◯12番(勝山信吾)登壇 お疲れさまです。本日の質問の最後のバッターになります。公明党の勝山信吾でございます。私は公明党福岡市議団を代表して、市政情報の積極的な発信について、高齢者を住宅火災から守るための対策の拡充について、被災者に対する住宅支援について質問させていただきます。
初めに、市政情報の積極的な発信についてお伺いいたします。
市税収入が6年連続最高を更新するなど、福岡市は勢いのある元気な都市として認識していますが、自分たちが納めた税金が適正に使われているのか知る機会が少ない、市の財政状況や今後の課題がわからないとの市民からの声が私のもとに届きました。また、一般の市政の情報をもっと知りたい、市政だよりにも目を通すが、知りたい情報が記載されていないこともあり、どこで情報を入手すればいいのかわからないとの声を伺うケースも少なくありません。市民に財政状況はもとより、あらゆる市政情報をわかりやすく積極的に発信することで、本市が目指す重点施策や財政情報などが市民にしっかり伝わり、理解を広げ、信頼を深めることができます。
そこで、本市では市民に対し、市政情報についてどのような情報発信を行っているのか、情報発信の手法やツール、発信時期などについてお伺いいたします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
◯議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
◯総務企画局長(小野田勝則) 市政情報につきましては、市政だよりとホームページを基本に、テレビ、新聞を初め、インターネットによる動画配信やSNS等の多様な広報媒体を効果的に組み合わせて市民へ提供するとともに、報道機関への情報提供などを通じて発信しております。市民に情報を発信する時期につきましては、事業やイベントなどの実施状況に合わせて市民が情報を必要とするタイミングを勘案し、事業担当課と協議の上、決定しております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) また、財政情報は市民の関心も高く、わかりやすく市民に伝える必要があると考えます。
財政状況について市民にどのように情報を発信しているのか、発信時期や冊数、配布方法を含めた情報発信の具体的な取り組みについてお伺いいたします。
◯議長(阿部真之助) 松本財政局長。
◯財政局長(松本典久) 福岡市では4月の市政だよりで新年度当初予算の内容を市民にわかりやすくお知らせしているほか、ふくおかしの家計簿を作成し、本庁舎や各区役所、出張所などで約1,700部を配布しております。また、決算につきましても、財政のあらましを10月ごろに作成し、本庁舎や各区役所、出張所などで約200部を配布しております。さらに、これらの内容を市のホームページに掲載し、ダウンロードできるようにしているところでございます。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) ふくおかしの家計簿、財政のあらましを発行しているとのことですが、恥ずかしながら私は議員になって初めて、これらの説明資料を目にいたしました。とてもわかりやすくまとめられており、一人でも多くの市民に手にとってほしいと思っております。
市政情報に話は戻しますが、先ほどの答弁でホームページの情報発信もあるとのことでしたが、閲覧件数が多く、市民の関心が高い主な内容は何かをお示しください。
◯議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
◯総務企画局長(小野田勝則) 福岡市ホームページにつきましては、ごみに関する情報、福岡市関連ダムの貯水率等の情報やお出かけ情報などのページのアクセス数が年間を通して多くなっておりますが、大雨や台風接近時には災害に関するページの、大規模なイベント時にはその関連ページのアクセス数が多くなるなど、時期やその時々の状況により市民の関心が高いと思われる内容は異なっております。例えば、ことしの10月はラグビーワールドカップの情報、浸水ハザードマップなどのページのアクセス数が目立って多くなっておりました。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 10月にはラグビーワールドカップの情報とともに、浸水ハザードマップなどのアクセスが多かったとのことです。ことしの台風19号で河川が氾濫したニュースを見て、自分の住むエリアを浸水ハザードマップで確認したいと思った市民も多いのではないかと思います。私のもとにも、どこでもらえるのかという問い合わせも数件ございました。
そこで、伺いますが、浸水ハザードマップについて、最新のものはいつごろ作成され、各戸に配布されたのか、詳細をお伺いします。また、ハザードマップに関する問い合わせが本市でもあったと思いますが、そのような場合、区役所等で個人に再配布できる体制は整っているのか、お伺いいたします。
◯議長(阿部真之助) 下川市民局長。
◯市民局長(下川祥二) 浸水ハザードマップにつきましては、平成23年6月に作成し、市内の全世帯へ約77万4,000部を配布いたしており、現在は市役所1階の情報プラザのほか、各区役所防災担当課や情報コーナーにおいてどなたでも入手できるようにするとともに、市ホームページにも掲載し、いつでも確認、印刷することができるようにしております。また、市民の皆様が必要なときに必要な情報をスマートフォン等により確認でき、複数の災害リスクを重ね合わせて表示することや、任意の場所を拡大し印刷することも可能な総合ハザードマップを平成31年3月より配信いたしております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) ホームページなどで検索できることはわかりました。
近年のスマートフォンの普及率、保有率は高く、スマートフォンを巧みに操作する人も多くなりました。全てを依存することのよしあしはあるにせよ、情報ツールとして使わない手はないと思います。
福岡市ではLINEを活用してごみ出し日に関する情報提供などを行っていますが、現在、LINEを活用してどのような情報発信を行っているのか、お伺いします。
◯議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
◯総務企画局長(小野田勝則) LINEを活用した情報発信につきましては、福岡市LINE公式アカウントに友達登録した利用者に対し、防災、ごみの日、子育て、防犯・交通安全、市政だより、お知らせの6つのカテゴリーの中から利用者が配信を希望する情報をタイムリーに発信しております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) スマートフォンの利用者はLINE以外のSNSも利用していると思いますが、現在、市の情報発信においてどのように活用しているのか、また今後、スマートフォンを活用した効果的な情報の発信についてどのように考えているのか、所見をお伺いします。
◯議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
◯総務企画局長(小野田勝則) スマートフォンの利用者に向けた情報発信につきましては、現在、LINEを活用した情報発信以外にも、ツイッターを活用したイベント情報や防災情報などの発信や、フェイスブック、インスタグラムなどを活用した市政情報の発信も行っております。今後も発信する情報の内容に応じて使用する媒体を使い分け、それぞれの媒体の利用者層などの特性に合わせた効果的な情報発信に取り組んでまいります。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 引き続きスマートフォンなどの便利な機能やSNSを活用し、その特性を生かして、タイムリーできめ細かな情報発信をしてもらいたいと思います。
一方、スマートフォンやパソコンなどより、紙媒体での情報を求める人も多いのが実態です。私は対面でやりとりしながら市民が求める情報を提供でき、そこに行けば知りたい情報が手に入るというワンストップの場所が求められていると思います。
そこで、本市には対面で対応し、情報を提供する場所の一つとして情報プラザがあります。この情報プラザの概要についてお伺いいたします。
◯議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
◯総務企画局長(小野田勝則) 市役所本庁舎1階ロビーに開設しております福岡市情報プラザでは、市民生活にかかわりが深い市政情報や文化、スポーツ・レクリエーションなどの情報をチラシやパンフレットとして提供するほか、本庁舎の利用案内や本市刊行物の有償頒布などを行っており、年間の来館者数は約32万人、1日当たり約880人の方が利用されております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 本庁舎の情報プラザは私も利用しますが、大変便利です。
住民にとって一番身近な各区役所ではどのようにしているのか、お伺いいたします。
◯議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
◯総務企画局長(小野田勝則) 各区役所におきましては情報コーナーを設けており、市政情報に関するチラシやパンフレットなどを配架し、市民に提供しております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 各区役所の情報コーナーと本庁舎の情報プラザを比較して、各種チラシ、パンフレットの種類など情報量に違いはありますでしょうか、お示しください。
◯議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
◯総務企画局長(小野田勝則) 各事業担当課で広報印刷物等を発行した場合は、情報プラザのほか、各区役所にも送付し、市政情報の提供に努めております。各区役所におきましては区に特化した情報も提供しており、情報量の単純な比較はできませんが、区役所の1階には市民課などの利用者が多い窓口を設置しておりますので、その中で限られたスペースを有効に活用し、できるだけ多くの情報を提供できるよう各区で工夫してチラシなどを配架しております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 先週、東区役所を見てまいりましたが、柱の周りにぐるりと各種チラシやパンフレットが置かれ、決して目につきやすい場所ではございませんでした。また、知人から伺った話だと、知りたい情報があり尋ねると担当の窓口を案内されたり、複数の情報を入手したいときは結果的に何カ所も足を運ぶことになったとのことでした。先日、さいたま市役所を視察させていただいた折、同建物に入っている浦和区役所の浦和区情報公開コーナーに案内され、話を伺うことができました。さいたま市は区ごとに情報公開コーナーを設置しており、1日約50名の方が利用されているそうです。そこには市、区の情報チラシ、市政だより、各区のハザードマップも設置され、皆さん自由に持ち帰ることができます。また、市の総合計画や各種議事録なども閲覧可能で、その場でコピーをすることもできます。専用タブレット端末も設置され、窓口職員の方が来室者の方への助言や対応を行っていました。さらに、各区で情報公開請求の手続をすることもできるとのことでした。
私は市民が知りたくなった市政情報はここに行けば入手できるという情報プラザ機能を各区役所に拡充すべきだと思いますが、所見をお伺いいたします。
◯議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
◯総務企画局長(小野田勝則) 市民に身近な区役所における市政情報の提供は大変重要と考えており、どのような情報提供のあり方が望ましいか、区役所とともに検討してまいります。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) また、区役所だけに限らず、東区のなみきスクエアなど、区役所から遠い地域の住民向けにも市のさまざまな施設で、情報発信、情報提供の場として活用し、市民の皆様に情報がすぐに届けられるよう市の情報提供を一層充実させてほしいと思います。
福岡市は発信力のすぐれた都市であると評価されていますが、私は市長の発信力が大きな要素の一つであると感じています。本市の発信情報が市民に確実に届くことは重要です。あらゆる媒体、技術を活用し、広い世代の市民や地域に届くような効果的かつ積極的な情報発信について高島市長の所見をお伺いし、この質問を終わります。
◯議長(阿部真之助) 高島市長。
◯市長(高島宗一郎) 市政の推進に当たりましては、まちづくりの主役である市民との共働が基本でありまして、そのためには市政に関する情報をわかりやすく発信して、そして、市民の納得や共感を得られるように努めていくことが重要であるというふうに考えています。例えば、市長就任後、すぐに広報戦略室を設置いたしまして、動画配信ですとかSNSを使った広報、また、定例会見でもフリップボードを使うとか、こうした市民に伝わりやすい情報発信に積極的に取り組みますとともに、職員一人一人の広報意識の向上にも力を入れてきたところでございます。今後とも、福岡市のさまざまな情報が年代や、また、お住まい、地域にかかわらず幅広く届くように、市政だよりですとかホームページ、また、LINEやツイッターといったSNSを初め、さまざまな広報媒体や手法を効果的に組み合わせながら積極的な情報発信に取り組んでまいります。以上です。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 次に、高齢者を住宅火災から守るための対策の充実についてお伺いいたします。
年末年始に向けて空気が乾燥し、暖房器具など火気を扱う機会も多くなり、火災が発生しやすい時期になります。この時期は特に火災の発生を防ぐことが重要になります。
そこで、平成16年の改正消防法により、本市では平成18年6月1日から新築住宅に、平成21年6月1日から既存住宅に住宅用火災警報器の設置が義務化されました。その改正理由を教えてください。
◯議長(阿部真之助) 山下消防局長。
◯消防局長(山下周成) 平成16年に住宅用火災警報器の設置が義務化された理由でございますが、総務省消防庁の諮問機関であります消防審議会の平成15年の答申におきまして、全国の住宅火災における死者が急増し、死に至った理由の多くが逃げおくれによるものであったことを踏まえ、火災の早期発見、早期避難に有効な住宅用火災警報器の設置を法制度化する必要があるとされたことなどから消防法が改正されたものでございます。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 火災で死に至った多くが逃げおくれによるものとのことです。
それでは、現在の本市の住宅用火災警報器の設置率をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 山下消防局長。
◯消防局長(山下周成) 福岡市における住宅用火災警報器の設置率につきましては、令和元年6月1日現在で90.2%となっております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 住宅火災件数と住宅火災による死者数について、設置義務化された平成19年と平成30年の推移と増減割合をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 山下消防局長。
◯消防局長(山下周成) 福岡市における住宅火災の件数と死者数の平成19年と30年の推移と増減割合につきましては、住宅火災の件数は平成19年の205件に対しまして30年は131件で74件の減少、割合といたしましては36.1%の減少となっております。また、住宅火災による死者数につきましては、平成19年の10人に対しまして30年は8人で2人の減少、割合といたしましては20%の減少となっております。
なお、この数値につきましては、放火自殺によるものを除いております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 設置率は90.2%、義務化されたここ約10年間で住宅火災は74件減少していますが、住宅火災の減少の要因をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 山下消防局長。
◯消防局長(山下周成) 住宅火災の減少の要因につきましては、近年、各家庭に住宅用火災警報器や安全装置つきこんろが普及してきたことが要因と考えております。住宅用火災警報器が煙などを早期に感知して鳴動し、火災を未然に防ぐことができたことや、安全装置つきこんろが異常な加熱をセンサーで感知し、自動消火により火災を未然に防ぐことができたことなどにより住宅火災が減少してきたものと考えられます。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) ここで住宅用火災警報器の効果についてお伺いします。
住宅用火災警報器を設置している場合と設置していない場合の死者数、焼損床面積、損害額の比較をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 山下消防局長。
◯消防局長(山下周成) 福岡市における住宅用火災警報器を設置している場合と設置していない場合の死者数などの比較につきましては、平成19年以降の火災統計をもとに比較いたしますと、死者数につきましては、設置している場合の8人に対しまして、設置していない場合は14人となっております。火災1件当たりの焼損床面積につきましては、設置している場合の9.27平方メートルに対しまして、設置していない場合は12.51平方メートルとなっております。火災1件当たりの損害額につきましては、設置している場合の79万7,580円に対しまして、設置していない場合は113万3,380円となっております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 平成18年度から消防本部が認知している住宅用火災警報器が作動したことによって功を奏した、いわゆる奏功事案の件数をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 山下消防局長。
◯消防局長(山下周成) 福岡市における平成18年度から認知しております奏功事例につきましては290件でございます。
なお、この290件以外にも、例えば、鍋をこんろにかけ、点火放置し、住宅用火災警報器が鳴動したことにより火災を初期の段階で未然に防ぐことができ、119番通報をするまでに至らなかった事案なども多数あると推測しております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) お示しいただいたように、住宅用火災警報器を設置している住宅のほうが死者数、焼損床面積、損害額ともに少ないのがわかりました。また、ぼやや部分焼で済んだり、火災に至らなかった奏功事案が290件と、住宅用火災警報器の設置効果が高いこともわかります。
ここで本市の住宅用火災警報器の設置率向上のためのこれまでの取り組みをお伺いいたします。
◯議長(阿部真之助) 山下消防局長。
◯消防局長(山下周成) 福岡市における住宅用火災警報器の設置率向上のためのこれまでの取り組みにつきましては、市政だよりを初め、テレビやラジオなど各種メディア等を活用した広報や、イベントなどにおける消防音楽隊による広報のほか、出前講座や防災訓練での市民への啓発、保健福祉局が行う助成制度の周知など、あらゆる機会を捉えて普及啓発活動に取り組んでまいりました。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 普及啓発活動を実施されているとのことですが、まだ1割は設置されておりません。
そこで、住宅用火災警報器の設置状況を掌握するための調査などを行っているのか、教えてください。
◯議長(阿部真之助) 山下消防局長。
◯消防局長(山下周成) 福岡市における住宅用火災警報器の設置状況の調査につきましては、毎年度、無作為抽出による戸別訪問を初め、郵送による市政アンケートや来庁者へのアンケートなど、合わせて1,700件の調査を実施いたしております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) それでは、住宅用火災警報器の未設置の主な理由について教えてください。
◯議長(阿部真之助) 山下消防局長。
◯消防局長(山下周成) 住宅用火災警報器の未設置の主な理由につきましては、先ほど答弁いたしました各種アンケート調査の集計によりますと、設置が義務であることを知らなかったや、取りつける場所を知らなかった、また、取りつける方法がわからないであるとか、どこで販売しているか知らないなどの理由が挙げられております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 未設置の理由は、取りつける場所を知らない、取りつける方法がわからないなど、さまざまですが、設置率向上のためには未設置のお宅がどこなのかを知る必要があります。未設置先は掌握しているのでしょうか、お尋ねいたします。
◯議長(阿部真之助) 山下消防局長。
◯消防局長(山下周成) 住宅用火災警報器の未設置先の掌握についてでございますが、個人住宅への立ち入りは、消防法において特に緊急の必要がある場合でなければ消防職員は立ち入ることができないなどと規定されていることや、設置しなければならない場所が主に寝室であり、個人のプライバシーも考慮する必要があることから、戸別の設置確認は非常に困難であり、未設置世帯は掌握していないところでございます。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 消防法に基づき、プライバシーの保護も考慮し、未設置世帯は掌握していないとのことです。掌握するための調査についても、アンケート調査や戸別訪問調査は行っているとの御答弁でしたが、いずれも無作為による調査で、一番肝心な未設置世帯を掌握することはできません。設置率向上に当たり、未設置先を掌握することが効果的に設置を進めるために必要なことだと思います。火災の早期発見につながり、被害縮減に大きな効果のある住宅用火災警報器の設置は今後も粘り強く取り組む必要があります。
そこで、お尋ねいたしますが、本市の住宅用火災警報器の設置率向上に対する今後の取り組みをお答えください。
◯議長(阿部真之助) 山下消防局長。
◯消防局長(山下周成) 住宅用火災警報器の設置率向上に向けた今後の取り組みにつきましては、従来の取り組みに加え、今年度、市内の全ての151校区、地区の自治協議会の定例会等におきまして、約2,300人の自治会長、町内会長に対し、消防職員が直接その周知、啓発を初めて実施したところであり、今後は町内会などに対して取り組んでまいります。また、福岡市域のみならず、県域全体での広報を有効に行うため、県内全ての消防本部に協力依頼を行い、県内一斉住宅用火災警報器普及啓発キャンペーンを今年度初めて実施し、普及啓発活動の充実強化を図ったところでございまして、この取り組みについては来年度以降も継続して実施していくことといたしております。今後も引き続きあらゆる機会を捉えて、その設置促進や点検、維持管理につきまして普及啓発活動を実施してまいります。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) この質問に当たり、先日、住宅用火災警報器の設置率向上に熱心に取り組んでいる愛知県の豊橋市にお話を伺ってまいりました。豊橋市の住宅用火災警報器の設置率は86.7%で、昨年より0.6ポイントアップしているものの、今後、設置率を上げることは非常に難しいと感じていたとのことでした。そこでまず、木造住宅が密集し、より火災危険の高い地域を選び、その地域の中で、避難に時間を要する65歳以上の高齢者を対象に絞り込みを行ったそうです。また、調査を開始するに当たり、消防職員のみで正確な設置状況の調査は難しいと判断し、地域包括支援センターとの連携により、対象地域及び対象世帯の住宅用火災警報器の設置状況の掌握に取り組まれたそうです。そして、事前に地域包括支援センターの職員にこの取り組みの趣旨を丁寧に説明し、センター長の理解も得て、現在、密に連携をとり合いながら住宅用火災警報器の設置状況の掌握と実際の取りつけに取り組んでいらっしゃいます。結果、ことし10月から設置状況の調査を開始し、現在5軒のお宅に住宅用火災警報器の設置を実際に行うことができ、高齢者の方たちからも、取りつけまでしてくれてとてもありがたかったと笑顔で話されていたそうです。
そこで、本市の高齢者がいる世帯とひとり暮らしの高齢者世帯の数と全世帯に占める割合をお示しください。また、団塊の世代が75歳以上となる令和7年の推計をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
◯保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者がいる世帯及びひとり暮らしの高齢者世帯の数と全世帯に対する割合につきましては、平成27年の国勢調査によりますと、高齢者がいる世帯が21万1,316世帯で27.7%、ひとり暮らしの高齢者世帯が8万32世帯で10.5%となっております。また、令和7年の推計につきましては、福岡市の将来人口推計によりますと、高齢者がいる世帯が27万400世帯で32.5%、ひとり暮らしの高齢者世帯が11万9,200世帯で14.3%と見込んでおります。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) お示しいただいたように、本市において団塊の世代が75歳以上となる令和7年には高齢者世帯数が約6万世帯も増加し、今後も増加が予測されます。
それでは、住宅火災の死者に占める65歳以上の高齢者の割合を過去5年分お示しください。
◯議長(阿部真之助) 山下消防局長。
◯消防局長(山下周成) 福岡市における過去5年間の住宅火災の死者に占める65歳以上の高齢者の割合につきましては、住宅火災による死者計28人のうち65歳以上の高齢者は18人で、その割合は64.3%となっております。
なお、この数値は放火自殺によるものを除いております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 住宅火災による死者のうち高齢者は64.3%と高い割合にあります。
そこで、本市も特に高齢者における住宅用火災警報器の設置率向上のため、地域包括支援センターなどとの連携により住宅用火災警報器のさらなる啓発、掌握に取り組まれてはいかがでしょうか、所見をお伺いします。
◯議長(阿部真之助) 山下消防局長。
◯消防局長(山下周成) 地域包括支援センターなどとの連携による住宅用火災警報器のさらなる啓発、掌握の取り組みにつきましては、高齢者の住宅防火対策のため、昨年度から新たに各行政区の地域包括支援センターの連絡会議におきまして、消防職員が地域包括支援センターの職員に対して防火講話を実施し、高齢者と接する機会を捉えて防火啓発を行っていただくよう御協力をいただいているところでございます。今後も保健福祉局が行う助成制度の周知を初め、高齢者と接する機会を捉えて、その設置や維持管理、火災予防の啓発等を行っていただけるよう地域包括支援センターとの連携を強化してまいりたいと考えております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 先ほど地域包括支援センターとの連携により、高齢者宅に住宅用火災警報器を設置できたと豊橋市の取り組みを紹介させていただきました。実はこの高齢者宅に設置された住宅用火災警報器は、もともと市営住宅に設置されていたリユースの住宅用火災警報器です。処分される住宅用火災警報器は市の保有する大切な財産との観点から、何か有効活用ができないのかと検討の結果、豊橋市消防本部が中心となって、全国で初めて住宅用火災警報器の再利用事業に取り組まれたとのことでした。まさしく地域包括支援センターとの連携と住宅用火災警報器の再利用事業をマッチングさせた事業だと感じました。さまざまな工夫で住宅用火災警報器の設置が高まれば、それだけとうとい命を守ることができるようになります。既存の制度と新たな発想のマッチングなど、既成概念にとらわれることなく、幅広く柔軟な取り組みが今後さらに求められることだと思います。
この質問の最後に、住宅火災から高齢者を初めとした市民を守る対策の充実について高島市長に所見と御決意をお伺いいたします。
◯議長(阿部真之助) 高島市長。
◯市長(高島宗一郎) 近年、住宅火災は減少傾向にはありますけれども、依然として住宅火災により亡くなられる方が発生しておりまして、しかも、その多くが高齢者であるという現状は大変憂慮をしています。高齢者を初め、市民の皆様の生命、身体、財産を住宅火災から守るためには、高齢者に対する助成制度の活用や住宅用火災警報器の設置の促進などのハード面と、また、火災予防広報や出前講座を通じた防火意識の醸成などのソフト面の両面の充実強化が重要であるというふうに考えています。勝山議員の御質問のとおり、今後も高齢者世帯数の増加などの状況を踏まえまして、従前からの取り組みに加えて、既成概念にとらわれない新たな発想やさまざまな工夫によってさらなる普及啓発活動に取り組む必要性があるというふうに考えます。今後とも、さらに関係機関が連携、協力をして、高齢者を住宅火災から守るための対策の充実に努めてまいります。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 次に、被災者に対する住宅支援について質問させていただきます。
近年、地震だけではなく、大規模化、頻発化する台風や局地的な豪雨など、日本各地で多くの災害が発生しており、今後もさらに大規模な災害が起こる可能性もあります。また、大規模な災害が起こると、災害規模に比例して多くの被災者が住むところを失い、応急的、一時的な住まいにおける生活の長期化が想定されます。これらの状況に的確に対応し、被災者の住まいを迅速に確保することが被災者の生活再建を円滑に進めるための第一歩となります。
そこで、ことしの台風15号、19号の人的被害と住宅被害の数をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 下川市民局長。
◯市民局長(下川祥二) 台風第15号における人的被害、住家被害につきましては、消防庁によりますと、死者1人、重傷13人、軽傷137人、全壊342棟、半壊3,927棟、床上浸水127棟となっており、台風第19号については、死者85人、行方不明者3人、重傷39人、軽傷437人、全壊3,063棟、半壊2万4,759棟、床上浸水1万1,607棟となっております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 台風15号、19号の住宅被害を合わせてみると、全壊3,000棟以上、半壊と床上浸水が合わせて4万棟以上の被害を受け、被災者の多くの人が住まいを確保するために苦労されたことと思います。毎年発生する台風ですが、今回はこのような多大な被害を日本列島にもたらしました。
そこで、平成30年7月豪雨災害、平成29年7月九州北部豪雨における九州内での被害、福岡県西方沖地震、それぞれの人的被害と住宅被害の数及び被災者に対する市営住宅の貸し出し戸数をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 下川市民局長。
◯市民局長(下川祥二) 平成30年7月豪雨における人的被害、住家被害につきましては、消防庁によりますと、死者263人、行方不明者8人、重傷138人、軽傷311人、全壊6,783棟、半壊1万1,342棟、床上浸水6,982棟となっており、また、平成29年7月九州北部豪雨における九州内の被害については、死者40人、行方不明者2人、重傷13人、軽傷20人、全壊338棟、半壊1,100棟、床上浸水189棟、さらに、福岡県西方沖地震については、死者1人、重傷198人、軽傷1,006人、全壊144棟、半壊353棟となっております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
◯住宅都市局長(石橋正信) 被災者に対する市営住宅の提供戸数は、平成30年7月豪雨が3戸、平成29年7月九州北部豪雨が2戸、平成17年福岡県西方沖地震が151戸でございます。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 本市におきましても、14年前の福岡県西方沖地震で最大震度6弱の地震を経験し、大きな被害があったことはまだ記憶に新しいと思います。翌日から住む家を失い、生活が一変する環境に追いやられた被災者の心情はいかばかりだったかと思います。お示しいただいたように、西方沖地震での住宅被害は全壊、半壊合わせて約500棟で、被災者の方への市営住宅の提供戸数は151戸と、市営住宅が応急仮設住宅としての役割を果たし、被災者の方々の生活再建へ向けて後押しができたことは、住まいに関して被災者の負担を取り除くことができたことと思います。
そこで、本市の災害被災者への住生活品の提供等があれば、その支援内容をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
◯保健福祉局長(舟越伸一) 災害被災者への支援につきましては、保健福祉局におきましては、寝具一式として、かけ布団、敷布団、毛布、シーツ、枕の支給を行っております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
◯環境局長(坂本秀和) 環境局におきましては、市内2カ所の3Rステーションがリユースのため市民から受け入れました家具及び衣類を被災者の方の必要に応じて提供いたしております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
◯住宅都市局長(石橋正信) 被災者が避難先として市営住宅を一時使用された場合は、必要に応じましてガスこんろや照明器具の提供を行っております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 被災者が市営住宅を一時使用する際、お答えいただいたものとは別に、エアコンや冷蔵庫などの提供等は行っているのでしょうか、なければ、その理由をお聞かせください。
◯議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
◯住宅都市局長(石橋正信) 市営住宅の住戸につきましては、エアコンや冷蔵庫などは設置しておりませんが、被災者向けに一時使用する住戸につきましては、空き住戸を緊急的に転用しているものであること、また、内閣府が定めた災害救助事務取扱要領においても提供等を行う生活必需品にエアコンや冷蔵庫は含まれていないことから、エアコンなどの提供は行っておりません。
なお、他の多くの政令市においても、本市同様、提供等は行っていないと聞いております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 災害救助事務取扱要領において提供等を行う生活必需品に含まれておらず、他の多くの政令市でも行っていないとのことですが、エアコン提供を行っている政令市をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
◯住宅都市局長(石橋正信) 大阪市と神戸市の2市のみと伺っております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) では、エアコンを提供した大阪市と神戸市が被災者にエアコン提供を決めた理由をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
◯住宅都市局長(石橋正信) 大阪市につきましては、平成23年3月の東日本大震災をきっかけに、また、神戸市につきましては、市外の被災者に対しては東日本大震災を、市内の被災者に対しては平成30年7月の豪雨をきっかけに被災者支援を強化することとし、熱中症予防などのためにエアコンの提供を開始したと伺っております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) お答えいただいたように、大阪市、神戸市では主に熱中症予防のためにエアコンの提供を決められたとのことです。
そこで、本市の過去3年の熱中症の症状で病院などに搬送された搬送者数と死亡者数をお示しください。また、熱中症の主な発生場所をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 山下消防局長。
◯消防局長(山下周成) 過去3年の熱中症による救急搬送者数、死亡者数、発生場所についてですが、救急搬送者数につきましては、平成29年が580人、30年が821人、令和元年が653人であります。死亡者数につきましては、過去3年、救急隊が搬送した時点で死亡と診断された方はいませんでしたが、平成30年に搬送後、医療機関で亡くなられた方が1人いらっしゃいました。発生場所につきましては、総務省消防庁が示している場所の区分でお答えいたしますと、住居が一番多く、2番目は運動場や競技場、駅構内などの公衆の出入りする場所、次いで道路、その次は仕事場の順で発生いたしております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) ただいま御答弁いただいたように、平成29年は580人、平成30年は821人、令和元年は653人の方々が熱中症の症状で搬送されており、まことに残念なことですが、平成30年はお一人の方が亡くなられています。そして、熱中症は住居で一番多く発生しているとのことです。熱中症の症状は一様ではなく、症状が重くなると生命に危険が及びます。そのためには、熱中症を防ぐことがとても重要になります。
そこで、本市が推奨している住居室内での熱中症予防方法をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
◯環境局長(坂本秀和) 室内での熱中症予防方法といたしましては、温度計で室温を確認し、エアコン、扇風機で室温を28度以下に保つこと、小まめな水分補給を心がけること、福岡市のホームページや防災メール、LINEで熱中症のなりやすさの指数である暑さ指数の予測情報を確認して体調管理に注意することなどを推奨しております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 室内での熱中症予防には小まめな水分補給とエアコンや扇風機で室温を28度以下に保つことが本市も推奨されているとのことです。
先日、私は神戸市に市営住宅の被災者に対する支援についてお話を伺ってまいりました。神戸市では、生活物資として照明器具、寝具セット、こんろ、カーテン、タオル、雑巾等の提供を行っており、特に夏場には被災者に意向調査を行った上、エアコン、もしくは網戸と扇風機を提供しているそうです。エアコンを神戸市が提供していることを担当者から直接お聞きしたときは、改めて感動したと同時に、複雑な気持ちになりました。というのも、ことしの7月、昨日の大雨で自宅が被災し、一時避難先を探しているのですが、市営住宅は受け入れてくれるでしょうかとの御相談を受けました。すぐに住宅供給公社に確認し、受け入れができる市営住宅があると回答をいただきました。しかしながら、その方は幼い赤ちゃんと小さなお子さん2人をお持ちで、入居した場合、この猛暑の中で万が一子どもたちが熱中症にかかってしまったら不安との理由で、結局入居を断念されました。被災者は変わらないのに、自治体によってエアコン提供の有無が変わる現状に歯がゆさを感じました。神戸市は大きな災害を経験した被災市ということもあり、担当者も翌日から住む当てもなく、着のみ着のままで避難されてきた被災者にでき得る限りの支援をしていきたい、神戸市としても最低限度の生活環境を提供してあげたいと被災者目線に立って話されていたことがとても印象に残っております。
そこで、最低限度の生活環境の提供という点から質問させていただきます。
生活保護受給者に対する平成30年6月27日付の厚生労働省保護課の事務連絡内容をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
◯保健福祉局長(舟越伸一) お尋ねの事務連絡の趣旨でございますが、近年、熱中症による健康被害が数多く報告されていることを踏まえ、生活保護の開始時や転居の場合などの要件に該当する者に対して、冷房器具の購入に必要な費用の支給を認めるとされております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 確認になりますが、熱中症による健康被害が数多く報告されているとのことで、一定の要件に該当すれば冷房器具の購入費の支給を認めるとの御答弁でした。
そこで、生活保護世帯への冷房器具、いわゆるエアコン購入費用の支給件数及び支給額について、昨年度と今年度の状況をお示しください。
◯議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
◯保健福祉局長(舟越伸一) 生活保護世帯への冷房器具購入費用の支給実績につきましては、平成30年度が233件で819万円余、令和元年度が10月末現在、179件で664万円余となっております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 施行日の平成30年7月1日から令和元年10月末までの1年4カ月の間で支給件数は412件と、支給件数が思っていた以上に多いのに驚きましたが、一方で、412世帯の方々がエアコンを利用して熱中症を予防できることは生活環境を守る上で非常に重要な見直しだったと感じました。
世界規模で地球の温暖化が進む中、将来的にも、特に夏場は今まで以上の猛暑日が続き、高温になることと予測されます。健康な生活を送っていただくためにも、エアコン設置は住宅設備の一部として考える時期を迎えているのではないでしょうか。近年の大規模化する災害によっては本市も被災市になる可能性もあり、誰しも被災者になり得る可能性があります。
以上、述べさせていただいたとおり、被災者に対してのエアコンの提供はもとより、いま一度被災者目線に立ち返っての災害対策や支援制度の充実を強く要望いたしますが、所見をお伺いいたします。
◯議長(阿部真之助) 下川市民局長。
◯市民局長(下川祥二) 被災者への支援につきましては、災害救助法の基準が定められており、給与または貸与が認められない物品とされておりますエアコンの提供は現状では困難であると考えておりますが、今後とも、被災者支援のあり方について国の動向や他都市の状況等を踏まえ、検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 今月、12月5日付の日経新聞に、100年に一度と形容されている大規模災害について、毎年来ると思って対策を立てる必要があると赤羽国交大臣のコメントが掲載されていました。本市としても、今お答えいただいたように、国の動向や他都市の状況等を踏まえながら、被災者支援の拡充に積極的に取り組むよう求めておきます。
次に、ことしの4月1日、改正災害救助法が施行されましたが、その概要を教えてください。
◯議長(阿部真之助) 下川市民局長。
◯市民局長(下川祥二) 災害救助法における応急仮設住宅の建設など、被災者の救助、支援につきましては、これまで都道府県知事が行うこととされ、一部を除き、委任事務として市町村が行っておりましたが、法改正により国の指定を受けた救助実施市については、みずからの事務として行うことが可能となったものでございます。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 救助実施市の指定を受けたことで、みずからの事務として大規模災害への対応が可能になったとのことですが、本市にはどのような効果や権限がもたらされましたでしょうか。
◯議長(阿部真之助) 下川市民局長。
◯市民局長(下川祥二) 救助実施市の指定を受けた効果や権限につきましては、これまで委任されていなかった応急仮設住宅の建設を含め、全ての災害救助の事務を福岡市が主体となって実施できることとなり、より迅速かつ円滑に被災者の救助や支援を行えるようになったものでございます。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 応急仮設住宅の供与を本市が主体的に実施することになったことで、被災者へのエアコンの提供などは可能になりますか、お答えください。
◯議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
◯住宅都市局長(石橋正信) 災害救助法に基づく建設型応急仮設住宅の供与につきましては、令和元年10月1日付で災害救助実施市としての効力が発生したことを受けまして、4つの関係団体と仮設住宅の建設に関して協定を締結したところでございます。現在、被災者への支援内容に関する国の基準に基づき、関係団体とともに、詳細な設計仕様を検討しているところであり、エアコンの設置につきましても設計仕様の検討の中で、災害救助法の趣旨や県内における過去の事例を踏まえて検討してまいります。以上でございます。
◯議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
◯12番(勝山信吾) 現在、本市としても詳細な設計仕様を検討しているところとのことですが、ぜひエアコン設置についても、被災者の支援拡充に向けて前向きに検討をお願いいたします。
最後に、救助実施市の指定を受けたことによって、災害時には全庁挙げて市民を守り、被災者を守る重大な責任を負うことになると思いますが、福岡市のリーダーである高島市長の所見と決意をお伺いして、私の質問を終わります。
◯議長(阿部真之助) 高島市長。
◯市長(高島宗一郎) 近年、地震や台風、また、豪雨災害などのさまざまな自然災害が、しかも、毎年のように全国各地で続いておりまして、大規模な人的な被害ですとか住家の被害というものが発生をしているわけでございます。本当に100年に一度ではなくて毎年来ているような状況が続いております。大規模災害時におきましては、被災者の個別の特性や、また、ニーズに応じた応急の対策ですとか、また、速やかな復旧、復興が大変重要であるというふうに考えております。今回、応急仮設住宅の建設を含みます全ての災害救助を主体となって実施することができるようになりました。こうした救助実施市に指定されたということを受けまして、市民のとうとい命とその財産を守ることを第一に、これまで以上に迅速にかつ円滑な被災者の救助や、また、支援をしっかりと行ってまいります。以上です。