて意識の向上などを図っております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
◯総務企画局長(小野田勝則) ペーパーレスの推進についてお答えいたします。
初めに、複写機等の設置台数につきましては、令和元年度の実績でコピー機が754台、プリンターが806台、高速印刷機が4台、合計で1,564台となっております。
次に、複写機等の一括導入につきましては、平成30年度の決算でコピー機が494台、高速印刷機が4台となっており、年間経費は約1億1,700万円となっております。
次に、ペーパーレス会議につきましては、庁内LAN環境でペーパーレス会議を行う場合は、パソコン、プロジェクター、スクリーンなどのOA機器が必要であり、ワンセット当たりおおむね40万円程度が必要となります。また、所属や局を超えて全庁的にペーパーレス会議を行う場合は、セキュリティーを確保した無線LAN環境の構築が必要で、本庁舎、区役所、出張所のネットワーク整備費用として約3億5,000万円の経費が必要であると見込んでおります。なお、全職員が所属や局を超えて横断的にペーパーレス会議に参加するためには、現在職員に配備しておりますデスクトップ型パソコンを無線LAN対応の携帯型パソコンに切り替える必要がありますが、機器の更新時に合わせて計画的な切替えを検討してまいりたいと考えております。
次に、高木議員御提案のペーパーレス会議の取組につきましては、令和元年度から総務企画局にパソコン、プロジェクター、スクリーンを設置し、ペーパーレス会議に取り組んでまいりましたが、会議資料の印刷が不要であるため、会議の準備が簡素化され、また、会議の時間も短縮されるなど効果が認められたことから、令和2年度は本庁各局への配備を進めていきたいと考えております。
また、全庁的なペーパーレスの取組として、令和元年度は文書管理システムを活用して、従来の印鑑で行う紙での決裁を、いわゆる判こレスの電子決裁に切り替えており、法令等により押印を義務づけられている書類などを除いた電子決裁率は、おおむね100%を達成しております。
次に、障がい者の職員採用についてお答えいたします。
まず、福岡市における障がいのある方の採用試験の受験資格につきましては、これまで年齢要件に加え、障害者手帳を有していること、自力での通勤ができること、介助者なしで職務の遂行が可能なことを要件としておりましたが、令和元年度から自力での通勤ができること及び介助者なしで職務の遂行が可能なことの2つの要件を廃止し、受験資格を拡大しております。
次に、障がいのある職員からの相談につきましては、平成30年度から生活リズムの構築や業務指導、職場定着のためのサポートを行うジョブコーチを任用しておりまして、このジョブコーチが障がいのある職員を配置している所属を巡回し、本人との面談や所属への助言を行うなど、障がいのある職員が働きやすい、より活躍できる職場環境づくりに努めております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 今村経済観光文化局総務・中小企業部長。
◯経済観光文化局総務・中小企業部長(今村 寛) 就職氷河期世代の支援につきましては、福岡市では従来より各区の就労相談窓口において、正規雇用希望など求職者の多様な働き方のニーズに合わせた就職支援を行っているところでございます。
このたび、国が取りまとめた就職氷河期世代支援プログラムを受け、新たな取組として、国、県、経済団体などの関係機関とともに令和元年12月に立ち上げた、ふくおかプラットフォームにおいて、関係局とも連携し、就職氷河期世代の支援に取り組んでまいります。
次に、議員御指摘のハローワークへの専門窓口や短期資格等習得コースの創設につきましては、国が実施することになっており、その周知につきましては、このふくおかプラットフォームに参画する関係機関と連携して取り組んでまいります。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
◯保健福祉局長(舟越伸一) 就職氷河期世代の支援についての御質問にお答えをいたします。
まず、不安定な就労状態にあり、生活にお困りの方につきましては、生活困窮者の相談窓口である福岡市生活自立支援センターにおいて、個別支援を行っております。同センターでは、電話予約の際に、体調不良やひきこもり等により来所が困難な方に対しましては、自宅や公的施設等に相談支援員が出向いて相談を受けるアウトリーチ支援を行っており、今後とも、支援の充実を図ってまいります。
次に、中高年層のひきこもり対策につきましては、ひきこもりの長期化により、本人や家族が抱える課題が複雑化することが懸念されることから、早い段階で支援につなげることが重要と考えております。このため、地域包括支援センターや障がい者基幹相談支援センターなど地域の身近な相談機関と連携して実態把握に努めますとともに、関係機関や家族にひきこもり支援ガイドブックを配付するなど、ひきこもり相談窓口のさらなる周知を図ってまいります。また、中高年層のひきこもりの方が抱える課題に応じて、就労支援機関などの関係機関とも連携をしながら、多面的な支援のさらなる充実に努めてまいります。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 高木勝利議員。
◯18番(高木勝利) まずはペーパーレスの推進についてです。
所管局をどこまで含めたのかという違いもあり、単純比較はできませんが、東京都では2020年度のコピー用紙使用枚数は削減努力により約1億4,000万枚に減少の見込みであるのに対し、福岡市では近年、約3億3,000万枚が使用されています。また、その用紙代、印刷機器代、複写サービス代など多くの経費もかかっています。また、東京都からは、ペーパーレス化を進めるに当たり、印刷、修正、再印刷など、職員の皆さんの労働時間などの人件費削減効果が大変大きいとお聞きしました。本日御紹介させていただいたほかにも、さいたま市でも効率的な会議を実施するためタブレットを使ったペーパーレス会議を平成26年から導入しているほか、広島市、岡山市、那覇市、別府市など自治体の取組が広がっています。
ペーパーレス化には課題としては、タブレットなどの導入時のコスト、個人情報などの情報漏えい防止のセキュリティー対策も必要と思います。しかしながら、ペーパーレス化によるメリットは大変大きく、プリンター、コピー機の台数削減、用紙、インク、トナー、電気代など行政コストの削減、保管スペースの削減や有効活用、賃料などオフィスコスト削減、紙で保存するための什器購入費削減、廃棄費用の削減などにつながります。さらには、行政や職員の皆さんの業務効率化や高質化、人件費の削減、在宅勤務の推進やテレワークの推進にも効果があるとともに、CO2排出量削減の環境負荷低減に寄与することから、持続可能な開発目標、いわゆるSDGsにも貢献できるのではないでしょうか。さらに、新型コロナウイルスの感染予防対策として、企業などでは在宅勤務に切り替えるなどの対応が始まっており、福岡市としても今後の危機管理対応強化の一環として、在宅勤務などのテレワークへの環境整備を強化すべきと考えます。
一昨日の公明党代表質疑では、髙島市長からタブレットなどOA機器を活用したペーパーレス会議について検討すると答弁を頂きました。福岡市でもコピー用紙の削減やペーパーレス会議などの目標を設定し、ペーパーレス化の取組をぜひ加速させていただきたいと考えますが、髙島市長の御所見を伺います。
次に、障がい者の福岡市職員採用についてです。
先ほどの御答弁では、福岡市でも受験資格となっていた介護者なしの職務遂行や自力通勤などが今年度採用試験から削除され、職場定着をサポートするジョブコーチも昨年度から任用されており、障がい者の方への配慮に取り組まれていると理解いたします。
私は2017年10月の決算特別委員会において、市民の方からの御相談を受けた療育手帳を持つ子どもの就職の件、脳梗塞などが原因で精神障がいの一つとされる高次脳機能障がいの人からの就職の件を紹介し、現在身体障がい者だけである福岡市正規職員採用を精神、知的障がい者にも拡大すべき、受験年齢も拡大すべきと提案しました。当時の局長からは、精神障がい者や知的障がい者の正規職員としての採用拡大などについては、これまでの嘱託員としての就労に伴う課題等を検証しながら検討を進めていくという答弁内容でした。
今回の我が会派の代表質疑に対する答弁では、障がい者の正規職員採用の受験資格を見直すとお答えいただきましたが、具体的な見直しの内容について伺います。
また、他都市で実施している正規職員の年齢要件の拡大、次年度から会計年度任用職員ということになるかと思いますが、現行の嘱託員における随時募集、年度途中採用について所見を伺います。
多様性を認め合い生かしていくことが社会の持続的な発展には欠かせないというのが国際社会の共通認識であり、この点からも障がい者雇用の促進は重要であると考えます。
この項目の最後に、福岡市でも障がいのある人の自立や社会参加、障がいの有無によって分け隔てられることのない共生社会を実現させてほしいと考えますが、髙島市長の御決意を伺います。
最後に、就職氷河期世代の支援についてです。
先ほどの答弁では、福岡市としてもふくおかプラットフォームに参画するなど正規雇用に向けた就職支援、ひきこもり状態の方などへのアウトリーチ支援、ひきこもり支援ガイドブック作成などの対策が進められています。
昨年12月、指定都市市長会において、就職氷河期世代の雇用確保促進に向けた指定都市市長会共同宣言が行われました。「一部の地方自治体でも就職氷河期世代への支援を実施するなど取組が始まっているが、地域活性化等も勘案しつつ、圏域の中核として地域を牽引する指定都市が就職氷河期世代への支援に取り組むことで、民間企業や周辺自治体に大きなインパクトを与え、全国でその取組を加速させることが期待できる。よって、指定都市は地域の実情に応じ、就職氷河期世代への支援を行っていくことを宣言する」というものです。
先ほどの身体障がい者の正規職員採用に精神、知的障がい者の方を加えることと同様に、福岡市でも就職氷河期世代の正規職員採用で特別枠を設けるなど、まずは門戸を開き、民間企業などに対しても範を示すことが重要であると考えます。
就職氷河期世代に対する福岡市正規職員採用を実施すべきと考えますが、所見を伺います。
最後に、就職氷河期世代の支援強化について、髙島市長の御所見を伺い、質問を終わります。
◯議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
◯総務企画局長(小野田勝則) 障がい者の職員採用についてお答えいたします。
障がいのある方を対象とした正規職員の採用試験につきましては、これまでの身体障がいのある方に加え、令和2年度から知的障がいのある方や精神障がいのある方についても採用試験を受験できるように見直しをしております。
正規職員における年齢要件の拡大、会計年度任用職員の随時募集や中途採用につきましては、今後、実施に向けて検討してまいります。
次に、就職氷河期世代の支援についてお答えいたします。
就職氷河期世代を対象とした正規職員の採用につきましては、令和2年度中の試験実施に向け、人事委員会とも協議しながら検討を進めてまいります。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 髙島市長。
◯市長(髙島宗一郎) 福岡市におきましては、地球温暖化対策実行計画に基づき、令和4年度のコピー用紙使用量の目標達成に向け全庁で取り組みますとともに、行政手続や市民サービスのデジタル化、オンライン化によって、市民の利便性の向上や業務の効率性、生産性を高めるスマート行政を推進し、行政のペーパーレス化に取り組んでいるところでございます。
高木議員御指摘のとおり、ペーパーレスの推進は経費の削減をはじめ、業務の効率化や働き方改革につながるとともに、脱炭素社会の実現にも寄与するものであり、さらには今般の新型コロナウイルスなどの感染予防対策として、テレワークなどの環境整備にも役立つものと考えております。今後とも、電子決裁や電子申請によるデジタル化などを推進するとともに、タブレットなどOA機器の活用によるペーパーレス会議の手法の検討など、ペーパーレス化の取組を加速させてまいります。
福岡市では平成31年1月に障がい者差別解消条例を施行し、障がいのある人もない人も相互に人格と個性を尊重し合いながら共に生きるまちづくりを進めております。御指摘のとおり、障がいのある方が能力を最大限発揮し、適性に応じて働ける環境を整備していくことは、自立や社会参加促進の観点から大変重要であり、障がい者就労支援センターにおいて個別の就労支援や企業の職場開拓を進めるとともに、社会貢献優良企業制度の活用などにより、障がい者雇用の拡大に取り組んでいるところでございます。今後とも、「みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサル都市・福岡」の実現に向け、障がいの有無にかかわらず、全ての人にとって暮らしやすいまちとなるように取り組んでまいります。
いわゆる就職氷河期世代への支援につきましては、対象となる方々の状況に応じた多様で広範な取組が必要とされ、個人やその家族だけでなく、社会全体で受け止めるべき重要な課題だと認識をしております。
福岡市におきましては、これまでに求職者の多様なニーズに合わせた就職支援、就労が不安定で生活がお困りの方に対する生活自立支援、本人や家族に寄り添ったひきこもり支援などに取り組んでまいりましたが、今後は国が取りまとめた就職氷河期世代支援プログラムに基づき、関係機関とも連携をし、様々な観点から総合的な支援にしっかりと取り組んでまいります。以上です。