○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆)登壇 公明党の松野隆です。発言通告に従いまして、4点について質問をさせていただきます。
初めに、ぬくもりのある行政サービスの提供についてであります。
福岡市は、これまで一貫した行財政改革に取り組み、最少の経費で最大の効果を挙げるという行政運営の基本理念に基づき、先進技術や民間活力を導入し、人口1万人当たりの職員数が政令市最少という中で行政サービスの向上と効率的な行政運営を進めてきました。その一方で、少子・高齢化や価値観の多様化が進み、様々な社会問題もますます複雑化する中にあって、行政に求められる役割は以前にも増して大きくなってきております。将来にわたって常に変化する市民ニーズにしなやかに対応できる体制を構築し、市民目線に立ち、市民に寄り添うぬくもりのある行政サービスを提供するためには、市の職員を適切に配置することが必要ではないかと感じております。
まず、平成以降、福岡市の職員定数が最少であった年度の人数をお答えください。
以降の質問は発言者席にて行います。
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 平成以降、職員定数が最少であった年度は平成23年度で、その人数は4月1日現在で9,200人でございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 平成23年度の福岡市の職員定数が9,200人であったということですが、平成23年度当時の人口1万人当たりの職員定数について、福岡市と最大の政令市、全政令市平均をそれぞれお答えください。
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 平成23年度の人口1万人当たりの職員定数については、各都市の特性や業務の委託化の状況などが異なるため、単純な比較は難しいですが、いずれも4月1日現在では、福岡市は63人、最大の政令市は大阪市で145人、全政令市の平均は89人でございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 職種も違いますし、単純に比較はできませんけれども、お答えによりますと、どの都市よりも少ない職員数で頑張ってきたんだというふうに思います。
次に、福岡市の旧県費負担教職員を除いた職員定数について、平成23年度から5年ごとの数及び直近の数をお答えください。
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 旧県費負担教職員を除いた職員定数について、平成23年度から5年ごと及び直近の数は4月1日現在で、平成28年度は9,318人、令和3年度は9,466人、直近である令和4年度は9,496人でございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 近年、職員定数が増加傾向にはあるようですが、どのような分野を強化したのか、お答えください。
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 近年に強化した分野については、市民の暮らしに身近な子ども・教育、福祉、安全・安心等の分野を中心に体制強化を行っております。主なものとしては、新型コロナウイルス感染症対策への対応、救急隊の増隊、こども総合相談センターの体制強化などを行っております。なお、直近の令和4年度は地域コミュニティ支援体制や子どもの見守り支援体制などを強化しております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 令和4年度に職員を増員した地域コミュニティ支援については、令和4年4月に、良好で持続可能な地域コミュニティの形成を図ることを目的として、福岡市共創による地域コミュニティ活性化条例も施行されたところですが、条例制定や職員の増員によってどのような支援を行っているのか、お伺いします。
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 地域コミュニティへの支援につきましては、条例の趣旨や地域コミュニティの大切さをリーフレットや市政だよりで広く周知することなどにより、市民の地域活動への理解促進や活動への参加促進を図っております。また、共創補助金の要件の緩和や自治会、町内会への補助の拡充などを図ることにより、それぞれの特色を生かした地域づくりを支援しているところでございます。さらに、地域課題にきめ細かに対応するため、各区地域支援課の校区担当職員を7区で合計9人増員するなど、地域支援体制を強化したところであり、持続可能な地域コミュニティづくりに向け、地域の皆様の御意見をお伺いしながら、自治協議会及び自治会、町内会をしっかりと支援してまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 私の地元校区を担当されている南区地域支援課の女性係長も、校区の様々な会議や地域行事によく参加されております。特に土日の開催が多いにもかかわらず、頻繁に足を運んでいただき、校区役員と良好な関係を築き、住民とともに行事に参加され、笑いと涙や校区住民の皆さんの御苦労も併せて共有され、地域自治のありのままの姿を他の校区や区役所に届けていただいており、大変感謝をいたしております。まさに地域住民に寄り添いながら御活躍いただいておりますことを付言しておきます。
次に、同じく令和4年度に増員された子ども支援体制強化については、新たにどのようなことに取り組んでいるのか、お聞かせください。
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 子どもの支援体制につきましては、令和4年度から、困難を抱える子どもの把握や支援、子どもの貧困対策の推進のため、担当課を新設するとともに、こども総合相談センターや区の家庭児童相談室の職員の増員などの強化を行っており、習い事の費用を助成する子ども習い事応援事業やGIGAスクール端末を活用したこどもタブレット相談など、困難を抱える子どもの支援の充実に取り組んでおります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 地域コミュニティや子どもの支援など、ぬくもりが必要な分野に効果が出ているというお答えです。さらに取組を進めてもらい、より多くの施策に反映をしていただきたいと思います。
一方で、多くの市民が訪れる区役所での来庁者への対応も大切と考えますが、来庁者に対してのぬくもりのあるサービス提供のためにどのように取り組んでいるのか、現状についてお答えください。
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 区役所につきましては、博多区や中央区に総合的な窓口案内を行うためのフロアマネジャーを配置するとともに、全区において職員にサービス介助士の資格取得を推進するなど、来庁される市民の皆様に対し、心の籠もったぬくもりのあるサービスが提供できるよう努めております。また、プライバシーに配慮した相談環境の整備や区役所庁舎内の木質化など、ぬくもりのあるサービスが提供できるための環境づくりにも取り組んでおります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) さらに市民に寄り添ったぬくもりのある区役所としていくためには、政令市最少の職員数で頑張っている職員の皆さんが生き生きと働き、力を発揮できる環境とすることが必要と考えます。そのため、窓口での申請受付後に行う内部の事務処理といった区役所のバックヤードの効率化を図り、そこで生まれた職員の力を市民のぬくもりにつながる業務に振り向けることが重要ではないでしょうか。
福岡市ではDXを進めておりますが、これまで区役所のバックヤードの効率化についてどのように取り組んできたのか、お示しください。
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 区役所の内部の事務処理などのバックヤードの効率化については、定例的、定型的な事務作業をパソコン上で自動的に行わせることができるRPAや、紙に書かれた文字を高い精度で読み取り、データ化するAI-OCRの導入などにより業務の効率化を推進してきたところでございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) これまでRPAなどの活用に取り組んできたということですが、RPAやAI-OCRによる区役所のバックヤードの効率化の成果についてお答えください。
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) RPAやAI-OCRによる効率化の成果については、令和3年度までに、区役所業務をはじめ、全市でRPAを60業務に導入しており、AI-OCRの導入を含め、年間約1万3,270時間に相当する業務の自動化が図られております。今後も区役所業務への導入を進めることで、さらなる効率化が期待できるものと考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) RPAやAI-OCRは職員がパソコンで行っているマウス操作やキーボード入力などの事務作業を自動化するもので、一定の作業時間削減などの効果も上がっているようです。これらの技術を活用した業務の効率化を進めていく上での課題は何か、お答えください。
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) RPAやAI-OCRについては職員がパソコン上で行う入力事務などに導入するものであることから、例えば、住所、氏名などの申請内容の確認や審査など、人の手によって行わなければならない業務の効率化が課題となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 例えば、区役所のバックヤードでの業務について見てみますと、DXでは解決できない人の手が必要な仕事もあり、その中には郵送申請の受付、入力業務や郵便物の封入作業など定型的な業務も含まれていると思います。
行政事務の効率化にいち早く取り組んでいる神戸市や札幌市では、こうした定型的な業務を集約し、行政事務センターで集中的に処理することにより、業務の効率化を図る取組を進めていると聞いております。具体的な例として、神戸市では平成29年度に行政事務センターを設置し、敬老優待乗車証の申請など5業務の委託を開始しました。令和4年度時点では約80業務に拡大し、区役所などの担当課がそれぞれ行っていた同じような定型的な作業を集約化することで効率化を進めているとのことです。また、札幌市では令和3年度にセンターを設置され、令和4年度は区役所で担当していた医療費助成年次更新業務など16業務を集約、委託化し、令和5年3月までに5万9,000時間の市職員の業務削減効果が見込まれるということです。さらに、委託開始後も受託事業者は仕様どおり業務を処理するだけではなく、継続的な業務改善を提案し、実施するなど、さらなる業務の効率化を進めていると聞いております。自治体ごとに知恵を絞って取組を進めているようです。
福岡市におきましても、さらに民間活力を導入して行政の効率化を図り、職員がより市民に近い場所で経験や技術を生かし、人のぬくもりが必要な業務で活躍できるよう、定型業務を集約、委託する行政事務センターの設置を検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 福岡市では、市民の利便性の向上と業務の効率化を図る観点から、行政手続や市民サービスのデジタル化、オンライン化を進めるとともに、RPAやAI-OCRなどの先進的技術の積極的な活用に取り組んでいるところでございますが、市民に寄り添った対応が求められる区役所などのバックヤードにおける業務の中には、デジタル化などでは対応が難しく、現時点では、人の手を必要とする定型的な業務が一定量存在しており、こうした業務に係る職員の負担軽減を図ることは大変重要であると考えております。今後、これらのバックヤードにおける業務を中心に業務フローの分析を行うとともに、議員の御指摘も踏まえ、職員がその経験や技術を生かして人のぬくもりが必要な業務で活躍できるよう、業務の効率化に関する検討をしっかりと進めてまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) よろしくお願いいたします。
今後も社会保障費の増大が見込まれる中、限られた財源や人員を最大限効果的に活用することで、市民目線でぬくもりのある行政サービスをさらに充実させていくべきと考えますが、髙島市長の御所見をお伺いし、この質問を終わります。
○議長(伊藤嘉人) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 福岡市では、最少の経費で最大の効果を挙げるという地方自治の基本理念にのっとり、DXの取組や民間活力の導入などを積極的に進め、効率化により生じた人的資源を地域コミュニティや子どもの支援などに配置し、ぬくもりが必要な行政サービスの充実に取り組んでまいりました。一方で、今後、人口減少や少子・高齢化が進んでいく中、多様化する市民ニーズに丁寧かつ的確に対応するためには、より柔軟にきめ細やかな行政サービスを提供していくことが求められていると考えております。このため、従来の発想や手法にとらわれず、不断の改善に取り組み、業務の効率化により生じる財源や人的資源を、福祉をはじめ、ぬくもりが必要な分野に適切に振り向けるなど、これからの時代にふさわしい行政サービスの提供を積極的に進めてまいります。以上です。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 次に、住宅確保要配慮者への入居支援について質問いたします。
住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律、いわゆる住宅セーフティネット法で定められた住宅確保要配慮者とは、低額所得者、高齢者、障がい者、高校生相当までの子どもを養育している子育て世帯と定められております。現在も住宅確保要配慮者は増加、多様化しており、民間賃貸住宅においては、入居を制限されるなど自力で適正な住宅を確保することが難しくなっております。
まずは、住宅確保要配慮者の住宅確保に向けた課題認識についてお伺いします。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 住宅確保要配慮者の住宅確保に向けた課題につきましては、要配慮者の居住の安定を図るため、市営住宅を含む公的及び民間の賃貸住宅市場全体による重層的な住宅セーフティネットの機能強化を図る必要があると考えております。この中で、民間賃貸住宅におきましては、要配慮者の状況に応じて行政や民間事業者、福祉団体等が連携し、住まいに関する情報提供や相談などの入居、生活支援に取り組むなど、居住支援の充実がより一層求められております。また、市営住宅におきましては、入居者の高齢化が進む中、さらなる福祉的な配慮やコミュニティの活性化が必要であると考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) では、属性ごとに順にお尋ねしてまいります。
まずは高齢者について。本市では、要配慮者のうち高齢者の入居をサポートする組織として居住支援協議会が設立され、御活躍いただいております。
そこで、福岡市居住支援協議会の概要についてお答えください。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 福岡市居住支援協議会につきましては、いわゆる住宅セーフティネット法に基づき、民間賃貸住宅を活用した住宅確保要配慮者の円滑な入居支援の効果的な推進を図ることなどを目的として、市と住宅事業者や福祉団体等で構成する協議会で、平成21年3月に設立いたしております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 長年にわたり官民連携した支援体制が取られ、居住支援の取組を支えていただいていることに感謝をしたいと思います。
その居住支援協議会の主要事業となっている住まいサポートふくおかの概要についてもお伺いいたします。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 住まいサポートふくおかにつきましては、特に民間賃貸住宅への入居を断られることが多い高齢者や障がいのある方に対して入居支援や入居後の生活支援などをサポートする事業で、平成26年10月より開始しております。福岡市社会福祉協議会が窓口となり、支援団体が実施する見守りや、お亡くなりになった後の手続などの入居支援、生活支援サービスをコーディネートし、高齢者などの入居に協力する不動産会社である協力店へ紹介を行い、高齢者などの住み替えを支援しております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 先般、優れた商品などのデザインに贈られるグッドデザイン賞2022を住まいサポートふくおかが受賞したということ、これを大変喜ばしく思っております。ソフト的な取組が受賞することは珍しいそうですが、居住支援の体制構築が評価されてのことだと聞いております。
その中で、福岡市社会福祉協議会を中心として、全国的に見てもいち早く取り組んでこられた住まいサポートの取組は、住み替えに不安を抱える高齢者などを、個別の事情に合わせて入居から生活の支援までコーディネートしてくれることから、市民が安心して暮らすことができるすばらしい取組だと言えます。本市の社会福祉協議会はその取組に対し、全国的にも非常に高い評価を得ており、様々な主体と連携しながら、かゆいところに手が届き、小回りが利くその多くの活動は大変すばらしいと私も思っており、心強い組織であります。今後も市民生活の向上にしっかり取り組んでいただきたい。さらに、高齢者の部屋探しは保証人や緊急連絡先がないなどの理由で家主さんの抵抗感がまだまだ強いと聞いておりまして、今後も本市と本市社協が一体となって課題の解消に取り組んでいただきたいことを要望しておきます。
今回のグッドデザイン賞の受賞を機に今後どのように事業を展開していかれるのか、御所見をお伺いします。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 住まいサポートふくおかにおける支援の仕組みが、高齢者や障がい者で居住などに不安を抱える方々に対して安心感を与える先駆的な取組として評価をいただき、令和4年10月にグッドデザイン賞2022を受賞いたしました。今回の受賞により得られた認知度の向上や安心感を活用して、市民や賃貸住宅の大家、不動産事業者等へ広く事業の周知を図り、協力店の拡大に取り組むとともに、地域包括支援センターや生活自立支援センターなどの相談窓口、居住支援法人等と連携を図りながら、高齢者などの居住支援のさらなる充実に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 住まいサポートふくおかが評価され、知名度が上がることで、いろんな方に知ってもらう機会が増え、この取組に新たに関心を持つ方や、より深く関与してくれる方によって協力体制が充実されていくことにも期待をしたいと思います。
次に、障がい者についてお尋ねします。中でも車椅子使用者に向けた配慮についてですが、高齢化の進展に伴い、車椅子を使用する方も増えていく中、車椅子に対応した住戸はまだまだ少ない状況ではないでしょうか。
まず、市営住宅における車椅子使用者世帯向け住戸の戸数と直近3年間の募集状況についてお示しください。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 令和4年3月末における車椅子使用者世帯向け住戸の数は67戸となっております。その直近3年間の募集状況につきましては、令和元年度は募集3戸に対して応募が13件、2年度は募集1戸に対して応募が15件、3年度は募集3戸に対して応募が18件となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 今お答えいただきましたが、整備戸数はまだまだ少ないですね。
今後、車椅子使用者世帯向け住戸の充実に向けた整備目標についてお答えください。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 福岡市公営住宅等整備基準において、300戸以上ある住宅を建て替える場合を対象として、300戸から600戸に1戸の割合での整備を原則としております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 事前に確認をしましたが、答弁いただいた整備目標の割合は、福岡市における身体障がい者で、肢体が不自由なため車椅子を使用されている世帯の割合などから定められているとお聞きしております。しかしながら、住宅セーフティネットとしての市営住宅の役割を考えますと、より配慮が求められるのではないでしょうか。
そこで、車椅子対応住戸のさらなる確保が必要だと考えますが、答弁を求めます。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 市営住宅の建て替えを含めた維持、更新におきましては、障がいの有無や年齢、性別などにかかわらず、全ての人が利用しやすいユニバーサルデザインを基本仕様とした居住環境の確保に努めております。令和4年度より、既存住宅では高齢者や身体障がい者に配慮した仕様で車椅子利用も可能な住宅を、車椅子使用者世帯向け住宅として募集を行っております。今後も、高齢化の進展に伴い、車椅子使用者向け住戸の必要性がますます高まると考えられることから、整備基準の見直しも含めて検討を行ってまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) ありがとうございます。整備基準の見直しも含めて検討するということですので、一人でも多くの方に入居いただけるよう、車椅子使用者向け住戸の拡充と早期整備をお願いいたしておきます。また、車椅子使用者が問題なく通行できるような共有スペースのバリアフリー化や、車椅子使用だけではなく、介護のためのベッドを設置すると家族の生活スペースが狭くなるなどの問題もあると聞き及んでおり、部屋の広さや間取りについても、併せて検討を要望しておきます。
続いて、子育て世帯についてです。まず、子育て世帯に対しての支援措置として、民間賃貸住宅を対象とした住替え助成事業がありますが、子育て世帯住替え助成事業の概要についてお尋ねします。あわせて、事業開始以降の実施件数と決算額について、累計も含めてお答えください。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 子育てしやすい居住環境づくりの促進や経済的な負担の軽減、既存住宅の流通促進を図るため、子育て世帯を対象に民間賃貸住宅などへの住み替えに係る初期費用などの一部を助成する事業として平成30年度より実施しております。助成額につきましては、対象経費の合計額の2分の1、かつ15万円を上限額とし、親世帯との同居または近居する世帯や3人以上の子どもがいる多子世帯につきましては、それぞれ上限額を5万円引き上げ、最大25万円を上限額としております。また、事業を開始した平成30年度からの交付件数と決算額につきましては、平成30年度が196件、2,872万円余、令和元年度が153件、2,215万円余、2年度が209件、2,887万円余、3年度が228件、3,078万円余、累計で786件、1億1,054万円余となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) では、助成対象となる主な世帯要件と主な対象経費についてお尋ねします。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 主な世帯要件につきましては、転居後の住宅への入居時点で申請者もしくは配偶者が扶養する18歳以下の子どもがいる世帯または妊娠している方がいる世帯であること、福岡市内外の民間賃貸住宅などから福岡市内の民間賃貸住宅または既存住宅購入による転居であることなどを要件としております。また、主な対象経費につきましては、転居または既存住宅購入のため引っ越し業者や不動産業者などの事業者に支払った経費や、礼金及び仲介手数料、家賃債務保証料、火災保険料、転居前の住宅に係る原状回復費用などを対象としております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 物価や地価の上昇により生活費の負担も増す中で、子育て世帯が市外へ転出しているのではないかというやり取りもありましたけれども、この子育て世帯を対象とした住替え助成事業では、市民に限らず、市外からの転入についても助成対象となるということですので、今後も市民以外にもしっかりアピールするよう要望しておきます。
平成30年度の事業開始以降の市外からの転入者に対する交付実績件数と全体件数に占める割合について、累計も含めてお答えください。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 市外からの転入者に対する交付実績件数と全体件数に占める割合につきましては、平成30年度が196件に対し25件、12.8%、令和元年度が153件に対して29件、19.0%、2年度が209件に対して27件、12.9%、3年度が228件に対して51件、22.4%、累計786件に対して132件、16.8%となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 市外からの転入者にも安定的に利用されております。一方、ライフスタイルの変化に合わせて、より広い面積の居住環境を求め、市外で住宅を購入しているといった指摘もありましたけれども、この助成事業では、既存住宅の流通促進の観点から既存住宅購入費用も助成の対象ということであります。
平成30年度の事業開始以降、既存住宅購入者に対する交付実績件数と全体件数に占める割合について、累計も含めてお示しください。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 既存住宅購入者に対する交付実績件数と全体に占める割合につきましては、平成30年度が196件に対して65件、33.2%、令和元年度が153件に対して63件、41.2%、2年度が209件に対して69件、33.0%、3年度が228件に対して74件、32.5%、累計で786件に対して271件、34.5%となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 既存住宅の購入者にも多く利用されておりまして、市外からの転入者にもコンスタントに利用されているようです。引っ越し代だけではなく、既存住宅購入にも助成対象を広げ、市外からの転入者も対象とするという工夫もしており、この点についてはいい取組だと思います。このような、負担が多い子育て世帯への経済的支援策があるのですから、多くの方が利用いただけるよう今後もさらなる制度の周知に努めてもらいたいと重ねて要望いたしておきます。
続いて、子育て世帯に配慮した市営住宅での取組について確認します。市営住宅における子育て世帯の入居支援策についてお尋ねします。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 子育て世帯の入居支援策につきましては、入居申込みの収入基準について、一般世帯は15万8,000円以下としているところ、子育て世帯は25万9,000円以下に緩和しております。また、ひとり親世帯と乳幼児がいる世帯に対しましては、定期募集における一般世帯枠において抽せん番号を多く割り振り、当選確率を高めております。さらに、一般世帯枠とは別枠で、全体の約3割の募集を中学生以下の子どもがいる世帯枠として充てております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 子育て世帯が安心して市営住宅に入れるよう、より入りやすく、当たりやすくされており、さらに一般世帯とは別枠で戸数を確保されるなど配慮がされております。
そこで、直近3年間の子育て世帯別枠募集の募集実績について、割合も含めてお示しください。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 直近3年間の募集戸数と、そのうちの子育て世帯別枠募集戸数と割合につきましては、令和元年度が927戸に対して282戸、30.4%、2年度が924戸に対して286戸、31.0%、3年度が1,014戸に対して309戸、30.5%となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 市営住宅において子育て世帯向けの募集戸数を3割確保するようにということで、これは髙島市長の強い思いもあるというふうに聞いておりますが、募集戸数は変動しても3割を確保されておりますので、多くの方が応募されるよう引き続き今後もしっかりお願いしたいと思います。
今後、特に高齢化が進む市営住宅において、子育て世帯の入居促進も含め、世代間バランスの偏りの解消に向けた取組について御所見を伺います。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 市営住宅におきましては、入居者の高齢化に伴う入居者の世代間バランスの偏りなどにより、地域活動の担い手不足などが課題となっております。そのため、子育て世帯などの多様な世代の入居を促進していくことで良好な世代間バランスを確保し、コミュニティの維持、活性化につなげてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 子育て世帯が多く入居することで、子どもの声があふれ、その子どもたちを見守る高齢者を含めた世代間の交流がなされることで活気ある団地となっていきます。そして、人口増加が続く本市において、市営住宅においても活気ある団地に魅力を感じて多くの子育て世帯が入居してくれるといった好循環が生まれるよう期待しております。そうした好循環をつくり出すためにも、子育て世帯が入居後に積極的に地域コミュニティの核となっていただけるようなインセンティブなども今後必要となってくるのではないかと思いますので、併せて要望いたしておきます。
子育て世帯も、例えばひとり親世帯や多子世帯などがあり、子どもの成長に伴ってそれぞれ御家庭の事情は異なります。このような様々な事情に少しでも対応するため、子育て世帯に向けたさらなる支援が必要だと考えますが、明確にお答えください。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 子育て世帯が安心して子どもを生み育てることができるよう、市営住宅においては、ユニバーサルデザインの視点に立った住宅の整備や募集における優遇制度を設けるとともに、民間賃貸住宅においては、経済的負担軽減のための住替え助成事業の実施、子育て世帯の入居を拒まない賃貸住宅の供給を促進しているところでございます。今後も、子育て世帯における多様なニーズを把握し、社会状況やライフステージの変化を捉えながら、子育て世帯の居住を支援する施策について推進してまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 市民が安心して暮らすために住居は欠かせません。これまでも様々な取組を行っておりますが、今後もさらなる拡充に努めてほしいと思います。
住宅確保要配慮者の居住の安定確保に向けて今後どのように取り組んでいくのか、御所見を伺います。
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 住宅確保要配慮者の居住の安定確保につきましては、住宅セーフティネット機能の強化を図るため、関係団体との連携の下、賃貸住宅市場全体での取組を行っております。この中で民間賃貸住宅につきましては、要配慮者がそれぞれの状況に応じて適切な住宅を確保できるよう、福岡市居住支援協議会の活動を通して入居、生活支援など居住支援の充実を図るとともに、要配慮者の受入れを拒まないセーフティネット住宅の登録促進や経済的支援策を実施しております。また、市営住宅につきましては、ユニバーサルデザインの理念に基づき、安心して暮らすことのできる居住環境の形成に取り組むとともに、新婚世帯や子育て世帯などの多様な世帯の入居を促し、地域活動の担い手確保などコミュニティの維持、活性化を図っております。引き続き、高齢者や障がいのある方、子育て世帯など、要配慮者の動向などを把握しながら、誰もが安心して暮らせるよう施策のさらなる充実を図ってまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) ここまで属性別に様々お聞きしてまいりましたけれども、居住安定確保に向けて様々な施策に取り組んでおるということで答弁をいただきました。これまでも福岡市は少子・高齢化の中、高齢者が安心して暮らせることに加え、子どもを安心して生み育てられる環境づくりが必要として、ユニバーサル都市に向けた様々な取組を具体化していただいておりますが、今後とも、さらに力を入れていく必要があります。
先日の市長選挙でも髙島市長が公約に掲げておられましたユニバーサル都市・福岡の実現に向け、特に住宅分野における市長の意気込みをお伺いし、この質問を終わります。
○議長(伊藤嘉人) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 高齢者や障がいのある方、子育て世帯など、住宅の確保に配慮を要する方々への入居支援につきましては、今後ますます重要になっていくものと認識をしております。このような中、全国に先駆けて取り組んできた福岡市居住支援協議会による住まいサポートふくおかの取組がこのたびグッドデザイン賞をいただいたことも生かしながら、今後とも協力店への共感の輪が広がるよう居住支援の充実を図ってまいります。また、障がいのある方につきましては、住宅セーフティネットの中核を担う市営住宅において、車椅子使用者世帯向け住戸の拡充に向け、具体的に検討を進めてまいります。さらに、子育て世帯につきましては、子育てしやすいまちを目指して、引き続き、市営住宅の別枠募集枠を3割確保し、コミュニティの活性化を図るとともに、特に子どもが複数いる世帯の負担軽減に向け、支援の拡充の検討を進めてまいります。これからも、誰もが安心して暮らせるユニバーサル都市・福岡の推進に向けてしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 次に、ごみ減量施策と指定ごみ袋について質問します。
本市では、令和3年8月に策定した循環のまち・ふくおか推進プランによるごみ減量施策が推進されております。
改めて、循環のまち・ふくおか推進プランの概要についてお答えください。
○議長(伊藤嘉人) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 循環のまち・ふくおか推進プランにおきましては、計画期間を令和3年度から12年度までの10年間とし、「みんなでつくろう!活力ある未来へつなぐ『循環のまち・ふくおか』」をテーマとして、発生抑制と再使用の2Rに重点を置いた3Rの取組を推進するとともに、古紙、プラスチックごみ、食品廃棄物を重点3品目として位置づけ、重点的に減量施策を実施していくこととしております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 古紙、プラスチック、食品廃棄物を重点3品目と位置づけておりますが、数値目標はどうなっているのか、お示しください。
○議長(伊藤嘉人) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 循環のまち・ふくおか推進プランにおきましては、基準年度を令和元年度、目標年度を令和12年度として、3つの数値目標を定めております。まず市全体のごみ処理量について、56万5,000トンから53万トンまで3万5,000トン削減すること、次に市民1人1日当たりの家庭ごみ処理量について、501グラムから476グラムまで25グラム削減すること、最後に1事業所1日当たりの事業系ごみ処理量について、13キログラムから10キログラムまで3キログラム削減することとしております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) では、目標に対して令和3年度の実績はどうなっているのでしょうか。
○議長(伊藤嘉人) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 令和3年度の実績につきましては、ごみ処理量が51万338トン、市民1人1日当たりの家庭ごみ処理量が495グラム、1事業所1日当たりの事業系ごみ処理量が9.6キログラムとなっております。特に事業系ごみ処理量が大きく減少しておりますが、令和2年10月から分別区分に古紙を追加した効果に加え、新型コロナウイルス感染症による休業や時短営業などの影響によるものも大きいと考えられることから、今後の動向を注視していく必要があると考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 今お答えいただきましたように、目標が53万トンで令和3年度の実績が51万トンですから、数字上は令和3年度、既に目標を達成しているようにも聞こえますけれども、ただ、今の答弁にありましたように、令和2年度以降は新型コロナウイルスによる様々な影響、変化もありますので、一時的なものかどうか、今後の推移を見守る必要があると思います。
次に、重点3品目のうち食品廃棄物に関する令和4年度の削減施策の実施状況についてお伺いします。
○議長(伊藤嘉人) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 食品廃棄物の減量施策の主な取組につきましては、食品ロスを記録することにより削減につなげる食品ロスダイアリーを環境学習の対象である小学校4年生に配布しております。また、家庭における未利用食品を必要とする団体等に提供するフードドライブ活動の開催情報を収集し、市ホームページで発信することにより、市民が利用しやすい環境づくりに取り組んでおります。さらに、飲食店等における食品ロス削減を進めるため、食品ロス削減に積極的に取り組んでいただける飲食店等を福岡エコ運動登録店として登録し、市ホームページで紹介しており、12月1日現在での登録店舗数は700店となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) では次に、古紙に関する令和4年度の減量施策の実施状況についてお答えください。
○議長(伊藤嘉人) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 古紙の減量施策の主な取組につきましては、雑がみの認知度向上のため、地域の理解、協力を得ながら、雑がみ回収促進袋の校区単位での全戸配布を進めるとともに、小学校4年生を対象とした環境学習において雑がみ回収促進袋を配布し、実践行動につなげる取組を推進しております。また、令和2年10月に開始した事業系古紙の分別区分追加の制度定着を図るため、市内全ての事業所へルールブックを配布したほか、排出事業者への個別訪問に力を入れ、古紙回収事業者や民間の古紙資源化施設であるリサイクルベースを活用した古紙の排出方法を紹介するなど、適正排出の周知、啓発に取り組んでおります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 3品目の最後に、プラスチックに関する令和4年度の減量施策の実施状況についてお示しください。
○議長(伊藤嘉人) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) プラスチックごみの減量施策の主な取組につきましては、収集、選別、圧縮、リサイクル時の課題の抽出及びリサイクルの状況について検証するため、区役所、市民センター等9か所の資源物回収拠点において、製品プラスチックを回収するモデル事業を実施しております。また、マイボトル利用を推進するため、新たに地域交流センター等の4か所に給水スポットを設置するとともに、マイボトルへの給水等に協力いただける飲食店等をマイボトル協力店として登録し、市のホームページで紹介しており、12月1日現在で68店舗となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) ごみ減量施策の推進により市民の意識も変わりつつあり、できるだけごみを出さないというライフスタイルに変化していけば、ごみ減量が今後さらに進み、収集日が来るまでにごみがたまらないということも起こり得るのではないでしょうか。
そこで、確認の意味でお尋ねしますが、本市の燃えるごみの袋のサイズについて現状をお示しください。
○議長(伊藤嘉人) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 家庭ごみ用の指定袋のうち、燃えるごみ用の袋のサイズにつきましては、大、中、小の3種類があり、それぞれの容量は45リットル相当、30リットル相当、15リットル相当となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 燃えるごみ袋において、令和3年度と5年前の平成29年度で各サイズの総販売枚数に占める割合はどうなっているのか、お答えください。
○議長(伊藤嘉人) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 家庭ごみの燃えるごみ用の指定袋の年間総販売枚数のうち、45リットル相当の袋が占める割合は平成29年度が59.3%、令和3年度が56.6%、30リットル相当の袋が占める割合は平成29年度が29.2%、令和3年度が29.7%、15リットル相当の袋が占める割合は平成29年度が11.5%、令和3年度が13.7%となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 今お答えいただきました。45リットルが減って、30リットルはあまり変わりませんでしたね。それで、15リットル相当が増えているという傾向にあるようです。
ほかの都市ではさらに小さいサイズがあるそうですが、政令市のうち15リットルより小さいサイズの燃えるごみ用の袋を導入している都市は何都市あるのか、都市名とそのサイズについてお答えください。
○議長(伊藤嘉人) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) 家庭ごみの有料指定袋を導入している政令指定都市9都市のうち、福岡市を除く8都市全てが15リットル相当より小さいサイズの燃えるごみ用の袋を導入しており、その内訳は、10リットル相当及び5リットル相当の袋をいずれも導入している都市が札幌市、千葉市、新潟市、京都市、岡山市の5都市、10リットル相当のみを導入している都市が仙台市、北九州市の2都市、5リットル相当のみを導入している都市が熊本市の1都市となっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 千葉市では、小さいごみ袋を作ってほしいという市民ニーズを受け、令和2年度に5リットルの袋の販売を開始したそうです。燃えるごみは週2回の収集をしてもらうので、そんなにたまらない御家庭も多々あります。それが15リットルのごみ袋の割合が増えているという数字にも表れているのではないでしょうか。これまで我が会派の古川議員も質問しましたけれども、SDGsの推進や市民の環境負荷への意識の向上、高齢社会の到来や若者を含めた単身者世帯の増加などにより、小さい袋に対するニーズは今後ますます増えてくるのではないでしょうか。検討するにはいいタイミングであり、本市もより小さい袋の導入を考える時期に来ていると思います。
指定ごみ袋の小さいサイズについてしっかり検討すべきですが、御所見をお伺いします。
○議長(伊藤嘉人) 髙田環境局長。
○環境局長(髙田浩輝) ごみ減量・リサイクルの在り方については、効果的な新たな方策がないか常に留意しているところでございます。指定ごみ袋については、他都市においてサイズや販売方法など様々な工夫がなされていると承知しており、その実施状況や成果、課題について把握に努めているところでございます。松野議員御指摘のとおり、社会状況や市民の意識も変化してきていることから、これらを踏まえながら、指定ごみ袋の在り方についても検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) ありがとうございます。ぜひ、ごみ減量施策の実施に併せて、指定ごみ袋についても前向きに御検討いただきたいと重ねて要望いたしまして、この質問を終わります。
最後に、農育についてです。
近年、田園回帰による人の流れが全国的な広がりを見せながら継続しており、農村の持つ価値や魅力が再評価されております。農業は食料自給を支える産業であるだけではなく、新型コロナウイルス感染症などにより自然とともに生活する喜びを求める需要の高まりなど、新たな価値が見いだされております。他都市では、農業を中心とした様々な取組を幅広い世代に経験してもらうことで、地域活性化や人の成長につなげていく農育という新しい取組も行われております。農業に触れ合い学ぶことは、食べ物の大切さを再認識し、情操を養うなど人間性の成長にもつながることであり、本市でも取り組んでいくべきだと考えております。
そこでまず、福岡市の現状を伺いたいと思いますが、福岡市の農業の特性、また、農業、農村がもたらす役割について認識をお尋ねいたします。
○議長(伊藤嘉人) 藤本農林水産局長。
○農林水産局長(藤本広一) 福岡市は、充実した都市機能と周辺の海や山など自然豊かな環境とが近接したコンパクトな都市であり、市民の身近なところで農業が営まれているという特性がございます。また、農業や農村地域については、米や野菜などの生産の場としての役割だけでなく、自然環境保全や洪水防止などの国土保全機能、生物多様性の保全、安らぎや癒やしを与える場の提供などの役割を担っていると考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 自然が近くに存在するということは、市民が農業にも気軽に触れ合えるという福岡市の魅力の一つでありますが、本市における農業体験の事業内容についてお聞きいたします。
○議長(伊藤嘉人) 藤本農林水産局長。
○農林水産局長(藤本広一) 福岡市では、農業体験の場として、市民に農地を区画貸しするリフレッシュ農園を今津と立花寺に開設していることに加え、花畑園芸公園においては果物の収穫体験、かなたけの里公園においては作物の栽培や収穫を行う農業体験の場を提供しております。なお、民間においても様々な形態の市民農園や観光農園が開設されており、イチゴやサツマイモの収穫体験などが行われております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 収穫などの農業体験だけではなく、作物がどのように成長するのか、また、成長する過程で生産者がどのような苦労をして育てているのか、生産者と触れ合い、農業への理解を深めることが重要であると考えます。
生産者と触れ合い、農業への理解を深める取組についてお伺いします。
○議長(伊藤嘉人) 藤本農林水産局長。
○農林水産局長(藤本広一) 福岡市では、市内農産物に対する理解促進を図ることを目的に収穫体験や料理教室、生産者との交流などを行う食と農の体験教室を実施しております。市内小学校においては、生産者の指導の下で児童が土づくりから収穫までを行う学童菜園事業や田植などの農業体験を実施している学校もございます。また、民間が設置する一部の市民農園においては、生産者の指導の下での農作業体験や交流イベントなどが実施されております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 単に収穫体験だけではなく、それを作った生産者の思いを知ることは、収穫の喜びや食べ物のありがたみ、四季や自然の貴さが感じられ、生産者と市民の双方にとってメリットがあります。農村で農業が継続して行われることにより、私たちの生活にはいろいろな恵みがもたらされております。答弁にありましたような農業への理解を深める様々な取組は有意義なものであります。
過日の市議会においても、障がいがある方たちにも大変有効だとされる農福連携について質疑もございましたが、農福連携も含め、実際に農業体験された方たちだけではなく、農業体験されていない方たちにも農業の重要性を伝えていくことはとても大切なことではないでしょうか。
農業が持つ多面的機能等の重要性について広く市民に知ってもらうことが必要と考えますが、御所見をお伺いします。
○議長(伊藤嘉人) 藤本農林水産局長。
○農林水産局長(藤本広一) 自然環境の保全や癒やしの場の提供などの多面的機能を含めた農業の重要性について広く市民に知っていただくため、農業体験をはじめ、農と都市との交流促進に係る様々な取組について、ホームページやパンフレット等において情報発信を行っております。さらに、今年度は12月15日号の市政だよりにおいて折り込みによる広報を実施したところです。引き続き農業が持つ多面的機能の周知について取組を進めてまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 今、答弁にございましたけれども、これは最新の12月15日号の市政だよりに折り込んであります福岡市農林水産だより、(資料表示)もう既にうちにも届いておりましたので、持ってまいりました。これは油山牧場から写した写真だと思いますけど、牛が2頭いまして、その後ろにペイペイドームがあって博多湾が近くに見えるという、本当にこの福岡市というのは、改めてコンパクトな都市だなということを感じました。中を開きますと、農林水産推しマップということで、水産業や農林業、どんなことに取り組んでいるのかということが非常にコンパクトにまとめて紹介してありまして、そして、終面にはふくおかさん家のうまかもんに指定された事業者が作った果物や加工品等も紹介されておりまして、これはぜひ多くの市民の方にも御覧になっていただいて、福岡市が緑や農林水産業にどのように取り組んでいるかということをですね、ぜひ理解を広げていただきたいなというふうに思っております。
また、先進事例として、東広島市では農育に取り組んでおります。農育を通して野菜を栽培するだけではなく、農業体験を通して地域の活性化、人の活性化、自然の価値など、学校教育や日常ではなかなかできない体験を提供しているとのことです。
ひろしま農育プロジェクトの概要について御説明ください。
○議長(伊藤嘉人) 藤本農林水産局長。
○農林水産局長(藤本広一) 東広島市において一般社団法人が行っているひろしま農育プロジェクトにつきましては、ホームページによりますと、耕作放棄地を利用して、小学生による田植などの農業体験や大学生による作物の栽培計画から販売までの農業経営体験などが実施されております。また、自らが育てた野菜等を子どもたちに届ける活動や新たな特産品の開発などに取り組んでいるとのことでございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) この取組は行政主体ではなくて、民間などの様々な団体が農業の枠にとらわれない新たな取組を創意工夫しながら行っており、そのことで農業の可能性を飛躍させていくことに期待をしております。
本市は農育などの新しい視点で事業内容を拡充していくべきだと考えますが、今後の取組について御所見をお伺いします。
○議長(伊藤嘉人) 藤本農林水産局長。
○農林水産局長(藤本広一) 農業の持つ様々な機能をより高めていくためには、柔軟性のあるNPOやノウハウを有する民間企業などにおける取組は重要であると考えます。そのため、多様な主体が農育を含めた新しいチャレンジに取り組めるよう支援していきたいと考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 日本の農林水産物、食品の輸出額は、昨年に引き続き今年も1兆円を超える見通しになりました。将来的に国内需要が縮小する可能性が高い一方で、海外市場の拡大が期待されており、農林水産業は成長力を秘め、ポテンシャルが高く、古くて新しい産業とも言えます。日本は今後、さらに輸出拡大に向け力を入れるべきだと取組を強化していきます。しかし、一方で、耕作放棄地や超高齢化の影響による農林水産業従事者の後継者減少などの課題等もあり、今後、それら課題への対策も重要となってまいります。
元来、日本における農業などのいわゆる第1次産業は、日本人の食を支えるのみならず、土を耕し、種をまき、雨の日も風の日も休むことなく大切に作物を育む作業は、命を育むという人間の最も根幹をなす営みにも通じるものであり、世界に目を向ければ、今ほど命の貴さを痛切に感じるときはありません。
日本人の原点とも言うべき農業について、農育による自身の体験を通じて命の大切さと食のありがたさを学び、そして農業の振興にも寄与していくこの農育について、髙島市長の御所見を求めまして、私の質問を終わります。
○議長(伊藤嘉人) 髙島市長。
○市長(髙島宗一郎) 農業体験を通じて、日々の食生活を支える農産物や、また生産現場について関心を高めることや、自然環境の保全などの農業が有する多面的機能について理解を深めることは、ウエルビーイングにもつながるものであり、重要であると認識をしております。福岡市におきましても、次世代を担う子どもや若者などに農業の持つ価値や魅力を伝えていくため、市民農園や収穫体験、生産者との交流の場の提供など生産者との相互理解を深める取組を進めております。今後とも、充実した都市機能と豊かな自然環境が近接したコンパクトな都市の特性を生かし、松野議員御指摘の農育という視点も含め、農とともにある豊かな暮らしができるまちを目指してまいります。以上です。