▼令和8年 第3回定例会 石本 優子 一般質問 (令和8年6月12日)

○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、誰もが健康診断を受けて、早期治療へつなぐ取組について、一人一人に丁寧に寄り添ったひきこもり支援へ、以上2項目を質問いたします。
 まず、生活習慣病は自覚症状がないまま進行し、気づいたときには人工透析や脳卒中、心筋梗塞といった重篤な合併症を起こし、命に関わる病気を引き起こすおそれがあります。福岡100で取り組んでいる健康寿命の延伸に大きく関係する病気であります。
 生活習慣病が重症化するその一例として糖尿病について紹介します。スライドをお願いいたします。(資料投影)保健医療局から頂いたデータを基に作成をしております。糖尿病性腎症が悪化し、末期腎不全に至ると、週3回、生涯にわたり血液を循環させる人工透析を導入しなければなりません。本市の国民健康保険における人工透析患者は、令和6年度末時点で458人、年間100人もの方が新規に透析を導入され、近年減少に転じることはなく、横ばいの状況です。そのうち実に7割を超える74人が糖尿病をお持ちの方であったという実態があります。これはあくまで国保のみの数字であり、社会保険等を含めれば実際にはさらに多くの市民が毎年透析への移行を余儀なくされていると考えられます。
 誤解のないように申し上げますが、人工透析は腎不全に苦しむ患者さんの命をつなぎ、生活を支えるためのなくてはならない大変重要な医療です。だからこそ問題提起したいのは、健康診断を受けていない未受診や異常値を指摘されながらも治療を放置した未治療のまま、本来防げた段階で人工透析へと至ってしまうケースをいかに減らすかという点であります。中には、早期に健診を受け、適切な治療につながっていれば、透析を回避、または遅らせることができた方も少なくないと考えます。糖尿病や高血圧などの生活習慣病の重症化を防ぐためには、早期発見、早期治療が不可欠です。本日は、誰もが健診を受け、異常があれば速やかに適切な治療へつなぐ仕組みづくりについて質問いたします。スライドありがとうございました。
 まず、福岡市国民健康保険医療費適正化計画から、生活習慣病由来の医療費額、全体に対する割合、また、国民健康保険被保険者の1人当たりの医療費について、直近及びその5年前、10年前の金額を伺います。
 以上を1問目とし、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 福岡市国民健康保険における令和4年度の生活習慣病由来の医療費の額及び医療費全体に占める割合は、循環器系が約119億円で12.7%、内分泌、代謝が約83億円で8.8%、腎尿路、生殖器系が約52億円で5.6%となっております。
 また、被保険者1人当たりの医療費は、直近の令和6年度が37万8,311円、その5年前の令和元年度が34万5,045円、10年前の平成26年度が31万7,322円となっております。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) スライドをお願いいたします。(資料投影)国民健康保険被保険者の1人当たりの医療費は、10年前の平成26年31万7,000円から約3万円ずつ右肩上がりに上昇しています。これは高齢人口の増加、医療技術の進歩、医療材料の高騰化などによるものと考えられます。
 右のグラフは、福岡市医療費適正化計画データから作成した医療費のグラフになります。令和4年度の医療費全体は940億円で、そのうち、生活習慣病由来の医療費は、赤の囲いをしている疾病で総額約260億円となります。全体の27%を占めています。今後、この治療費が増加することや入院する方が増えることは市の財政を圧迫する医療費の増大に直結します。裏を返せば、生活習慣病を予防できればこの3割の医療費を抑制できるのではないでしょうか。
 しかし、生活習慣病の初期は自覚症状がなく、定期的な健診を受けていなければ自分の状態に気づくことができません。本市には健診を受けていない方、あるいは健診で異常を指摘されながら放置している未治療の方が相当数存在し、これが重症化の要因となっています。
 そこで伺います。健診を受けていない方の全体に対する割合及び健診を受けた方のうち、指導や治療が必要だが医療機関を受診していない方の割合それぞれの理由について伺います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 令和6年度の国民健康保険の特定健診対象者のうち、未受診者の割合は71.2%で、その理由は令和5年度のアンケート調査の結果では、治療中が最も多く、次いで職場などほかで健診を受診している、行くのが面倒などとなっております。また、受診者のうち特定保健指導や医療機関を受診する必要のある方で受診していない方の割合は9.8%となっており、その理由は令和7年度の生活習慣病重症化予防事業において聞き取った結果では、自己判断が最も多く、次いで自覚症状がない、次の健診を受診してから考えたいなどとなっております。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 本市は生活習慣病重症化予防事業として、糖尿病性腎症予防事業をはじめとした様々な取組を実施しています。健診後のデータで医療機関につながって、検査や治療をしなくてはならないのにつながっていない9.8%の方にアプローチをすることで重症化を防ぐことが必要です。
 では、生活習慣病重症化予防事業の取組内容について伺います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 特定健診の結果、血糖、血圧、脂質の値が医療機関の受診が必要な検査値で、健診後も医療機関を受診していない方のうち優先順位が高い1,200人に受診勧奨通知を送付しますとともに、さらにこのうち年齢の高い方、糖尿病、高血圧、脂質異常症のいずれの疾病でも未治療の方など、生活習慣病の重症化リスクがより高い方に対し、電話、訪問等による保健指導を実施しているところでございます。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) ハイリスクでありながらそのまま放置しておくと、高血圧や高脂血症から脳血管障害や心筋梗塞、あるいは下肢の血管に血栓が生じたり、動脈硬化によって最悪の場合は下肢の切断に至ることもあります。一例を挙げれば、下肢切断の手術にかかる医療費は1件当たり160万円、しかも動脈硬化は両側の足に及ぶため、数年以内にもう片方の足の切断を余儀なくされるケースが多く、繰り返される手術は医療費をさらに膨張させ、市民の健康寿命にも大きく影響しています。さらに深刻なのは、その後の予後が極めて不良であるという事実です。国内の医学論文によれば、下肢切断後の5年生存率は23から52%、さらに切断後僅か1年以内に約40%が死亡するという衝撃的なデータも報告されています。これほど重大なリスクがあるにもかかわらずなぜ医療につながらないのか。
  受診勧奨や保健指導を実施しているということですが、生活習慣病重症化予防事業における現在の課題について伺います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 課題といたしましては、若い世代は働いていて接触が取れずに保健指導に至らないことが多いこと、保健指導を行っても行動変容につながらない方が一定数いらっしゃること、また、被保険者の7割を占める未受診者については、生活習慣病の重症化リスクの有無を把握できないため、そもそも当該事業の対象とならないことなどでございます。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 未受診者は重症化リスクの有無が分からないため重症化予防事業の対象ではないとのことですが、むしろ未受診の方こそ潜在的なハイリスク層である可能性が高く、いかに接点を持つかが重要であると考えています。未受診の71%の方にどう働きかけるかが今後の鍵となるのではないでしょうか。
 それでは、特定健診を未受診の方に対する現在の取組内容とそれについて本市はどう評価しているか伺います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 受診率向上に向けましては、特定健診の受診歴や生活習慣病の治療歴の有無などに応じてダイレクトメールの送付をはじめ、電話やショートメッセージによる個別勧奨を実施しております。その結果、受診率はよかドックが開始された平成20年度の15.2%に対しまして、令和6年度は28.8%と着実に増加をしてきておりますが、目標の29.0%にはいまだ達していないところでございます。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) ここまでは国民健康保険被保険者に対する事業について伺ってきました。
 ここからは市民全体への働きかけについて伺ってまいります。
 健診を受けていても医療機関につながらない人、そして、そもそも健診自体にも行かない無関心層に対して、現在の電話や訪問あるいは通知といった従来型の受診勧奨の手法だけでは働く世代や無関心層に十分に届いていないのではないでしょうか。冒頭にも申し上げましたが、ここで深刻なのは、健診を未受診のまま放置したり、治療を自己判断で中断した結果、体のきつさやむくみが出てきて、ある日突然呼吸が苦しくなったり、体調不良で病院に担ぎ込まれ、その場で末期腎不全と診断されて入院直後に緊急透析になるという命を脅かすケースが後を絶たないことです。
 日本透析医学会等のデータには、新たに透析を始める人の約3割が事前の適切な医療管理を受けられないまま、突発的な事態に直面しているとされています。年間100人もの新規透析導入患者がいる本市においても、もしかしたら3割に当たる方々が事前に保健指導や医療を受けられないまま、不本意な透析導入に至ってしまった可能性があるのではないでしょうか。だからこそ現在の電話や訪問、いわゆる従来型の手法では届かなかった無関心層や働き世代に対し、日常生活の動線上で自ら体の異変に気づく仕掛けが必要ではないでしょうか。
 ここからは、市民が自分の健康を意識できるきっかけづくりを行っている他都市の事例を紹介します。スライドお願いいたします。(資料投影)これは山形市の健康ポイント事業SUKSK(スクスク)を紹介させていただきます。データ分析から、山形市民は脳血管疾患や骨折などが多いことが分かり、健康に対する意識を高める取組を行っています。まず、歩けなくなることを最優先で防ごうと啓発し、100歳まで2本の足で歩けるようにと、健康ポイントアプリSUKSKの登録を推奨しました。その結果、アプリ登録者は40代の働く世代が最多となり、若い無関心層への浸透に成功しています。この事業を9年間継続した結果、健康寿命が男性では0.86年、女性は0.61年延伸するという確かな効果が出ています。さらに、民間事業者とも連携して、市民が自然と健康情報を得て、ウオーキングや健診受診に結びつく動線ができています。
 こうした山形市のように、企業などとの連携によって健診を受けることに無関心な方や働く世代が自発的に行動を起こすきっかけづくりの仕組みを本市でも検討できないでしょうか、御所見を伺います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 健康への関心が低い方も含め、多くの市民が健康づくりに取り組むきっかけとなるよう、イベントの開催やホームページ、SNSを活用した啓発をはじめ、自然と楽しく体を動かしたくなる仕掛けづくり、Fitness City プロジェクトの一環として、民間のスマートフォンアプリふくおか散歩を活用し、ウオーキングの実践や健康づくりイベントへの参加を促しますとともに、休日に商業施設で健診を実施することで、買物ついでに気軽に受診できる機会を設けるなど、様々な取組を進めているところでございます。
 今後とも、市民の自発的な健康づくりや健診の受診につながる新たな取組について、他都市も参考にしながら検討してまいります。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) よろしくお願いいたします。
 スライドお願いいたします。(資料投影)神奈川県では、未病を柱にした健康施策を全国に先駆けて進めてきました。未病とは、健康と病気は明確に区別できるものではなく、連続的なものであり、早めに異変に気づいて改善するという考え方です。右側に掲載している未病チェックシートでは、生活習慣や体調、ストレスなどの複数の項目をスマホのアプリや公式ホームページで手軽に評価し、行動変容につなげる仕組みが設計されています。自分の状態を知る行動が広がり、食事や運動、睡眠の見直しにつながった事例もあり、健康施策の入り口として有効な事例です。スライドありがとうございました。
 また、千葉県松戸市では、地域の薬剤師会や登録薬局などと連携し特定健診を一度も受けていない市民を対象に、年度に一度無料でその場でヘモグロビンA1cなどを測定できる簡易血糖測定事業を展開しています。市内に協力いただける薬局16か所に簡易血糖測定器が設置されています。多忙な現役世代や健診を面倒に感じる無関心層が買物ついでに身近な薬局に立ち寄り、僅か数分で自分の正確な数値を把握し、その場で薬剤師から受診を促されるこの仕組みは、数値の見える化によって健診や受診をリアルに動かす有効なアプローチとなっています。
 そこで、私が提案したいのは、本市の公式アプリや公式LINEを活用した生活習慣リスクセルフチェックの導入です。最近、足がかさかさする、夜中にトイレで何度も目が覚める回数が増えた、階段を上ると以前より息が切れるなど、本人は病気とは思っていない日常の小さなサインをスマホ画面で数回タップするだけで自分の健康リスクに気づく入り口とするものです。このセルフチェックを自分の体への関心を持つきっかけとして位置づけ、チェック結果に応じてよかドック受診案内や可能ならば医療機関の紹介、受診予約、あるいは保健師への相談窓口へとスムーズにつながる動線を設計してはいかがでしょうか。
 受診することを勧めるための現在の対策に加え、自分で気づけるセルフチェックの仕組みを整備することについて御所見を伺います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) セルフチェックにつきましては、糖尿病など生活習慣病の気づきの一つとして一定の効果があるものと考えますが、生活習慣病は自覚症状がないまま進行することが多いことから、特定健診などにより自身の健康状態を把握することが最も重要であると考えております。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 無関心などが原因で健診を受けることができていない方々や健診後に治療につながっていないハイリスクな方を一人でも多く適切な医療へとつなげる取組を本市としてさらに強力に進めていただきたいと考えます。
 自分の体を知る健診の推進とセルフチェックから医療接続までをスムーズにできる仕掛け、重症化予防事業のさらなる充実について、最後に荒瀬副市長の御所見を伺い、この質問を終わります。
 
○議長(平畑雅博) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 石本議員の御指摘のとおり、これからの超高齢社会にとりましては、健康が最も重要なキーワードであり、医療費適正化の観点からも生活習慣病の予防や重症化予防は重要な課題と考えております。
 福岡市におきましては、早期発見、早期治療に向け、健診の受診率促進や企業との連携など健診を受けやすい環境づくりに取り組んでいるところでございますが、一層受診率を上げることができるよう、しっかりと工夫をしてまいります。
 一方で、健診の結果、医療機関への受診が必要と判断された方が早期治療につながっていないこと、治療の中断といった課題も明らかとなってきており、医療機関と連携して早期の治療や継続した治療の重要性が対象者の方々にしっかりと伝わるよう工夫をしてまいります。
 今後ともこうした観点や課題を踏まえ、健診の受診促進から適切な医療につなげるとともに、糖尿病やCKDなど重症化予防の取組をしっかりと進めてまいります。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 次に、2つ目のテーマ、一人一人に丁寧に寄り添ったひきこもり支援へ質問してまいります。
 全国にひきこもり状態にある方は、内閣府の調査によると146万人、本市においても推計で約2万人とされています。支援が必要な方は、家族も含めると4万人以上に上る可能性があります。悩みを抱えている方もいれば、部屋の中で安心して過ごしたいと考えている当事者もおられます。また、KHJ全国ひきこもり家族会連合会の最新調査では、当事者の平均年齢は36歳。40歳以上が40%以上を占めるなど、高齢化、長期化が顕著となっています。ひきこもりは子どもだけの問題でも大人だけの問題でもなく、学童期から成人期、中高年期へと続く人生全体にわたる課題であるかもしれません。こうした状況を踏まえ、ひきこもり状態にある方々への支援と社会全体で支える理解促進について質問してまいります。
 まず、国はひきこもりをどのように定義しているのでしょうか。また、ひきこもりとなり得る原因にはどんなことが挙げられているのかお尋ねします。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) ひきこもりの定義につきましては、厚生労働省のガイドラインによりますと、様々な要因の結果として社会的参加を回避し、原則的には6か月以上にわたっておおむね家庭にとどまり続けている状態とされております。
 また、原因につきましては令和4年度の内閣府のこども・若者の意識と生活に関する調査報告書によりますと、15歳から39歳では退職、人間関係、コロナの流行など、40歳から64歳では退職、コロナの流行などとなっております。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 要因は様々であるとのことでした。
 本市においては、年齢に応じてひきこもりの支援をこども未来局と保健医療局とで所管しており、15歳からおおむね20歳までをこども未来局、おおむね20歳からを保健医療局で支援していると聞いています。こども未来局で所管する相談支援事業の現状について伺います。
 現在支援につながっている方の直近3年間の相談件数、令和7年度における相談方法と新規相談者の内訳を伺います。
 
○議長(平畑雅博) 大場こども未来局長。
○こども未来局長(大場真一郎) 相談については、こども総合相談センターと思春期ひきこもり地域支援センターワンドの2か所で受けており、直近3年間の相談件数は、令和5年度が753件、6年度が881件、7年度が1,253件でございます。
 次に、7年度の相談方法の内訳については、電話によるものが276件、来所によるものが613件、その他メール等によるものが364件でございます。
 次に、7年度の新規相談者の内訳については、保護者が56%、本人が20%、関係機関が24%でございます。以上でございます。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) この3年で相談件数は1.6倍増加をしております。電話やセンターへの来所によるものも加え、メール等による対応も行っているとのことでした。保護者からの相談も多いようです。先ほどの全国ひきこもり家族連合会の調査には、学生時代に不登校であった方も少なくないようです。
  早期に支援につなぐことが必要だと考えますが、在学中の生徒のひきこもり支援において、早期介入の取組はどのように行われていますでしょうかお尋ねします。
 
○議長(平畑雅博) 大場こども未来局長。
○こども未来局長(大場真一郎) 不登校相談を担当する関係部署での情報共有や、スクールソーシャルワーカーが集まる研修の場での事業周知のほか、ネットワーク会議の際にスクールソーシャルワーカー等に情報提供を求めるなどして、支援が必要なケースの引継ぎをお願いしているところでございます。以上でございます。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 15歳からおおむね20歳までが対象ですので、中学校3年生の段階で学校に来れない方や対人関係で悩んでいる方などの情報をスクールソーシャルワーカーから引き継いでいるようです。
 それでは、次に相談に来られた後の支援の概要についてお尋ねします。
 
○議長(平畑雅博) 大場こども未来局長。
○こども未来局長(大場真一郎) 相談の多くは保護者から寄せられていることから、まず、家族とひきこもりなどの状態にある本人の状況を把握し、必要に応じて居場所や訪問支援を案内して、定期的にフォローを行いながら保護者との関係を構築し、適切な時期に本人支援へつなげております。以上でございます。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 先日、えがお館の中にある居場所に伺ってまいりました。5人ほどの若者がお互いそして担当者と楽しそうにお話をし、思い思いに過ごしていました。居場所では全て自分の意思で決めていいため、寝るだけに来る方もいれば、運動したり、パソコンで遊んだり、勉強したりして過ごしているようでした。担当者は常に見守り、安心の空間づくりに努めていらっしゃいました。
 次に、保健医療局にひきこもり成年地域支援センターよかよかルームが行うひきこもり相談支援の現状について伺います。
 直近3年間の相談件数、令和7年度における相談方法と新規相談者の内訳を伺います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 直近3年間の延べ相談件数につきましては、令和5年度が1,716件、6年度が1,994件、7年度が2,102件でございます。また、令和7年度における相談方法は来所が1,288件、電話が723件、訪問が71件、その他メールなどが20件、新規相談者は本人が17%、父母が68%の割合となっております。以上でございます。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 成人期においても相談件数は3年前よりも1.2倍増加をしております。相談者は父母が7割とのことでした。電話や来所に加え、家族のところへ訪問して面談することを対応してくださっているようです。メール等の相談はこども未来局のほうでは364件ということでしたので、20件というのはちょっと少ないなということを感じております。
 では、相談の当事者の年齢層、またひきこもりの期間について伺います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 令和7年度の割合でお答えいたしますと、当事者の主な年齢層は、20代、30代がそれぞれ31%、40代が24%、50代が13%、期間につきましては1年未満が11%、1年から5年未満が35%、5年から15年未満が35%、15年以上が19%となっております。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) スライドお願いいたします。(資料投影)このスライドは、令和6年度のひきこもり相談における当事者の年齢のみグラフにしております。今御答弁いただいた令和7年度は、当事者の年齢層は20から30代が約6割、40代以上が約4割とのことですので、このスライドの数からしても少しずつ高年齢化していることが分かります。グラフにはありませんが、ひきこもりの期間については1年から15年がほとんどを占めていて、長い方は15年以上という方が約2割いらっしゃるようです。初めに紹介した家族会の調査でも、当事者年齢は40歳以上が4割以上を占めるとのことでしたので、本市でも高齢化そして長期化していることが分かります。
 それでは、よかよかルームで相談を受けた後の支援について伺います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 初めに面談で家族から状況を聞き取り、必要に応じて家庭訪問や基幹相談支援センターなど関係機関への同行訪問、出張相談会での相談などにより継続的に関わりを持ちながら家族との信頼関係を構築し、適切な時期に本人への支援を開始しております。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) ここまでおおむね20歳を境に分担している両局に確認をしてきましたが、きっぱり分けづらい状況もあるのではないかと思っております。
  こども総合相談センターで関わった当事者について、よかよかルームと情報交換や情報共有、配慮していることがあればお知らせください。
 
○議長(平畑雅博) 大場こども未来局長。
○こども未来局長(大場真一郎) 20歳を迎える前の一定期間の状況を見ながら、必要に応じてよかよかルーム等の相談機関に引き継いでおります。あらかじめ相談先が変わることを本人や保護者へ伝え、心の準備を促し、引継ぎ先への情報提供を行うほか、若者の就労や自立を支援する相談機関である若者サポートステーション等へ同行支援を行っており、20歳以降に相談があった際にも引き続き助言を行うなど、円滑に次の相談機関につながるよう配慮しております。以上でございます。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) ここで豊島区の支援について紹介をいたします。スライドお願いいたします。(資料投影)豊島区では社会福祉協議会と庁内14課にわたる課が集まり、月1回のケース会議を開催して、支援の介入が困難な事例を発表し、課を超えて全庁的に支援を考え、ひきこもりだけでなく様々な支援の質の向上を図っています。組織横断的に支援の在り方や役割の確認を行い、民間団体との居場所ネットワーク会議などを含め伴走型支援を実現しています。
 本市においても、ひきこもり支援の内容が多岐にわたることから、全庁で組織横断的な取組を進めていくべきだと考えます。御所見を伺います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 全庁での組織横断的な取組につきましては、まずは関係部署との連携強化に努めますとともに、現在設置しております市と関係機関で構成するひきこもり支援者ネットワーク会議への関係部署の参加拡大について検討してまいります。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) ひきこもり家族会連合会の実態調査では、訪問支援、いわゆるアウトリーチについて強引な介入ではなく、本人や家族が思っているようなところをしっかり聞いた、思いに寄り添った伴走型支援を求める声が7割を占めていることが分かりました。訪問支援は、親はわらにもすがる思いですが、当事者本人からしたら、全く訪問してほしいとは思っておらず、逆に信頼関係を崩しかねないこともあります。当事者本人に訪問の了承を得るまでに3年以上かかり、やっとドアを開け、支援者との面談がかなったというのが現実で、非常に繊細な支援であることが分かります。一方で、このアウトリーチを必要としている当事者や家族も存在します。
 そこで、本市におけるアウトリーチ支援の必要性について御所見を伺います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) ひきこもり状態にある方は自ら支援を求め、相談に出向くことが困難な方が多いことから、本人や家族との関わりを続けていくためにも、アウトリーチ支援は必要であると考えております。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) それでは、本市のアウトリーチ支援の実績について伺います。
 訪問支援の実績と支援体制、また課題と対策について、こども未来局に伺います。
 
○議長(平畑雅博) 大場こども未来局長。
○こども未来局長(大場真一郎) 令和7年度の訪問支援の実績は延べ81回でございます。
 次に、支援体制につきましては、思春期ひきこもり地域支援センターワンドでは、公認心理師や臨床心理士の資格を有するコーディネーターを2名、訪問相談員を4名配置しております。
 こども総合相談センターでは、保健師を2名配置するとともに、ひきこもり経験者や学生等で養成講座を受講した方を思春期訪問相談員として11名、ピアサポーターとして5名登録し、訪問支援等に当たっております。
 また、支援体制の課題につきましては、思春期訪問相談員やピアサポーターを担う学生やひきこもり経験者が進学や就労により継続的な活動が難しいことでございます。対策として、大学等への周知や養成講座を継続的に実施することにより、安定的な人材確保に努めております。以上でございます。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) こども未来局において、アウトリーチ支援はピアサポーターが介入しています。経験を基に訪問してくれることは大変心強いと考えます。ぜひともピアサポーターの人材確保支援も継続してお願いいたします。
 次に、保健医療局に訪問支援の実績と専門職の配置、支援体制の課題と対策についてお尋ねします。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 令和7年度の訪問支援の実績につきましては延べ71件となっております。
 専門職につきましては、看護師、公認心理師、臨床心理士、社会福祉士、キャリアコンサルタントの資格を有する6名のひきこもり支援コーディネーターを配置しております。
 また、支援に関する課題につきましては、来所者数が増加し、相談室が不足している状況が生じてございます。そのため、令和8年度に必要な工事を実施し、9年度にひきこもり支援センターの移設と併せて相談室を増やす予定としております。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) よかよかルームでも様々な専門職の方が粘り強く家族に寄り添い、相談室の拡大も一歩進んだ環境整備へ取り組んでおりますが、一方で、課題にも挙げられていたとおり、来所相談の増加に対応するだけでも、現場の限られたマンパワーが手いっぱいになってしまうのではないかと危惧しております。今後、潜在的な層への周知が進めば、マンパワー不足はさらに強まる可能性があります。
  窓口の環境整備と併せて訪問支援をしっかりと支えるための専門人材の確保や、民間団体との連携強化など、現場の供給体制のゆとりについてもあらかじめ検討していくべきと考えますが、御所見を伺います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 支援体制につきましては委託事業者とも十分協議を行いながら、民間団体との連携も含めてしっかりと支援ができるよう、人材確保に努めてまいります。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) ここからは支援をより多くの方に届けるための提案をさせていただきます。
 ひきこもり状態にある方にとって、医療につながること自体が大きなハードルであります。東広島市では、病院の受診ができない方に、当事者が希望されればオンラインで初診から精神療法を受けられる仕組みを設けています。市の保健師が当事者の情報を集め、医師に伝える体制をつくりました。ひきこもり状態にあることで精神疾患を引き起こす可能性もあります。自覚がなく、受診のきっかけがない方も、受けたくても部屋から出ることができない方にも本人の意向を踏まえて医師が必要と判断すれば、初診からオンラインで精神療法が受けられる体制となっています。
 東広島市では、受診させることが目的ではなく、受診の先にある本人が望む生活をかなえることを目指し、受診後も専門職チームが伴走支援できる仕組みとなるよう実施しているとのことでした。
 このオンライン初診を利用した20代女性の御家族からは、「本人を受診させようとしたが、車内でパニック発作を起こし、往診が可能な病院へ片っ端から連絡したが、断られ続けて本当に困っていた。オンラインで初診を受けられて、今では内服もでき、会話もできるまでに回復しました」との声がありました。
 本市でもこのようなオンライン初診精神療法を活用してはどうでしょうか、御所見を伺います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) オンライン初診精神療法の活用は、ひきこもり支援を行う中で、精神科受診が必要と思われる方を医療につなげる際の選択肢の一つになり得ると考えておりまして、御本人の意向も踏まえ対応してまいります。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 6月からの診療報酬改定により、オンライン初診精神療法に公的医療保険が適用されることになりました。当事者や家族が望む生活をかなえるための支援の拡大をお願いいたします。
 ひきこもり支援は、社会全体での理解も必要かと考えます。ひきこもりの子がいることを相談したくない家族も存在していることがうかがえます。ある方は終活相談の中でひもといていくと、長年ひきこもりの子どもがいることを打ち明けられ、支援介入を始めるケースも少なくないとのことでした。
 スライドをお願いいたします。(資料投影)こちらは豊島区の広報誌としま特別号であります。令和3年10月の特別号にひきこもり支援について掲載をされたそうです。続いて、次のスライドお願いいたします。(資料投影)中身には相談窓口の案内、具体的な相談事例や生きづらさを抱えた方への支援について、開設されているホームページの案内など、支援の流れを掲載した広報誌としま特別号を全戸配布した結果、家族だけでなく、本人からの相談が増加したとのことでした。今は周りに相談したくないと思っていてもいつか相談したくなるときが来るかもしれない。そのときのために、こうして多くの方に情報が行き届いてほしいと思います。スライドありがとうございました。
 また、秋田県藤里町では、独自の実態調査で100名以上のひきこもり状態にある方を把握しましたが、地域に知られたくないという家族も多い状況でした。家族や当事者の居場所であるこみっとを拠点に、チラシを持って一軒一軒訪問し、この居場所を使ってほしいと声をかけ続け、家族支援の体制を丁寧に整えました。家族が安心して相談できる環境をつくることで当事者への支援にもつながったとのことでした。支援された若者が今度はまちを支える側になる、福祉でまちづくりを体現しました。地域に知られたくないという壁は、丁寧な家族支援と情報周知によって乗り越えられた事例です。
 このような事例を踏まえ、本市において、ひきこもりの実態調査や相談したくないと感じる方を含めた多くの方に情報が届くよう、支援の周知についてどのように取り組んでいるかお尋ねします。また、家族が安心して相談できる環境づくりに向けて、今後どのような対応を検討していますか、伺います。
 
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 実態調査につきましては、実施に向けて現在検討を行っているところであり、支援の周知につきましてはホームページやリーフレット等により幅広い情報発信に努めております。
 また、御家族が安心して相談できる環境につきましては、同じ悩みを共有できる場としてのひきこもり家族教室や、御自宅近くで相談ができる各区での出張相談会を引き続き実施しますほか、令和9年度にはよかよかルームを移設し、相談室の増設やプライバシーに配慮した待合スペースの確保を予定しており、より相談しやすい環境づくりに取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(平畑雅博) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 本市においても実態調査の実施に向けた検討が始まり、一歩ずつ環境が進むことを期待します。よろしくお願いいたします。
 よかよかルームを訪問し、そこにある1冊のつぶやきノートを拝見しました。そこには、ひきこもり状態から一歩を踏み出した当事者の方々と、支援に関わるスタッフの皆さんの温かい言葉がつづられていました。ノートに自分の思いを記入するだけで、誰とも話さずにそっと帰られる方もいれば、遠方であるにもかかわらず、顔を見に寄りましたと立ち寄られる卒業生の方もいらっしゃいます。よかよかルームが当事者にとって今なお自分のままでいられる心地よい居場所として機能していることが分かりました。このルームを運営されている支援団体の方にお話を伺ったところ、いきなり就労という高い壁を課すのではなく、まずは家から出ること、社会とつながること自体を成果と認める視点が重要で、本人が心地よく過ごせるように支援することを何より大切にしているとおっしゃっていました。まさにこの視点こそが本市全体、そして地域社会全体に今求められているのではないでしょうか。窓口の中でこれだけ温かい支援が行われているからこそ、今度は窓口の外の社会側も当事者を温かく受け入れる準備が求められます。ひきこもりの方がよかよかルームのような守られた空間から、地域や社会へと一歩踏み出し、緩やかに社会につながっていくための取組が重要であると考えます。
 そのためには気軽に集まれる居場所の拡大、いきなり一般就労を求めるのではなく、就労手前の体験やボランティア機会の充実が必要です。さらに、市民や企業がひきこもりへの理解を深め、短時間や裏方作業などからでも受け入れてくれる社会の土壌を育むための啓発セミナーの開催などについて、本市の今後の支援の方向性を伺います。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
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