◯篠原委員 公明党福岡市議団を代表し、災害時の電力確保と非常用電源設備の維持管理について、地下鉄駅を活用した都市の魅力向上について、以上2問を質問する。初めに、災害時の電力確保と非常用電源設備の維持管理についてである。本年は、東日本大震災から14年目を迎えた。また、福岡県西方沖地震から昨日で20年目という節目を迎えた。復興の歩みとともに、防災への意識を新たにする契機でもある。数多くの災害を経験する中、近年も全国的に地震や台風などの自然災害が頻発している。改めて、命と暮らしを守るという言葉が胸に響く。過去の教訓を生かし、未来への備えを怠らないよう、改めて自分に言い聞かせたい。災害時の避難生活や復旧活動を支えるためには、安定した電力供給が不可欠である。そこで、災害時の電力確保と非常用電源設備の維持管理について尋ねる。今回、本市を含む20政令市及び全国47都道府県の非常用電源設備の設置状況について調査した。幾つかの事例を話すと、災害時の電力確保が進んでいる都市として、横浜市では、民間企業にもBCP、事業継続計画の一環で自家発電設備を導入し、太陽光発電の普及率も高く、災害時の電力確保にも寄与している。また、大阪市では、民間ビルでの自家発電設備や蓄電池の活用が進んでおり、2018年の台風被害を教訓に対策が強化されている。さらに、札幌市では、2018年に北海道地震に伴う全域停電、ブラックアウトで376病院が停電したことから、非常用電源設備の重要性を認識し、公共施設や住宅での導入が進んでいる。こうした他都市の取組を踏まえ尋ねる。まず、災害対策本部が設置される本庁舎及び区庁舎について、非常用電源設備の設置場所、稼働時間、点検状況及び関連予算を尋ねる。
△財政局長 本庁舎の非常用電源設備については、令和6年7月に浸水対策も兼ね、老朽化した自家発電設備を地下から屋上に移設更新しており、72時間の稼働が可能となっている。また、設備の点検については、消防法令に定められた総合点検及び機器点検を毎年行うとともに、稼働試験を毎月行っており、令和7年度の関連予算額は、設備の保守委託料として439万円余を計上している。
△市民局長 区庁舎については、発災後72時間は外部からの燃料供給なしに稼働できる自家発電設備の整備を進めており、中央区を除く6区については、令和6年度末までに地上での整備が完了し、このうち博多区、城南区では、屋上に整備している。中央区については、7年度に地上での整備が完了する予定であり、その関連予算額は7,277万円余となっている。また、自家発電設備については、毎年、消防用設備や電気工作物の保守点検などを行っており、7年度の関連予算額は2,782万円余となっている。
◯篠原委員 災害対策本部では、自家発電設備を屋上に移設するなどの対応がおおむね完了しているようだが、今回の調査では、答弁があった中央区以外にも、12か所の市有施設で地下に非常用電源設備が設置されていることが分かった。特に、避難所となる市民センターや地域交流センターでは、10施設のうち6施設で地下に非常用電源が設置されているようだが、自家発電設備を屋上に移設するなどの対応を行うのか尋ねる。
△市民局長 地下に自家発電設備が設置されているセンターのうち、浸水想定区域に位置するものについては、移設スペースの確保や、建物の耐荷重の課題があることから、大規模改修を行う際に屋上へ移設更新するなどの対応を行うこととしており、令和7年度は、中央市民センターについて屋上への移設更新に着手する予定としている。
◯篠原委員 非常用電源設備は、文字どおり非常時の電源確保の要となるものだが、地下だけでなく、地上部に設置されている場合でも、様々な理由で使用できない可能性も考えられることから、そうした場合の対処も含め、しっかりと対策を進めてほしいと思う。次に、市民センターや地域交流センター以外の避難所における電力確保はどのようになっているのか尋ねる。
△市民局長 避難所となる公民館等については、電気自動車から給電するための設備を整備している。また、小学校体育館については、カセットガスボンベを燃料とする非常用発電機を各校に備蓄しているほか、状況に応じて電気自動車や可搬型の外部給電器の活用も想定している。さらには、九州電力との災害時応援協定により、優先的に電力の復旧を依頼できる体制を確保するとともに、複数の建設資機材のリース業者との協定に基づき、非常用電源を確保している。
◯篠原委員 浄水場やポンプ場などの水道施設では、停電時に給水を維持するために非常用電源設備が不可欠だが、設置状況と維持管理について尋ねる。
△水道事業管理者 水道局においては、全浄水場をはじめ、給水確保に必要な取水場、ポンプ場、緊急時給水拠点となる配水場、水管理センターがある本局庁舎などに非常用電源として自家発電設備を整備している。浄水場など主要な水道施設については、自家発電設備の貯蔵燃料を72時間分に増量するなどの整備強化を現在進めており、令和10年度に完了する予定である。また、維持管理については、法令に基づく点検を適正に行うとともに、負荷をかけた試運転などを毎年度実施し、自家発電設備が正常に運転することを確認している。
◯篠原委員 非常用電源設備は非常事態に備えて設置されているため、通常、長期稼働しない状態が続く。そのため、緊急時に非常用電源設備が設計されたとおり、十分な発電能力を有しているかを点検することが重要となる。引き続き、維持管理の対応をお願いする。次に、医療機関について尋ねる。2016年4月の熊本地震でも、一部の病院で非常用電源設備が機能せず、救急救命センターが停電した。非常時の停電は人命やライフラインに関わる。専門家は、商用車の車検と同じように年1回、実際にエンジンが動いて発電できるかどうか点検する意味は大きいと指摘をしている。本市では、災害時の医療体制の中核となる災害拠点病院、救急告示病院は市内に何か所あるのか。そのうち、医療提供の継続に必要な非常用電源設備を備えている病院は何か所なのか尋ねる。
△保健医療局長 災害時における医療提供の中核的な役割を担う災害拠点病院は市内に8施設、救急医療の処置が可能な救急告示病院は、災害拠点病院を含め38施設である。また、非常用発電設備を備えているのは、38施設中37施設となっている。
◯篠原委員 本市では、38か所の救急告示病院のうち1か所に医療提供の継続に必要な非常用電源設備が設置されていないようである。消防法第2条第9項の規定に基づく救急病院等を定める省令では、明確に非常用電源設備の設置が条件として明記されていないようだが、自然災害の多い日本では、非常時の電力供給が重視されている。救急告示病院として機能するためには、医療提供の継続に必要な非常用電源設備は実質的に必要と考えられるが、所見を尋ねる。
△保健医療局長 災害時に傷病者を受け入れることが想定される救急告示病院においては、医療提供体制を維持するため、電力の確保が大変重要であり、非常用発電設備が未設置の救急告示病院に対しては、設置に活用できる県の補助金について周知を図るなど、医療機関の状況に応じて対応していく。
◯篠原委員 災害時の停電による医療提供の中断が患者の命に直接リスクがあることを重く受け止めて、確実に医療が提供されるよう対応をお願いする。それでは、大規模な災害によって広域で停電が発生した場合、市は電力事業者と連携し、どのように対応するのか尋ねる。
△市民局長 広域で停電が発生した場合については、九州電力との災害時応援協定に基づく復旧対策要員や電源車の派遣などにより、災害復旧拠点となる施設などへの送電を最優先に、早期復旧を図ることとしている。
◯篠原委員 平時から市と関係機関が連携し、迅速な復旧に向けた体制の整備、充実を図るようお願いする。続いて、自家発電設備の点検について尋ねる。消防法令に基づき設置されている自家発電設備については、点検が義務づけられているようだが、その点検は何に基づくものなのか、また、その内容はどのようなものなのか尋ねる。
△消防局長 総務省消防庁の告示で点検基準が定められており、その内容は目視による外観点検や作動点検、負荷をかけた状態での点検、いわゆる負荷運転などの点検を6か月または1年ごとに行うこととされている。なお、平成30年の点検基準の改正により、負荷運転に代わる方法として、エンジン内部を内視鏡や目視で確認することなどで、異常の有無を確認する内部観察等による点検が追加されている。また、自家発電設備の稼働にガスタービンを用いるものについては、構造上、負荷運転と負荷をかけない運転による性能差が生じないことから、負荷運転は不要とされている。
◯篠原委員 答弁があったように、自家発電設備の点検方法が平成30年に改正をされた。大きく、改正のポイントが4つある。1点目が、負荷運転のみだったのが、内部観察もできること、2点目が、今まで1年に1回負荷運転をしないといけなかったのが、予防的な保全が講じられていれば6年に1回になること、3点目が、原動機にガスタービンを用いる場合には負荷運転をする必要がないこと、4点目は、負荷運転時に換気性能の点検をするということだったが、無負荷運転時に実施をするという、この4つが改めて点検基準になった。これが、実際にはこのくらい紙で、消防庁のリーフレットがウェブサイトでも公開されているため、しっかり認知度向上と点検指導の徹底をお願いする。原動機にガスタービンを用いる自家発電設備を除き、負荷をかけた状態での作動点検、いわゆる負荷運転が義務づけられているとのことだが、なぜ負荷運転を必要とするのか尋ねる。
△消防局長 自家発電設備は、起動するだけではなく、消防設備等が本来の機能を十分に発揮できる電力を供給できる能力を有していることが重要である。そのため、実際に消防用設備等が作動した状態での点検、いわゆる負荷運転が必要とされている。
◯篠原委員 負荷運転は、自家発電設備を実際に動かして送電を確認する作業である。屋内消火栓などを備える延べ床面積1,000平方メートル以上で、特定防火対象物といわれる不特定多数の人が利用する病院、ホテル、百貨店などでは特に、停電時の消防用設備等の作動を確実にする必要がある。消防法令に基づく自家発電設備について、年1回の総合点検と消防署への点検結果の報告が義務づけられている。平成29年決算特別委員会の質疑で、消防法令に基づく自家発電設備が設置されている市内の施設数と負荷運転の実施状況を尋ねたが、当時と直近で、対象施設数と負荷運転等の点検の実施状況及び実施率がどのように変化をしたか尋ねる。
△消防局長 平成29年8月末時点において、自家発電設備が設置されていた施設は1,699施設であり、このうち負荷運転が実施されていた施設は699施設、実施率は41.1%である。それ以降の建物の新築や解体等を加味した、令和7年1月末時点における自家発電設備が設置されている施設は1,700施設であり、このうち負荷運転等の実施義務がない、稼働にガスタービンを用いる施設を除くと1,582施設である。その中で、負荷運転等が実施されている施設は1,150施設であり、実施率は72.7%となっている。
◯篠原委員 市内施設における負荷運転の実施率は、約7年間で41.1%から72.7%と着実に改善しているようである。それでは、特に市有施設の状況についても確認をしたいと思う。平成29年12月の西日本新聞の記事において、災害時の指定避難所である市民センターなど、本市の市有施設の約8割で基準違反が確認をされた。うち半数は、負荷運転を実施と事実と異なる報告をしたことも判明し、災害時の備えである点検の形骸化が浮き彫りになった。消防法令や国の基準に基づき、建物に消防用設備を動かすための自家発電設備がある場合、災害時に自家発電設備が設計されたとおり十分な発電能力を有しているかを点検する、負荷運転または内部観察等の年1回の実施が必要である。点検周期を延長する手法として、予防的保全策を講じていれば、負荷運転または内部観察等の点検周期を6年に1回に延長することができることとなっており、施設の用途に応じて1年または3年ごとに消防署への報告が義務づけられている。当時の記事によれば、市有施設に設置されている76台の自家発電設備のうち、負荷運転を実施していたのは16台、21%だけで、残り60台のうち、31台は点検票の負荷運転欄に実施済みを表す丸と記入し、誤った報告をしていた。そこで、直近の市有施設における負荷運転等の点検の実施状況を尋ねる。
△消防局長 自家発電設備が設置されている市有施設は、令和7年1月末時点で75施設あり、全ての施設で負荷運転等が適切に実施されている。
◯篠原委員 今後とも市有施設において負荷運転等が省略されることのないよう、指導対応をお願いする。2018年の点検基準の改正時から換算すると、ちょうど昨年、2024年から今年2025年が6年目に該当し、予防的保全策を講じている自家発電設備が負荷運転の点検時期を迎えることとなる。これらの施設については、今後、負荷運転が適切に実施されることが必要である。また、現に負荷運転等が実施されていない432施設について、負荷運転等が実施されていない理由などを把握し、それに応じた対応が必要と考えるが、所見を尋ねる。
△消防局長 今後、負荷運転の点検時期を迎える施設については、適切に負荷運転等が実施されるよう、機会を捉えて制度の周知を図っていく。また、現に負荷運転等が実施されていない施設については、立入検査などの際に報告が行われていない理由などについて聞き取りを行うとともに、その重要性についての説明を行うなど、負荷運転等の点検が速やかに実施されるよう指導を行っていく。
◯篠原委員 よろしくお願いする。先日、鳥取県琴浦町にある量販店の屋上での非常用電源設備の疑似負荷運転の視察に行った。特に注目したのは、一定時間で負荷を30%まで段階的にかけていくプロセスであった。この方法は、発電機の性能を安全かつ確実に評価するための工夫が詰まっており、実際に見て、その意義と実践的な側面に学んだ。また、興味深かったのは、30%という負荷レベルが1つの基準として設定されている点で、技術者によると、30%の負荷は、発電機の基本的動作安定性を確認するのに十分で、日常的な保守点検の目安になるとのことであった。非常用電源設備は、あらゆる非常事態での停電に備え、人命の安全を図るとともに、様々な設備への電源供給を担う不可欠なインフラであり、それを適切に維持管理していく重要性をここで再確認したいと思うが所見を尋ねる。
△消防局長 消防法令に基づき設置されている自家発電設備については、火災発生時などの非常事態の際に、消防設備等が本来の機能を十分に発揮できる電力が確実に供給されるよう、適切に維持管理されていることが重要と考えている。
◯篠原委員 負荷運転等の点検の実施率について、市有施設では100%になっているとのことである。先ほど、市内の施設全体としても実施率が約3割改善しているとのことだったが、その要因についてどのように分析しているのか尋ねる。
△消防局長 負荷運転等の実施率が向上したことについては、点検の実施方法について、停電を伴わずに負荷運転と同等の点検が実施できる装置を活用した模擬負荷運転が広く認識されたことや、平成30年の点検基準の改正で新たに内部観察等が追加されたことが大きな要因と考えている。また、消防局としても、これまであらゆる機会を捉えて継続的に指導を行ってきたところである。
◯篠原委員 日本内燃力発電設備協会は、2011年3月11日の東日本大震災で震度6強以上を記録した宮城など4県の市郡を対象に、自家発電設備の稼働状況を調べた。調査対象4,811台のうち、動かなかったり、異常停止したのが計233台、このうち、原因が整備不良と判明したものが23台あったということで、知識不足や認識の甘さがあると思う。施設管理者や点検業者が、負荷試験の重要性を十分に理解していない場合がある。起動すれば問題ないだろうといった誤った認識が根づいている。また、法令の詳細を知らず、点検済みの形式的な報告で済ましてしまう例もあるようである。消防署への点検報告が義務づけられているが、実際の負荷試験実施状況を厳密に監査する体制が不十分であり、未実施に対する罰則が即座に適用されるケースが少なく、違反が見逃されやすいのではないか。人命と生活を守る揺るぎない消防使命に敬意を表し、施設管理者には正しい認識を、点検報告の内容には適切な指導を、引き続き対応をお願いする。市内でも1,582施設のうち1,150施設で負荷運転等が実施されているとのことだが、実施率が改善傾向とはいえ、裏返せば市有施設以外の432施設においては、負荷運転等の運転性能に関する点検が未実施であり、非常用電源という意味合いから考えると、まだ十分ではないと考える。負荷運転等の実施率を改善するためには、例えば、地域単位で模擬負荷装置を共同利用する仕組みをつくり、小規模施設向けに低コストで簡易的な負荷試験キットを開発、提供するなど、負荷運転等のコスト削減策に向けた取組をするべきと思うが、所見を尋ねる。
△消防局長 負荷運転等の実施率の向上が図られるよう、負荷運転等のコストの軽減につながる方策について、その在り方を業界団体と意見交換を行っていく。
◯篠原委員 ぜひとも、負荷運転等の実施が低コストでできるように、業界団体との意見交換をお願いする。ここまで尋ねてきたように、国においても、負荷運転の代替手法として内部観察等を追加するなど、点検の在り方の見直しは進んでいるようだが、実施率100%に向けてはまだまだ努力が必要である。負荷運転による点検の実施率のさらなる向上に向けた今後の取組を尋ねる。
△消防局長 消防法令に基づく自家発電設備の負荷運転等の実施は、大変重要なものと考えており、負荷運転等の点検が確実に実施されるよう、改善指導に関する文書送付や立入検査などの機会を捉え、引き続き指導を行っていく。
◯篠原委員 災害時に必要な電力が供給されるよう、自家発電設備の点検をさらに推進をしてもらいたいと思う。さて、経済産業省は先月改定されたエネルギー基本計画の中で、2040年までにペロブスカイト太陽電池を20ギガワット、原発20基分を導入する目標を盛り込んだ。ペロブスカイト太陽電池は軽量、柔軟という特性に加え、国産が可能な次世代技術として注目をされており、国策としての後押しが期待される。また、再生可能エネルギーによる災害対応力強化として、非常用電源設備への活用のポテンシャルも大いに秘めており、特に、災害時のポータブル電源や、避難所での利用など、2025年以降の商用化が進む中で、非常用電源設備としての具体的な活用事例が増えることが予測される。本市では、ペロブスカイト太陽電池など、再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組んでいる。災害時の電力確保策として、家庭や企業における太陽光発電は有効と考えるが、所見を尋ねる。
△環境局長 本市では、再生可能エネルギーの活用を推進するため、太陽光発電設備や蓄電池の設置に対する補助を行っており、これまでに累計で約9,400件の太陽光発電設備と、約3,200件の蓄電池の設置につながっている。太陽光発電設備は、再生可能エネルギーの有効活用に加えて、蓄電池との併用等により、停電時の非常用電源としても有用であると考えており、現在、全国に先駆けて、香椎浜小学校の体育館に設置を進めている国産ペロブスカイト太陽電池についても、蓄電池を併設することとしている。また、令和7年度に環境省が創設予定のペロブスカイト太陽電池の導入に係る補助金においては、蓄電池を併設する場合には補助率の優遇等が検討されるなど、災害対応の視点も踏まえた制度となる見込みであり、そうした国の制度や本市独自の補助金なども活用しながら、太陽光発電設備及び蓄電池の普及促進を図っていく。
◯篠原委員 太陽光発電の普及促進に向け、しっかり取り組んでもらいたいと思う。大規模災害の電力確保は、市民生活を守り、都市機能を維持するためにも非常に重要である。今後、福岡市地域防災計画の全面的な見直しに着手すると聞いているが、災害に強いまちづくりのため、災害時の電力確保にどのように取り組むのか、この質問の最後に市長の所見を尋ねる。
△市長 昨年の能登半島地震をはじめ、近年、日本各地で大規模な自然災害が発生しており、この状況を踏まえて、本市の防災、減災対策の強化を図っていくことが重要であると考えている。大規模災害時の電力の確保については、市民生活を守り、都市の機能を維持するためにも迅速な対応が求められるところであり、災害対策本部を設置する区庁舎や避難所施設の電力の確保に向けた取組を進めている。さらに、災害対策の実効性を高めるため、地域防災計画の全面的な見直しに着手するとともに、訓練等を通じて電気事業者等との連携強化を図るなど、より迅速、的確に対応できる体制を構築していく。今後とも、市民の貴い命と財産を守ることを第一に、災害に強いまちづくりを進めていく。
◯篠原委員 よろしくお願いする。2つ目に、地下鉄駅を活用した都市の魅力向上について尋ねる。本市の魅力は、都市活力を牽引する都心部を中心に、都市機能の充実や、水辺や緑、文化芸術、歴史などにより彩りと潤い、にぎわいが創出されていることであり、今後もこの魅力を磨いていく必要があると考えている。福岡市地下鉄は空港線、箱崎線、七隈線の3路線で構成され、全長31.4キロメートル、36駅を展開している。魅力向上の基盤となる福岡空港へのダイレクトアクセスとして、空港線は日本で唯一空港直結の地下鉄であり、博多駅から福岡空港まで約5分という利便性は国内外の旅行者にとって大きな魅力である。また、都心部の結節点として天神、博多、中洲川端などの主要駅が市中心部の商業、観光エリアと直結しており、さらに2023年3月には天神南駅から博多駅まで延伸され、都心部の回遊性が一段と向上した。現在1日当たり約50万人が地下鉄を利用しているが、天神ビッグバンをはじめとしたビルの建て替えやインバウンド利用の増加に伴い、本市の人の動きはますます増加していくのではないかと思われる。このような背景を踏まえ、地下鉄駅を単なる移動経路としてだけでなく、多くの利用者が行き交うタッチポイントとして、市民や来街者に向けた都市の魅力向上という視点から、地下鉄駅の有効活用ができるのではないかと考えている。そこで、地下鉄駅を活用した都市の魅力向上を図るという観点から質問をしていく。まず初めに、駅コンコースを利用した印象的な空間として思い浮かぶのが、七隈線の櫛田神社前駅である。地下1階のコンコースには博多祇園山笠の装飾や、博多人形をはじめとした博多の伝統工芸品がずらりと並び、見応えのある魅力的な空間となっており、駅を訪れる人の回遊の拠点として、博多のまちをアピールする場として機能をしている。櫛田神社前駅における博多の伝統工芸品の展示は、駅を利用した魅力ある空間づくりの成功例であると思うが、整備された経緯について尋ねる。
△交通事業管理者 櫛田神社前駅については、博多駅地区と天神地区をつなぐ都心回遊の中間点にあり、歴史ある寺社が多く集まる博多旧市街エリアに位置していることから、経済観光文化局と連携して、博多の歴史や文化を感じる展示や装飾などを行うこととし、新駅を建設する際に整備したものである。
◯篠原委員 櫛田神社前駅は、駅周辺のまちの特性とうまく連携をし、櫛田神社の伝統的な要素を取り入れたデザインとして、新駅の建設の機会を捉えて整備が進められたとのことで、地域文化との結びつきを強調しているが、このような取組を他の駅にも展開する余地はないのか。そこで、櫛田神社前駅以外で、同じような取組を行っている駅があるのか尋ねる。
△交通事業管理者 七隈線延伸の際に新設した櫛田神社前駅については、設計段階から必要な通路幅や設備などを確保し、展示スペースを整備した。そのため、既設の他の駅においては同様の取組はない。
◯篠原委員 櫛田神社前駅では、駅の新設に合わせて展示空間が整備され、他の駅での同様の取組にはハードルがあるとのことである。例として挙げた櫛田神社前駅は特別なものかもしれないが、様々な視点から駅の魅力を高めていくことは常に考えておくべきだと思う。七隈線沿線では、沿線住民向けに、例えば橋本駅、六本松駅、薬院駅周辺では住宅地としての利便性向上とともに、カフェや小規模店舗の誘致が進められ、生活拠点としての魅力が高まっていると思われる。そこで、これまで駅の魅力づくりのために、どのような取組を行っているのか尋ねる。
△交通事業管理者 地下鉄駅における魅力づくりとしては、薬院大通駅における動植物園との連携や、六本松駅における科学館との連携など、地下鉄沿線の観光資源や魅力あるコンテンツと連携をした駅の装飾に取り組んでいるほか、新たに令和7年度予算において、地下鉄駅の緑化を計画しているところである。
◯篠原委員 令和7年度には、新たな取組として地下鉄駅の緑化を進めるとのことだが、地下鉄駅構内のコンクリートで覆われた空間に壁面緑化を導入することで、一般的に言われている植物によるヒーリング効果やリラックス効果が得られることも、科学的な研究からも裏づけられている。緑を目にすることで、人の自律神経に影響を与え、リラックス時に活性化する副交感神経が促進され、ストレス時に高まる交感神経が抑制されることが分かっている。このような緑豊かな空間が広がれば、福岡市地下鉄が移動手段だけでなく、癒やしの場としての価値も高まると思われる。地下空間の緑化について、具体的にどの駅でどういった内容の緑化を行うのか、併せてその予算額について尋ねる。
△交通事業管理者 地下空間の緑化については、地下鉄利用者の約4割を占める天神駅、博多駅、福岡空港駅において魅力的な空間づくりに取り組むこととしており、改札口周辺を中心に、壁面や柱回りを活用し、天然植物を主体とした緑化を計画している。予算額については、2億9,681万6,000円を計上している。
◯篠原委員 予算として約3億円が計上されているということだが、その財源はどうなっているのか尋ねる。
△交通事業管理者 多くの市民や来街者が利用する地下鉄駅の緑化は、印象的な緑の空間を感じてもらうことで、本市が緑を大切にしているというメッセージを広く発信できるほか、国内、国外からの観光客へのおもてなしにもつながることから、財源としては、宿泊税約1億円を含む一般会計が約2億円、交通局が約1億円を計上している。
◯篠原委員 環境に配慮した駅施設や緑化空間の導入により、持続可能な魅力づくりが進むと思われるが、一方で地下空間の緑化ということもあり、一般的な野外での緑化に比べて、地下において植物がきちんと育つかという点も危惧されるが、地下空間において天然植物を使用した緑化は可能なのか、また、その事例はあるのか尋ねる。
△交通事業管理者 地下空間や屋内における事例としては、阪神神戸三宮駅や阪急大阪梅田駅など、他の鉄道事業者においても、地下鉄駅の改札口周辺や地下通路における緑化の実績がある。これらのように地下空間においても、照度を補完する照明や給排水等の設備を確保し、適切な維持管理を行うことで、植物の生育は可能である。
◯篠原委員 答弁があった事例のうち、こちらが阪神鉄道の神戸三宮駅の写真である。こちらは2013年から実施されている。駅という慌ただしい場所に植物があることで、まるで小さなオアシスのような安らぎが生まれているのではないか。それと、もう1つの事例として、こちらの写真は阪急梅田駅の地下連絡通路の様子だが、こちらは2015年に整備されている。こちらもデザイン的にモダンで、環境にも配慮した取組を感じさせる点で好印象である。このような緑は、無機質な空間に潤いを与え、通行者のストレス軽減に寄与する。地下通路への緑化導入が進めば、利用者の憩いの場としての価値がさらに高まると期待される。改めて、駅の緑化による効果をどのように考えているのか、所見を尋ねる。
△交通事業管理者 駅の緑化の効果については、多くの市民や来街者が利用する地下鉄駅に印象的な緑の空間を創出することにより、通勤や通学、国内旅行、国外旅行の乗客など多くの利用者に彩りや潤い、安らぎを感じてもらい、本市が緑を大切にしているメッセージを広く発信できると考えている。あわせて、この取組は地下鉄を利用する乗客の満足度の向上や地下鉄の魅力づくりにつながるものと考えており、着実に取組を進めていく。
◯篠原委員 3月23日から27日までの5日間、福岡市植物園で、花の祭典Fukuoka Flower Show Pre-Eventが開催されるが、これから1年後の2026年春に開催をされることになっているFukuoka Flower Showの期間中には、国内外からたくさんの人が本市を訪れることになると思う。まさに、花と緑あふれるまち・福岡のイメージを広くアピールをする絶好の機会であり、今回実施される駅の緑化についても、Fukuoka Flower Showとも連動させることで、日常の移動空間において、花と緑のイメージを浸透させ、2026年の本開催を成功に導く起爆剤となることは間違いないと思うが、所見を尋ねる。
△交通事業管理者 指摘のFukuoka Flower Showと地下空間の緑化の連動については、日常の移動空間において、より多くの皆さんに花と緑のイメージを浸透させることができる効果的な取組であると考えている。Fukuoka Flower Showの開催に向けて、住宅都市局と連携しながら、効果的なPRなどに取り組んでいく。
◯篠原委員 観光客へのアピールとして、空の玄関口である福岡空港駅や陸の玄関口である博多駅、そして海の玄関口である博多港など、福岡に到着直後から花と緑あふれるまち・福岡のイメージを打ち出すには、Fukuoka Flower Showとの連携も重要になると思う。さらに、今回実施をする3駅以外の駅への展開については、どのように考えているのか。また、地上出入口の緑化を行うことで、駅構内までの連続した緑の演出ができ、効果的ではないかと思うが所見を尋ねる。
△交通事業管理者 今回実施する地下鉄駅の緑化については、利用者が地下鉄全体の4割を占めるなど、特に利用の多い天神駅、博多駅、福岡空港駅の3駅をターゲットとして実施することとしている。また、緑化を行う箇所については、地上出入口ではなく、利用者が集中する改札口付近に集約することで、多くの利用者に緑の空間による彩りや潤い、安らぎを感じてもらうことが可能となるほか、緑の維持管理についても効率的に行うことができると考えている。
◯篠原委員 今回の地下空間の緑化の取組は初めてのことであり、実施効果や維持管理の状況などをしっかり検証した上で、今後の展開を検討してもらいたと思う。一方で、地上に目を向けると、地下鉄には地上駅もあり、貝塚駅においては、九大跡地のまちづくりに合わせた改修が計画をされている。このような機会を捉えて、緑化等の手法を取り入れた魅力ある空間づくりができるのではないかと思うが、所見を尋ねる。
△交通事業管理者 貝塚駅については、今後、九大跡地のまちづくりに合わせて内外装を改修するなど、駅のリニューアルを計画している。そのため、令和7年度に予定している実施設計において、まちづくりと調和した魅力ある緑の空間の創出についても、併せて検討したいと考えている。
◯篠原委員 貝塚駅のような大規模な改修の機会を捉えることで、効果的に魅力向上を図っていくことができると思うため、ぜひ取り組んでもらえるよう期待をする。地下鉄駅の活用については、櫛田神社前駅での実績や他都市の事例も参考にしながら、しっかり取り組んでほしいと思う。また、駅の全館冷房化や増便などの利便性向上、沿線開発、観光振興などの地域との連携、経営改善など、総合的な取組を進めることで、地下鉄は単なる交通インフラというだけではなく、都市のブランド力を高める地域のハブとして、利用者に新たな価値を提供していく役割を担ってもらえるよう期待をする。最後に所見を尋ね、質問を終わる。
△交通事業管理者 交通局では、令和7年2月に中長期的な経営の指針となる長期ビジョンを策定し「お客様に満足いただき、選ばれる地下鉄を目指す」ことを目標に定め、安全、安心を第一に、快適で質の高いサービスのほか、まちづくりとの連携や環境への配慮、そして経営基盤の強化を4つの柱とし、公共交通機関としての使命を果たすこととしている。令和7年度からこのビジョンに基づく様々な取組が始まるが、その一つとして、新たに地下鉄駅の緑化に取り組み、地下空間での緑による彩りや潤い、安らぎの提供により、緑豊かなまちづくりを推進していく。今後とも、本市のブランド力向上に貢献する新たな価値やサービスに積極的にチャレンジしていく。
















