▼令和7年 第1回定例会 石本 優子 補足質疑 (令和7年3月6日)

○議長(打越基安) 石本優子議員。
○18番(石本優子)登壇 私は公明党福岡市議団を代表し、尾花康広議員の代表質問を補足し、終活を準備するために今できること、帯状疱疹ワクチンへの公費助成について、以上2項目質問いたします。
 初めに、終活を準備するために今できることについて伺います。
 私たちの下には、高齢者の方やその御家族から人生の終わりについて考える終活について様々な相談が寄せられます。例えば、配偶者や子どもたちと住んでいた自宅に今は一人で生活しており、自分が死んでしまったら、その住んでいた家が空き家になってしまうがどうしたらよいかとの相談や、亡くなった後の葬儀、納骨、家財処分についての相談など、多岐にわたっています。また、高齢者が救急搬送され意思疎通が図れないときに、緊急連絡先や本人が希望する治療方針を表明されたものがなく、医療機関が対応に困るという現実もあります。
 こうした現状を踏まえ、終活について幾つか伺っていきたいと思います。
 まず、直近の国勢調査における本市の高齢者の人口、単身高齢者人口、併せて、2030年に予測される単身高齢者数をお示しください。
 次に、本市では社会福祉協議会と連携して終活について支援いただいております。令和元年からは終活サポートセンターを設立し、多くの市民の相談に応じていただいております。
 そこで、終活サポートセンターの役割についてお尋ねします。また、終活に関する支援として出前講座なども開催いただいていますが、開催回数などの成果を踏まえ、市としてどう認識されているでしょうか、お尋ねします。
 そして、終活支援の出前講座では「わたしが伝えたい大切なこと~マイエンディングノート~」について説明されています。スライドをお願いいたします。(資料投影)終活支援で大切なものがエンディングノートの記入です。皆さんはこのノートを御存じでしょうか。ある方からお話を伺いました。お母様を亡くされた娘さんが、お母様が亡くなった後、家の片づけをしているとエンディングノートを見つけたそうです。そこには、意識がない状態で戻る見込みがないならば、心臓マッサージや人工呼吸器をつなぐなどの延命治療はしないでほしいと書かれてあったそうです。救急車で運ばれ、数週間して亡くなったお母様について、入院後、容体が悪化し、心臓マッサージや人工呼吸につながることを医師から説明され、治療選択を迫られたそうです。もっと早くにこのノートを知っていれば、お母さんの意を酌むことができたのに、と落ち込んでいらっしゃいました。こうして自分の医療の希望や緊急連絡先など、伝えておきたい大切なことを書いて残すノートをエンディングノートといいます。
 改めて伺いますが、「わたしが伝えたい大切なこと~マイエンディングノート~」の役割についてお尋ねします。また、市民の皆様へ周知、啓発している内容と過去3年間の発行部数についてお尋ねします。スライドありがとうございました。
 次に、福岡市では、もしものときに備えて話し合う人生会議も推進しています。人生会議とは、大切な人と自分や相手の人生の最期をどう迎えたいかなどについて話すことをいいます。さきにお話しした亡くなったお母様と娘さんは、忙しくてこの人生会議をしていなかったようでした。改めて、家族と話そうと思っていても、なかなか面と向かって話せないものだと感じました。
 そこでお伺いしますが、人生会議とは何か、そして、人生会議の意義に関する本市の認識を伺います。また、市民の皆様への周知、啓発についての取組を伺います。
 さて、皆さんはエイジングリテラシーを御存じでしょうか。スライドをお願いいたします。(資料投影)昨年、福岡100の取組の中で、エイジングリテラシー向上プロジェクトを立ち上げたとのことでした。このハンドブックは、親子で終活に関する深い話ができる信頼関係を築くヒントが書かれたブックです。
 そこでお尋ねしますが、エイジングリテラシーとは何か。また、福岡100の一環として始まったエイジングリテラシー向上のための取組とはどんな目的を持ったプロジェクトでしょうか。概要をお尋ねします。スライドありがとうございました。
 次に、緊急時の情報について伺います。
 次のスライドをお願いします。(資料投影)福岡市の単身高齢者の下に届けているツールとして、緊急連絡先などの情報をケースに入れて冷蔵庫に保管する安心情報キットがあります。救急車で搬送されるときに、救急隊員が冷蔵庫内のこのキットを情報共有のために活用するものであります。この安心情報キットはいつ配付開始となったのか、また、どのように周知され、配付されているのか、さらに、過去3年間の配付数をお尋ねします。また、救急隊員への周知や活用の実情について、過去3年間の活用件数と併せてお尋ねします。
 次に、スライドをお願いいたします。(資料投影)終活支援の中で、市民の皆様が不安を抱える内容に葬儀、納骨、死後の家財処分や銀行口座等の処理など、亡くなった後に行う死後事務が挙げられています。本市では、福岡市社会福祉協議会が実施する死後事務委任事業に対して補助を実施しています。事業としては、ずーっとあんしん安らか事業とやすらかパック事業の2種類があります。
 この事業を開始した経緯と、それぞれの事業内容、特徴について御説明ください。また、両事業を合わせた直近3年間の相談件数及び新規契約件数をお尋ねします。あわせて、現在の契約件数について、それぞれの事業の内訳を含めてお尋ねします。スライドありがとうございました。
 次に、2項目めの帯状疱疹ワクチンへの公費助成について伺います。
 現在、帯状疱疹ワクチンについては、国において令和7年度からの定期接種化が決定されています。スライドをお願いします。(資料投影)定期接種の対象者は65歳の方及び60歳から64歳でヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の障がいがあり、日常生活がほとんど不可能な方とされております。さらに、令和7年度から令和11年度までの5年間の経過措置として、70歳以上の方を5歳刻みで対象とすることとされており、5年後までには65歳以上の全ての方が定期接種の助成を受けられることとなります。スライドありがとうございました。
 我が会派では、これまで市民の皆様より寄せられた声から、高額な帯状疱疹ワクチンの公費助成について、一般質問や委員会にて提案を重ねてまいりました。昨年末に、国において令和7年度から65歳の方などを対象に定期接種化の方針が示されたことを受け、本年1月には市独自での公費助成の対象年齢拡大や自己負担額の軽減、そして、ワクチンの特性などを市民に分かりやすく周知していただきたいと髙島市長に緊急申入れをいたしました。このたび、我が会派の提案を受け止めていただき大変感謝しております。また、市民の皆様にも大変喜んでいただいており、関心が高いこともうかがえます。
 そこで、帯状疱疹ワクチンへの公費助成について何点か伺ってまいりたいと思います。
 まず、対象年齢について伺います。スライドをお願いいたします。(資料投影)先ほど触れましたとおり、国の定期接種は65歳の方などを対象としています。福岡市ではこれに加え、市独自で任意接種である50歳の方を対象とし、さらに、令和7年度から令和11年度までの5年間の経過措置として、55歳、60歳の方も対象とされております。
 そこでお尋ねしますが、まず、帯状疱疹ワクチン公費助成に係る令和7年度の予算額、また、令和7年度に公費助成の対象となる市民のうち、定期接種と任意接種、それぞれの対象者数をお尋ねします。あわせて、国が65歳を定期接種の対象とした根拠、また、市が公費助成の対象を50歳に拡大いただいた理由をお尋ねします。スライドありがとうございました。
 次に、我が会派では自己負担額がワクチン接種費用の半額程度となるように主張してまいりました。帯状疱疹ワクチンには生ワクチンと組換えワクチンが提供されていますが、2種類のワクチンの効能や効果持続期間などを御説明ください。
 また、今回の制度ではそれぞれ接種費用、自己負担額がどれくらいになるのか、併せて、自己負担額の設定理由をお聞きします。
 さらに、この公費助成は令和7年のいつ頃からスタートされるのかお聞きします。
 また、市民に対して分かりやすく広報、周知していただきたいと考えますが、どのように取り組まれるのか伺います。
 以上で1回目を終わり、2回目以降は自席にて行います。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 終活に関する御質問にお答えいたします。
 令和2年の国勢調査によりますと、福岡市の高齢者人口は33万8,930人、単独でお住まいの高齢者は8万1,715人となっております。2030年の単身高齢者数につきましては、13万300人になると予測しております。
 次に、終活サポートセンターについては、終活に関する総合相談窓口として、専門のアドバイザーや弁護士が相続や権利擁護、亡くなった後の事務など、多岐にわたる相談に無料で応じるほか、地域での出前講座などを行っております。出前講座の開催回数及び参加者数は、令和3年度が31回で838人、4年度が57回で1,160人、5年度が58回で1,239人であり、地域の皆様に終活について考えていただくきっかけになっているものと認識しております。
 次に、エンディングノートについては、元気なうちから自分の意思を整理して、家族や支援者と話し合い、共有するためのツールであり、市が主催するセミナーなどにおいて、終末期に向けた備えの重要性の啓発と併せて、書き方の紹介などを行っております。発行部数は、令和3年度が1万2,000部、4年度が2万部、5年度が2万部となっております。
 次に、エイジングリテラシーについては、加齢により身体の機能や能力がどう変化するのか、どのような備えをしておけばよいかなど、人生100年時代を自分らしく生きるために必要な情報や知識のことを表しております。また、エイジングリテラシー向上のための取組については、社会福祉協議会などと連携し、加齢による認知機能の低下やそれに伴って生じる金銭管理の課題、事前の準備の必要性等について、企業を巻き込んだ啓発を行うことで、何歳になっても自分らしい生き方を選択できるまちを目指すものでございます。
 次に、安心情報キットについては、平成24年度から社会福祉協議会と連携し、校区社会福祉協議会や民生委員など、地域で見守り活動を行っている方々を通じて高齢者などに配付しております。周知については、社会福祉協議会が各団体の会議等で紹介しているほか、広報紙なども活用しております。配付数は、令和3年度が1,993個、4年度が2,940個、5年度が5,084個となっております。また、救急隊員に対しては、隊員向けの活動マニュアルに掲載し、周知を図っており、緊急通報を受けた際、駆けつけた現場で情報収集のために活用することがあると聞いております。実際に活用された件数は、令和3年が7件、4年が7件、5年が6件となっております。
 次に、死後事務委任事業については、社会福祉協議会が高齢者等に対する相談支援を行う中で、死後事務や日常の見守りに関するニーズが高いことを把握し開始したもので、利用者との事前契約により葬儀や家財処分、見守りなどを行っております。ずーっとあんしん安らか事業は、利用者が契約時に一定の預託金を支払うもの、やすらかパック事業は、少額短期保険制度を活用し、利用者が毎月利用料を支払うものでございます。実相談件数は、両事業合わせて令和4年度が437件、5年度が340件、6年度が12月末時点で324件、新規契約件数は4年度が10件、5年度が6件、6年度が12月末時点で15件であり、相談の7割程度は将来に備えた問合せなどとなっております。また、現在の契約件数については134件であり、内訳は、ずーっとあんしん安らか事業が82件、やすらかパック事業が52件となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) まず、終活支援に関する御質問にお答えをいたします。
 人生会議とは、もしものときのために医療やケアについて家族や医師、ケアマネジャーなどと繰り返し話合いを行い、共有する取組でございます。命の危険が迫った状態になると、医療やケアなどについて、自分で決めたり、望みを伝えたりすることが難しくなることから、本人の意思を尊重した最期を迎えるためには、前もって人生会議を行うことが重要であると認識をいたしております。また、福岡市医師会と連携し、在宅医療、介護連携の推進に向け実施している専門職に対する研修会や市民向けの啓発事業の中で、人生会議を重要なテーマの一つとして取り上げるなど、周知、啓発に努めているところでございます。
 次に、帯状疱疹ワクチンに関する御質問にお答えをいたします。
 まず、令和7年度の予算額につきましては1億3,070万円余で、対象者数は、定期接種は約8万人、任意接種は約6万6,000人と見込んでおります。また、国の定期接種の対象年齢につきましては、帯状疱疹の罹患者数が70歳代で最も多くなることや、合併症の一つである帯状疱疹後神経痛の発症が70歳代以降で増加すること、ワクチンの有効性の持続期間などを考慮し、65歳を対象とされたものでございます。本市独自の任意接種の対象年齢につきましては、帯状疱疹の罹患者数が50歳代から増加することや、帯状疱疹後神経痛が発症した場合、数か月間痛みが続くことがあり、勤労世代の生活に大きな影響があること、国の厚生科学審議会において、50歳以上の接種で費用対効果が良好とされていることなどを踏まえ、50歳を対象といたしたものでございます。
 次に、帯状疱疹ワクチンの効能等につきましては、生ワクチン、組換えワクチンのいずれも帯状疱疹やその合併症に対する予防効果が認められており、その有効性につきましては、生ワクチンは接種後1年時点で6割程度、5年時点で4割程度、組換えワクチンは接種後1年時点で9割以上、5年時点で9割程度、10年時点で7割程度持続するものと報告されております。
 次に、接種費用につきましては、生ワクチンは1回の接種で約9,000円、組換えワクチンは2回の接種が必要とされており、合計で約4万4,000円となっております。自己負担額につきましては、他都市の状況などを勘案いたしまして、接種費用の半額程度の公費助成を行うこととしており、生ワクチンは4,900円、組換えワクチンは2回合計で2万4,000円と設定いたしております。
 次に、公費助成の開始時期につきましては、令和7年4月1日といたしております。
 次に、広報、周知につきましては、ワクチンの有効性、安全性、持続期間や副反応、健康被害救済制度などの情報を記載した案内文と予診票を接種対象者へ個別に郵送することといたしております。あわせて、市ホームページや市政だよりのほか、SNSの活用、医療機関や公民館へのポスター掲示など、様々な方法により希望する方が円滑に接種を受けられるよう丁寧な情報提供を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 2回目の質問に移ります。
 まず、終活を準備するために今できることについてですが、終活を進めていく中で、高齢者だけにエンディングノートを勧めていくのではなく、周りの家族と自分らしく生きていくには、若い頃からどんな備えが必要かを学ぶことが大切だと思います。そのための必要な知識をエイジングリテラシーといいます。スライドをお願いいたします。(資料投影)例えば、20代から40代くらいの世代の方は親の老化による心身の変化に気づくようになりますが、親と今後のことを話してみようと思ってもなかなか話せないことがあります。このハンドブックにあるように、親子で関係を築くことで、日頃から自分のことや家族のことを思い、どんな生き方をしたいのか、もしものことがあったときはどうしたいかなど、家族や大切な人と自然に人生会議が開けるようになるのではないでしょうか。終活につながる人生会議が開けるよう、高齢者だけでなく、若い世代を含めて、このハンドブックを周知し、エイジングリテラシーを高める取組になお一層力を入れていただきたいと考えますが、御所見を伺います。スライドありがとうございました。
 また、エンディングノートについては、先ほど3年分の配付数を御答弁いただきましたが、これまでの累計で約10万部が配付されているようです。33万人の高齢者のうち、どれくらいの方が手にしていらっしゃるでしょうか。昨年実施した市政に関する意識調査の結果に関するスライドを準備しました。スライドをお願いします。(資料投影)このグラフにありますように、終活について家族と話すことが必要だと感じている方は、話したことがある、また、話したことはないが、話したほうがよいと思っている方を合わせますと、8割以上いらっしゃいます。一方で、終活について家族と話す必要はない、話す予定はないと考える方も15%いらっしゃるのも事実であります。いろんな思いを感じる方への配慮が必要かとは思いますが、エンディングノートを書くこと、そして、人生会議をすることが終活のきっかけになると考えます。
 そこでお尋ねしますが、高齢者の方々、そして年齢を問わず、若い年代の方々も自らこのエンディングノートを書いてみようかなと手にしたくなるような、そして、人生会議をしてみようかなと思えるような仕掛けを考えていただくことはできないでしょうか。御所見を伺います。スライドありがとうございました。
 次に、緊急連絡先、医療情報などが記載されている安心情報キットについてですが、過去3年間でも民生委員などを通じて約1万人以上の方に配付してくださっているようです。救急隊にも浸透し、医療機関にも緊急連絡先などが伝わっている事例もあるようで安心いたしました。しかし、単身高齢者が現在8万人いらっしゃる上に、5年後の2030年には13万人に増加すると予測されている中、まだまだ皆様の手元には十分には届いていないと考えます。高齢者の方にとって大切な情報が保管でき、もしもに備えて安心できるツールですので、より効果的に配付できるにはもっと工夫が必要かと思います。
 そこで、民生委員だけでなく、地域を巻き込み、安心情報キットが高齢者の皆様の手元にわたり、活用されるよう働きかけをしていただきたいと考えますが、御所見を伺います。
 ここで、緊急連絡先などの終活情報を公的に情報登録している自治体を紹介します。スライドをお願いいたします。(資料投影)神奈川県横須賀市や東京都豊島区では、もしものときに緊急連絡先やかかりつけ医、エンディングノートの保管場所、葬儀や遺品整理の生前契約先、お墓、納骨についてなど、これを終活情報と呼んでいますが、市で登録、管理をしております。登録している市民が許可した情報のみ、消防や医療機関などから依頼されたら保管した情報を市が開示し、情報共有することができます。横須賀市では、治療に関する意思決定情報について救急搬送された医療機関から照会があり、市から情報を回答し、本人の治療に関する意思が伝わったという事例もあります。スライドありがとうございました。
 本市では安心情報キットを周知しているとのことでしたが、公的に登録された終活情報登録事業のように、本市も導入の検討も含め、終活情報を活用することはできないでしょうか。御所見を伺います。
 先日、社会福祉協議会へ訪問してまいりました。社協では終活サポートセンターに来られた方へいろんな支援を案内していました。相談に来られた方にいきなり死後事務委任事業を説明するわけではなく、現状の課題を整理し、約半年ほどかけて様々な支援方法をお伝えして、やっと死後事務委任事業に応募する事例があることを伺いました。また、終活サポートセンターの役割は、終活に関する総合相談窓口として多岐にわたる相談に対応されていると答弁いただきました。社協の支援員は、死後事務委任事業を契約して、長い方では10年以上見守りや訪問を繰り返すうちに、契約された高齢者は家族のような思いになり、入院時の保証人や手術を受ける際に待機していてほしいなど、契約外の依頼も増えている事実があるとのことでした。
 今後、終活サポートセンターがより市民のつながりの中で取り組めるように、地域とのつながり推進や見守りの推進など、より地域と連携した対策を拡充する必要があるのではないかと考えます。御所見を伺います。
 次に、スライドをお願いいたします。(資料投影)死後事務委任事業の相談件数は数字的には300から400件台ですが、高齢者の方や御家族の意識が高まってきていることがうかがえます。スライドにあります、預託型のずーっとあんしん安らか事業は契約件数は82件、やすらかパック事業においては52件の契約件数とあります。33万人の高齢者のうち現在の契約数は134件というのは、まだ少ないのではないかと感じます。契約に結びつかない要因は3つあると考えます。1つ目は、市民の皆様がこの死後事務委任事業のことを知らないということ。2つ目は、やすらかパック事業においては、保険の審査における健康上の理由で要件を満たさず対象外となってしまう事例があること。3つ目は、健康上の問題がなくても、50万円以上の預託金か、毎月3,000円以上の利用料を用意することができないという経済的な理由。以上3つがあります。
 そこで、死後事務委任事業について、そもそも認知度が低いということに対しては、中年期、そして老年期の入り口で人生の終幕について考える機会を通じて、この事業を周知していくことが確実な死後事務委任事業につながると考えます。1回目に御答弁いただいたとおり、出前講座でエンディングノートの記入や事業の周知に取り組まれていますが、死後事務委任についてさらなる広報、周知をしていただきたいと考えます。もう1つは、もう少し低廉での支援や要件緩和など、より市民の方が利用しやすくなる方策を御検討いただけないでしょうか。御所見を伺います。
 そして、社会福祉協議会の終活サポートセンターは、死後事務委任事業も含め、総合相談窓口としての役割を果たし、全国で大変注目をされています。
 身寄りのない高齢者などの支援をしっかりと推進していくために、終活サポートセンターを担う社会福祉協議会の事業の拡大に向けた体制の充実を検討いただけないでしょうか。御所見を伺います。スライドありがとうございました。
 次に、帯状疱疹ワクチンへの公費助成について2回目の質問に移ります。
 経過措置について確認ですが、定期接種の対象者は65歳で、令和7年度から令和11年度までの5年間の経過措置として、70歳以上の方を5歳刻みで対象とすることにより、65歳以上の全ての方の定期接種の機会が確保されることになります。スライドをお願いいたします。(資料投影)これに併せて、市独自でも任意接種として50歳の方に公費助成を行い、令和7年度から11年度までの5年間の経過措置として、55歳、60歳の方を助成対象とすることにより、50歳以上の全ての方に5年かけて公費助成を受ける機会が確保されます。経過措置として、たくさんの方が受けられるように取り組んでいただいており、ワクチンの流通状況や予算の関係も含め事情はあると思いますが、一番長い方は4年間待つことになります。
欲を言えば、50歳から発症しやすい帯状疱疹であり、より早く受けたいという方もいることから、50歳から55歳まで早めに公費助成の対象としてほしいということを要望しておきます。
 さて、先ほどの答弁では、65歳以上の方など、定期接種の対象者が約8万人、50歳、55歳、60歳の任意接種の対象者が約6万6,000人で、計14万6,000人の方が対象とのことでした。スライドありがとうございました。これから4月のスタートに間に合うように予診票を同封し、接種場所である医療機関への周知と、全対象者への案内を送るという大変な作業を実施されることになります。対象者の中でワクチンを受けたい皆様がスムーズに接種できるよう、十分に説明や広報が必要と考えます。
 ワクチンには生ワクチンと組換えワクチンの2種類があり、効能や持続期間に違いがありますので、表にしてみました。スライドをお願いいたします。(資料投影)効能や持続期間を考えると、できれば高価であっても組換えワクチンのほうを打てるよう推奨したいところであります。自己負担額の軽減については、ワクチン接種費用のおおむね半額の助成をしていただけるとのことでした。しかし、組換えワクチンは自己負担が2回分で合わせて2万4,000円かかるということで、価格だけで判断して4,900円の生ワクチンを選択してしまう可能性があります。対象者の皆様がこうして10年後までの効果を知り、ワクチンの特性を十分理解された上で選択できるよう、封書や市政だよりだけでなく、SNSも駆使して周知を図っていただきたいと思います。
 改めて伺いますが、そもそも帯状疱疹とはどんな病気なのか、治療費や治療期間の長期化など課題があるとされておりますが、予防接種にどんな効果があるのか、また、生ワクチンと組換えワクチンのどちらを打つか判断に迷ったとき判断基準はどうすべきか、お尋ねします。
 以上で2回目の質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 終活に関する御質問にお答えいたします。
 エイジングリテラシーを高める取組につきましては、ハンドブックのテーマを「子から親へ話をしよう」として作成しており、高齢者だけでなく、高齢の親を持つ若い世代などに向けて啓発することが重要と考えております。引き続き、ハンドブック等を活用しながら、エイジングリテラシー向上に向けて啓発を行ってまいります。
 次に、エンディングノートについては、医療や介護も含めたこれからの過ごし方などを考え、家族や周囲の人と話し合うことは大変重要であり、より多くの、幅広い世代の方々にエンディングノートを手に取っていただき、人生会議を行うきっかけとしていただけるよう、講座などでの紹介や企業に向けた情報発信、SNSを活用した広報などに取り組むとともに、さらなる活用に向けて検討してまいります。
 次に、安心情報キットについては、地域での見守りや声かけのきっかけとしても役立つツールであり、民生委員のほか、校区社会福祉協議会のふれあいネットワークなど、様々な活動の中で活用されているところであり、より多くの高齢者の手元に届けられるよう、引き続き社会福祉協議会と連携して周知に取り組んでまいります。
 次に、終活情報の活用については、緊急時に救急隊員や医療機関などが必要な情報を把握できることは大変重要であり、今後検討してまいります。
 次に、地域との連携については、単身でお住まいの高齢者などが地域の中でつながりを持ち、安心して暮らしていくことができるよう、民生委員や校区社会福祉協議会など、地域で活動する様々な方々と連携しながら、重層的な支援体制づくりを行っているところであり、さらなる充実に取り組んでまいります。
 次に、死後事務委任事業については、社会福祉協議会において、より多くの方が利用できる事業となるよう改善が検討されているところであり、市としても連携して取り組むとともに、さらなる周知を図ってまいります。
 次に、終活支援に係る社会福祉協議会の体制については、平成29年度のやすらかパック事業導入、令和元年度の終活サポートセンター開設などに合わせ、支援を充実してきたところでございます。7年度は、社会福祉協議会がモデル実施しているビデオ通話などによる見守りに対し、新たに支援を実施することとしており、引き続き必要な体制の確保に向けた支援を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 帯状疱疹ワクチンに関する御質問にお答えをいたします。
 帯状疱疹につきましては、過去にかかった水痘の原因ウイルスが加齢、疲労などの免疫力低下によって再活性化することで発症する皮膚疾患でございます。帯状疱疹ワクチンは帯状疱疹の有効な予防法の一つであり、現在ある2種類のワクチンのうち、組換えワクチンは接種後10年時点で7割程度の有効性があるとされていることから、医療費の縮減などの費用対効果が期待されております。生ワクチンと組換えワクチンの選択につきましては、ワクチン効果の持続期間や副反応、接種回数や接種費用が異なることを踏まえ、必要に応じて医師と相談するなど、個々の状況に応じて御判断いただきたいというふうに考えてございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 終活を準備するために今できることについて3回目の質問です。
 厚労省が昨年6月に初めて高齢者等終身サポート事業者ガイドラインを出しています。終活事業を行う事業者は社会福祉協議会のみでなく、民間の事業者も参入しています。しかし、倒産などもあり、安定した事業所はまだ多くないのも現実です。そんな中、終活サポートセンターには多くの相談が寄せられており、件数は今後も年々増加していくと考えられます。終活における支援をいち早く行ってきた福岡市社会福祉協議会が、死後事務委任事業を含む事業申込みの要件緩和の検討や事業拡大できるよう引き続きよろしくお願いいたします。
 ここまで終活支援について伺ってきました。終活は緊急時や亡くなられた後に御家族や医療機関に情報を伝えることが一番の目的ではなく、何より自分が元気なうちに、これからの人生をどう生きたいかを考えるきっかけとなる人生会議が開かれ、その思いを大切な人と共有することが今私たちができることではないでしょうか。エンディングノートも高齢者だけが書くものではなく、エイジングノートとして若いうちから活用されるべきだと考えます。思いがつながるノートであってほしいと願います。
 最後に、誰もが自分のこれからの生き方を考え、その思いを大切な人と共有し、そして、安心して人生の最期を迎える準備ができる終活支援について髙島市長の所見を伺い、この質問を終わります。
 帯状疱疹ワクチンへの公費助成について3回目の質問です。
 ワクチンによる予防が有効であることは分かりました。特に、社会的影響が大きく出やすい50歳から65歳の希望される対象の方が積極的にワクチン接種できるよう、体制の整備と情報提供をお願いいたします。
 また、予防接種が受けられるように体制を整備する中で、ワクチン接種を受けた後の接種記録も大切であると実感しています。以前、新聞報道でもありましたが、過去に任意でワクチン接種していたことを本人が忘れており、必要回数以上の接種をしてしまった事実が判明したケースがありました。マイナンバーカードを活用し、どの自治体における接種でも、ワクチン接種後はマイナポータルから確認できれば自己管理にも有意義だと考えます。
 ぜひワ、クチン接種記録をマイナンバーカードとひもづけ、本人が履歴を振り返ることができるような環境を整備していただきたいと考えますが、御所見を伺います。
 最後に、これまで様々なワクチンの定期接種の助成を行ってきた本市ですが、今回、もう一歩踏み込んだ任意接種にも公費助成を決めていただき、改めて感謝をいたします。より多くの方がワクチンを接種できるよう決断いただいた髙島市長の思いを伺い、私からの質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 帯状疱疹ワクチンに関する御質問にお答えをいたします。
 ワクチンの接種記録につきましては、自治体で保存が義務づけられている直近5年間の定期予防接種の記録が現在マイナンバーとひもづけられており、一部はマイナポータルで確認できるようになっております。自治体に保存義務のない任意接種や5年を超えた定期接種の記録については、国において進められている予防接種事務のデジタル化において保存の検討が進められていることから、その動きを注視してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 人生100年時代の到来を見据え、医療や介護も含めたこれからの過ごし方を考え、大切な人と話し合い、共有していくことは大変重要であるというふうに認識をしております。福岡市におきましては、エンディングノートを配付いたしまして、終活について考えていただく機会を提供するとともに、社会福祉協議会と連携をして、終活に関する相談や死後事務の支援など、それぞれの方に寄り添ったサポートを行ってきたところでございます。今後とも、高齢者はもちろん、幅広い世代に向けて情報を発信するとともに、終活支援の充実を図り、誰もが最期まで自分らしく生きることができるように取り組んでまいります。
 帯状疱疹は50歳代以上で罹患者が増加し、その症状は強い痛みを伴うことが多く、特に、勤労世代である50歳代での発症は生活に大きな影響があることから、国において定期接種化される対象者に加えて、市独自に50歳などの市民に対して任意接種の費用助成を行うこととしたものでございます。実施に当たりましては、公費助成の対象となる方にワクチンの効果や安全性等について丁寧な情報提供を行うとともに、希望される方ができるだけ速やかに接種が受けられるように環境整備に努めてまいります。今後とも、より健康で安全な暮らしの実現に向けた取組をしっかりと進めて、市民の生活の質の向上を図ってまいります。以上です。

 

議員紹介

  1. つつみ 健太郎

    西 区

    つつみ 健太郎
  2. たばる 香代子

    中央区

    たばる 香代子
  3. たのかしら 知行

    博多区

    たのかしら 知行
  4. 石本 優子

    早良区

    石本 優子
  5. かつやま 信吾

    東 区

    かつやま 信吾
  6. 古川 きよふみ

    博多区

    古川 きよふみ
  7. 高木 勝利

    早良区

    高木 勝利
  8. しのはら 達也

    城南区

    しのはら 達也
  9. 尾花 康広

    東 区

    尾花 康広
  10. 松野 たかし

    南 区

    松野 たかし
  11. 山口 つよし

    東 区

    山口 つよし
  12. 大石 しゅうじ

    南 区

    大石 しゅうじ
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