○議長(平畑雅博) 勝山信吾議員。
○19番(勝山信吾)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、山口剛司議員の代表質問を補足して、災害時の医療用水の確保に向けた連携について、膵臓がんの早期発見に向けた取組について、いじめ防止対策について、以上3点について質疑を行います。
初めに、災害時の医療用水の確保に向けた連携について伺ってまいります。
近年、地震や水害等の災害時に地域医療の中心的な役割を担う病院が断水被害に見舞われるケースが多発しております。令和6年能登半島地震では、広範囲な断水により多くの病院が救命活動に支障を来しました。病院の断水は、単に水道管の破裂だけではなく、受水槽や高置水槽といった建物内設備の損傷も大きな要因の一つとなります。実際に公立能登総合病院では、断水により1日約150トン必要だった水が確保できず、透析患者全員を他の地域の病院へ搬送する事態に陥った事例や、市立輪島病院では送水管や浄化槽が破壊され、トイレ等が使用不能になり、器具の洗浄ができないため、内視鏡検査や手術が一時中止された事例などが確認をされております。また、渇水の危機も相まっている今、災害時における病院の水の確保に関して伺ってまいりたいと思います。
初めに、本市が地震等何らかの災害で被災した際、避難所や救急告示病院等にどのように水を供給するのか、お伺いをいたします。
また、災害を想定した日頃からの訓練や受水槽、備蓄水の確保の点検も必要であるということは言うまでもありません。
そこで、継続的な研修や防災訓練の実施が必要ですが、断水時を想定した研修や訓練、病院等との合同防災訓練の取組があればお伺いをいたします。
本市水道局では、福岡市水道長期ビジョン2028を策定し、その実施計画として福岡市水道中期経営計画を4年ごとに定め、この計画に基づき毎年度の予算や運営方針を策定し、効果的、効率的に事業を推進しております。
そこで、福岡市水道長期ビジョンにおける危機管理対策の推進の内容について伺います。
また、本市水道局は、地震対策に重点を置いた福岡市水道局災害応急対策計画に基づき災害に備えておりますが、本計画の目的と概要についてお伺いをいたします。
また、大規模地震等の災害時にどのような行動を取るべきかを示すため、市民へ災害時に役立つような情報発信が重要になりますが、本市水道局が行っている情報提供の内容とその方法についてお伺いをいたします。
近年、他の自治体水道局においても、災害時において、生命維持に必要な飲料水、医療用水の確保を目的に応急給水の取組が行われております。先日、病院の給水の取組について、大阪市に調査に伺いました。資料1を御覧ください。(資料投影)この図は、災害による病院施設内の断水被害事例を示しております。左側が1でございますけれども、敷地内の給水管の破損であったり、2、受水槽の転倒など、また、3、加圧ポンプの浸水、停電に伴う機能停止、4、屋上高架水槽の転倒、5、6は室内給水管の破損、7、地下水設備の機能停止、8、給水管だけではなく排水管の損壊、浸水もあります。これまで大阪市では、福岡市同様に病院までの配水管の耐震化を優先的に進め、断水時には優先的に応急給水を行う重要施設として位置づけるといった対策が主でしたが、さらに一歩踏み込んで、今御説明した病院内の病床までの断水リスクについて、水道局の応急給水と連携を図りながら、災害時の医療用水の確保をより確実なものにしようとする取組を行っております。また、大阪市内の災害拠点病院や救急告示病院等へのアンケート調査の結果によりますと、病院側は災害時の水の確保について課題や不安があるという回答が多かったことも確認されております。投影ありがとうございました。
そこで、本市の災害時の災害拠点病院と救急告示病院の役割とその施設数についてお答えください。
また、断水をはじめとした様々な災害時におけるリスクを軽減するため、病院側へのBCP、事業継続計画の策定促進が重要だと思いますが、本市の御所見と策定状況をお伺いいたします。
次に、2つ目のテーマ、膵臓がんの早期発見に向けた取組について伺ってまいります。
日本人における死因順位は、厚生労働省の2024年人口動態統計によりますと、1位、悪性新生物、2位、心疾患、3位、老衰となっており、依然、死因の第1位は悪性新生物、すなわちがんで、全死因の約26.5%を占めております。
資料2を御覧ください。(資料投影)がんにおける死亡数を部位別に見ますと、一番上の列、男女計の第1位が肺、第2位が大腸、第3位が膵臓、そして、4位が胃、5位が肝臓ということが挙げられております。膵臓については、男性が4位、女性が3位となっております。
続いて、資料3をお願いいたします。(資料投影)こちらは厚労省の示した主な部位別に見た死亡率の年次推移であります。左側の男性では、2021年には赤い線で示しました膵臓がんが肝臓がんを上回り、第4位に。右側の女性の表では、膵臓がんが2005年には乳がんを抜き、急激に増加しており、2015年には胃がんを上回って3位になっております。
続いて、資料4をお願いいたします。(資料投影)こちらは国立がん研究センターが公表した2012年から2015年にがんと診断された人の5年後の生存率を表にいたしました。膵臓がんはサイレントキラーとも呼ばれ、初期段階では自覚症状がほとんど現れません。また、膵臓はおなかの奥深くに位置しているため、腫瘍が発生しても痛みや違和感がなく、症状が出たときは既に進行しているケースが多く、生存率については他のがんに比べて依然として厳しい状況が続いております。1位の膵臓がんの5年生存率は10.5%と突出して低く、2位の胆のう、胆管、4位の肝臓、肝内胆管など腹部の臓器についても、依然として生存率が低い傾向にあるのが分かります。私の身近な方でも、見つかったときには治療のすべがなく、残念ながら数か月でお亡くなりになられた方もいらっしゃいました。皆さんのお近くにも同様の経験をされたことがあるのではないでしょうか。
続いて、資料5の投影をお願いいたします。(資料投影)2021年の部位別罹患数と2024年の死亡数を表にしました。全国の部位別の罹患数と死亡数を見てみますと、表の下から5位、胃がんの罹患率は11万2,881人、死亡数は3万7,867人でございます。また、4位、3位の大腸がん、肺がんも御覧のとおりでございます。一方で、膵臓がんの場合は年間で4万5,819人が罹患して、4万1,235人の命が奪われております。投影ありがとうございました。
そこで、福岡県における膵臓がんの罹患者数と死亡者数をお伺いいたします。
膵臓がんを初期の段階で発見することができたならば、5年生存率は80%まで上がると言われているため、いかに早期に発見するかが鍵を握っております。通常の健康診断や法定健診では膵臓の異常を発見するのが難しく、そのため、膵臓がんの早期発見にはより精密な検査が必要となります。
そこで、膵臓がんの発見に必要な検査内容についてお伺いをいたします。
次に、3つ目のテーマ、いじめ防止対策について伺います。
文部科学省が公表した2024年度の問題行動・不登校調査によりますと、全国の小中学校、高校、特別支援学校におけるいじめの認知件数と重大事態の発生件数はともに過去最多を更新いたしました。最近のいじめ問題は、認知件数が過去最多を更新し続ける一方で、ネット上での見えにくい嫌がらせや低年齢化が特徴となっており、単なる子ども同士のトラブルを超え、SNSでの動画拡散や重大な犯罪行為へと深刻化しております。いじめの防止、早期発見、対処を総合的に推進するため、2013年6月にいじめ防止対策推進法が制定され、学校、国、地域、家庭が連携し、児童生徒の尊厳を守るため、全学校にいじめ対策組織の設置や基本方針の策定、重大事態に迅速に調査することが義務化されております。
そこで初めに、いじめ防止対策推進法が制定された理由といじめの定義についてお伺いをいたします。
次に、本市のいじめ認知件数と過去10年間の重大事態に至った件数をお伺いします。また、本市のいじめ認知件数については、他の政令市と全国平均と比較してどのような状況なのかを伺います。あわせて、県のいじめ認知件数と重大事態の件数をお示しください。
次に、過去の重大事態となったいじめに対する本市の対応をお伺いいたします。また、第三者委員会から指摘された内容についても、お伺いいたします。
次に、先生がいじめの報告を受けるのは誰からが多いのか、お伺いいたします。また、いじめに関する情報収集はどのように行っているのか、お伺いいたします。また、いじめの未然防止、早期発見、即時停止につながった奏功した事例があればお伺いをいたします。
新年度市政運営方針で髙島市長は、いじめの未然防止、早期対応に向けたプロジェクトチームを新設し、調査研究を進め、学校を専門的に支援する体制を強化すると発表されましたが、その体制と取組内容、期待する効果についてお伺いをいたします。
以上で1回目の質問を終え、2回目以降は自席にて行います。
○議長(平畑雅博) 中村水道事業管理者。
○水道事業管理者(中村健児) 災害時の医療用水の確保に向けた連携についてお答えいたします。
まず、被災時における避難所や救急告示病院などへの水の供給につきましては、これらの施設につながる配水管を優先的に耐震化する耐震ネットワーク工事により、被災時でも水を届けられるよう取り組むとともに、一部の配水管が被災した際には、配水調整システムを活用することによりスムーズに別ルートから配水を確保できる体制を取っております。また、状況に応じて仮設水槽や応急給水栓を設置して給水を行う拠点給水や、給水車による運搬給水などを実施することとしております。
次に、災害時を想定した研修や訓練につきましては、関係業者と連携し、応急給水訓練など実践的な研修、訓練を行うとともに、全庁的な震災対処訓練や九州内外の都市との合同防災訓練に継続的に参加し、対応力の向上を図っております。また、市民や防災関係機関と協働した危機管理対応の充実を図るため、福岡市防災フェアや校区の防災訓練、さらには保健医療局主催の災害時医療救護活動訓練にも参加しております。
次に、福岡市水道長期ビジョンにおける危機管理対策につきましては、重要施設の耐震化や耐震ネットワーク工事などの地震等災害対策の推進、水道施設への不審者侵入防止や水道原水監視強化などの事故、テロ等対策の推進、実践的な研修、訓練や九州内外の都市との合同防災訓練などの危機管理体制等の充実を推進することとしております。
次に、福岡市水道局災害応急対策計画につきましては、地震等の災害時における水道事業者としての責務を明確にし、水道施設の保全、復旧や給水等の応急活動の迅速かつ効果的な実施を目的に定めたものであり、概要としましては、災害時においても適切に行動できるよう、初動や情報収集、応急給水などに係る災害対策体制の確保等について明記したものでございます。
次に、市民への情報提供の内容と方法につきましては、1日3日分の飲料水9リットルの備蓄の推奨や避難所への経路の確認、非常用水栓の位置の確認などについて、各種イベントや広報紙「みずだより」、水道局ホームページ、SNSにおいて発信をしております。以上でございます。
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) まず、災害時の医療用水の確保に向けた連携についてお答えいたします。
災害拠点病院につきましては、災害時に地域の医療機関などで対応できない重傷者や高度救命医療を必要とする傷病者の受入れを行う地域の中核的な医療機関でございまして、市内に8施設ございます。また、救急告示病院は入院患者の安全を確保しつつ、外来患者や救急搬送されてきた患者等の治療を行う医療機関であり、災害拠点病院でもある8施設を含め、38施設となっております。
次に、病院のBCPの作成促進の重要性についてでございますが、災害時に医療機能を維持し、入院患者のケアの継続や新たな傷病者の受入れ態勢を整えるためには、病院のBCPの作成は不可欠であると考えてございます。そのため、国においても、災害拠点病院についてはBCPの作成が義務とされ、それ以外の病院についても、作成が推奨されております。市内の策定状況ですが、災害拠点病院については全て策定済みで、救急告示病院38施設のうち33施設が策定済みでございます。策定に至っていない5つの病院につきましては、引き続き保健所の定期的な立入調査等を通じて作成を促してまいります。
次に、膵臓がんの早期発見に向けた取組についての御質問にお答えします。
まず、福岡県における膵臓がんの状況につきましては、直近の令和7年10月に県が公表した報告書によりますと、2021年診断症例では、罹患者数が1,786人、死亡者数が1,588人となっております。
次に、膵臓がんの発見に必要な検査につきましては、まず、血液検査や腹部超音波検査の結果などから膵臓がんが疑われる場合には、より精密な造影CT検査や腹部MRI検査、超音波内視鏡検査が行われます。これらの検査によっても診断が確定できなかった場合には、内視鏡を使って胆管、膵管に造影剤を注入する胆管膵管造影などが行われます。また、検査と併せて、可能な限り細胞や組織を採取して病理検査を行い、診断を確定いたします。以上でございます。
○議長(平畑雅博) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) いじめ防止対策についてお答えいたします。
いじめ防止対策推進法の制定につきましては、平成23年10月、滋賀県大津市において発生したいじめが大きな社会問題となり、再発防止の法的整備を求める声が高まったことによるものとされております。また、いじめの定義については、当該法律において、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う、インターネットを通じて行われるものを含み、心理的または物理的な影響を与える行為であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものとされております。
次に、福岡市のいじめ認知件数については、令和6年度は4,391件、いじめの重大事態の件数については、平成28年度から令和7年度2月までに調査報告書が作成されたものは11件、そのうち公表したものは5件となっております。福岡市のいじめ認知件数を1,000人比で比較しますと、福岡市は34.5件、他の政令市は78.6件、全国は61.3件であり、福岡市が下回っている状況となっております。また、福岡県の令和6年度のいじめ認知件数は2万245件、1,000人比は36.7件、いじめの重大事態の件数は51件となっております。
次に、いじめの重大事態と考えられる事案については、第三者委員会を設置して調査を行い、その結果を踏まえて、学校に対し再発防止の指導を行っております。また、これまでいただいた第三者委員会の調査報告書では、初期対応の遅れ、証拠物の不適切な扱い、被害児童生徒への配慮不足、組織的対応の不備等を指摘されております。
次に、いじめの報告については、教員が児童生徒本人や保護者から受けることが多い状況となっております。また、いじめに関する情報収集については、教員が児童生徒の日頃の様子を観察するとともに、月1回の教育相談アンケートや全学年実施のQ-Uアンケート、年1回以上の全員面談を実施する中でいじめを把握できるよう努めております。これらの取組の中で教員が児童生徒の不安や友達関係の悩みなどを察知し、個別の相談や家庭との連携を通して改善に向かい、結果としていじめの未然防止を果たすこともございます。
最後に、いじめに関するプロジェクトチームについては、スクールカウンセラーや弁護士等で構成するプロジェクトチームを設置して調査研究を行うとともに、いじめ事案が発生した学校のサポートを行ってまいります。具体的には、福岡市のこれまでのいじめ事案の分析や他都市への調査、大学の有識者からの助言等を通して、いじめ対応に関する福岡市独自の方策について調査研究を行うとともに、プロジェクトチームがいじめ対応に苦慮している学校を訪問し、現地でサポートを行います。この取組により、いじめに関する教職員の対応力の向上や、いじめの未然防止と早期解決を図ることができるものと考えております。以上でございます。
○議長(平畑雅博) 勝山信吾議員。
○19番(勝山信吾) 2回目の質疑に入ります。
災害時の医療用水の確保に向けた連携についてであります。
BCPの策定に至っていない5つの病院については、最新の地震被害想定に沿った策定を早急に促していただきたいというふうに思います。また、本市では、地震等の災害時には避難所や救急告示病院などにつながる配水管を優先的に耐震化する耐震ネットワーク工事や配水調整システムにより水を届けられる体制を取っているとの御答弁でありました。大規模災害も想定して医療機関等への給水体制が図られ、人命救助の体制が図られているとのことで、ひとまず安心はするものの、能登半島地震のような大地震が起こった場合や、重ねて渇水、水不足のときどうなるのか、やはり不安になります。
そこで、災害時の断水とは異なりますが、渇水対策が取られ、時間断水等の規制がかけられたようなときでも医療機関等への水の確保は可能なのか、お伺いをいたします。
次に、本市において災害時の病院の断水被害を軽減するため、災害拠点病院や救急告示病院などの医療機関と水道局の連携や情報提供はどのようにされているのか、お伺いをいたします。
次に、膵臓がんの早期発見に向けた取組について伺います。
先ほどお示ししたように、膵臓がんの5年生存率は10.5%と非常に低い数値でありました。また、答弁では、福岡県の膵臓がんの罹患者数は1,786人、死亡者数は1,588人と福岡市の罹患者数、死亡者数も県と同様の傾向だと思います。
そこで、膵臓がんの罹患者、死亡者数が急増している本市の現状に対して、亡くなる方を減らすためにも、膵臓がんを早期発見できる手だてが必要だと思いますが、所見をお伺いいたします。
1回目の膵臓がんの発見に必要な検査内容についての質疑に対しまして、血液検査、腹部超音波検査の結果などから膵臓がんが疑われる場合には、造影CT検査、腹部MRI検査、超音波内視鏡検査が行われるとの答弁でありました。本市でも膵臓がん発見のため、検査の入り口として最初に血液検査や腹部超音波検査を行っております。
昨年12月、がん検診の取組について名古屋市に調査に伺いました。名古屋市では、がんの部位別の死亡者数が、膵臓がんが4位、肝臓がんが5位、胆のう、胆管がんが6位となっていることを理由に、腹部の臓器の病気の検査を拡大し、市民の健康向上につなげるため、腹部超音波スクリーニング検査の補助事業を開始しております。この事業を開始するに当たり、消化器の専門医で構成されるメンバーで研究、打合せを行い、検査方法やがん検診としての実施の適否を検討したそうでありますが、結果、膵臓がんの検診として実施するのは難しいとの結論に至ったそうであります。しかし、この腹部超音波検査は腹部の疾患を多く発見することができる有用な検査であるとし、腹部超音波スクリーニング検査として事業がスタートしました。
資料6を御覧ください。(資料投影)名古屋市の腹部超音波スクリーニング検査の案内チラシであります。腹部超音波検査は、腹部にエコーを当てて画像を診断、体への負担が少ない上に、左上の紫色で示しているように多臓器を一度にチェックすることができ、異常が見つかった場合に精密検査を行い、がんの早期発見が期待されるということでございます。通常9,000円ほどかかる検査でありますけれども、名古屋市ではワンコインの500円で受けることができます。実際に名古屋市では令和7年2月からこの事業をスタートし、この半年間で約2万6,000人が検査をし、要精密検査を約2,200人が受診、結果として胃がん、膵臓がん、肝がん、胆のうがん等、30人のがんが発見をされております。投影ありがとうございました。
そこで、本市においても、名古屋市の事例を参考に、国が推奨するがん検診メニューとは別に市独自で膵臓を含めた腹部の臓器がんの早期診断につながる腹部超音波スクリーニング検査を補助事業として行ってはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
また、予防医療等、本市のがん施策を検討するときに、がんに罹患した場合の1人当たりの医療費は年平均どれぐらいかかると試算されているのか、お伺いをいたします。
最近、九州大学と名古屋大学の共同研究である尿のマイクロRNAを検出する技術を基に、がんの早期発見ができる技術も開発されているようであります。その技術を活用したがんリスク検査は、膵臓がんでは93%という非常に高い精度を検出できているそうで、費用も約7万円程度だそうです。既存の検査である腫瘍マーカーと比較して優位性があるということで、著名な医学雑誌で公表されているそうであります。
そこで、本市の膵臓がんの早期発見、医療費の削減、がん検診の受診率向上に向けて、このような簡易的ながんリスク検査の導入も今後検討するべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
次に、いじめ防止対策についてであります。
本市の重大事態の件数は、平成28年度から令和7年度2月までに調査報告書が作成されたものが11件あったとのことです。また、第三者委員会からは、初期対応の遅れ、証拠物の不適切な扱い、被害児童への配慮不足、組織的対応の不備等を指摘されており、特に重大事態への対応は今後漏れることなく、しっかりと取り組まなければなりません。そのような中、本市では新年度より教育委員会事務局職員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、弁護士等で構成するプロジェクトチームを設置し、いじめ事案が発生した場合には同チームが学校のサポートを行う体制を構築。教職員のいじめに関する対応力の向上とともに、いじめの未然防止と早期解決に取り組まれるとのことであります。
私は一昨年7月に、いじめ対策が注目されております大阪府寝屋川市の取組について調査に伺いました。寝屋川市では、2019年からいじめの即時停止を目的とし、いじめは人権問題との認識の下、市長直轄の監察課を設置。この監察課は、教育委員会や学校の調査とは一線を画し、独自にいじめの有無を判断しております。また、市長が学校にクラス替えなどを勧告できる条例案が全会一致で可決され、被害者が市や加害者に謝罪や損害賠償を求めて訴訟を起こす際などの弁護士費用、被害者が転校を選択した際にかかる制服代などの費用も補助しているそうであります。
資料7を御覧ください。(資料投影)こちらに今お話ししました寝屋川市の3段階のアプローチを一覧にしました。
まず青色、第1段階でありますけれども、学校や教育委員会が主体となって、学校側がいじめる側といじめられている側の人間関係の再構築を図ることを目的としています。課題については、問題解決まで時間がかかるということであります。このアプローチは、通常行われているアプローチとのことです。
第2段階、行政的アプローチでございます。主体は先ほど御紹介した監察課で、いじめを人権問題として捉え、あえて加害児童生徒、被害児童生徒という概念を用いて、加害者側の指導ではなく被害者側のケアを急ぎ、事態の早期収拾、いじめ即時停止を目的としております。これが新たなアプローチになります。寝屋川市長は、例えば、傷口から血を流して助けてという子どもや保護者がいた場合、監察課はまず止血するという外科的な治療をするイメージで即効性を重視していると述べられております。
この2つのアプローチはそれぞれメリット、デメリットがありますが、市は第三者的視点によるダブルチェックや目的の違う2つのルートを示すことで相談者が望む形の解決を選択できるようにするため、このアプローチを並走させております。
そして、第3段階が法的アプローチであります。主体は弁護士や警察であります。先ほど説明した賠償請求などの民事訴訟や刑事告訴の支援、弁護士費用等の補助をするアプローチであります。
続いて、資料8を御覧ください。(資料投影)また、寝屋川市では、小中学校の児童生徒宛てに「もとめます、あなたのゆうき!」と題して、あなたが感じたいじめについてお手紙で教えてくださいと、すぐに投函できるチラシを毎月配っているそうであります。
続いて、資料9をお願いいたします。(資料投影)「監察課がいじめを停止します!」との各年度の監察課が対応したいじめ対応件数や通報、相談件数が記載されたいじめ情報提供の協力を求めるチラシを作成し、保護者に配布しております。投影ありがとうございました。
こども家庭庁は、これらの寝屋川市の取組を参考に自治体の首長部局が主導していじめを解消する仕組みをつくろうとしております。2023年度から既にモデル事業を開始しており、3年目となる2025年度は全国で13の自治体が参加しているようであります。また、東京都立川市でも、今年の4月から寝屋川市を参考にした監察課を設置すると発表されております。
そこで、本市の新設のプロジェクトチームにおいて、寝屋川市のような先進的な事例を速やかに調査し、いわゆる福岡モデルと言える実効性のある対策を構築し、いじめ防止対策に積極的に取り組んでいただきたいと考えますが、所見をお伺いし、2回目の質疑を終わります。
○議長(平畑雅博) 中村水道事業管理者。
○水道事業管理者(中村健児) 答弁に入ります前に、先ほどの答弁の訂正をさせていただきます。
先ほど市民への情報提供に関する御質問に対して、1日3日分の飲料水9リットルとお答えいたしましたが、正しくは1人3日分の飲料水9リットルでございました。おわびをして訂正させていただきます。
それでは、答弁に入ります。
災害時の医療用水の確保に向けた連携についてお答えいたします。
時間断水時における医療機関の水の確保につきましては、救急告示病院等に対して必要な情報提供と併せ、適切な対策について事前に協議し、受水槽等を御活用いただきながら医療行為に必要な水量を確保することとしております。
次に、医療機関と水道局の連携や情報共有につきましては、保健医療局主催の災害時医療救護活動訓練に参加する中で応急給水に係る手順等を確認するとともに、平成30年度に実施した救急告示病院等の貯水槽の位置や給水車の停車位置等に係る現地調査並びにアンケートで得られた調査結果につきましては、保健医療局と共有をしております。以上でございます。
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 膵臓がんの早期発見に向けた取組についての御質問にお答えいたします。
膵臓がんは、がんの中でも特に早期発見が難しく、発見されたとしても治療が困難であることから、その克服に向けて様々な研究が進められております。また、現状では早期発見に効果的な検査方法が確立されておらず、国が科学的根拠を基に定めるがん検診の指針にも膵臓がん対策については示されておりません。そのため、早期発見の現時点での手だてとしましては、リスクの高い方などが医療機関において血液検査や腹部超音波検査を定期的に受診することなどが考えられます。
次に、腹部超音波スクリーニング検査への補助につきましては、この検査は無症状の方を対象として行うものでありますが、診療の際に腹部超音波検査に加え、患者の家族歴や症状なども踏まえて診断する場合と異なり、偽陽性あるいは偽陰性が生じやすいことなどから慎重に検討する必要があると考えております。
次に、がんに罹患した場合の1人当たりの医療費につきましては、福岡県が令和6年度に分析した結果によりますと、令和5年度の福岡市国民健康保険被保険者の悪性新生物患者1人当たりの医療費は89万5,045円となっております。
次に、簡易的ながんリスク検査の導入につきましては、近年、がん検診の分野における研究は著しく進展しておりまして、簡便かつ安価にがんを発見する商品などが開発販売されているところでございます。一方で、これらのがん検診への導入には、検査結果への信頼性や死亡率減少効果、費用対効果などの科学的根拠が確立される必要があると認識しております。また、科学的根拠が確立された手法が新たに開発された場合には、国において関連指針への位置づけが検討されるものと考えておりまして、今後も国の動向を注視してまいります。以上でございます。
○議長(平畑雅博) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) いじめ防止対策についてお答えいたします。
いじめに関するプロジェクトチームにおきましては、他の自治体の先進的な取組を参考にしながら福岡市のいじめの実態を調査研究して、効果的ないじめ防止対策に向けた取組を進めてまいります。以上でございます。
○議長(平畑雅博) 勝山信吾議員。
○19番(勝山信吾) それでは、3回目の質疑に入ります。
災害時の医療用水の確保に向けた連携についてであります。
御答弁のように、災害拠点病院や救急告示病院は、災害時に重傷者や高度救命医療を必要とする傷病者の受入れ、外来患者や救急搬送されてきた患者等の治療を行うという重要な役割を背負っておられます。また、それらの病院との情報共有や最新の地震被害想定に即したBCPに基づく訓練の実施は言うまでもありません。
本市では、医療機関と水道局の連携について、保健医療局主催の災害時医療救護訓練に参加し、応急給水の手順等を確認し、水道局では救急告示病院の貯水槽の位置や給水車の停車位置等に係る現地調査やアンケートを平成30年度に実施し、そこで得られた情報は保健医療局と共有しているとのことであります。
そこで、このような応急給水等に関する情報については、救急告示病院等とも共有し、災害時に連携がより迅速に取れる体制にすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
私も、大阪市のように水道局の災害対策や応急給水体制、病院の配水管情報等についても、情報共有を行い、病院側の断水リスクの軽減のため、解決策を一緒に考え、本市と救急告示病院等の認識を近づけることが実効性のある災害対策につながると考えます。
そこで、本市においても救急告示病院等の断水対策を促進するため、局横断的に取り組むべきだと思いますが、水道局、保健医療局にそれぞれ御所見をお伺いいたします。
髙島市長は令和8年度の市政運営方針の中で、近年、地震や豪雨をはじめとする自然災害が全国で頻発化しており、これまで以上に重大な被害が見込まれるなど、災害に強いまちづくりの重要性は一段と高まっていると述べられ、さらに市民の安全、安心の確保に向けて、ハード、ソフトの両面から全庁を挙げて対策を一層強化すると述べられております。
そこで、災害発生時においても、水などのライフラインを確保し、病院機能を維持するためには、日頃から災害に備えて本市と病院が連携することが重要と考えますが、髙島市長の御所見をお伺いし、この質問を終わります。
次に、膵臓がんの早期発見に向けた取組についてであります。
2回目の質疑において、腹部超音波スクリーニング検査の補助事業の実施については慎重に検討する必要があるとのことでありましたが、実施している自治体もありますので、重ねて検討をお願いしたいというふうに思います。また、がんに罹患した場合の1人当たりの医療費は年間89万5,045円かかっており、医療費の削減のためにも新たな検査方法について分析し、前向きに検討していただきたいというふうに思います。
また、膵臓がんを早期発見できる手だてが必要ではないかとの質疑に対しては、現状では早期発見に効果的な検査方法は確立しておらず、国が科学的根拠を基に定めるがん検診の指針にも膵臓がん対策については示されていないとの答弁でありました。つまり、本市でも膵臓がんの早期発見は現状では難しいとの認識のようであります。
そこで、広島県尾道市の取組を紹介したいと思います。尾道市では、市の医師会と中核病院が連携し、無症状でも既往歴、家族歴、問診等において危険因子を複数以上有する患者などを対象にクリニックで腹部超音波検査や血液検査を行い、膵管拡張や腫瘍マーカーの異常を認めた場合、精密検査を目的とした紹介を積極的に行う膵癌早期診断プロジェクトを2007年から展開されています。地域ぐるみで膵臓がんを見逃さない取組を続けた結果、ステージ0、1の診断率が22.1%と尾道方式開始前の4倍に増加。早期治療につながったことで最新の5年生存率は20.7%と、先ほど紹介した全国平均10.5%の約2倍の生存率となったそうであります。もともと尾道市は地域包括ケアシステムの先進地であり、地域で終末期医療に力を注いでおられました。その結果、なすすべなく膵臓がん患者をみとる悔しさを多くの開業医が共有していたそうであります。どうにか膵臓がんで亡くなる人を減らせないかと当時の医師会長がJA尾道総合病院の副院長に相談し、この尾道方式が確立されました。この尾道方式は広島県が2022年から県内全域で展開したほか、山梨県や横浜市などで実施されており、全国で50か所以上に広がりを見せているそうであります。また、大阪市北部エリアでも2013年から地域連携がスタートし、5年生存率が8.3%から18.4%へと実際に向上しております。
そこで、本市でも医師会などと協議していただき、この尾道方式を参考に膵臓がんの早期発見できる仕組みづくりを進めていただきたいと願いますが、所見をお伺いいたします。
ここまで、膵臓がんの早期発見の重要性について質疑を進めてまいりました。人生100年時代となった今、がんの予防、早期発見、早期治療は、市民の生活の質の向上のためにも欠かすことはできません。
今後の膵臓がんへの支援拡充と、とりわけ早期発見の仕組みづくりについて、髙島市長の意気込みをお伺いし、この質問を終わります。
最後に、いじめ防止対策についてであります。
最近のいじめ問題は、SNSを介した暴力動画の拡散や不登校に直結する重大事態の増加など、より深刻かつ複雑な局面を迎えております。深刻化、複雑化するいじめ問題については、まずは早急にいじめの即時停止を行い、その後の人間関係の再構築につなげていくことが必要になってまいります。
最後に、いじめゼロを目指す福岡市として教育長の決意を伺い、私の補足質疑を終わります。
○議長(平畑雅博) 中村水道事業管理者。
○水道事業管理者(中村健児) 災害時の医療用水の確保に向けた連携についてお答えいたします。
応急給水に関する情報につきましては、災害時において受援も含め、水道局が応急給水作業を円滑に行えるよう貯水槽の位置や給水車の停車位置などをあらかじめ整理したものでございますが、病院におけるBCPの向上にも資するものであることから、災害時における迅速な体制づくり等について、保健医療局と連携し、救急告示病院等との積極的な情報共有に取り組んでまいります。
次に、医療機関の断水対策につきましては、今後も引き続き福岡市水道長期ビジョンに基づき各種防災体制の強化に取り組んでいくとともに、災害に備えた医療機関との情報共有につきましても、関係部局と連携をしながら積極的に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(平畑雅博) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) まず、災害時の医療用水の確保に向けた連携についての質問にお答えいたします。
災害時は、病院と行政間で医療情報をリアルタイムで共有し、診療継続のための支援や患者搬送を円滑に行う必要がございます。そのため、全国共通のシステムである広域災害・救急医療情報システム、いわゆるEMISを活用して病院の被害状況、施設情報、診療の可否などを共有することとしておりまして、病院に対して平時からEMISに施設情報を入力するよう促し、災害時の迅速な情報共有に備えてまいります。また、市民局や水道局などの関係部局とも連携をし、ライフライン支援も含めた災害時の医療救護活動訓練を引き続き実施してまいります。
次に、膵臓がんの早期発見に向けた取組についての御質問にお答えします。
尾道方式につきましては、膵臓がんの早期発見に資する可能性があるものと考えておりますが、その取組の前提は、高度な専門性を有する中核病院が中心となること、地域クリニックとの緊密な病診連携が必要なことなどから、福岡市としましては、先行地域の動向を注視しますとともに、市域内の専門医や医療機関から導入に向けたお話がございましたら仕組みづくりについて協議してまいりたいと考えております。以上です。
○議長(平畑雅博) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) いじめ防止対策についてお答えいたします。
いじめは、児童生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命または身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであり、いじめを決して許さないという姿勢の下、いじめゼロに向けて全力で取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(平畑雅博) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 災害発生時において災害拠点病院等が機能を維持するためには、医療用水をはじめとするライフラインの確保が必要不可欠であり、平時から計画的なハード整備に取り組むとともに、病院や行政、ライフライン事業者におけます協力関係の構築が重要であると考えております。そのため、福岡市では、災害拠点病院等の重要施設につながる配水管の耐震化、また、応急給水の充実を進めることによりまして必要な水の確保を図りますとともに、県をはじめ、医療機関、ライフライン事業者等との情報共有や訓練の実施を通して、災害時におけます円滑な協力体制の構築を進めてございます。今後とも、市民の貴い命と健康を守ることを第一に、災害に強い安全、安心なまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。
また、がんにつきましては、生涯のうち2人に1人が罹患するとされておりまして、福岡市においても死亡原因の第1位になっていますことから、その対策は市民の生命と健康にとって重要であると考えてございます。特に膵臓がんにつきましては近年増加傾向にありまして、早期発見や治療が難しいがんと認識をしてございます。がん対策につきましては、様々な検査方法が研究、開発されているところでございますが、その有効性や安全性、費用対効果など十分な検証が行われることが不可欠であり、現在は国が科学的根拠を基に定める指針に基づき、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんの5つのがん検診を中心に取り組んでいるところでございます。今後とも、国の動向や研究成果などを踏まえつつ、市民の健康に寄与する取組を推進してまいります。以上です。
















